淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「12月31日」水曜日快晴

2008年12月31日 | Weblog
 大晦日。
 今日で2008年が終わる。
 今年は大変な年だった。公私ともに。

 100年に一度と言われる世界的な不況が襲っている。
 株価は下落して、なんと過去最大の42,12%まで下がった。とにかく来年が正念場だと、どの雑誌や新聞を読んでも書いている。3月の大量首切り、いわゆる非正社員の雇用打ち切り時期が一つの大きな山場になるのではないか。

 もう本当に無駄使いを改めないと・・・。
 とにかく浪費癖があるから自分で自分が嫌になる。
 今年も全国各地を旅行し、それ以外にも色んなものに散財しまくった。反省している。
 来年は、①に倹約・節約、②に書くことの最優先!(って、宣言してもう何年になるんだろう? これまで最後まで書き上げた小説、たったの六編だけだもんなあ・・・)、③に肉体の鍛錬、これだけを徹底したい。

 大晦日の東京は、今朝も雲ひとつない快晴の空。
 産経新聞を買いに駅のキオスクまで歩いたら、ほとんどの店のシャッターが閉まっていた。駅を通る電車もガラガラだ。 
 新聞の三面を読んでいたら、「近代への名言」というコラム。作家の林芙美子の「放浪記」の中の言葉だ。
 『赤い雪でも降らねば富士をいい山だと誉めるには当たらない あんな山なんかに負けてなるものか!』。

 大晦日、いつもなら青森市内の自宅でのんびりと餅でも食べながらテレビを観て過ごしていたのに、今はこうして首都圏の大晦日の静かな街を歩いている。
 少し淋しいような・・・少し愉しいような・・・奇妙な気分が支配する。

 風は昨日と比べるとちょっと冷たいようだ。
 いつもの休日なら混み合う都心も、今日はひっそりと静まり返っている。
 今夜は何を食べようか。

 私鉄沿線の京王線沿いに感じのいい街を見つけた。
 仙川駅。
 そんなに派手な街ではないけれど、シックで落ち着いている。駅前の雑踏を過ぎると、とても閑静な住宅街が続く。ちょっとお洒落なブティックやカフェがあったりする。雑多な商店街もあるのだけれど、それとのアンバランスが何ともいい感じを醸し出している。
 武蔵野の雰囲気も僅かに残っているようだ。

 仙川の住宅街の中に大きな温泉施設。
 物凄い数の自家用車が駐車場に入ろうと列をなしている。
 大晦日、都内の温泉に浸かってゆっくりするのもいいかと思い、入場料650円を払って中に入ろうとしたら、余りの大混雑で入場制限をしているのだとか。
 仕方がないのでロビーで待つことに。

 やっと入浴。
 露天風呂が気持ちいい。
 しかしそれにしても、何で俺、大晦日の夕暮れ時、こんなところでのんびりとお湯に浸かって寛いでいるんだろう・・・。

 乳白色の空に、鋭利な三日月がぽっかりと浮かんでいる。その左側には大きな一番星。
 温泉で1年間の疲れを取り、火照った体のまま、すっかりと暮れてしまった外へと出た。
 モスバーガーも、本屋も、定食屋も、閉まっている。
 駅前のお洒落なオープン・カフェだけが開いていて、ガラス越しに中を覗いたら、若い女性がぽつんと独りで珈琲を飲んでいた。
 それから30代ぐらいの男性だろうか、これもまたたった独りぼっちで分厚い単行本を読みながら珈琲を啜っていた。

 えっ? 大晦日の夜5時過ぎに独りぼっちカフェでお茶してるの?

 みんな、生きてるんだなあ。孤独なんか蹴っ飛ばして。
 



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「12月30日」火曜日晴れ

2008年12月30日 | Weblog
 無精髭がかなり伸びてきた。
 今日でちょうど1週間伸ばし放題。このまま4日まで伸ばし、御用始めにはきちんと剃って出勤するつもりだ。

 毎日、外を彷徨い歩いているので少し疲れ気味。
 今日は9時に起床。
 だらだらと、午前中は本を読んで過ごし、午後から久しぶりにジョギング。

 道路がよく分からないので、迷わないようにひたすらメインの道路を走れるところまで走って、適当な場所でUターンすることにした。

 午後の街もまた、穏やかな陽光に包まれている。
 歩行者道路の道幅が3m程度しかないので、自転車や歩行者とすれ違うと走り辛くて仕方ない。
 見知らぬ商店街を何度も抜けた。
 師走の売り出しでごった返す垢抜けない商店街は、それなりに趣きがあって、ファミレスも、複合ビルに入っている本屋さんも、コーヒーショップも大混雑している。

 体が重い。
 走っていてキレがない。
 でも、午後の街に降り注ぐ真冬の淡い太陽の光を浴びながら走るのはとても気持ちがいい。
 車の通行量もそれほど多くはない。みんな東京を離れ、それぞれの故郷を目指しているのだろう。
 僕だけが東京にいる。

 それにしても、もうこの街に来て4日が過ぎてしまった。あっという間だった。
 そして、あと3日間過ごすと、またあの厳寒の街へと帰らなければならない・・・。

 何処に行っても、何処に逃げても、何処に隠れても、一切は変わらない。何も起こらず、誰も救ってはくれない。
 変えるのは自分自身の心だ。自分を変えなければ、周りは一切変わらず、ただいつもどおりの表情を浮かべ、目の前に大きく立ちはだかっているだけだ。
 ミスチルの歌ではないけれど、どんなに荒れた天気だって、自分の心が乾いてなかったらそれはそれで素晴らしい天気に変わる(ちょっと違ったっけ?)。

 夜は、持ってきたCDウォークマンで、オーガニック・ソウルの新星「トーチャード ソウル」を何度も聴く。
 ほんと、このアルバムはいい。
 実はちょうど今、「トーチャード ソウル」は日本公演に来ているのだとか。知らなかった。
 東京六本木の「ブルーノート」が26日と28日で、横浜「モーション・ブルー」が29日。行けばよかったなあ。残念だ。

 ソウル・ミュージックは元気になる。
 日本人の大好きなアーティストとはまた違った良さである。
 なんていうのだろう。
 真冬の寒い夜、暖かな焚き火に当たっているような、そんな感じ・・・っていったらいいのかな。

 明日は大晦日かあ・・・。




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「12月29日」月曜日快晴

2008年12月29日 | Weblog
 朝6時に起床。
 まだ外は暗い。
 フジテレビの「めざましテレビ」を付けながら顔を洗って歯を磨く。
 朝食を食べている間、外がだんだんと明るくなってゆく。今日も晴れそうだ。

 ニュースを見ていたら、東北本線がシステム故障のため運休しているのだとか。2日遅かったら、こっちもその混雑に巻き込まれていたことになる。

 今日も駅のキオスクで産経新聞を買った。
 やはり産経新聞は面白い。
 普段から垂れ流しにされているニュース論調とのズレにハッとさせられることが多い。目から鱗状態がある。
 今日の紙面も中々刺激的。
 八戸市議会議員の美人議員、藤川優里女史がカラー写真で出ていたのにはびっくりしたけれど・・・。

 今日は銀座に出た。
 コートのファスナーを閉めなくても、別に寒くない。
 年末の休みに入ったのか、それなりに人出が多い。

 「和光」の裏手にある「シネスイッチ銀座」で、「愛より強く」を撮ったトルコ人のファティ・アキン監督による「そして、私たちは愛に帰る」を観る。
 映画館は満員。それも年配のお客が多い。

 映画を観終え、「H&M」に寄る。
 前のような行列はなくなったけれど、それでも店内はかなりの混雑。
 でも、ほとんど在庫がなく、特にXLはほとんどない。素敵なシャツとかニットのセーターも品切れで、何も買わずにそのまま店を出た。
 銀座「三越」をぶらつき、CDショップの「HMV」で輸入盤を漁る。
 
 夜は、TBSテレビ「お笑いダイナマイト!!」を、ぼけーっと眺めた。
 こういう何も考えないお笑い番組が一番いい。
 やはり「ナイツ」がダントツで面白い。

 しかし。
 こういう暖かい部屋で、のんびりビールを飲みながらテレビの年末お笑い番組を観ている間にも、名古屋市の繁華街では寒さに震え、炊き出しに長い列が出来ているのだ。
 そして、ふとそんなことを考えるだけで何の行動にも移らない自分自身を苦々しく思いながら、そのうちそのことさえすっかり忘れてしまう。

 イスラエル軍がパレスチナのガザ地区を空爆して287人もの死者を出しても、俺は明日観たい映画のことや、行きたい場所のことに思いを巡らしている・・・。

 もっともっと、追い詰めないと。
 もっともっと、自分を虐めないと。
 まだまた、甘すぎる!





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「12月28日」日曜日快晴

2008年12月28日 | Weblog
 7時過ぎには目が覚めた。
 カーテンを開いたら、目の前に鮮やかな青色に覆われた完璧な空が飛び込んで来た。
 朝日が眩しい。爽やかな朝の風。

 熱い珈琲と一緒に朝食を摂り、駅前で産経新聞を買う。
 外気が暖かい。冬の陽射しが眩しくて少し目を細めてしまう。
 新聞一面に、イスラエル軍のガザ地区への攻撃で大勢の死者が出たというニュース。しっかし・・・。

 それでも、記事は単なる記事のままで、僕の脳裏を掠め去ってゆく。
 世界の悲惨なニュースも、派遣の有無を言わせぬ首切りも、この年の瀬をホームレスで過ごすしかない人たちのことも、一瞬心をえぐりはするものの、またすぐに日常の中に消えてゆく。
 俺には、自分を守る、その防御本能しかないのだろうか。そんなに自分が可愛いのだろうか。
 誰かのために生きようとか、無償の行為をするとか、そんな思いやりや優しさが完全に欠落してしまっているのだろうか。何か出来る事があるだろう、今の俺にだって・・・。

 東京駅から東海道線に乗り換え、鎌倉まで。
 大船の親戚の家に顔を出すためだ。
 そういえば、今年の1月26日と27日の土日も、厳寒の青森を抜け出し、この早春の鎌倉までやって来て、親戚の家でお酒を呑んだのだった。
 あの日も気分は最低最悪で、心はずたずたに刻まれていたっけ・・・。
 どうしたんだろう。昨日からそんな思い出ばかりが蘇って来る。まあ、いいか。毒を今年中にすべて出し切ることが出来るなら、それで。

 鎌倉駅で降りようか北鎌倉駅で降りようか少し迷い、結局、鎌倉駅で降りて鶴岡八幡宮までの狭い小店通りをぶらぶらと歩く。

 凄い人出だ。
 みたらし団子を頬張り、三色の暖色系がシックなマフラーを買い、行列が並ぶほど繁盛している「甘味処」に入って御膳汁粉を食べる。
 鶴岡八幡宮でお参りを済ませ、来た道をまた引き返した。

 少しだけ、空が夕焼け色に染まり始めた。
 心地よい風が吹いている。湘南の海が見たくなった。
 鎌倉駅から江ノ電に乗って「由比ガ浜」まで行こうとも考えたけれど、従姉妹たちが御馳走を作って待っている時刻なので、そのまま「大船駅」まで戻る。

 日曜日ということで、親戚一同が集まった席で、美味しい料理を食べながら日本酒にビールに焼酎を飲み、話が弾む。少し酔っ払ってしまった。

 神奈川っていいなあ。
 横浜があるし、鎌倉もある。それから穏やかな湘南の海も・・・。

 熱いお風呂にゆったり浸かり、そのあと糊の効いた布団に潜ったら、突然睡魔が襲って来て、そのまま眠ってしまった・・・。






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「12月27日」土曜日晴れ 

2008年12月27日 | Weblog
 東京は晴れた穏やかな天気。
 心なしか人も少ないように感じられる。東京を後に帰郷する大勢の人間で東京駅はそれなりに混雑している。
 新宿までの快速中央線のがらんとした車両に腰を掛け、外の明るい街並みを眺める。

 去年の12月25日の夜10時過ぎに起こったある出来事が不意に脳裏を掠める。
 あれからもう一年が経ったのだ・・・。
 掛かって来た携帯電話が苦しくて、憔悴し切ってしまい、突然友人に会いたくなって、その友人が経営しているBARまで歩いて行くことさえ億劫になり、タクシーに乗って会いに行ったのだった。
 酒を飲みながら、しばらく話を聞いて貰い、店が退けたあと、その友人の車で家まで送ってもらったのだが、たまたま車のスピーカーから浜田省吾の曲が流れ、聴いていることにも耐えられず、「たのむから音楽を止めてくれ!」と言ったことを今でも鮮明に覚えている。
 物凄い吹雪だった。
 あれからもう一年が過ぎたのかあ・・・。

 形勢を立て直さないと。軌道修正をしていかないと。今年はとにかく滅茶苦茶だった。
 本来の自分を完全に失っている。生活自体が破綻している。

 今日は、姜尚中(カンサンジュン)の「悩む力」と、アラン・クレイソン著、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの伝記「ミック・ジャガーの成功哲学」(なんという日本語タイトルなんだ)を読んだ。

 しかし、悩む力だけなら、こちらも半端じゃない。
 極端に誇張しちゃうと、生まれてからこれまで毎日のように悩み通して来たようにも思えてくる。
 まあ、その大部分はたいした事ではないし、今考えると余りにも稚拙で馬鹿げたような事ばかりのような気もしてくるけれど・・・。

 師走の穏やかな東京の街をぶらつき、私鉄沿線の駅前に「生涯学習センター」を見つけたので中に入り、開放しているパソコンを借りて、原稿を書き、フロッピーディスクに写した。
 これはいい。
 でも年末年始は何処の「生涯学習センター」も休みになるだろうしなあ。原稿を何処で書いたらいいんだろう。

 黄昏の街。
 冬の透き通った空がとても美しい。
 夕食は、ちょっと古びているけれど美味しそうな焼肉屋さんを見つけたので、そこに入った。
 生ビールを頼み、キムチやっこ、ホルモン、ハラミ、冷麺などを次々に注文。美味しい。

 夜は、楽しみにしていたフジテレビ「人志 松本のすべらない話 ゴールデン」4を観る。でも今回は、余りにも出演者が多くて散漫な印象。期待外れである。

 12時には眠りについた。




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「PUSH ON!」

2008年12月26日 | Weblog
 12月26日、金曜日、今日は御用納め。
 明日から久しぶりの9連休が始まる。
 そして、その年末年始の9連休、僕はこの街を遠く離れ、自由気ままな小旅行へと出掛けることにした。

 なので、今日は早起きをして部屋を掃除し、片付けを終え、旅行バッグに荷物を詰め込んだ。
 分厚い文庫本と新書、ランニング・シューズにランニング用シャツ、着替えと自動車免許証、洗面道具、新幹線チケットなどなど・・・。
 髭はそのまま伸ばし放題にしてみようと思っているので、髭剃りとか整髪料とかはパスして出来るだけ荷物を軽くした。

 一切、何も考えない。
 心を空っぽにする。
 勿論そんなことは不可能だけれど、出来るだけそういうふうにしていたい。

 携帯電話の電源を切り、携帯そのものも机の引き出しに仕舞い込んだ。
 もう、これで誰からの連絡も一切途絶えた。携帯電話を意識せずに暮らせるなんて本当に心が休まる。
 電源をOFFにした瞬間、心がすーっと軽くなった。
 俺は、携帯電話を使っているのではなくて、携帯電話に使われているのだということがよく分かる。

 外は激しい雪が降っている。
 年末から年始に掛けて、この街は雪マークで埋まっている。
 去年の今頃は、この吹き荒ぶ雪を見ただけで心が塞ぎ、心が悴(かじか)んだ。今、そんな負に塗れた、激しくて暗鬱な感情はない。

 でも、だからといって晴れ晴れとした穏やかな感情が湧き上がっているというわけでもない。
 悩みや困難や煩わしい事は、相も変わらず平然とした顔つきで次から次へと襲って来る。
 老いてゆくことや、死んでゆくことや、時間が無情にも過ぎ去ってゆくことへの、寂寥感や空虚感だって消えたりなんかはしてくれない・・・。

 今月いっぱいは遅番出勤なので、今朝もゆっくり珈琲を飲み、NHK朝ドラ「だんだん」を眺め、各局ワイドショーを観てのんびり過ごす。朝一時間遅くなるだけで、こんなにも余裕が生まれてくるのだ。
 昨晩も帰ったのは11時過ぎだった。スポーツジムで走ってから帰ったら、もうかなり遅くなってしまったのだ。

 旅立つための準備はすんだ。
 何も考えまい。子どものように喚き散らすのだけは、もういい加減止めにしよう。
 腹を括るのだ。

 3階の窓から、年の瀬の朝の景色を眺める。年の瀬の寒い朝。
 物凄い地吹雪が吹いている。一面の銀世界。
 じゃあ、そろそろ出掛けますか。
 時間は、今ちょうど朝の8時30分。

 携帯電話は置いたよね?
 行って来ます。





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映画「赤い糸」を観た。各映画評論誌は酷評の雨あられだけど、僕は断固支持するぞ。

2008年12月25日 | Weblog
 現在、テレビと同時並列で進行している映画「赤い糸」。
 テレビだけを観てもそれだけで完結しているし、映画だけ観てもそれはそれで別に構わない、でも両方を観ると更に面白さは倍増するという仕立て。
 確かによく考えている。

 早速、映画館へと足を向けた。
 お金を払って館内に入ると、全部カップル!
 思わず尻込みしてしまった。
 その数を数える。

 シネコンの中でもキャパの小さな小屋だったので、人数自体はそれほどでもない。
 高校生と思しきカップルが半分に、中学生と思しきカップルが半分。途中で、女子高生の二人組(だと思う)と、高校生らしき男の子が一人で入って来たから、男独りという最悪のパターンは何とか免れた。

 さすが、メイ原作の大人気ケータイ小説を、「シャカリキ!」の南沢奈央とTV「ハチワンダイバー」の溝端淳平が主演した「赤い糸」、ティーンが主体なのも仕方ない。

 それにしても、各映画雑誌での評価が物凄く悪い。
 最も権威ある(こういう言い方も大嫌いだけど)「キネマ旬報」最新号での評価は、目を覆いたくなるほど酷かった。

 ★が★★★★★だと最高点、★が一つだと最低の映画ということで評価されているのだけれど、5人の映画評論家の皆様による採点が、何と全員★一つ!
 つまり、全員がつまらない映画だと断じている。ここ最近なかったほどの、最低評価なのではないだろうか。
 ここまでなのか、映画「赤い糸」。

 映画は、もちろんラブ・ストーリーで、テレビと同じキャストとスタッフにより同時期に放映され、映画と連動した物語が展開していくというもの。
 監督は「電車男」の村上正典である。

 運命のカップル、芽衣と敦史は、誕生日が同じ1992年2月29日で、幼い頃、芽衣が誕生日ケーキを買ってケーキ屋を出た所で偶然に敦史とぶつかり、それが互いを知るきっかけとなる。
 やがて二人は中学2年になる。幼い頃と敦史には、二人の両親だけが知っている暗い過去があった。そしてそれが、2人を引き裂く切っ掛けになってゆく・・・。

 この映画、確かにベタな映画である。それは認めたい。
 予定調和で、これまでに何万回と語り継がれた恋愛物語のパターンを踏襲してもいる。
 でも、何処となくピュアで、透明感があるのだ、物語自体に。ティーンが抱える現代的な社会問題も何げなく物語に投入しているという点も見逃せないし。

 南沢奈央と溝端淳平の2人も、瑞々しくて好感が持てる。
 俺は、この映画、支持したい。いいじゃん、この清々しさは。

 なんか、自分の高校時代の恋愛を思い出す。
 良かったなあ・・・あの頃。俺も純粋だったんだよね、いやマジで。




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「今日はクリスマス・イヴ」

2008年12月24日 | Weblog
 2008年12月24日。
 晴れ間の覗く、穏やかな水曜日、今日はクリスマス・イヴ。

 でも、そんな事はどうでもいい。美味いワインも飲まないし、豪華なケーキも買わない。美味しい料理が並ぶパーティにも飲み会にも参加する気になんかなれない。

 昨日の祭日も、それから休みの土曜日も、スポーツ・ジムに出掛け、走り込み、腹筋、胸筋を繰り返し、エアロビクスを一時間みっちりこなして汗を掻いた。

 汗を流したあとに入るお風呂も、熱いお風呂に浸かった後、そのまま水風呂に飛び込むことを何度か繰り返した。これがとてもシャキッとする。友人に水風呂の効用を教えて貰い、今回から始めてみたのだけれど、血行が引き締まるというか体が締まるというか・・・癖になる。

 今日も何かとスケジュールが詰まっている。
 午前中は、こちらが取り仕切る某選考委員会、午後からも会議やレクや打ち合わせが相次いでゆく。

 すっかり暗くなった夜6時過ぎ。
 本当に久しぶりな早めの退庁。
 全庁アナウンスで物悲しいオルゴールが流れる。みんな、今夜だけは早く帰りたいみたいで、友人や恋人や家族が待つ場所へとそれぞれ笑顔で散らばってゆく。
 そう、今夜はクリスマス・イヴ。

 僕は、中心市街地にあるデパートの男性用ブティックに寄って、頼んでおいた冬用のブーツ3足と、色違いのマフラー3枚と、素敵なニットのセーターと、細めのラインのパンツとコートと、ちょっと洒落たバッグを取りに行く。
 全部、お店の人にコーディネート、チョイスしてもらったもので、個人的にも凄く気に入っている冬物だ。
 かなりの散財。でも、これを着て週末からの旅行に行くことが今の最高の楽しみ。

 イヴの街に華やかな聖歌が流れ、雪も降らない、わりと暖かな夜だ。
 アスパムの極彩色のイルミネーションが夜空を背景に美しく輝き、行き交う人たちの何人かは手にクリスマス・ケーキを抱えて、駅への道を急いでいる。

 街中を抜け、家へと戻り、普段どおりの夕食を済ませて、独り車でボクシング・ジム。
 当然、ジムには誰も居ない。しーんとしていて底冷えのする室内で、腹筋と腕立て伏せ。それからサンドバッグを叩きながらフォームの確認。最後は、また腹筋。
 吐く息が白い。冷たい床の痛み。BGMで郷ひろみの「哀愁のカサブランカ」が流れている。
 冷え切った体が、少しずつ火照ってきた。

 ジムから、大きな壁ガラスを通して外の通りが映る。底冷えのする師走の街。
 特別なイヴの夜だからか、車が次々と、素敵な一家団欒を過ごすために自宅へと向かって走っている。

 みんな幸せになれればいい。誰も傷つかず、誰も心を痛めない、そんな世界になればいい。飢える人も病む人も、誰もがみんな幸せになれればいい。
 もう、駄々っ子みたいに泣き叫ぶのはやめよう。
 どうにもならないことを、どうにかしようと抗うから苦が生まれるのだ。

 練習を終えてジムを出た。
 賑やかなラッシュアワーは既に終わり、今度は打って変わって静かなイヴの街へと様変わりしている。
 車もほとんど走っていない。みんなそれぞれの場所で、それぞれのささやかなイヴェントに興じているのだろう。家々の優しい灯りが目に痛い。
 いつものように、郊外の公園の一角に車を停めて音楽を流し、ぼんやりと疲れた体を解してみる。
 県営スケート場の灯り、それから中央インターチェンジの灯りが眩しく光る。

 そりゃあ、色々あるさ。俺だって。
 でも、行くしかないじゃん、どんなに苦しくても・・・。
 




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キアヌ・リーヴス主演のSF映画「地球が静止する日」は、ちょっと辛い。

2008年12月23日 | Weblog
 映画館はほぼ満員状態。次々に座席が埋まってゆく。
 「地球が静止する日」ヒットの原因は、キアヌ・リーヴス個人の観客動員力と、さかんにスポットでTVコマーシャルを流したその結果だろう。
 一応、お正月映画の本命の一本として映画会社もかなりの力を入れているのが解る。

 1951年に製作された、SF映画の古典と言われている「地球の静止する日」をキアヌ・リーヴス主演でリメイクした。
 共演がジェニファー・コネリーとキャシー・ベイツ。監督は「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソンだ。地味というか、何というか。

 地球に、謎の球体が飛来する。
 アメリカのニューヨーク、セントラル・パークに、光輝く不思議な球体が降り立ち、中から人間の姿をした謎の宇宙人(キアヌ・リーヴス)が降り立つ。
 アメリカは謎の球体とそのエイリアンに不審を抱き、様々な科学分野の専門家を集めた対策チームを組織され、亡き夫の連れ子(黒人の男の子)と2人暮らしをしている生物学者であるジェニファー・コネリーも強制招集され、キアヌ・リーヴスとのコンタクトが図られることになるのだが・・・。

 今の地球環境を危惧するようなメッセージが映画に盛り込まれるのは当然として、全体的に盛り上がることもなく最後までそれなりのテンポで進んでゆく。
 地球人は自然を破壊しているから、これを抹殺し、残った生物たちはすべて回収して地球自体を綺麗にし直すという発想は、まあよくあるパターンだし、メッセンジャーとして地球にやってきたキアヌ・リーヴスの善人宇宙人の活躍自体もよくあるパターンだ。

 しかし、それにしても特別これといった緊張感のない映画である。
 確かに、巨大ロボットと地球軍との戦闘とか、街が襲われるシーンとか、山場はあるにはあるものの、TVスポットなどで何度も見飽きた場面なので、高揚感は半減する。

 それに、主役のキアヌ・リーヴスが、エイリアン役という制約もあってか、動きの少ない「静」の演技に終始していて、観る側として物足りなくてストレスが溜まってしまう。

 この程度の映画なら、別に大金を払って今すぐ映画館で観なくても、あとでDVDレンタル屋さんでゆっくり観たとしても特に支障はないのではないか。


 それにしても、今冬のお正月映画、不作だよなあ。





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「Mr.Children」の新作「SUPERMARKET FANTASY」を聴く。

2008年12月22日 | Weblog
 12月20日の土曜日は土砂降りの雨、そして21日の日曜日はみぞれ混じりの激しい雪が降った。
 やっと冬らしくなって来たと思っていたら、月曜日は少し暖気になって、道路は溶け出した雪でグチャグチャになっている。何とも効率的な雪の降り方ではある。

 土曜日はその土砂降りの雨の中、車を飛ばして遠くの街まで足を延ばし、青森市内に戻ったのが真っ暗闇に包まれた夜の6時過ぎ。
 日曜日は日曜日で、これまた降りしきる雪の中をSC内にある映画館で映画を観てから、昨日でほとんど使い尽くしたガソリンを入れるためにスタンドに立ち寄り、そのまま吹雪に煙る青森港まで行って、独りぼんやりと音楽を聴いていた。

 その2日間の長時間ドライブで、何度も繰り返して車内で聴いていたのが、 「Mr.Children」の新作アルバム「SUPERMARKET FANTASY」だった。
 当然、このミスチルのニューアルバムも売れに売れまくるんだろうなあ。5月には青森にもコンサートでやって来るし。

 今作もまた、これまでに発表したシングルに、テレビや映画のタイアップ曲が5曲入っていて、全14曲という構成だ。
 映画「恋空」の主題歌である「旅立ちの唄」、NHKドラマの「バッテリー」の主題歌である「少年」、そしてNHK 北京オリンピック放送テーマソングの「GIFT」、フジテレビ系ドラマ「コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~」の主題歌だった「HANABI」、映画「私は貝になりたい」の主題歌、「花の匂い」。
 それから、今盛んにオンエアされている「エソラ」。

 これらの話題曲で埋まっているアルバムだ、かなりの売れ行きを示すだろうとは思う。
 僕は、ミスチルの熱心な信者というわけではない。アルバムが発売されると、まあ聴いてみようかという程度のファンである。
 勿論、大好きな曲もたくさんあるし、素晴らしい名曲もいっぱいある。それは素直に認めたい。

 ところが今回の「SUPERMARKET FANTASY」、2日間ぶっ通しで聴いたのだが、そんなに心を動かされなかった。
 ネットの書き込みなんかを読んでいると、「今回のミスチルのアルバムには捨て曲が一切ない」など、積極的に評価しているリスナーも多いようだ。

 そうかなあ。
 特に、後半の曲はちょっとキツくないかなあ。僕には不満である。
 ただし、やはり「HANABI」と「エソラ」は秀抜である。名曲だろう。

 ミスチルは、人を勇気づけ、鼓舞する曲が多い。
 そして、それは、よく巷に溢れている、平凡な言葉を連ねただけの、下らない歌詞が踊る数多のロックバンドとは全然違っている。比較するのさえ失礼だ。
 歌詞もメロディも、他のバンドより抜きん出ているのだ。
 浜田省吾を敬愛しているということもよく解る。

 それでも、今回のアルバムはイマイチだ。
 と言いつつ、聴いてもう3日目に突入しているのですが・・・。




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L・ディカプリオ&R・クロウ主演、映画「ワールド・オブ・ライズ」を観る。

2008年12月21日 | Weblog
 2008年から2009年における、年末年始に掛けての「お正月映画」に新味がない。
 いつもなら大作が必ず何本かあって、それに引っ張られるかたちで数本の中堅組が絡むという図式なのだが、アメリカで大ヒットを飛ばしている「007 慰めの報酬」は1月中旬からの上映だし、「タイタニック」のコンビ、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットによる話題作「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」も、同じく1月下旬からの日本ロードショーとなってしまった。

 そんな小粒ぞろいの中にあって、個人的に一番観たかった映画が「ワールド・オブ・ライズ」。
 レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウが共演した、リドリー・スコット監督によるスパイアクション映画である。
 脚本が「ディパーテッド」のウィリアム・モナハンで、監督が71歳になったリドリー・スコット。

 中東で対テロ壊滅作戦を展開しているアメリカCIA中東局の主任がラッセル・クロウ。そして、現地を駆けずり回りながら決死で情報収集に当たっている工作員がレオナルド・ディカプリオ。
 2人は、携帯電話で連絡を取りながら、ヨルダン情報局と一緒に爆破テロ組織のリーダーである、アル・サリームを追っているのだが・・・。

 前半、アメリカ本土で家族との一家団欒を楽しみながら国際電話でレオナルド・ディカプリオに色々と冷酷な指示をし続けるラッセル・クロウと、現地で死と隣り合わせで駆け回るレオナルド・ディカプリオの対比を丁寧に描いてゆくのだが、目まぐるしく変わる画面と、掛け合いだけに終始する展開に少し飽きる。

 ところが、レオナルド・ディカプリオが現地の美しい看護士を愛し始め、テロ組織のリーダー、アル・サリームを拘束するために、中東に架空のテロ組織をでっち上げ、アル・サリームをおびき出そうとするあたりから、映画は俄然面白くなってゆく。

 「ワールド・オブ・ライズ」のライズは嘘という意味。
 ここから、凄まじいまでの騙し合いが始まるわけだけれど、この中盤から後半が最大の山場になる。

 雑誌「CUT」の最新号でレオナルド・ディカプリオのインタビュー記事を読んだけれど、彼が拷問を受けるシーンは数日間に及ぶ撮影になったということで、終了後、何日間も体調を壊してしまったのだとか。
 ネタバレになるので書けないが、確かにラストの拷問シーンはリアルで凄まじい。

 ただし、この映画のTVスポットを観た人も多いとは思うけれど、それだけを観てノンストップ・アクション映画だと期待して観に行くとしたら肩透かしを喰らうだろう。
 この「ワールド・オブ・ライズ」は、あくまでも政治ミステリー映画であり、アクションは添え物でしかない。

 それに、ラッセル・クロウは20キロ太って役作りに挑んだらしいが、ちょっと精彩を欠いている。
 それからもう一つ。
 ラストぐらいは、ド派手なアクションで締めて貰いたかった。
 それって、余りにも無い物ねだりかなあ。





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「the end of 2008」

2008年12月20日 | Weblog
 2008年、今年の書き込み用カレンダーを眺めていたら、1月から12月までの12ヶ月間に東京へ行った回数は12回だった。
 月に1度は東京近辺に行っていた計算になる。

 それにしても、今年は辛くてキツくて苦しい一年だった。
 特に、1月、2月、3月は、夜も眠れないほど酷い日々が続いた。
 何度、友人の経営する「JAZZ BAR」に通ったことか。何度、ソウルメイトに電話を掛けて無理やり会って貰ったことか。

 あの頃の自分にはもう二度と戻りたくない。
 夏とは違い、晩秋から冬に掛け、4時を過ぎると街はすっかり暗くなる。
 吹き荒ぶ雪、猛烈な地吹雪、灰色の空・・・。憂鬱な気持ちがますます高まってゆく。
 所属する組織では、退庁時をオルゴールで知らせることになっているのだけれど、12月にはワムの「ラスト・クリスマス」、そして新年からは様々な名曲をBGMで繋げてゆくことにしているのだ。

 精神的に完全に落ち込んでいて、心の真ん中に大きな穴が開いているから、絶えず寂寥感や空虚感が津波のように押し寄せて来て対処出来ない。
 そんな弱ったところに、悲しげで切ない旋律のオルゴールがかかり始めると、もう耐えられなくなる。ボクシングのボディブローみたいに、ぼろぼろの心に効いて来るのだ。淋しくて淋しくて、独りでいられない。これが辛い。

 悩み事は連環してゆく。
 言葉に置き換えると、とても薄っぺらになってしまうけれど、普段は余り深く考えていなかった仕事上の悩みや人間関係や将来に対する漠然とした不安も次々に焙り出され、自分の中で収拾つかなくなってしまう。
 あれには心底堪えた。

 今でも去年の秋頃から今年前半に掛けての「ブログ」を読み返すと、ちょっと気分がブルーになる。
 一番悲しかったのは、「ブログ日記は全部虚構で、本当は全然落ち込んでなんかいないんじゃない?」と、真顔で言われた時だった。
 誰が好き好んで、こんな虚構話を日記として掲載出来るだろう。別に小説を書いているわけじゃないんだし・・・。少しショックだった。表面上は笑っていても、心はそれと正反対だということだってある。

 それでも、月日は流れてゆく。
 もがいて、暴れて、抗っているうちに、時間は無情にも過ぎてゆく。
 本当は何も解決なんかしていないのに・・・。ただ、物事を先延ばししているだけなのに・・・。見えないように心に蓋をして忘れたふりをしているだけなのに・・・。
 根本から根こそぎ変えないと、また同じ事の繰り返しになってしまう。解っているのだ、解っているのだけれど・・・。

 来週末から行く、年末年始にささやかな国内旅行。
 多分、首都圏を彷徨うだけだろうけど、そこでもう一度リフレッシュしたい。
 
 2009年はいい年でありたい。





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フジテレビ土曜ドラマ「赤い糸」は、映画やゲームなどへと繋がるメディア・ミックスだ。

2008年12月19日 | Weblog
 それにしても、「赤い糸」ブームである。
 コブクロの「赤い糸」という曲を、新垣結衣がカヴァーしてヒットさせたかと思えば、メイのケータイ小説である「赤い糸」は、180万部を超える空前の大ベストセラーを記録した。

 その「赤い糸」は、太宰治の「思ひ出」の中に出て来る引用が有名だけれど、将来、永遠に結ばれるべき男女は、小指と小指を見えない運命の赤い糸で結ばれているという伝説で、太宰の小説では足の指先だった。

 日本の「古事記」においても、娘のもとに通ってくる男の正体を突き止めるために衣の裾に赤い糸を通して追いかけたという話もあるらしいが、この「赤い糸」伝説は、宋の時代に中国で書かれた「太平広記」の中にある「定婚店」という話に由来している。

 昔々、中国に韋固という青年がいた。
 彼は、縁談相手の娘と会うために出かけていく途中に、月明かりの下で老人に出会う。
 その老人は、縁談はうまく行かないと韋固に話す。結ばれる相手は「この赤い縄で足と足が結ばれている」のだと貧しい幼女を彼に紹介するのだった。
 怒った韋固は、男を雇い、その幼女を刺すよう命じ、結局幼女は額に傷をつけられてしまう。
 ところが、その数年後、巡り巡って韋固が結婚した美しい娘の額には、昔雇った男によって傷付けられた痕がしっかりと刻まれていた・・・。

 一説によると、この物語が日本へと伝わり、足が手の小指に、それから縄が、赤い糸に変わったとも言われている。

 そして、これまで第2話まで進んでいるのが、フジテレビ土曜ドラマの「赤い糸」である。このTVドラマ、今週末から映画へと受け継がれ、そこからまたTVドラマとして完結される。
 つまり、テレビだけ観ても楽しめるけれど、映画を観ればその面白さは倍増し、映画だけ観ることだって構わないという、とても便利な仕立てになっているのだ。

 このテレビドラマ化された番組「赤い糸」が、中々いいのである。
 余り使いたくない表現だけど、「拾い物」なのだ。
 直球勝負の恋愛物語、10代のイノセントな友情学園物語、これまで延々と語り継がれて来たラブ・ストーリーの王道とでも言ったらいいのだろうか。

 物語は、これから少し入り組んで来て複雑な人間相関図になってくるのだけれど、基本的には中学生同士による純愛ラブ・ストーリーで、「赤い糸」伝説同様、結ばれるべくして結ばれている運命の相手との波乱万丈の恋愛模様を描いている。

 多分、効率性を考えて、映画版と同時並行でテレビ版も撮影したのではないか。
 画面が、映画を観ているような綺麗さなのだ。それに、主役の二人が瑞々しい。これからもっと人気が出ると思う。

 まだまだ序盤なので今後の展開はここで書けないけれど、丁寧に作り込んだ描き方は好感が持てるし、俄然、映画のほうも観たくなってきた。

 「赤い糸」、任天堂DSでゲーム化もされる。
 凄いね、しかし。





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「起きていることはすべて正しい」

2008年12月18日 | Weblog
 雪が降らない。
 降ることは降るんだけど、すぐに溶けてしまって根雪にならない。今冬は小雪で暖かい冬になるのだろうか。
 そうだといいけど、まだまだ油断は禁物だ。クリスマス辺りから猛烈な寒波に見舞われるということが、これまで何度もあったし・・・。

 木曜日の朝、今日も暖かい。
 通勤で歩いていたら、澄み切った空気が肌を気持ちよく刺し、眠けを覚ましてくれる。
 青い空が広がっている。清々しい朝の空気を思い切り吸い込む。
 でも、午後からは愚図ついた天気になっちゃったけど。

 今月はずっと遅番出勤なので、割と朝もゆっくり出来る。その分、夜が遅くなってしまうけれど。
 なので、朝食を済ませてから、朝の各局ワイドショーをぼんやり眺めて過ごすことが多い。それと、初めて観ているNHKの朝の連続ドラマ「だんだん」。別に面白いという理由で積極的に観ているわけではないんですが・・・。

 それにしても、景気の悪化が凄まじい。
 各ワイドショーも、雇用・不況関係のニュースで連日賑わっている。
 アメリカのクライスラーは、一ヶ月間の工場生産休止に踏み切った。派遣雇用が実質切れる来年3月期になると、今以上の再雇用打ち切りが実施され、日本でも数多くの失業者で溢れるのではないか。

 あの、全長1キロの高さに及ぶ超高層ビルを建設予定だったアラブ首長国連邦のドバイでは、今完全にゴーストタウン化していて、奇抜な高層ビルだけが墓場の卒塔婆のように建っている。
 夢の未来都市の触れ込みで世界中の投資家から金をかき集め、一泊数百万円もするホテルを建てたり、高さを競うだけの異形なビルを乱立させていたドバイだったけれど、テレビで映し出される現状の風景は、よくSF映画などで描かれる、荒涼として誰も居ない未来都市に砂嵐だけが悲しく舞っているという感じすらある。

 一方、日本国内も凄いことになっている。
 身内の中でも悲惨な状況に見舞われている者がいるので、肌でリアルに感じている部分も大いにあるけれど、東京などではネットカフェ難民が急増していて、一ヶ月間以上に及ぶ長期滞在者が凄まじい数で増えているらしい。
 だから、ネットカフェの中には、長期滞在者に対してその場所での「住民票」登録を認める店も出てきたという。確かに区の住民票があれば、雇い主も雇いやすい。

 年末から年始に掛けて首都圏を回るつもりなので、実際にネットカフェにも泊まってみたいと思っているけど、約一畳しかない狭い部屋で一ヶ月間過ごすということだけでもかなりの辛さだろうし、ストレスも並大抵ではないだろう。

 既存のシステムが瓦解している。
 政治も経済も、この国を覆っている様々な制度やパラダイムが疲弊し、瓦解している。
 大変革を敢行するには痛みが伴う。それは仕方がない。ところが、今回の世界的な大混乱は、そういう前向きな大転換とは少し違っている。
 そこに大きな絶望感を感じるのである。
 
 経済評論家で公認会計士でもある勝間和代の名言がある。
 「起きていることはすべて正しい」。
 さすが、ウォール・ストリート・ジャーナルにおいて、世界で最も注目すべき女性50人に選ばれた人だけのことはある。
 素晴らしい言葉だ。ほんと、これからの座右の銘にしたいとさえ思える名言だ。

 今、ここで起きていることは、すべて正しいのである。
 私たちは、腹を括って、今そこから始めなければならないのではないか。

 起きていることはすべて正しい!




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「LOVERS IN JAPAN」

2008年12月17日 | Weblog




   恋人たちよ ずっとその道を進め
   ランナーよ レースを走り終えるまで
   兵士よ   頑張り続けるんだ
   時には正しい事が間違っていることだってある

   僕たちいつか ここから脱出するんだ

   まちがいない 
   いつの日にか 太陽が顔を出す

                           「COLDPLAY」





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