文藝春秋に掲載されていた芥川賞受賞作、
『沖で待つ』(絲山秋子・著)を今更ながら読んだ。
なんというか爽快な読後感。
私は普段、政治主義に堕した論文ばかり読んでいて、
小説はほとんど読まないのだけれど一気に読めた。
内容や表現が難しくないというものあるのだろうが、
逆に云えば読者を読ませる文体なのだと思う。
とにかくこの作品は可笑しかった。
面白いというよ「可笑しみ」があった。
特にこの主人公(及川)と太っちゃんの会話の箇所は声を出して笑ってしまった。
「パソコンって、壊そうと思って壊れるもの?ハンマーで破壊するの?」
「あー、なんもわかってねえな。HDDていうのはね、パソコンの中の弁当箱みたいなパッケージにディスクが入ってるの」
「データをごみ箱に入れれば済むんじゃなくて?」
「残るんだよ。官憲が見ればすぐばれる」
官憲って。
突然、官憲(笑)
不意打ちだった。
最後の“官憲って”というのは主人公と同時に作者自身のツッコミだろう。
少し不思議で可笑しい小説を読みたいのなら、『沖で待つ』を是非どうぞ。
『沖で待つ』(絲山秋子・著)を今更ながら読んだ。
なんというか爽快な読後感。
私は普段、政治主義に堕した論文ばかり読んでいて、
小説はほとんど読まないのだけれど一気に読めた。
内容や表現が難しくないというものあるのだろうが、
逆に云えば読者を読ませる文体なのだと思う。
とにかくこの作品は可笑しかった。
面白いというよ「可笑しみ」があった。
特にこの主人公(及川)と太っちゃんの会話の箇所は声を出して笑ってしまった。
「パソコンって、壊そうと思って壊れるもの?ハンマーで破壊するの?」
「あー、なんもわかってねえな。HDDていうのはね、パソコンの中の弁当箱みたいなパッケージにディスクが入ってるの」
「データをごみ箱に入れれば済むんじゃなくて?」
「残るんだよ。官憲が見ればすぐばれる」
官憲って。
突然、官憲(笑)
不意打ちだった。
最後の“官憲って”というのは主人公と同時に作者自身のツッコミだろう。
少し不思議で可笑しい小説を読みたいのなら、『沖で待つ』を是非どうぞ。