考えるための道具箱

Thinking tool box

言葉の学習。

2005-02-08 13:12:51 | ◎読
「店はわんわん言っているようだった」、「況や」、「啜った」、「がんがんいっている」、「業腹」、「嘆(たん)ずるがごとき、怨じるがごとき」、「調和合体」、「怨嗟」、「しこうして後」、「新玉の春」、「くんくんに張り切っていた」、「土下座外交」、「厭悪」、「思(おぼ)しき」、「マラカイボ油田」、「おかしげなパーマネント・ウェイブ」、「おーんなどと嘯くばかり」、「ひがごと(僻事)→道理や事実に合わない事柄」、「酷薄苛烈」、「権謀術数→scheming; trickery」、「突飛突破なこと」、「こまっしゃくれた」、「不磨の大典→旧憲法の美称」、「そしたら、あっちにこう売って、その実績を担保にしてこっちにこうして、あっちにああなって、そうするとこっちが買いに来て、そうするとそっちも黙っていないから、価格は急騰して、あなたとわたしは巨万の富を手にすることができる」、「切るたびに巨大化していく空手形」、「ピース」、「剥落した錆」、「業を煮やして」、、「どういう訳だ。おなめになっているのか。くそう。」、「傲然と」、「チュルチュルでてきた紙をみると」、「横溢」、「かかる一日」、「鹿十(しかとう)」、「煙火を廃(よ)して注視していると」、「それは早計」、「物憂げ気怠げ(けだるげ)思度計(しどけ:当て字か?だらしないの意)な態度」、「ちょかちょか走っていき」、「ボヨヨン。自分は、漫画で目玉が飛び出す音を口で言ってみた。ちっとも楽しくなかった」、「閲する」、「金看板のおかげ」、「相立たぬ」、「脳漿を振り絞るようにして書き上げた」、「珍だとは思わなかった」、「うそぶいて恬然(悪い事や恥ずかしい事をしても、悪や恥の意識が全く無く平気でいる様子)としている」、「慚愧に耐えない」、「土俗卑俗の豚野郎」、「拝跪した」…。


すでに、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これらの猥雑な言葉は、町田康の『実録・外道の条件』(角川文庫)から、わたしがふだんものを書くときに絶対に使わないような言葉、でも一度は使ってみたい言葉の一部を抜き出したものです。
もちろん単語を羅列しただけでは、町田康の面白味は伝わるわけはなく、ほんらいは言葉と言葉の予想外の関係性やケミストリーが真骨頂なわけだけれど、それでもただこれだけのことでも、ずいぶん考えるため道具箱の品揃えは充実していく。ちょっと面倒くさいなあ、と思いつつも、やってみると勉強になります。まえに一度、阿部和重でやろうとしたんだけど、こっちのほうがやっていて面白いですね。これを機会に町田康の写経でもやってみる?

『実録・外道の条件』は、いわゆるエンターテイメント業界に蠢く外道たち(妄想プロデューサー、土下座マネージャー、非社会派スタイリスト…)を、怒りをこめて斬り刻んでいく実録(?)小説。彼は大人なので、空前絶後のバッサリ感はないけど、脇差で負わせる致命的バツの悪さは小気味よい。自分をも含めて(自称、下層エンターテイナー)、冷静に客観視できる能力があってはじめてこういった表現作品がうまれてくるんだろう。

遅まきながら、まず。そして町田町蔵へと、興味の範囲を拡げてみようかなあ。いや拡げるべきだ!



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