淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

アメトーーク「輝く55名!!運動神経と出川と狩野あーーータタラタラタはぬーん5時間SP!」

2013年12月31日 | Weblog
 大晦日、本州最北端にある県庁所在地は今日も何故か晴れている。
 穏やかな大晦日だ。

 録り溜めしていた全ての映画やドラマを観終え、電池が無くなった腕時計を店に出し、今年最後の洗濯物をデパート一階のクリーニング屋さんに預け、隣の本屋さんで「進撃の巨人」12巻と「おやすみプンプン」最終13巻と「ロッキングオン」2月号を買い、新しい靴の底に冬用のラバーを装着して貰うために「靴の修理屋」さんに預けていたその靴を受け取った。

 昨日の夜も、ひたすら映画三昧。
 録り溜めしていた映画―映画館で観るのを見逃していた映画―を今年中に全部観終えたくて、食事を獲る以外ほとんどテレビと睨めっこ。

 昨日の夜中は、ポルトガルの文豪カミロ・カステロ・ブランコの小説を、「クリムト」のラウル・ルイス監督が映画化した、「ミステリーズ 運命のリスボン」を観る。
 なんと、上映時間4時間30分!
 長いっ。

 観始めたのが遅かったので、映画が終わったらもう完全に真夜中だった。
 フランスでは1年間に及ぶロングラン上映がなされ、日本での上映時も各映画誌で絶賛されていた。
 観よう、観ようと思いながら、ここまで来てしまった。その「ミステリーズ 運命のリスボン」、やっと観ることが出来ました。

 映画冒頭のエピソードで、修道院で孤独に暮らしている少年が登場する。
 両親も知らず、苗字すらなく、彼の出生の秘密をただ一人知っているらしい神父のもとでひっそりと生活していた。
 そこにある日、母親だと告げる美しい母親が少年の前へと現れる。そしてその母親は、嫁いだ先の侯爵から幽閉され酷い扱いを受けているという・・・。

 ここから映画は、壮大な物語絵巻をみせてゆく。
 少年を主軸に据えながら、そこに関係する多くの人物たちの過去と現在が縦横無尽に語り尽くされる。

 恋愛、復讐、憎悪、裏切り、嫉妬、別離と再会・・・様々な要素をはらみながら何度も行き来する。
 まるで「大菩薩峠」だ。
 あまりにも多くの登場人物が交錯するので、途中でどの人物かよく判らなくなってしまうけれど、とにかく圧倒的な「語り口」で最後の最後まで観る側を飽きさせない。

 ラスト。
 大団円ではあるけれど、「そう来たか!」というような衝撃的な結末が用意されている。
 映画「ミステリーズ 運命のリスボン」、4時間30分、凄い。

 そして大晦日ぐらいは笑って終わりたいと、これも昨夜ダビングしておいたテレビ朝日「アメトーーク」、「輝く55名!!運動神経と出川と狩野あーーータタラタラタはぬーん5時間SP!」を一気に観る。
 これもまた5時間。

 今回は、「ハーフ芸人」、「運動神経悪い芸人VSガリガリ芸人」、「出川と狩野」、それから「アメトーーク大賞2013」という仕立て。

 「雨上がり決死隊」の司会進行が上手いので番組自体がサクサクと進み、随所随所で笑わせてくれる。
 一番良かったのが「ハーフ芸人」。
 やっぱり、ハーフでありながら日本人国籍を取得しているということから起こる様々なギャップが、とにかく面白く、今回一番笑った。

 続く「運動神経悪い芸人VSガリガリ芸人」は、いつものパターンだったけれど、やはり運動神経悪い芸人には抱腹絶倒した。
 素だからこれほど面白いのだろう。

 それから「出川と狩野」。
 この出川と狩野の天然ボケもまた笑える。
 そしてそれを上手に引き出していたのが有吉弘行である。有吉がいなかったら、ここまで2人は光らなかったのではないか。

 「アメトーーク」で5時間笑って、ふと窓から外を眺めた。
 とても綺麗な夕暮れだ。

 これで、今年も終わりだね・・・。








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「あまちゃん祭り」10時間、WOWOW三谷幸喜の「大空港2013」、映画「遺体 明日への十日間」。

2013年12月30日 | Weblog
 12月30日、晴れ。

 マジで晴れている。
 おかしい。12月30日なのに?
 何故か気持ちのいい青空が広がっていて、冬の太陽が、残雪に緩やかな光を注いでいる。

 今日は朝から仕事に出た。
 歩いてオフィスまで向かう。
 こんな冬の晴れた日は、ゆっくりと街でも散歩したいのだけれど、残務整理が色々と残っているので、仕方がないから誰もいないひっそりとした執務室に独り籠る。

 石油ストーブを点け、ドアを閉めてなるべく暖かい空気を逃がさないようにしながら、厚手のコートを着たままで机へと向かった。

 上司から2度の電話が鳴る。
 少しずつ気が滅入ってきた。けれど、仕事である、割り切るしかない。
 感情を押し殺し、出来るだけソフトランディングできるように気配りし、到達点を探り出し、なるべく誰も傷つかないように配慮する。それしかない。
 それが仕事である。

 外を見る。
 青い空に薄い雲が流れてゆく。
 今年の暮れの、澄み切った午後の空。
 ああ、帰りたい・・・。

 お昼も忘れてパソコンに向かっていたら、事務室の掛け時計は既に午後3時を回って、もう夕暮れ近い。
 帰ろうか。
 身支度をして、石油ストーブを消し、事務室の鍵を締めた。
 階段を降りたら、「あれ? ストーブ消したっけ?」。
 もう一度4階まで階段を登り、鍵を開けて再度確かめた。締めてましたね、ちゃんと。

 歩いて家へと帰り、朝からダビングしていたNHKテレビ「暦の上ではディセンバー これで見おさめ!じぇじぇじぇ!“あまちゃん祭り”」を観る。

 やはり、朝の連続ドラマだった「あまちゃん」は傑作である。
 改めて始めから観直してみて思うのは、宮藤官九郎の脚本の素晴らしさ。
 それと小泉今日子と能年玲奈。そして、ほかの共演者たちの凄みと演技力。

 今回の10時間に及ぶダイジェスト版、ドラマ自体が終わった後のオマケがまた良かった。
 連続テレビ小説枠が終了した直後にオンエアされている「あさイチ」(月~金 午前8:15からの番組)の司会者、「V6」の井ノ原快彦と有働由美子アナウンサーが、「あまちゃん」についてコメントするというコーナーが、今回新たに組み込まれていた。

 「あまちゃん」がオンエアしていた時間時はちょうど出勤する時刻だったので、一応定時ダビングしていたものの、「あさイチ」については冒頭シーンしか観た事がなかった(「あさイチ」の冒頭で番組自体が切れちゃうのだ)。
 聞くところによると、「あさイチ」の番組冒頭、「あまちゃん」を観ての感想トーク、いわゆる「あま受け」というコーナーが設けられていたらしい。
 今回、ダイジェスト版オンエアに合わせて、井ノ原と有働アナの「あま受け」コーナーもまた新たに付け加えられたのだ。
 それにしても有働由美子って、ひょうきんだなあ。

 それにしても年末は企画もののドラマがたくさんオンエアされるので、目移りしてしまって仕方ない。
 WOWOW「ドラマW 三谷幸喜『大空港2013』」もそうで、これもまた一気に観てしまった。

 この「ドラマW 三谷幸喜『大空港2013』」という100分ドラマ、なんと、すべて1シーン・1カットで撮っている。
 1シーンで1カットということは、つまり、重い撮影カメラを担いで、全部で100分以上一度も撮影カメラを止めずに、しかも一度のミステイクをすることなく、次々と現れる俳優たちを撮り続け、セリフと動作まで全部頭の中に叩き込むという、失敗など絶対に許せないことを意味する。

 ただ、実際のドラマを観ていると、どうしても1シーン・1カットのことに気がいってしまって、ちゃんとドラマ自体を楽しめなかった。
 主役の竹内結子、それと生瀬勝久、戸田恵梨香、オダギリジョー、香川照之、みんな上手かったし、それなりに笑わせてくれて面白い事は面白かったんですけど・・・。

 そして、あともう一本観た映画は、「遺体 明日への十日間」。
 あの3.11、東日本大震災直後に設置された遺体安置所における真実を追ったドラマである。
 主演の西田敏行が素晴らしかった。
 監督は君塚良一。

 次々運ばれてくる無残な遺体。被災者でもある釜石市の職員や地元の医師やボランティアたちが、遺体と家族との引き合わせ、それから過酷な状況下での搬送などの作業にあたる、その真剣な姿が克明に描かれてゆく。

 何度も泣いてしまった。
 「遺体 明日への十日間」、これもまた観るべき映画だと思う。









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AKB48「恋するフォーチュン・クッキー」青森県(冬)Ver、素晴らしき哉人生、脳男。

2013年12月29日 | Weblog
 「ユーチューブ」で、たった数秒ほどだけ出ている「AKB48『恋するフォーチュン・クッキー』青森県(冬)Ver」を、隠れるようにそーっと観る。

 へえーっ。
 「AKB48『恋するフォーチュン・クッキー』青森県(冬)Ver」、もう18000回もアクセスされてるんだぁ。
 ふーん。
 遅きに失した感は免れないけどね。だからあれほど早くやったらって言ったのに・・・。
 
 でも、こっちは、ほんと数秒間映っているだけ。あっという間です。
 「ねぶた」の衣装を着て踊っているので、ほかの県内の皆さま方のヴァージョンよりは少しだけ目を引いているようにも思えますが。どうなんでしょ。

 しかし、それにしても、やっぱりこのAKB48の「恋するフォーチュン・クッキー」は名曲だと改めて思う。

 「ミュージック・マガジン」1月号は、恒例となる「ベスト・アルバム2013」の発表が特集記事で組まれていたけれど、アメリカのロック部門第1位が「ヴァンパイア・ウイークエンド」の「モダン・ヴァンパイア・オブ・ザ・シティ」(個人的にはそれほど素晴らしいアルバムには思えないのだが・・・)、イギリスのロック部門の第1位が「デビッド・ボウイ」の「ザ・ネクスト・ディ」(確かにこのアルバムは良かったと思う)という中にあって、日本の歌謡曲/Jポップ部門で、「恋するフォーチュン・クッキー」が堂々エントリー。

 音楽評論家・ライター・ミュージシャンらが選ぶ「2013年のベスト・アルバム10枚」にも、この曲を入れていた人も何人かいた。
 それと、何よりも嬉しかったのが、コラム「安田謙一のこれがヒットか!?」で、今年のナンバーワン・ソングに「恋するフォーチュン・クッキー」を挙げて大絶賛していたことだ。

 「AKB48『恋するフォーチュン・クッキー』青森県(冬)Ver」にちらっと出ているからと依怙贔屓(えこひいき)しているわけじゃなくて、前にも書いたけれど、この曲は、1970年代フィラデルフィア・ソウルに対する限りないオマージュである。

 メロディ、リズム、振付、アレンジ、それらのすべてが完璧なまでに美しく調和している。
 日本音楽界のアンセムとなりえる、キャッチーで永遠のシンガロングたりえる名曲であると思う。

 アイドルとは思想である。
 そして、想像力の最も高みに位置する寓話である。
 オデュッセウスにも匹敵する稀有なトリック・スターである。

 ・・・ということで、遂に年末年始の休みに突入。

 この土日2日間で観た映画は、ジョン・キューザック主演で19世紀アメリカの作家エドガー・アラン・ポーを主人公にした猟奇犯罪ミステリー「推理作家ポー 最後の五日間」、1946年のアメリカ映画でフランク・キャプラ監督/ジェームズ・ステュアート主演のモノクロ映画「素晴らしき哉、人生」、キーファー・サザーランド主演の全米TVドラマ「タッチ2」を挟んで、少女誘拐犯を追う刑事を描いたアクション香港映画「ビースト・ストーカー 証人」、生田斗真主演のこれも猟奇捜査ミステリー「脳男」を続けて観る。

 中でも、1946年のアメリカ映画、フランク・キャプラ監督、ジェームズ・ステュアート主演のモノクロ映画「素晴らしき哉、人生」は素晴らしかった。

 実はその昔、テレビでとっくに観ていたものとばかり思っていたのだけれど、未観だった。
 ラストは泣けた。
 月並みで、手垢のついた、ありきたりの言葉だけれど、生きることの素晴らしさ、誠実に、そして純粋に生きることの難しさと素晴らしさの意味が、この映画には込められている。
 とっても暖かくて、心が洗われた。
 1946年の映画だなんて信じられない。

 それから、珍しくも連続2日間スポーツ・ジムに通って汗を流した。
 強靭な肉体までは望まないけれど、贅肉だけは完璧に落としたい。お腹の肉だけでは削ぎ落したい。階段を駆け上ってハアハア言うのだけは御免被りたい。

 いったん提出した論文も、何か所か書き直しを命じられ戻って来た。
 それを何とか今年中に片づけて、10日の締め切り日までには間に合わせて提出したい。

 まだまだ、やることが沢山残ってる・・・。

 






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「There's One in Every Crowd」

2013年12月28日 | Weblog
 12月27日金曜日は「御用納め」。
 今日で一応、今年の仕事が終わる(とは言っても、年末年始も色々と仕事が入っているけれど・・・)。

 なので、夜の6時半からは我がオフィスの忘年会。
 今夜は「もつ鍋」ということで、雪が激しく吹く中を、みんなで歩いて会場まで。
 飲み放題2時間。

 さすが幹事さん。
 今回もかなり凝った趣向で、女性2人の若い幹事さんが、クイズに豪華賞品にと、全員を最後まで飽きさせない演出をしてくれた。
 ありがとう。

 宴会はそのためか大いに盛り上がり、近くの「カラオケ」屋さんに駆け込んで続く2次会が繰り広げられた。
 女性軍はコスプレ衣装に着替えてAKB48を大熱唱し、こっちも負けずと歌いまくり、あっという間の2時間が過ぎてゆく。

 ああ、楽しかった!
 ストレスもかなり解消されました。
 本当にありがとね。

 帰りは同僚と2人、タクシーに相乗りして帰宅する。
 それにしても激しい雪が舞っている。こういう光景を見るたびに気分は少し滅入ってくるけれど・・・。
 
 続く12月28日土曜日。
 ゆっくり起きて、朝刊を斜め読みしながらお餅を食べる。
 とにかく餅に目がない。大好きなのだ。一日三食食べても大丈夫。

 吹雪の中、スポーツジムへ。
 今日は11時半からの「ボディ・コンバット」。
 最後の数分を早めに切り上げて、ジムのお風呂へと駆け込んだ。
 1時から、近くの珈琲ショップで友人と待ち合わせをしているからだ。

 汗がまだ完全に引かないけれど、仕方がない。
 急いでジムを出て、近くの珈琲ショップへ。

 外は猛吹雪。
 嫌んなる。
 駐車場に停めてある車はどれもこれも真っ白に雪化粧している。気温もかなり低い。

 友人と珈琲を飲みながら、暫し雑談に耽る。
 映画の話、友人が癌で倒れた話、コンピュータの話、政治の話、死についての話、そんなとり止めのない話が、あっちにいったりこっちにいったりしながら進んでゆく。

 持つべきは友である。
 何でも話せる、そして批判さえも厭わない、そういう友人がいない人間は不幸である。
 うわべだけの薄っぺらな知り合いだって数多くいるけれど、自己犠牲の精神に立てるか立てないかがその分岐点かもしれない。
 もちろん、どこまで他人のために一肌脱げるかは、とても曖昧で微妙な問題ではあるけれど・・・。

 店を出て、互いに車を停めてある場所まで一緒に歩く。
 「友人が重い病に倒れたことなんかを耳にしたりすると、やっぱり落ち込むよなあ」
 「だよな。俺らもいつかは死ぬんだ、この世から必ずいなくなる日が来るんだと思うと、一日一日、ちゃんと生きなきゃってマジで思うよな」
 「歳、取ったんだなあ。そういう事を考えるってことは」
 「悔いのないように生きないとなあ。後悔しない、そういう人生を送らないと・・・」

 友人と、途中で右と左に別れた。
 まだ吹雪は止まない。街が完全に冷え切っている。

 車のエンジンを入れ、厳寒の師走の街へと飛び出した。
 AKB48の「恋するフォーチュン・クッキー」をフル・ヴォリュームで流す。

 なぜか、少し涙が零れた。







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映画「ゼロ・グラビティ」。確かにアルフォンソ・キュアロン監督の演出は凄いけど・・・。

2013年12月27日 | Weblog
 お正月映画は、「永遠の0」がいいらしい。

 最初は完全にノーマークだった。
 予告編も何度か映画館で観たけれど、それほど食指は動かなかった。月並みなお涙頂戴映画に見えたし、戦争映画というのも少し引いていた原因である。

 ところが、各誌大絶賛。
 百田尚樹の同名ベストセラー小説を、ジャニーズ「V6」の岡田准一が主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴が監督している。
 興行成績も「永遠の0」がトップということなので、なるべく時間を見つけて観に行くことにしようと思っている。

 それにしても今年のお正月映画、大本命と言えるような断トツぶっちぎりの映画がない。
 日本映画では「永遠の0」、そして洋画だったら「ゼロ・グラビティ」といったところだろうか。
 こっそり観に行きたいと思っているのが、アニメ「ルパン三世VS名探偵コナン」だけど・・・。

 洋画の本命は何と言っても「ゼロ・グラビティ」だろう。
 アカデミー賞でもエントリーが確実視されていて、色んな映画雑誌でもその評価は高い。
 なので、とにかく早く観に行きたくて、居ても立ってもいられなかった。
 すんごく期待した。

 そして遂に観ました、映画「ゼロ・グラビティ」。

 監督デビュー作「天国の口、終りの楽園」(面白かった)、それから「トゥモロー・ワールド」や「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を撮った、あのアルフォンソ・キュアロン監督が、果てしない宇宙空間に突然投げ出されてしまった宇宙飛行士の極限状況を描く。

 まず最新VFXが凄い。
 冒頭、地球を見降ろす宇宙空間で作業をするサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの2人を、舐め回すようにノーカットの長回しで撮るのだが、これがまず素晴らしい。

 美しい地球と、無機質な宇宙船と、その周りを動き回る2人が絡んで、とても艶めかしいのだ(こういう表現も何ですが、画面に色気が蔓延しているのである)。

 その作業中、いきなりアメリカ・ヒューストンの管制から緊急避難のアナウンスが入って来る。
 ロシアが、自国の衛星を破壊した結果、その宇宙ゴミが飛び散って他の衛星も連鎖して破壊され、その膨大な量の宇宙ゴミが凄まじいスピードで接近しているらしく、船内に直ぐに避難するようにとの緊急指示だった。

 スペースシャトルに乗り込んでいた女性エンジニアのストーン博士(サンドラ・ブロック)と、宇宙飛行士のマット(ジョージ・クルーニー)は、緊急避難命令直後に襲って来た宇宙ゴミの衝突で宇宙空間へと放り出され、船内に居た数人の同僚スタッフたちもまた、衝突によって破壊されたスペースシャトルの中で全員死んでしまう。

 酸素が残り少なく、地球との交信手段もまったく断たれてしまい、たった1本のロープでつながっているだけの2人は、宇宙空間の中に取り残され、絶体絶命の状況へと追い込まれる・・・。

 映画に出て来るのは、たった2人だけ。
 サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーである。
 上映時間は約90分間。
 この凝縮された時間の中で、2人の脱出劇が緊張感の中で繰り広げられてゆく。

 脚本は、アルフォンソ・キュアロン監督と、監督の息子であるホナス・キュアロンの共同執筆だとか。
 ある限られた状況下でのサバイバル物語を、よくここまで広げて濃淡をつけ、緊張感溢れる映画にしたものだと思う。さすがである。

 画面は美しいし、最新VFXは凄いし、サンドラ・ブロックの迫真の演技も素晴らしい。
 ただ、観る前の期待が余りにも膨れ上がっていて、最初から最後まで圧倒的な緊張感を強いられることを予め覚悟していたのだけれど、実際の作品に触れたら、それほどでもなかったというのが正直な感想だ。

 もしも、まったく予備知識なく、映画「ゼロ・グラビティ」に接していたら、もっと別な感想を抱いたとは思う。

 うーむ。映画は難しい。
 もちろん、面白い映画ではあったけど・・・。







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フランス映画「タイピスト」を「シネマ・ディクト」で観る。凡庸だけど確かにあったかいと思う。

2013年12月26日 | Weblog
 今日は12月26日木曜日。
 あと今日を入れて6日で、2013年も終わってしまう。

 朝起きて空を見たら(どういうわけか起きてすぐにその日の天気を確認しないと気が済まないんだよね)、太陽が輝き青空が広がっていた。
 うーん。
 この朝の眩しい光、たまりません。曇った日や雪降る日とは全然気分が違う。

 外に出たら、冬の陽光に残雪が溶けていた。
 あくまでも今の時点での感想だけど、降っては溶け、降っては溶けるので、今年は効率がいい。

 歩きながら空を見上げたら、薄い雲が申し訳ない程度に流れていて、まさに冬の清々しい晴れ間が広がっている。
 風が冷たいけれど、とても気持ちがいいのだ。
 空気がひんやりと澄んでいて、大気を思い切り吸い込むと、身体の奥まで冷たい感覚が染み込んでゆく。

 フランス映画の「タイピスト」も、そんな感じがする。
 よくあるスポ根+ラブ・コメ映画ではあるけれど、ひねくれたところが一つもなく、とにかくピュアでストレート。
 凡庸ではあるけれど、こういう映画もまた捨てたもんじゃない。

 映画「タイピスト」の舞台は1950年代フランス。
 まずタイトルバックが洒落ている。
 イラストが50年代っぽくて、これだけで映画の雰囲気がよく分かる。

 退屈な田舎町で暮らす事に飽き飽きしていたローズは、ある日、故郷を捨てて街へと出る。厳格な父親からは田舎の名士の息子との結婚を勧められていて、その強要もローズは嫌だった。

 父親は小さな雑貨屋を営んでいて、そこに飾ってあった一台のタイプライターを夜中にこっそりと叩いていたローズは、あこがれの秘書になるために保険会社に面接を受けに行くのだが、そこの若い経営者からタイプライターの速さを認められて就職を果たす。
 ところが出社してすぐにクビを宣告されてしまう。

 若いイケメン経営者のルイは、クビを免れる条件として、彼女の唯一の特技であるタイプライター早打ち大会へ出場し、そこでトップに立つ事を提案する。
 実はローズ、右手と左手の人差指だけでタイプを早打ちしているのだが、指全部を使うことで更にタイプのスピードが増すからと、ルイは、昔の恋人だった友人に頼んでピアノレッスンまで施すことに。

 猛特訓の末、フランス大会で地元のライバルたちを蹴落とし初優勝に輝いたローズだったが、少しずつ若いイケメン経営者のルイを意識し始め、2人はやがて愛し合う。
 ところがルイは、マスコミから大注目を浴び始めたローズの今後のためを思い、真意ではない酷い言葉を浴びせ、彼女の元から姿を消してしまうのだ。

 失意の中、いよいよニューヨークでの世界タイピスト大会が開かれる・・・。

 主役のローズ役は「ある子供」のデボラ・フランソワ。
 「ある子供」とは全然イメージが違っている(当たり前か)。
 ただ、あんまり魅力的には映らない。もっと華やかでキュートな女優だったらもっと映えたのにとは思う。
 そしてそれは、相手役の若いイケメン経営者ルイ、ロマン・デュリスにも言える。

 来日インタビュー記事を読んでたら、新人監督であるレジス・ロワンサル、50年代の名作映画にオマージュを捧げる意味で、小津安二郎の名作「お早う」やヒッチコックの「鳥」から拝借したシーンが多々あったのだとか(まったく気付かなかった・・・)。

 50年代のノスタルジックな雰囲気はよく映画に出ていたし、ラストのニューヨークでの早打ち世界大会も中々よかったように思う。

 それに、なによりもケレン味のない純朴な演出、とても好感がもてた(そういう意味で、二人が結ばれる濃厚ベッドシーンは、あえていらなかったのに・・・)。
 まるで、混じりっ気なしの、冬の澄み切った青い空という感じがしないでもない。
 すんごく真っ当な映画で、ストーリー展開も先の先まで読めちゃうんですけどね。ごくごく当たり前のラブ・コメ映画ではあるけれど、この正直で真面目な演出は悪くない。

 フランス映画「タイピスト」、素直過ぎるとの批判はあるかもね・・・。







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エリック・クラプトンの「Give Me Strength: The '74/'75 Recordings」を聴く。

2013年12月25日 | Weblog
 年末にかけて日本列島を大寒波が襲うらしい。
 とはいうものの、豪雪に見舞われるのはいつも北日本と北海道だろうけど・・・。
 でも、かなり寒くなるんだとか。テレビの天気予報が繰り返していた。

 お天気ニュース繋がりで横道に逸れちゃって申し訳ないけれど、いま、テレビ朝日系「報道ステーション」の三代目お天気キャスター、青山愛がすんごくいい。

 顔自体も美しいけれど、あの少し鼻にかかったようなハスキーな声がとてもいい。
 それと、気が強そうで、芯がありそうなところもいい。負けん気で意志が強そうなところもいいし、その半面、なんとなく優しそうな感じもいい。

 青山愛、いいなあ。
 大学は京都大学経済学部だとか。
 それから、アメリカにもフランスにも留学していて、モンゴルでのボランティア経験もある。
 七歳まではニューヨークで育ったということだ。いいなあ。

 また話が脱線してしまった。いかん。いかん。
 エリック・クラプトンのことを書くんだった。

 そのエリック・クラプトンが、またまた来日する。
 いつもの「武道館」でのコンサートが2月にあるのだ。それにも行きたいけど、もうそんな時間的余裕もなければ、お金もない。

 なので、奮発して買ってしまいました。ボックス・セットを(どういう理屈じゃい!)。
 「Give Me Strength: The '74/'75 Recordings」である。

 それにしても、豪華なボックスやデラックス・ヴァージョンのリリースの勢いが止まらない。
 これだと幾らお金があっても追いつかない。
 1月には、な、なんと、ビートルズの「THE U.S. BOX (初回生産限定盤)(豪華BOX仕様)」がリリースされる。
 このビートルズもCD13枚組、31.500円である。
 やれやれ・・・。

 今回のエリック・クラプトンの「Give Me Strength: The '74/'75 Recordings」は、タイトルにも掲げてあるように、1974年と1975年にリリースされた、「461オーシャン・ブールヴァード」と続く「安息の地を求めて」、それからライヴ・アルバムの「E.C. WAS HERE」の3枚がその基本となっている。

 中身は5枚のCDと1枚のBDという構成だ。
 オリジナルの「461オーシャン・ブールヴァード」、「安息の地を求めて」、「E.C. WAS HERE」に、これまで未収録だった音源が幾つもプラスされたと思って頂ければ分かりやすいだろう。
 それと、ディスク5が、ブルース・マンであるフレディ・キングとのセッションを収めたもの。

 3大ロック・ギタリストと呼ばれている、ジェフ・ベック、ツェッペリンのジミー・ペイジ、クラプトンの中で、日本に最も立ち寄ってコンサートを開き、そして音楽自体も好かれて来たのは何と言ってもクラプトンだろう。
 なんでこうも、エリック・クラプトンって日本人に人気があるのだろう。
すんなりと彼の音楽が耳に溶け込めるからなのか、それとも音楽自体の質が日本人好みなのか・・・。

 個人的にも、1974年から75年に発表された、「461オーシャン・ブールヴァード」、「安息の地を求めて」、「E.C. WAS HERE」に一番親しみを抱いている。
 それは、エリック・クラプトンのアルバムを初めて買ったのが「461オーシャン・ブールヴァード」だったからかもしれない。

 実は本当の事を告白すると、買った当時、あまりピンとこなかった。
 その頃はツェッペリンだとかディープ・パープルだとかを聴き狂っていて、こういう渋くてレイド・バックした音楽って、よく解らなかったのである。

 今の「シネマ・ディクト」の数件東隣にあったレコード屋さんで、この「「461オーシャン・ブールヴァード」を見つけた。
 どういうわけか、こういうどうでもいいことだけは今でも鮮明に記憶の中に留まっている。本当に不思議である。

 何度聴いても、エリック・クラプトンはいい。
 青山愛もいいけれど、クラプトンはもっといい。

 どっちを選ぶかと即座に問われたら・・・そりゃあ勿論、あお、いやいや、クラプトンでしょ!








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「今夜は素敵な聖なるイブ。恋人たちは愛し合い、友人同士は集い、一家団欒は温かく繰り広げられる」

2013年12月24日 | Weblog



                  ふーん。
           
                  で?







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「Le vent se lève, il faut tenter de vivre」

2013年12月23日 | Weblog
 忙しくて読めずに溜まっていた「朝日新聞」を日付順に読んでいたら、「天声人語」に小津安二郎の事が書いてあった。

 小津安二郎。
 世界に誇るべき日本を代表する映画監督である。
 よく、これまで世界中で上映されてきた数多の映画の中で、何が一番素晴らしい作品かを決める、「映画ベストテン」なる企画が雑誌などで行われる。

 そんな世界映画ベストテンにエントリーされる常連作品といえば、デビッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」とか、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」とか、オーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」とか、マルセル・カルネ監督の「天井桟敷の人々」とかになるわけだけれど、そこに必ず入る日本映画がある。

 小津安二郎監督作品、「東京物語」である。

 この、小津安二郎監督の名作「東京物語」は、前段で列挙した最高傑作映画の中でナンバーワンに選出されることもある。
 それほど素晴らしい映画なのだ、「東京物語」という映画は。

 朝日の「天声人語」は、12月12日が命日―生誕110年、没後50年―ということで記事にしたらしいが、記事を読んでいたらまた無性に「東京物語」が観たくなってしまった。

 小津の映画には、波乱万丈な人生だとか、何らかの大事件とか、そういう類いのことは一切起こらない。
 ユーモアがあり、落ち着きがあり、削ぎ落した簡潔極まりない科白の遣り取りがあり、静謐な時間の中で流れる温かな空気がある。

 ほとんどの小津作品では、平凡な家族とか、何処にでもいるような夫婦とか、何気ない日常が描かれる。
 でもそこに、退屈だとか、平坦だとか、マンネリズムだとか、凡庸などは一切ない。

 小津の後期作品に、「秋刀魚の味」という素晴らしい映画がある。
 1962年の作品で、これもまた小津作品の常連、笠智衆が、妻に先立たれながら、可愛い娘の岩下志麻とひっそり静かに暮らす初老の男性を好演している。

 物語は、特にこれといった大きな山場があるわけでもないし、親子の葛藤が描かれているわけでもない。
 淡々と、それでも凄まじいまでの緊張感を持って進んでゆくのだけれど、静かに淡々と進むことと最後まで続いてゆく緊張感に、何ら矛盾がない。
 張り詰めた画面からもストレスは感じられないし、ワンカット・ワンカットに意味があるから、途轍もなく深い。

 妻に先立たれた笠智衆は、娘の岩下志麻(これがまた美しい。そして可愛い。あの、熟女になってからの「極道の妻たち」の岩下志摩のイメージなど、ここでは皆無である)が気掛かりで仕方ない。かといって、愛しさから、結婚させて嫁がせることにも消極的だ。

 分家している兄夫婦の後輩である佐田啓ニ(中井貴一の実のお父さんね)が、ちょくちょく笠智衆の家を訪ねて来る。
 どうやら、娘の岩下志摩は佐田啓二のことが好きなようだ。でも言い出せずにいる。ところが佐田啓二には別な婚約者がいた・・・。

 映画では、この先、何も起こらない。
 岩下志摩は知人の紹介で見合いをして遠くに嫁ぎ、笠智衆がほのかに憧れていた小料理屋の女将とは何の発展も見せずに終わり、佐田啓二と岩下志摩に愛の告白とか恋愛感情に到る一切の行動は生じない。
 ただ一切は、静かに、ゆっくり、そして美しい景色と四季の流れの中で終わってゆく・・・。

 ラストがいい。
 月日が流れ、朝の通勤電車待ちのプラット・ホームで佐田啓ニと笠智衆がばったりと遭遇する(ここから先の会話は、映画のシーンを、観た時の曖昧な記憶の中で辿っているだけなので、正確な台詞じゃないことだけはご了解ください。映画の雰囲気を知ってもらえればそれでいいと思うので。あとは実際に映画を観てご確認下さいませ。間違ってたら御免なさい)。

 「やあ、お元気でしたか」(笠智衆)
 「はあ。ご無沙汰しておりました。ところで、お嬢さん(岩下志摩)はお元気ですか」(佐田啓ニ)
 「それが・・・娘は遠くに嫁いで行きました・・・」(笠智衆)
 「そうですか・・・それはまた、お淋しいですね」(佐田啓ニ)


 というような科白が淡々と交わされ、佐田啓二が、岩下志摩の事を内心ではずっと好いていたことを仄めかす。

 そして二人は「ではまた」というような、とおり一遍の挨拶を交わし、互いに笑顔で右と左に別れてゆく。
 もう、佐田啓二と岩下志摩は一生会う事はないだろう。
 何処にでもあるような、誰にでもあるような、そんな平凡な出会いと別れ。

 最後の最後、すべてが収まる場所に収まったあと、それまで見えてきたものとは異なる、内面で蠢いていた心の葛藤や、淋しさや、苦しさや、切なさや、息苦しさが、ひょこっと現れる。

 でもそれさえ、小津は観客の前に露呈させたりはしない。
 あくまでも静かに、あくまでも優しく、映画の中の冬の緩やかな陽光のように、限りなく美しい眼差しで人間たちだけを捉えてゆく。

 小津は一生涯独身を通した。
 一度も結婚しなかった。

 彼のお墓は鎌倉の「円覚寺」にある。
 墓の表面には、たった一文字だけが深く刻まれているという。

 「無」。
 このたった一つの「無」の文字が、小津安二郎のすべてを表しているように思える。

 一度、機会があったら「円覚寺」に行ってみたい。
 
 






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「五所川原エルムの街、スポーツ・ジムでボディ・コンバット、そして夜は独りアコギを爪弾く」

2013年12月22日 | Weblog
 所用があって五所川原にある「エルムの街」まで車を飛ばした。
 朝の9時には青森市内を脱出。
 久しぶりに見る青空だ。

 郊外の「吉野家」に入ってまずは朝食。新メニュー「牛すき鍋膳」なるものを食す。
 とにかくスキ焼が大好きなので、こういうメニューには目がない。即、完食。

 雪道のバイパスを走って浪岡から「津軽自動車道」へと入る。
 岩木山がくっきりと見える。
 山頂は純白に輝いていて、空の青さに浮き出ている。

 美しい。絶景である。

 五所川原に入って、十数分で「エルム」に到着した。
 店内はまだ午前中だというのに買い物客で大混雑している。
 所用を済ませ、帰りに「スタバ」の隣にある「浪芳庵(なみよしあん)」でお団子をテイクアウト。
 ここの団子屋さんは超有名なのだとか。
 その場で焼いてくれるのがまた嬉しい。

 「エルム」に滞在したのは数十分だけ。
 隣の「ヤマダ電機」で、音楽用のCD-Rと車のオーディオ機器に挿入するSDカードを買って、すぐまた青森市へと引き返した。

 お昼は市内に入って、お蕎麦屋さん。
 「板蕎麦」を食す。

 市内での所用を足して、そのまま4時半から「ボディ・コンバット」のエクササイズを受ける。
 時間があったので、ジムの自転車を10キロ漕ぎ、そこからスタジオへ。

 「ボディ・コンバット」60分間、中々ハードだったけれど、気持ちのいい汗を掻いた。
 汗が滴り落ちて、身体が限界まで来る、その瞬間が堪らない。
 終わって、ジムの風呂に浸かり、着替えてからロビーに出る。
 スポーツドリンクを奢ってもらい、疲れた身体をゆっくりとほぐして、クールダウン。
 この充実感がまたいいんだよなあ。

 外に出たら、激しい雪が降っていた。
 いつもクリスマスの頃は大雪になる。今冬もそうなのだろうか。

 「ケツメイシ」のベスト・アルバムを流しながら、吹雪の中、家まで車を飛ばした。
 全然お腹が減らないので、夕食はパス。
 あと3キロは体重を落としたい。

 テレビを点けたけれど、どこのテレビ局も特番でまったく観る気がしない。
 それにしても、昨晩のフジTV夜11時10分からの「ハニー・トラップ」最終回は酷かった。
 脚本が完全に破綻していた。
 都合のいい解釈に終始している、というかいい加減なのだ。

 別に娯楽番組だから、細かいディテールまで突っ込みたいとは思わないけれど、それにしても「おい、おい。それはないでしょ」というような箇所が満載で、いくらなんでも酷過ぎる。
 物語の辻褄は合わないわ、刑事はそこで犯罪が行われているというのに逮捕に向かわないわ、都合のいい偶然だけは頻繁に起こるわ・・・観ていて何度も失笑してしまった。

 面白いテレビもやってないので、また部屋に籠って、独り寛ぐ。
 同僚のI君からアコギを貰ったので、遊び半分、弾いてみた。
 バンドでも作ろうよなんて、冗談で言い合っていたけれど、やっぱ音楽って、聴くのもいいけど、やるのもいい。

 残り少ない人生だ。
 悔いだけは残したくない。
 やりたいことをやり、好きな事だけに没頭したい。でも、それが中々出来ないんですが・・・。

 あと数日で論文を完成させ、それを今年中に提出したら、あとはもう何もない。
 2年間の拘束からやっと解放されるのだ(長かった~、2年間)。それにしても、この歳での学問選択はさすがにキツかったけど。

 最近は本を読みたくてウズウズしているので、年末年始は片っ端から乱読しまくろうと思う。
 ああ。これでやっと、未完の小説に取り掛かる事が出来る。

 ちょっと、遅きに失した感がありますが・・・。








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「乃東生(なつかれくさしょうず)」

2013年12月21日 | Weblog
 朝起きて外を眺めたら、どんより曇った冬空が空一面に広がっていた。
 土曜日だけど午後から仕事が入っているので、午前中だけはのんびり出来そう。

 パジャマ姿のまま、録画していたNHK大河ドラマ「八重の桜」最終回を観る。
 やはり、「八重の桜」はドラマ前半の「戊辰戦争」辺りまでが面白かった。会津に肩入れしちゃうので感情移入が激しくて、まあそれがまたこのドラマに没頭出来た要因でもあるのだが・・・。

 明日は冬至。
 一年中で最も昼が短く夜が長い日だ。
 夏の夏至(6月21日頃)と比較すると、日照時間は5時間も違う。
 それにしても太陽の光が恋しい。
 やっぱり、いつかは暖かい街で暮らしたい。切にそう思う。

 二十四節気は半月ごとの季節の変化を示しているけれど、これをさらに五日ずつに分けて天候や自然の流れを表す言葉が存在する。
 七十二候である。
 明日辺りからが、乃東生(なつかれくさしょうず)だ。
 
 ここからは完全に本からの受け売りだけど、乃東とは、「夏枯草(かこそう))のことなのだとか。夏枯草が芽を出すということから、乃東生(なつかれくさしょうず)という。

 夏枯草はおもに漢方薬に使われ、冬至の頃に芽を出して夏至の頃に枯れることから、この名前が付けられた。
 この生薬には利尿、消炎作用があって、はれもの、浮腫、腎臓炎、膀胱炎などの治療に用いられるらしい。

 乃東生は冬至と重なる。

 冬至は、「死に一番近い日」とも言われている。
 死に最も近い日、それが今なのだ。
 その厄(やく)を払うために身体を温める慣わしとして、「とうじ」にかけて「湯治」として生まれたのが柚子湯。野菜の少ない季節の食べ物として、冬至粥(小豆粥)や南瓜(かぼちゃ)を食べる習慣が生まれたのだという。

 日本の冬は、かように、静謐で美しい。
 そして何よりも品格がある。季節そのものが立っている。限りなく、優美である。

 そんな、凛とした師走の街を独り歩く。
 品格や優美さとも一切無縁に、単なる、仕事先に向かうためにとぼとぼと歩いているんですが・・・。

 ひんやりとしているけれど、雪は降ってない。
 とても静かな土曜の午後の街だ。

 場所は「アピオ青森」というところ。家から歩いて十数分。
 途中「サークルKサンクス」に立ち寄って、「ローリング・ストーンズ」東京ドームチケット代を、発券機で打ち出し、それをカウンターに持って行って振り込んだ。
 これで行けるんだ、ストーンズ「東京ドーム」。

 午後1時前「アピオ青森」に到着した。
 今日プレゼンしたその先生は、「フィールドリサーチ特論」を受講した先生。質疑応答を加えて、約2時間。各局のテレビカメラも回っていた。

 それが終わって急いで帰宅。
 車庫から車を出して、山下達郎の「シーズンズ・グリーティングス」のリイシユー盤を聴きながら、郊外部にある某ショッピング・モール内の珈琲店へ。
 付近は相変わらず混んでいる。
 久しぶりに会う友人と、珈琲を飲みながら約1時間おしゃべりをする。

 雑用を片付け、帰って夕食を摂り、録り溜めしている映画を片っ端から片付けることに。
 まずは、クリント・イーストウッド主演「人生の特等席」。
 こういうハリウッド映画の佳作を観て思うのは、脚本の練り具合だ。やはり巧い。最後の落とし所もきちんと捉えている。

 「人生の特等席」一本観終えて、時計を見たらちょうど夜の7時。
 よしっ。今日も時間を効率よく使ったな。
えへん!

 さあ。論文、もう少しで完成まで漕ぎ着けそうだ。
 頑張るぞ。








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ジミ・ヘンドリックスの「Miami Pop Festival」を聴きながら、ひとり部屋でほくそ笑んでいる。

2013年12月20日 | Weblog
 木曜日の夜、いつものように疲れた躯体を引き摺って、寒い夜道を歩き、お腹を空かしながら家路を急ぐ。

 それにしても、路面がツルツル滑って結構怖い。
 もう今冬、一回滑っちゃったし・・・たいしたことなかったけど。

 家に帰って、直ぐにお腹いっぱい夕食を摂り、また独り、部屋へと籠った。
 しっかし、最近は完全に毎晩「引き籠もり」状態だなあ。マジで。

 広い机の上にパソコンを置いて、その周りを囲むようにして未読の数十冊の本がうず高く積んである。
 横にはCD棚。
 洋楽をそこに全部入れ、邦楽は部屋に入り切れないので居間のCD棚に積んである(溢れ返って、既に限界に近いけど)。
 ベッドの横には大きな本棚。それももう限界で、入り切れない本は全部、それも居間へと押し込んでしまった。
 まあ、そんな詳細な部屋の説明なんてこの際どうでもいい。

 パソコンを点けて何気なく携帯を見たら、ソウルメイトの一人から、ラインに「今日、ストーンズのチケット抽選発表の日でしょ? 当たった?」との書き込み。
 そうだ!
 今夜、「ザ・ローリング・ストーンズ」ぴあ特別独占先行チケットの抽選があるんだった。

 また今年の夏の悲劇―ポール・マッカートニーのチケットが当選していたのに、凡ミスを仕出かして泣く泣く申し込みが出来なかった―悲劇を繰り返すわけにはいかないもん。
 なので、ドキドキしながらアクセスしてみた。

 な、なんと、当選してるじゃないか!
 やったね、東京ドーム。
 ただ、行けるかどうかは仕事の日程次第ですが・・・。

 そして金曜日。
 朝、仕事場に着き、早速、同僚のI君に自慢しようと、お早うの挨拶を済ますやいなや、「俺、ストーンズ当たったもんねー、凄いでしょう?」と上目目線で報告すると、「はあ・・・僕も当選しましたけど」との冷たい返答。

 「えっ?」
 当選したの・・・。
 「なんか、みんな結構当たってますよ」
 「・・・」
 
 でも、まあいっか。
 みんな行けるなら、それはそれで嬉しい事だ。

 仕事を終えてもウキウキ気分。
 本当は、今夜は某忘年会があったのだけれど、佳境に突入した某論文提出まであと数日というところまで迫っているので、それを仕上げて提出するまではどうも心が落ち着かず、家に帰って今夜も独り、部屋へと引き籠もる。

 BGMは、ジミ・ヘンドリックスのニュー・リリース、「Miami Pop Festival」。
 それにしてもジミ・ヘン、次々と未発表曲を出すよなあ。
 いったい、どれだけあんねん、音源!

 今回、新たにリリースされたアルバムは、1968年5月28日、マイアミ北部のガルフストリーム・パークで行われた「マイアミ・ポップ・フェスティヴァル」でのライヴである。
 ジミ・ヘンによる「エクスペリエンス」名義で、サード・アルバム「エレクトリック・レディランド」制作中に行われたパフォーマンス。

 なので、曲も完全にベスト・アルバム的な名曲が揃っている。
 「Hey Joe」、「Foxey Lady」、「Purple Haze」もここで演奏している。
 
 ジャケット自体も中々いいし、こういう60年代の匂いがプンプンするロック・アルバムを聴いていると、自然とニンマリしてしまう自分がいる。
 っていうか、それって、「ザ・ローリング・ストーンズ」ぴあ特別独占先行チケットが当たったせいかもね。

 運が向いて来たんだろうか。こうなったら宝くじも買おうかな。当たるかも。
 1等・前後賞合わせて7億円!

 えっ?
 今日で発売、終わりなの?

 ・・・。
 








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「THE KILLING/キリングシーズン3」はやっぱり面白い。お勧め海外ドラマです。

2013年12月19日 | Weblog
 毎日毎晩、ドラマ漬けである。

 ほかにもいっぱいやることが溜まっているので、結構きつい。
 じゃあ、観なけりゃいいのにと一蹴されそうだけれど、そこがまたテレビ狂の哀しいサガで、テレビ・ドラマで面白そうな番組が入ると、観ずにいられない性分なので困ってしまう。

 だいたい、一日に1から2ぐらいは観たい番組がある。
 それを次々に録画して一週間分まとめて観たり、あるいは数日分溜まったら観たり、リアルタイムで観続けたり・・・。
 となると、忙しい日々が続いたり飲み会が連続で続くと、その録画ストックが雪だるま式に溜まってゆく。

 これって、かなりのストレスだ。
 苛々してくる。
 じゃあ、そこまでして観ることないのにと、また最初の議論に戻ってしまう。困ったものです。

 でも、録画して溜めてみることさえもどかしく、なるべくオンエアの日に観ようとしているドラマも中にはあったりする。
 つまりそれは、そのドラマが即観たいということなので、結果、そういう類いのドラマほど面白いドラマということになる。

 最近では、ずばり「THE KILLING/キリングシーズン3」だろう。
 この海外ドラマは一押しだ。
 「スーパードラマTV」で毎週火曜日夜10時から日本語吹き替え版がオンエアされていて、別の日にもリピート放映されている。

 「THE KILLING/キリングシーズン3」は、デンマークのTVドラマである。
 シーズン3というくらいだから、これまで1と2も既に「スーパードラマTV」でオンエアされてきた。

 とにかく面白い。
 シーズン2は、ちょっとイマイチだったけど、1の出来映えが素晴らしく、今回のシーズン3も中々面白い。

 「THE KILLING」は犯罪ミステリードラマで、一つの事件が解決するまでの捜査過程を1捜査日1エピソードで描いてゆくのだ。
 僕は、デンマーク・オリジナル版「THE KILLING」を観た後で、アメリカでリメイクされたテレビ・ドラマの「シーズン1」も全話観てみたのだが、確かに雰囲気だけは模倣されていたものの、オリジナルを超えるほどの出来栄えとはなっていなかった。

 今回がシリーズ最終章となる、シーズン3の最終回は、なんと、デンマーク国民の65%が視聴して、デンマークTV史上最高視聴率を獲得したのだとか。
 そしてこのドラマ・シリーズ、ほかにもイギリスを含めたヨーロッパ各国でも放映されていて、いずれも高視聴率を獲得しているらしい。

 ドラマの主人公は、コペンハーゲンに住む中年女性刑事サラ・ルンド。
 シングルマザーで、最愛の一人息子とも疎遠状態にある。
 彼女は警察勤務連続25年を迎え、もうハードな仕事に飽き飽きしていて、楽な事務職への異動を希望している。

 そんな、総選挙まであと10日と迫っていたある日。
 時の首相が遊説で訪れる予定だったコペンハーゲンの埠頭で、謎のバラバラ遺体が発見される。
 それと同じくして、バラバラ遺体が発見された埠頭を中心に事業を展開している、デンマーク大企業シーランド社の若社長の幼い娘が、何者かに誘拐される事件が発生する。
 現場を退き事務職勤務を希望していた女性刑事サラ・ルンドが、再び不可解な事件の捜査へと乗り出すことに・・・。

 ここまでが「シーズン3」の第一話。
 そしてここから、ジェット・コースター的ハイスピード展開をみせてゆく。

 1も2もそうだったけれど、謎の殺人事件に必ず絡むのがデンマークの政治抗争だ。
 1では市長選、2では国家機関、そして3ではデンマークの総選挙と、謎解きミステリーに政治派閥抗争や政争がリンクし、物語と同時並列的に進んでゆくのである。

 現在オンエアされている「THE KILLING/キリングシーズン3」は全10話。今ちょうど(12月17日時点)第7話「懸賞金」なので、まさしく佳境に突入した感がある。

 まだ観ていない人は、「シーズン1」から観るのがお薦めですよ。








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ジェイク・バグの「Shangri La」を聴いてたら、学生時代の高円寺の事を懐かしく想い出してしまった。

2013年12月18日 | Weblog
 「ぼくは二十歳だった。それがいちばん美しい歳だとは誰にも言わせない」。

 この言葉を初めて知ったのは、やはり二十歳の頃だったろうか。今ではそれも、記憶の彼方へと押しやってしまっている。
 それでも当時は、この言葉、結構胸に響いたものだった。

 ポール・ニザンの小説、「アデン・アラビア」の出だしのフレーズだと知ったのは、それからずっと後のことだ。
 でも、あの頃は、「そうだ、うん、確かにそうだ」と頷き、そこにあった若さゆえの絶望だとか、猛烈な自意識だとか、持て余し気味の肉体だとか、将来への漠然たる不安だとか、そんなものが凄まじい回転で渦巻いていて、二十歳を過ぎたら人生なんて降りたも同然だなんて、友人とうそぶいていたのである。

 そんな僕も、もうこんなに遠くまで来てしまった・・・。

 あの頃、いい加減で適当で、どうしようもない若造だったけれど、未来への不安とおんなじくらい大きな、確信のない自信に満ち溢れていたように思う。

 自信過剰で、「必ず世に出てやる」、「サラリーマンなんかには絶対にならねえぞ」と、組織の中で生きている人間たちを心底軽蔑し、いつか映画を撮り、小説を書き、有名になってやると生意気にも意気込んでいたのである。
 馬鹿につける薬はないというのは本当らしい。
 僕は今、しがないサラリーマンで、しかも、世にも出られずに萎(しな)びている。

 そして僕はこうして部屋に独り籠り、ジェイク・バグのセカンド・アルバム「Shangri La」を聴いている。
 外は静かな冬の夜。
 今年もまた終わろうとしている。

 十九歳。
 ジェイク・バグは、まだ十九歳なのだ。
 それが、こんなアルバムを世に送り出せる才能と力を持っている。凄いと思う。

 僕はジェイク・バグのセカンド・アルバム「Shangri La」を聴きながら、二十歳になった辺りの事をふと想い出している。
 別に何かの事件に遭遇したとか、特別な何かがその辺りで起こったとか、そういう事じゃない。
 どうでもいいような、平凡な一日の下らない出来事の断片だ。

 友人が住んでいた高円寺のアパートで一緒に酒を飲み、そこから近くの居酒屋へと繰り出し、べろんべろんに酔っぱらい、中央線のガード下の道路をふざけ合いながら走ったという、そんな馬鹿げた、薄っぺらな記憶なのだ。

 笑い転げて互いの服を引っ張りあい、「俺たち、もう二十歳になるんだ! もう、人生なんて何もないんだ! もうオヤジなんだ、十代の青春は終わっちまったんだぁ!」と大声で叫んだことを、ジェイク・バグの「Shangri La」を聴いていたら何故か鮮明に想い出してしまったのだ。

 あの頃、毎日のように映画館に通い詰め、毎日のように音楽を聴き狂い、毎日のようにガールフレンドと遊び廻っていた。
 東京の街は限りなく優しくて、それと同じくらいに残酷で、毎日は耐えられないほど日曜日だった。

 ジェイク・バグの歌声は、ハリがあって、そして瑞々しさに満ち溢れている。
 イギリスからアメリカに渡り、新たにジャック・ルービンがプロデュースを担ったセカンド・アルバム「Shangri La」に、若さゆえの過剰とか先鋭さはない。

 しかし、そこにあるのは恐ろしいほどの円熟度と完成度だ。
 「ロッキング・オン」で、音楽評論家の粉川しの氏(編集長)は「10代最後の、そして永遠の傑作」と大絶賛していたけれど、それは少し過剰反応かもしれない・・・。

 僕はもう、あの高円寺時代へとは戻れない。
 二十歳なんだ、もう人生なんて何もないんだと叫び、もうオヤジなんだ、十代の青春は終わっちまったんだぁと大声で喚(わめ)いた僕は、何故かまだこうしてここにいる。

 確かに人生なんて何もなく、青春なんて跡形もなく吹き飛んでしまった。
 ジェイク・バグが羨ましい。まだまだ彼にはタップリと時間が残っている。まだまだ彼の未来は輝いている。

 でもなあ。
 たぶん、まだまだいっぱい残ってる未来の時間のことなんて、ジェイク・バグでさえ、ちゃん と気づいていないんだろうなあ。無自覚なんだろうなあ。
 それはそれで仕方がない。
 あとになって初めて気づくのだから。

 だって、それが若さなんだもん。








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1月新ドラマは、芦田愛菜と鈴木梨央が共演する日テレ「明日、ママがいない」に期待するしかないなあ。

2013年12月17日 | Weblog
 10月から始まったテレビ・ドラマが、いま次々と最終回を迎えている。

 その中にあって、今回の最も大きなトピックスと言ったら、やっぱりあれでしょう。
 そう。木村拓哉主演の、日曜日夜9時からのドラマ「安堂ロイド~ A.Ⅰ. Knows LOVE?~」。

 な、なんと、視聴率が10%台と完全に落ち込んでしまった。あのキムタクのドラマがである。
 ここまで落ち込むなんて、いったい誰が予測しただろうか?
 それも、その前の同じ時間帯があの怪物番組「半沢直樹」だった。プレッシャーもあったかもしれないけれど、それにしても低迷し過ぎだ。

 でも、あれじゃあ高視聴率は無理でしょう、マジで。
 根本が「ターミネーター」の亜流だし、タイムトラベルものがお茶の間から圧倒的な支持を得るとは思えない(もちろん、低視聴率でも、大衆から支持を得なくても、素晴らしいドラマはたくさんあったし、それはそれで全然構わないのだが)。

 それに、サイボーグのロイド、あまりにも弱過ぎ!
 すぐに壊れるし、スカッとした爽快感が全然なくて、フラストレーションだけが溜まってゆく。
 ストーリーも分かり難い。

 それと同じパターンだったのが、AKIRA主演の土曜日夜11時台フジテレビ系連続ドラマ「ハニー・トラップ」だった。
 このドラマも、ストーリーが破綻寸前で、途中で何度も突っ込みを入れたくなる。
 産業スパイの世界にスポットを当てたサスペンスドラマなのだけれど、筋の運びが強引だし、有り得ない展開に終始する。
 「エグザイル」のAKIRAも、共演の高嶋政伸も仲間由紀恵も良かったのに。

 かなり期待感が高かった「リーガル・ハイ2」も個人的にはイマイチだった。
 平均視聴率は確かに高い。
 主演の堺雅人、前作の「半沢直樹」が、そのままいい感じで引き摺っているようだ。
 でも、これもまたワンパターン。

 今回は岡田将生が中々頑張っていて、「RIP SLYME」の主題曲「SLY」もすんごくいいんだけれど、敏腕弁護士である主人公、古美門研介の個性の強さが最近はちょっと鼻についてきた。
 それより、心の中では、岡田将生を応援している自分がいた。

 そして、「リーガル・ハイ2」とオンエアが完全にぶつかってしまったために損をしたのが、日本テレビ系水曜日夜10時からの「ダンダリン―労働基準監督官」だろう。
 実は、遅まきながら、最近「ストロベリー・ナイト」の劇場版を観て、竹内結子が大好きになってしまったのだ(それまで、そんなに好きな女優じゃなかった)。

 というか、竹内結子というよりも、映画の中のキャラクターとしての彼女に参ってしまった。
 こういう芯の強い女性って、激しく惹かれる。
 心が強く、決して折れない女性ってやっぱり美しい。

 脚本が秦建日子だったし、共演者たち、松坂桃李やトリンドル玲奈、佐野史郎、北村一輝も頑張っていたし、労働基準監督官にスポットを当てていた所もよかったのになあ。
 ドラマ「ダンダリン―労働基準監督官」、残念である。

 結局面白かったのが、テレビ朝日系木曜日夜9時からの「ドクターX~外科医・大門未知子」だ。
 米倉涼子、藤木直人、内田有紀、遠藤憲一、笹野高史、岸部一徳、三田佳子、西田敏行と錚々(そうそう)たる共演陣。
 ドラマ自体も面白く、さすが視聴率ナンバーワン番組、格が違う。

 そういう意味じゃ、今シーズンは「ドクターX~外科医・大門未知子」の一人勝ちだ。それに比べて、ほかのドラマはあんまり面白くなかった。
 そうなると、期待するのは1月からの新シーズン・ドラマということになってしまう。

 何といっても、日本テレビ系水曜日夜10時からスタートする「明日、ママがいない」、これしかないかも(もしも面白くなかったら御免なさい)。

 色んな事情で親と離ればなれになってしまった子どもたちが、児童養護施設「コガモの家」という場所で、必死に生きてゆく健気な姿を描くらしい。
 たぶん、かなり泣けるのでは・・・別に泣かなくてもいいんですが。

 主演が、芦田愛菜と鈴木梨央!
 遂に、二大子役の初共演である。
 火花が散っている。
 ドラマ「明日、ママがいない」、これは買いでしょ。

 あとはそうだなあ、向井理主演のTBS系「S(エス)-最後の警官-」と、坂口憲二主演のフジ系「医龍4~Team Medical Dragon~」あたりになるのだろうか。

 ・・・それにしても、次のドラマも「刑事」ものがちょっと多過ぎるでしょ!









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