すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

巣ごもり

2021-02-25 10:37:44 | 老いを生きる

宴(うたげ)は終わった
仲間たちは三々五々連れ立って
それぞれの家路についた
たぶん 火照った体と
楽しさと寂しさを味わいながら

テーブルに残った沢山の木のコップや皿
それを片付けるのはぼくの仕事だ
生ごみはコンポストに入れて
土や落ち葉と混ぜ
良い堆肥になったら
畑に返そう

コップと皿はバケツに入れて
手押し車で小川に持って行って洗おう
テーブルクロスも洗って
木の間に干そう
冷え性にはなかなか辛いのだが
それはみんな明日でいい

ストーブに薪を足し
腰に毛布を巻き付け
みんなの書いてくれた
ゲストブックを読もう
要さんは相変わらずイラストが上手いな
あきちゃんは字がしっかりしてきたな

一人の夜は冷える
樹々が芽吹き始める頃が
一年でいちばん寒いのだ

外では風が回っている
雪になるかもしれないな
まあいい
みんなと違ってぼくには
春の作業までには
まだだいぶ時間がある
それまではゆっくり本が読める
                      
本を読むぼくの窓の灯は
森の向こうからも見えるだろうか
外の闇のどれくらい遠くまで
届くのだろうか
ここに人がいると
たまには誰かが気付いたら良いな

ここはぼくの仮の住処だ
あと何年か過ごし
あと何回か仲間たちとの
宴を楽しんだら
旅に立とう
ここはじつに気持ちの良いところだが
人は永遠には住み続けられない

 …これはむろん、実体験ではなく、願望です。でもここにはいくらかは、保土ヶ谷の林の中での生活と、そこで何度も仲間たちと過ごした楽しい集まりの思い出が反映しています。あのころ訪ねて来てくれた友人たちに、あらためて、ありがとう。

 

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