TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

東和銀行はどうなってしまうのか

2007-10-15 18:22:57 | 地域産業
 新聞記事等で報道されている地元銀行の東和銀行について思うところを書きます。

 13日の新聞で、12日に金融庁が東和銀行に対して、取引先企業の業績悪化を知りながら追加融資続けて損失を大きくさせたとして業務改善命令を出したと報道されています。私の家では、朝日新聞と上毛新聞をとっているのですが、記事では、前頭取で旧大蔵省OBの増田頭取がかかわった融資に不適切な判断の融資があったと記載されています。問題視されているのは群馬県内の建材卸会社会社や大手福祉グループ、不動産会社などへの融資と記載されています。小見出しで大蔵OB君臨13年/知人女性に好条件融資と書かれており、前橋市内の小料理店の元経営者の自宅建築に保証会社をはさまずに優良顧客なみの融資をした記載されています。

 東和銀行は、群馬県前橋市に本店を置く第二地方銀行です。群馬銀行という堅実な銀行があり、地元優良企業は群馬銀行がメインバンクが多く、シェア拡大には苦労していたのではないでしょうか。今回東和銀行の状況を調べましたら、埼玉県の店舗が42店舗で、群馬県の38店舗より多い店舗構成になっていました。91店舗があり、他は栃木県3店舗、東京8店舗です。群馬銀行(店舗数141店舗)が堅実な経営で、18年3月期で当期純利益190億円の利益を上げているに対し、274億円の赤字を出しています。今年の5月に増田頭取(70歳)は経営が改善しないため引責辞任しています。

 東和銀行には診断士仲間が数名いますし、地元銀行ですので、なにが悪かったのか自分なりに考えてみました。もちろん、新聞記事の情報や仕事で制度融資を担当していて、東和銀行との関わりがあったときの印象からの考えです。

 まず、新聞記事で読む情報から判断するに、「トップの経営姿勢」が一番問題であったと思います。増田前頭取は平成6年5月から頭取になり、13年の間トップとして銀行を指揮していました。「うるさい直言型の部下を遠ざけ、周囲にはイエスマンばかりにして長らく頭取に居座っていた」とあるOBの言葉が新聞に記載されています。13年の間権力を持っていると、異議を申し立てをする部下がだれもいなくなっていまうのでしょう。問題のある融資だとわかってもなにも前頭取に言えない状況ができてしまっていたのでしょう。「権力は腐敗する」と言われますが、まさに今回の東和銀行のことではないでしょうか。私が診断士の勉強で東和銀行の人たちと知り合いになったのは、平成4年以降です。最近その人たちに元気がないなあと感じてしたのは、銀行の業績不振もありますが、銀行内部の閉塞感もあったのはないでしょうか。40歳半ばで退職した人も何人か知ってますが、なぜ地元では安定していると思われている銀行をやめるのかなあと思っていましたが、組織とし問題も数多く抱えていたのかもしれません。
 
 次に、第二地方銀行という立場が、銀行の立ち位置として中途半端であることも問題があるように思われます。群馬県は群馬銀行という堅実な地方銀行が存在しています。私が制度融資に関わっていたときに感じたのは、中小優良企業のメインバンクは群馬銀行が圧倒的に多かったです。そして小規模企業は、地元信用金庫(アイオー信用金庫等)がメインバンクとなっていることが多かったです。つまり、第二地方銀行の東和銀行は地域バンクとして中途半端な立ち位置に置かれていて、地域での存在領域が定まらないように思われました。企業としての経営戦略が、立ち位置から定めにくいことも、今回の融資問題の要因のひとつではないでしょうか。

 東和銀行には、地元企業のためにぜひ立ち直ってもらいたいものです。知人の浮かない顔は見たくありません。活力ある銀行になって地域産業振興に貢献してもらいたいものです。 
 
http://www.towabank.co.jp/
 ↑ 東和銀行のホームページです。
 


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