すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

背の高い娘

2022-09-03 09:12:21 | 夢の記

古いトロッコ道で朝
山を下りてくる娘に出会った
モンペのようなものを穿き
三つ編みの肩から
布のカバンを斜めに下げ
白いブラウスに
なぜか襷掛けをしていた

二里離れたふもとの女学校まで
毎日山道を通うという
バスケの練習をして帰ると
日が暮れて提灯を頼りに登る
少し怖いが慣れてしまった と
笑っていた

この下には隼渓谷の
断崖の縁をたどる場所もある
この上は木樵と炭焼きの小集落
女学校が休みの日には
炭を背負って下るのだろうか?

・・・振り返って見送ると 襷と見えたものは
負んぶ紐のようだった
紐は空っぽで
赤子はいなかった

今はもう無い
杣口の峠道

背の高い娘 二里のトロッコ道 バスケ 提灯

ひょっとしたらあれは
結婚前のぼくの母で
背負われるべき子供は
生まれる前のぼくだったか

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