すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

沈黙の列車

2021-02-23 10:07:28 | 夢の記

ぼくの乗った列車は 夜
知らない駅の続く
どこだか見当もつかない線を
走り続ける
乗り換え駅に着けば
乗り換え駅なんてあるのか
ドアの上にかかる路線図には
意味不明の文字が並んでいる
それにこの上を走っているのかどうかも分からない
いっそ次の駅で降りて
戻ったほうが良いのか
でもどこに戻るのか
次の駅で降りれば
何処にいるのかわかるのか
降りてもまた列車が来るのか
いま気がついた
もうしばらく駅に着いていない
もうこの先に駅はないのかも知れない
このままいつまでも走り続けるのか
窓の外の灯りは
何も教えてくれない
見覚えがあるような気がしても
すぐに間違いだと思いなおす
見覚えがあると思いたいだけだ
誰かに訊いてみたら
ぼくの他に乗客はいない
運転手も車掌もいない
まばらな灯もいつか消えて
両側に闇が迫ってきた
山中に向かっているらしい
山に向かうことが
こんなに不安なものだなんて
知らなかった
非常停止ボタンを押そうか
でもなぜだか恐ろしくて
指がふるえて押せない
この列車はぼく一人を閉じ込めて
どこまで走り続けるのか
ぼくはどこから来たのか
どこに行くつもりだったのか
ぼくは誰だったのか
思い出せないことばかりだ

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