夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

雪の中に眠る農場

2013-01-30 16:20:41 | 岩木山麓 しらとり農場日記
 1月28日(月)晴天

 「岩木山麓しらとり農場」の冬は何年ぶりだろうか。初めて農場を訪ねた時ですら春だったから、こんなに雪深い時は初めてかもしれない。林檎畑の中を通り抜けて辿る細い道。農場への道だと分かるのは、道路から電線がオーナーの自宅まで入り込んでいることでわかる。農場の敷地は二本の沢に挟まれているので、この沢の外に出なければ迷うことはないだろう。それにしてもりんご樹の枝がこんなにも埋もれているのだから、2メートルは雪が積もっているに違いない。
 

 この日の天候もよく晴れて、岩木山も頂上は雲の中にあったが、全体の容姿の殆どは見えていた。農場の日常がこの細いカンジキで踏み固められた道筋の中にあり、今は二人の幼い子どもたちを朝夕に保育所に送り迎えするのにたどっているのだと思う。
 昔の私の幼い頃は、まさにこうした深い雪国の生活の中にあった。だからなのか、この風景や踏跡が懐かしいと思う。

 今は三階建ての農場の母屋は、豪雪の中に埋もれてひっそりと佇み、二本の煙突から煙が真上に上がって私達を待っていた。オーナー夫人が夕餉の支度をしているのか、手作りの竈には鍋がかかっていて、ぐつぐつと煮えていた。


 農場のマスコット「トーベ」が元気よく私を迎えてくれた。相変わらずトーベは元気よく、農場のあちこちを走り回っているのか、足跡が縦横無尽に雪形を残している。番犬として立派にその役を果たしているのだろう。

 しらとり夫妻が私達を迎えてくれ、暖かなお茶でもてなしてくれた。
 山川さんとコンサート談義が始まり、農民管弦楽団の詳細を聞くことができた。宮沢賢治の昔の面影を知る人も打ち上げ会に訪れて、賢治の演奏のことなど聞かせてくれたらしい。
 今回の公演は北海道農民管弦楽団の人たちが殆どであり、東北管弦楽団のメンバーは少なかったようだ。東北管弦楽団は現在40名くらいはいるらしい。公演は来年の2月23日弘前で開催と聞いた。

 メンバーの一人で福島の方から、原発事故の後ではとても演奏をする気になれないと、メンバーから離れるという連絡が入ったとオーナーは気落ちしている様子だった。
 
 農場で飼育していたジャージー牛も人手に渡り、鶏も皆潰して今は飼育している動物はいないらしい。
 今度は豚でも飼ってソーセージやハムでも作ろうかと提案すると、オーナーは以外にも乗り気のようだった。障がい者の生産活動の裾野が広がるのは、私としても望むところなのだ。そしてゲストハウスを2室手作りで作る話も出て、春から夢だけでも忙しい。

金木駅~十三湖

2013-01-30 08:33:17 | つれづれなるままに

 ストーブ列車の旅は津軽五所川原駅をAM11:40に出発、あっという間に12:05斜陽館のある金木駅に12:05に到着した。
 サポーターの渋谷さんはすでに金木駅に着いて我々を待っていてくれた。津軽鉄道の旅をなごり惜しい気持で下車して、先ほど知り合った鉄道のアテンダントさんや乗客に手を振ってお別れした。

 渋谷さんの提案で雪の十三湖でお昼のシジミ貝ラーメンを食べに行くことになった。
、車は真っ白な一面の雪野原の中を、渋谷さんの庭のような田圃道を勢い良く走り十三湖に12:40到着。

 「和歌山ラーメン」という看板のかかる民宿兼食堂の駐車場に車を停めた。すると白鳥が餌付けされているのか、人懐こそうに寄ってきた。まだ幼鳥のようで、首元が灰色がかっている。全部で10羽ほどの白鳥である。間もなく北帰行の準備が始まるのだろう。

 シジミ貝ラーメンは塩味でシンプルな味だったが、細麺でシジミ貝の身も美味かった。
 食堂を出て先ほどの駐車場から十三湖の遠景の山々を見ると、青空に囲まれた白い冠雪の山並みが美しかった。

 さて、昨年10月下旬に山川氏を誘って、自然農を営む「岩木山麓しらとり農場」に出かけたこともあって、山川氏は冬の農場を見たいという強い希望と昨日の白鳥さんの出演した公演の激励をしたいと希望した。
 案内を買ってくれた渋谷さんも昨日の花巻市での公演の白鳥さんを車でエスコートして出かけたので全く依存はなかった。車は渋谷さんの熟知したそれぞれの道をまるで若者のドライバーのように勢い良く、一路岩木山麓を目指すことになった。