そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

11月11日(月)柿叟の短冊を入手

2013年11月11日 | 公開

 古書店の目録に載っていた短冊を1枚注文したところ、早速届いた。安かっただけに、全体にやや汚れているが、まあ状態は悪く無い。

 短歌の第四句がなかなか判読できず、関西出張から帰った同居人に見せたら、さすがに日本語学者(音韻)である!きちんと日国引いて考えれば分かることなのよ…と叱られましたわ。初心忘るべからず。いや、日本語学者と結婚していてよかった。電話かけると、何でも教えてくれるしな。一家に一人、日本語学者。ほんとに重宝。

 こういう一首だった(私意濁点を付す)。「わが好きは あたらしきもの 淡きもの/あざらけきもの いさぎよきもの 柿叟」。柿叟って誰か分かるかな? 双柿舎の主人ですな。自分で調べなはれ。校長室の短冊掛けに掛けようっと。

 いい歌である。頭韻踏んでる。枕草子のものは尽くしみたい。そこですかさず模倣の一首を。

   我が好きは おまへのひとみ おまへのくち おまへのちくび おまへのおしり 有若亡

…殴られました。私のせいで、同居人と姑殿に風邪がうつったそうである。あっちへ行け!と寝床の端に押しやられた。(涙

 


11月11日(月)やはり輪読は大切

2013年11月11日 | 公開

 18:00すぎから学部学生の研究会に顔を出す。自主的な輪読会だが、大学院レベルと遜色はない。しかし、私の本属であるU学部の学生が全然参加して来ないのには、いささか複雑な思いがする。主力はもっぱらE学部生で、そこにT学部生が混じり、果ては茗荷谷女子大からA教授の指導学生さんまで修行に見えるというのに、U学部生は皆無なのだ。とほほのほ。自分のお里で、どんなに人気の無い教授なんだ俺は!と反省。人気が無ければ、任期は無い。早いとこ退職するかな?

 今日の発表者は、レベルが高かった。丁寧に調べあげ、正攻法でアプローチして、目配りも言うこと無し。新しい発見もあったが、それは非常に大きな問題へと展開できる糸口にもなり得る。いや、勉強になりました。研究者の素質十分と見たぞなもし。

 風邪がひどいが、発表者と院生A君と3人で「かわうち」へ熱燗を飲みに行く。客が誰もいなかった。ひとしき飲んで、客が入って来た頃合いに店を出る。腹が減ったので、また3人で「AMA」へあがり、カレーを食った。いつもの花番のお姐さんはおいでにならず、こちらも他に客はいなかった。どうしたのかな? 身体がつらい。いつもは何とも思はぬ体が、けふはダルくなったるぞ御身は疲れさせたまひて候ふ…へ、平家かいな? 平気じゃないよ。

 妙に風が冷たいわいと感じたが、後で聞けば木枯らし1号だったよし。冬来ぬと目にはさやかに見えねども風の温度にぞおどろかれぬる…少し訛ってますかなあ。


11月11日(月)風邪が治らない!

2013年11月11日 | 校長は日々是口実

 昨夜は姑殿と二人だった。信州からお蕎麦をいただいたので、美味しく頂戴した。「八重の桜」を観たが、時栄が覚馬の家を出て行くシーン、演出よかったなあ。あんなふうに、その場で黙って、さっと悪役をかって出られるような人間になりたいものだ。校長の身の処し方として、大いに勉強になったぞなもし(校長は、悪役を演じなければならない時も多いのだよ)。

 PTAから頼まれていた原稿を書く。2013年度を振り返ってというような内容にした。高校のHPのブログも書いて、担当者へ送る。

 朝いち演習があるため、早くに家を出た。姑殿は昨日のパンの残りがあるということなので、朝食は作らなかった。大学近くへ着いて、薬を飲まなければと、その辺のバーガー屋に入り、モーニングのセットを頼んだ。コーヒーも不味い、パンも不味い、これは食事ではなくである。荒涼な気分で、残ったコーヒーで薬を流し込んだ。

 朝いち演習は佳境に入ったが、やはり欠席者が多い。一生懸命喋ったので、胸が痛くなった。その足で図書館へ走る。途中、椎の実がたくさん落ちていたので、ついつい拾った。貴重書室へのお土産に蜜柑を買う。手ぶらというわけにはいかないからな。

 来春の、なかつよ文学会大会の折の、資料展観の相談である。F調査役が好意的に対応してくださり、会期とざっくりしたスケジュール、展示の基本コンセプト、それにタイトル案まで一応相談がまとまったのは頂好であった。帰り道に「たかはし」で鮪と鯛の刺身定食を食う。

 午後は博士の研究指導で、Tさんの論文を吟味した。分量が規定超過だそうで、削らなければならない。内容はだいたいうまくまとまっていた。変に気取った表現は、推敲・削除すべいよ。修士演習では、通ふ千鳥さんの発表を聴き、申し訳ないが、かなり「可愛が」らせてもらった。一歩間違うとハラスメントと受け取られるかもしれない。しかし、見込みがあるからこそ「可愛が」るのである。あやまちすな。真観わからんのは、カンシンせんぞなもし。シンカンセンは、のぞみである。

 う~む、風邪が全然治らない。声を出さなければならない仕事が控えている。どうやって騙すか?