考えるための道具箱

Thinking tool box

通りすぎた、スーパーカー。

2005-01-25 19:41:21 | ◎聴
学生の頃はかなり音楽を聴いていたんだけれど、職に就いてからはなかなか時間を割くことができなかった。そのため、約15年ほどの大きな空白があり、国内外を問わずトレンドや状況などがまったくわからなくなっていた。もちろんその間も、たとえばジャクソン・ブラウンのツアーには毎回顔をだしていたし、The PoliceのコンプリートBOX(※1)を買ったり、浜田省吾やスプリングスティーンの動きはチェックしていた。でも、ただそれだけだ。つまり、過去に学習したことの枠を超えることはいっさいなかった。
気がつけば日本のチャートは、どちらが曲名かグループ名からわからないような新しいバンドでうまっていたし、米国のチャートはまるでHIP-HOPチャートのようになっていた。

したがって、すでに30回くらいは聞いている『スーベニア』のスピッツだって比較的まじめに聞きだしたのは『ハヤブサ』以降だし、くるりを知ったのは『ばらの花 』なので、彼らのそれまでの音楽活動期間からみれば、いまだごまめ階級といわれてもしようがない。

そして、スーパーカー。だいたい、スーパーカーを聴くような人は「中学3年のときにはじめて」といったような、将来に向け何かがみなぎっている人が多く、ぼくのように中年になって枯れてから経験するのは音楽関係者でもない限りレアではないかと思う。
スポーツジムでバイクに乗っているときに聴視した「AOHARU YOUTH」のPVがなぜかしっくりきたため、ぼくとしてはかなり冒険の部類に入ると思うのだが、ただそれだけの情報で思い切って『HIGHVISION』を購入してみた。異様な静謐感と電子的なビートではじまる「STARLINE」を聴いたときに、久しぶりに自分の音楽直感の自信が回復できた。この「まったく新しい切り口のYMO」のようなバンド、かといって決してデジタル一辺倒ではない生音の美しいバンドは、まぎれもなく懐かしいロックであり、凝縮しかけていたぼくの音楽価値観をふたたび拡散へとむかわせる大きな契機となった。「いやあ、やっぱりいろいろ聴いてみるもんだ」と。

そのスーパーカーがどうやら解散してしまうらしい。残念である。と、同時に解散といった、そんな枠組みを決めずゆるやかな共同体として続けるか、「散開」とかあいまいにしておけばいいのに、と思った。まあ、若い人たちだからしようがないか。そんな若くないか。

手元に残る彼らの作品は、
『HIGHVISION』
『16/50 1997~1999』
『ANSWER』(初回生産限定盤)
『WONDER WORD ep』(完全生産限定盤)

今週末にでも、『Futurama』を追加しつつ、3月のB-SIDE COMPLETE ALBUM『B』を楽しみに待とう。

と、WEBサイトをつらつら見ておったら、なんとくるりのドラマー、クリストファー・マグワイアがバンドを抜けていたではないかい(正確には「離れ」た)。こちらもそうとうショックだが、答えは2月末発売のシングルででるか。

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(※1)正確には、『Message in a Box: The Complete Recordings 』。基本的にThe Policeが発信したすべての曲が収められている。アルバムは全部LPとして所有していたため購入したCD。そもそも『Synchronicity』なんて、擦り切れて聴けなくなっていたからちょうどよかった。「擦り切れる」といえば最近はそんな心配しなくていいんだけど、もしLPだったら、『The Rising』『How to Dismantle an Atomic Bomb 』は確実に擦り切れているね。



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