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中心市街地の活性化とは何か

2007-10-03 22:27:33 | 地域産業
中心市街地の活性化とは何かを考えてみたいと思います。
          
私の住んでいる市に来年の秋に大型ショッピングモールができます。敷地面積10万平方メートル、商業面積は5万5千平方メートル、来場者は年間1千万人を見込んでいるようです。市の東部に位置しもう造成が始まっていました。市の西部には、地場の有力スーパーを核とした、全国的にも有名な商業集積「西部モール」があります。
 一方、かつての中心市街地は都市計画基盤整備中で空き地も多く、いわゆる中心市街地の空洞化は顕著です。空き店舗も増加傾向にあり、街を昼間歩いてみると来街者もなく衰退していることを肌で感じます。サラ金業者、夜の飲食店が多く、夕方以降に街を歩く時には自然と足を速めて歩きたくなります。
 
私は、中心市街地活性化支援の仕事に携わることが長くありました。県内の主要都市の商業者と一緒に、街が元気になる活性化イベントを企画したり、活性化ビジョンを作成もしました。著名な講師を呼んで講演会も開催したこともありました。 そのような活動をしていて、私がいつも自問自答していたのは、「なぜ、中心市街地は活性化しなければならないのか」ということでした。いろいろな書物や、国が発行する白書等には、中心市街地は活性化する必要ということが自明のこととして活性化策が書かれています。理由が書かれていても、中心市街地は街の顔だからというような理由です。講演会で講師の方に、なぜ中心街地の活性化が必要なのかと質問しても、いつもなにかはぐらかされて納得のいく回答はありませんでした。

 私は、根本に立ち戻って、白紙の頭で、中心市街地の活性化がなぜ必要かを考えることからこの問題の進展があると今までの経験から感じています。そして、根本は、日本における都市とはなにかを考えることに行き着くような気がします。
 それから、私の市の中心市街地がここまで衰退してしまったのは、官公庁が次々に郊外に場所を移してしまったことにも大きな要因があったと思います。市役所、警察署、消防署、ハローワーク、法務局、労働基準監督署などの国の機関、県税事務所、土木事務所、保健福祉事務所などの県の地域機関、商工会議所などの団体が中心市街地に位置していれば今のような衰退はなかったのでないでしょうか。
 このことは「都市」とは何かを真剣に私たちが考えてこなかった帰結ではないでしょうか。


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