夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

啄木新婚の家

2009-12-06 10:14:31 | つれづれなるままに
 僕たちはのんびりと朝食を、NEW WINGホテルのレストランで済ませた。バイキング食だから、いつも旅先では食べ過ぎに注意しなければならない。私は朝はどうしても和食が定番で、納豆と味噌汁が欲しい。ホテルに泊まった時くらい違うものを食べたらと言われても、体が欲しているのだから仕方がない。野菜と少しずつ食べたいおかずを皿につけて、満足している。ご飯も「ひとめぼれ」という種類で、おいしく感じられた。何よりもそこで立ち働くシェフが笑顔で、これも食べてみませんかという声かけがうれしい。
 僕たちはそれからホテルを後にして、でんでんむし号という100円バスにのって3つ目の駅「啄木新婚の家前」まで乗車した。いつも自家用車のことが多いので、公共バスに乗ると、たちまちお金の支払い方などに戸惑ってしまう。第一整理券が100円バスなのだから必要ないのに、そこまで頭が回らないのだ。バス停から歩いて2分程度の場所に啄木新婚の家があった。(写真)
 中にあがると、部屋は10畳が1室、8畳が1室、6畳が2室、4畳半が1室、3畳が1室の計6室で、家族は啄木の両親と妹、そして啄木夫妻である。啄木夫妻は4畳半で、8畳間に両親と妹が起居していたという。
 啄木は20歳で結婚して、この家には3ヶ月しか暮らさなかったらしい。そして結婚式は自宅で友人に囲まれて行う予定だったというが、その夜ついに啄木はその場に現れず、怒った友人は離婚を勧めたという。啄木の人生は26歳までであり、その間に15歳からの恋人節子を妻に娶っている。啄木も節子婦人も結核で早く逝去したが、残された一粒種の長男はその後どのように成長して行ったのだろうか。 
 そういう意味ではこの家が、今も残っているのが不思議なくらいである。