吉田美奈子はいい。
彼女のアルバム「FLAPPER」は1976年にリリースされた。
僕は、大瀧詠一の名曲「夢で逢えたら」が収められたこのアルバム「FLAPPER」が、最初に買った彼女のアルバムということになる。
そういう意味で印象に残るアルバムだ。
はっきり言えば、このアルバム自体そんな素晴らしい出来ではない。彼女には、凄い曲がたくさん詰まった、これよりも素晴らしいアルバムが、ほかにもたくさんある。
B面の一曲目に入っていた大瀧詠一の「夢で逢えたら」だけが余りに突出していて、他の曲とのバランスを欠いているし、トータル・コンセプトもちょっと悪い気がする。
「夢で逢えたら」は、その後、鈴木雅之ら様々なアーティストによって歌い継がれ、今でもその輝きは失っていない。
「FLAPPER」の次に出した「TWILIGHT ZONE」、そしてそこから怒涛の如く次々と繰り出された傑作アルバムの数々、「LET'S DO IT」、「MONOCHROME」、「MONSTERS IN TOWN」、「LIGHT'N UP」・・・。
いわゆる、吉田美奈子における中期の作品群ということになるのだろうか。ポップで聴きやすく、メロディ・メーカーとしての彼女の才能が爆発している。
そしてその後、彼女の音楽はもっと深化し、R&Bやゴスペルやソウルをベースに据えた、聴きやすさや艶やかさはないものの、通好みで玄人受けする音楽へと変貌してゆく。それはそれで、僕は好きだ。
あの頃、僕はアパートの2階から、遠くに見える巨大な水道タンクをぼんやりと眺め、「夢で逢えたら」を何度も繰り返し聴いたものだ。
未来はとても不確かで、まるで霧の中を彷徨っているような気がしたけれど、僕はそれほどこれからの人生自体を怖がってはいなかったように思う。
今聴くと「夢で逢えたら」という甘くてメローな曲、本当は悲しくて絶望的な曲なのではないか、そんな気もしてくる・・・。
彼女のアルバム「FLAPPER」は1976年にリリースされた。
僕は、大瀧詠一の名曲「夢で逢えたら」が収められたこのアルバム「FLAPPER」が、最初に買った彼女のアルバムということになる。
そういう意味で印象に残るアルバムだ。
はっきり言えば、このアルバム自体そんな素晴らしい出来ではない。彼女には、凄い曲がたくさん詰まった、これよりも素晴らしいアルバムが、ほかにもたくさんある。
B面の一曲目に入っていた大瀧詠一の「夢で逢えたら」だけが余りに突出していて、他の曲とのバランスを欠いているし、トータル・コンセプトもちょっと悪い気がする。
「夢で逢えたら」は、その後、鈴木雅之ら様々なアーティストによって歌い継がれ、今でもその輝きは失っていない。
「FLAPPER」の次に出した「TWILIGHT ZONE」、そしてそこから怒涛の如く次々と繰り出された傑作アルバムの数々、「LET'S DO IT」、「MONOCHROME」、「MONSTERS IN TOWN」、「LIGHT'N UP」・・・。
いわゆる、吉田美奈子における中期の作品群ということになるのだろうか。ポップで聴きやすく、メロディ・メーカーとしての彼女の才能が爆発している。
そしてその後、彼女の音楽はもっと深化し、R&Bやゴスペルやソウルをベースに据えた、聴きやすさや艶やかさはないものの、通好みで玄人受けする音楽へと変貌してゆく。それはそれで、僕は好きだ。
あの頃、僕はアパートの2階から、遠くに見える巨大な水道タンクをぼんやりと眺め、「夢で逢えたら」を何度も繰り返し聴いたものだ。
未来はとても不確かで、まるで霧の中を彷徨っているような気がしたけれど、僕はそれほどこれからの人生自体を怖がってはいなかったように思う。
今聴くと「夢で逢えたら」という甘くてメローな曲、本当は悲しくて絶望的な曲なのではないか、そんな気もしてくる・・・。