考えるための道具箱

Thinking tool box

宣言する広告

2004-09-30 13:16:33 | ◎業
「そういえば」と気づく人も多いと思いますが、最近いわゆる「宣言型のテキスト広告」が増えている。内容は、広告というより、意見・ステイトメントに近いものが多いが、これがとてもわかりやすい。
ユニクロ、Yahoo、ヤマト運輸。いずれも、古き良き時代によくあったような、恥ずかしい詩の朗読型ではなく、「私たちはこう考える」「私たちはこう行動する」といった具体的な言葉を、真摯に語りかけてくるものだ。

ユニクロの低価格宣言広告については、かなり高いレスポンスを得ているようだし(※)、WEBでのフォローもしっかりできているため、場合によってはユニクロドットコムでの販売増に結びついたかもしれない。Yahooの戦う姿勢には、日本の未来を期待したかもしれないし、クロネコヤマトにいたっては、民・善×官・悪の構図だけでなく、ローソン・悪のイメージまで植えつけてしまったかもしれない。

すべての新聞広告は、商品広告も含めて、こうしてしまったほうがいいんじゃないですかね。結局、日産の外皮広告だって、新車の顔もスペックもほとんどわからない内容だから、会社については話題になるけど、車については話題のしようがない。

ただし、微妙な言葉の選択まで細部にわたって検討と検証を深めなければならないマーケティング・コミュニケーション戦略が必至である。これはかなり難しい。競合へのけん制、ターゲットの価値観へのインサイトなどをアバウトに先送りすることができなくなる。マーケティングライターも、ボキャブラリーのかなり高いハードルを要求されることになる。本来的には、これこそがマーケティング・コミュニケーションの醍醐味であるはずなんだけれど。

この宣言型広告の考え方は、面白そうなので、またあらためて考えてみます。

(※)「低価格やめます」宣言に反響、ユニクロ流サプライズ - asahi.com : 経済

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