先日、標記研修会に参加しました。立派なホテルの1室に25名程度しか集まっていませんでした。障がい者施設の関係者の関心が少なかったのでしょうか?
私は自分たちの職業的な責任として、今回弘前市で発生した障がい者福祉施設での死亡事件の課題を考えたいのと、自分たちのあるべき姿を考えたくて出席しました。
今回の事故の問題点を先に整理しておくと、①夕食時の事故であること ②事故発生時に直接的な目撃者がいないこと ③障がいのある入居者2人がそこにいて、加害者とされる男性は重度(IQ 67)の知的障害があり、会話能力も不十分な人だということ。④逃亡のおそれもないのに警察に即日逮捕されたこと ⑤マスコミによって実名報道が成されたこと ⑥今回の経過に対して施設の責任者が十分な責任ある説明をしていないこと⑦警察が知的障害重度の方でありながら、彼を長期間勾留したこと⑧施設関係者がその間、養護するアクションをしていないこと⑨釈放時に警察は、逮捕勾留した理由と、釈放した理由について説明がなされなかったこと。⑩現在的に犯罪を犯した障がい者への、具体的な支援組織がまだないこと。
研修会では若き弁護士が「障害者虐待防止法」の説明を行った。次に障がい者福祉施設の施設長と主催者が2事例紹介し、最後にディスカッションした。
今回一番感じたことは、障がい者の犯罪に対して守るべき社会的仕組みが何もなかったこと。(抗議集会は弘前市で、一度行われている) そしてもう一つは司法関係者である警察や弁護士などが障がい者のコミュニケーションを始めとして十分な知識を有していなかったこと。当事者施設の長等並びに育成会を始めとして、これらの不当な逮捕・拘留に対して、抗議行動等のアクションや彼を守るべき行動・(接見禁止措置が取られたことに対して)を起こさなかったこと。
私達福祉施設でも、事故が起きる可能性はいつでもある。そしてその際に私達の行うべき行動は如何にあればよいのかが十分に整理されているわけではない。そういう意味でも、今回の事案に対して、考えさせられる点は多い。
一つは事故の起きた時点での職員の為すべき行動で、施設責任者に連絡がとれなかったこと。そういう経過の中で、警察が即日逮捕を決めて拘置したにもかかわらず、施設側で彼についての十分な擁護活動が成されなかったこと。日々長期間の拘留生活に対して、彼の心身に渡るストレス・不安・恐怖はいかなるものであったろうか?それを支えることが、何故出来なかったのか。
もう一つの課題は、守ってくれるはずの弁護士が現在的には、障がい者に対する十分な識見を持つ人とはいえないことだ。面会に行っても彼とのコミュニケーション理解が不足し、結局十分な擁護活動に至っていたかどうかは疑問であるとのこと。
施設側の管理責任を、もう一度考え直さなければならない。重大事故が起きた時の職員集団の取るべき行動。事故の起きた事業者が事の重大さにたいして、どう真剣に向き合おうとしていたのか。7月に死亡事故が起きて未解決の期間に、8月のねぷた祭りに法人のねぷた運行が盛大に成されていたのを私も見ていて「こんな非常時に、いいのかなあ」と少なからず疑問に感じた。加害者の保護者や被害者の保護者はどう感じていたのだろうか。
この事案で私達が早急に準備しなければならないことは、こういう触法の事案に対する障がい者擁護組織活動である。犯罪を犯したとしても、あるいは疑いが残っても、彼が何故そうしなければならなかったのかその背景を理解し、その後の再犯を防ぐための働きを行い、彼の生活を安定させるための活動への支援活動こそが成される必要がある。だれでもいつまでも親がいるわけでもなく、又親がいたとしても親だけで彼を守れるわけでもない。そこにソーシャルワーカー組織の存在価値があるのではないか。
「障がい者」といっても、人の性格ほど違いも多い。そういう意味では社会的な障がい者に対する認知度は、マイナス面でしかないのではないだろうか。
市民に対して、あるいは公的機関や団体に対して、障がい者理解を深めるための啓蒙活動を様々な形で展開させていかなければ、障がい者も社会の市民も共に暮らせる社会の実現は難しいだろう。
そういう意味では今回の呼びかけ人の「連携」をキーワードに「弘前モデル」を模索する「権利擁護・あお森ネット」の今後の活動に注目してゆきたい。
私は自分たちの職業的な責任として、今回弘前市で発生した障がい者福祉施設での死亡事件の課題を考えたいのと、自分たちのあるべき姿を考えたくて出席しました。
今回の事故の問題点を先に整理しておくと、①夕食時の事故であること ②事故発生時に直接的な目撃者がいないこと ③障がいのある入居者2人がそこにいて、加害者とされる男性は重度(IQ 67)の知的障害があり、会話能力も不十分な人だということ。④逃亡のおそれもないのに警察に即日逮捕されたこと ⑤マスコミによって実名報道が成されたこと ⑥今回の経過に対して施設の責任者が十分な責任ある説明をしていないこと⑦警察が知的障害重度の方でありながら、彼を長期間勾留したこと⑧施設関係者がその間、養護するアクションをしていないこと⑨釈放時に警察は、逮捕勾留した理由と、釈放した理由について説明がなされなかったこと。⑩現在的に犯罪を犯した障がい者への、具体的な支援組織がまだないこと。
研修会では若き弁護士が「障害者虐待防止法」の説明を行った。次に障がい者福祉施設の施設長と主催者が2事例紹介し、最後にディスカッションした。
今回一番感じたことは、障がい者の犯罪に対して守るべき社会的仕組みが何もなかったこと。(抗議集会は弘前市で、一度行われている) そしてもう一つは司法関係者である警察や弁護士などが障がい者のコミュニケーションを始めとして十分な知識を有していなかったこと。当事者施設の長等並びに育成会を始めとして、これらの不当な逮捕・拘留に対して、抗議行動等のアクションや彼を守るべき行動・(接見禁止措置が取られたことに対して)を起こさなかったこと。
私達福祉施設でも、事故が起きる可能性はいつでもある。そしてその際に私達の行うべき行動は如何にあればよいのかが十分に整理されているわけではない。そういう意味でも、今回の事案に対して、考えさせられる点は多い。
一つは事故の起きた時点での職員の為すべき行動で、施設責任者に連絡がとれなかったこと。そういう経過の中で、警察が即日逮捕を決めて拘置したにもかかわらず、施設側で彼についての十分な擁護活動が成されなかったこと。日々長期間の拘留生活に対して、彼の心身に渡るストレス・不安・恐怖はいかなるものであったろうか?それを支えることが、何故出来なかったのか。
もう一つの課題は、守ってくれるはずの弁護士が現在的には、障がい者に対する十分な識見を持つ人とはいえないことだ。面会に行っても彼とのコミュニケーション理解が不足し、結局十分な擁護活動に至っていたかどうかは疑問であるとのこと。
施設側の管理責任を、もう一度考え直さなければならない。重大事故が起きた時の職員集団の取るべき行動。事故の起きた事業者が事の重大さにたいして、どう真剣に向き合おうとしていたのか。7月に死亡事故が起きて未解決の期間に、8月のねぷた祭りに法人のねぷた運行が盛大に成されていたのを私も見ていて「こんな非常時に、いいのかなあ」と少なからず疑問に感じた。加害者の保護者や被害者の保護者はどう感じていたのだろうか。
この事案で私達が早急に準備しなければならないことは、こういう触法の事案に対する障がい者擁護組織活動である。犯罪を犯したとしても、あるいは疑いが残っても、彼が何故そうしなければならなかったのかその背景を理解し、その後の再犯を防ぐための働きを行い、彼の生活を安定させるための活動への支援活動こそが成される必要がある。だれでもいつまでも親がいるわけでもなく、又親がいたとしても親だけで彼を守れるわけでもない。そこにソーシャルワーカー組織の存在価値があるのではないか。
「障がい者」といっても、人の性格ほど違いも多い。そういう意味では社会的な障がい者に対する認知度は、マイナス面でしかないのではないだろうか。
市民に対して、あるいは公的機関や団体に対して、障がい者理解を深めるための啓蒙活動を様々な形で展開させていかなければ、障がい者も社会の市民も共に暮らせる社会の実現は難しいだろう。
そういう意味では今回の呼びかけ人の「連携」をキーワードに「弘前モデル」を模索する「権利擁護・あお森ネット」の今後の活動に注目してゆきたい。