すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

「チボー家の人々」原書

2019-11-25 10:40:08 | 読書の楽しみ
 飯田橋にあるフランス語書籍の専門店「欧明社」本店で、「チボー家の人々」の原書を買った。folio版(新書サイズ)3冊、約2400ページ。ネットで「お取り置き」にしたので、寒い雨の降る中を取りに行った。

 「当店のカードをお持ちですか?」
 「いえ」
 「お作りしますか?」
 「いえ、けっこうです。あまり使う機会がないと思うので。じつは、フランス語の本を買うのは10年ぶりぐらいなんです」
 「そうなんですか。でも、「チボー」を全巻お読みになるなんて、すごい語学力ですね。フランス語はよほど研究されたんですね」
 「いえ、まだ買っただけなので。読み終わってからほめて頂かないと」
 「あはは、そうですね。では、読み終わられたらまた別のをお買い求めください」

 それは何時のことになるかわからない。それこそもう死ぬまで、これだけで十分かも知れない。とりあえず読むべき本が何冊かあるので、これに取り掛かるのは新年ぐらいになるだろう。
 新しい本に、それも大作に、取り掛かる予定があるというのは楽しいものだ。
 電車の中で最初の数ページを読んでみた。最近日本語訳を読んだばかり、ということもあるが、比較的読み易いので安心した。かつてお終いまで読むには読んだが途中わからないところがいっぱいあった「レ・ミゼラブル」よりは読み易い。途中で投げ出してしまった「失われた時を求めて」や、同じく「ジャン・クリストフ」よりは読み易い。これは、ぼく程度の語学力でも、なんとかおしまいまでたどり着けると思う。三か月か?
 今は、店村新次の「ロジェ・マルタン・デュ・ガール研究」という、これも大作を読んでいる。これも大変面白い。 「チボー家の人々」にはおよそありとあらゆることが書かれていると思うが、その前にマルタンさん(長い名前なので、以後、この人について書くことがあったら、この略称を使わせていただくことにする)は膨大な資料を作り、試行錯誤を繰り返し、失敗作と挫折の山を築いているのだ。この地道な刻苦勉励は、ぼくにはとうてい考えられなかったことだ。
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