すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

登山バス

2022-10-17 21:42:07 | 老いを生きる

すぐ前に中年女性が二人いて
あとから一人が合流した
乗車する時にその三人目が
「どうぞお先に」と言うので
一瞬たじろいだ

「あ、いえ」
「先にいらしてたのですから、どうぞ」

ああそうか
老人なので席を譲られた
と思ったのだ

おかしなことだ
このごろ電車でもバスでも
大きな顔をしてシルバー席に座るのに
つまり老人を自認しているのに

人からそう見られると
動揺するなんて
譲られると動揺するなんて

バスは峠に上がって行く
窓外の森は
初夏の瑞々しさも
夏の勢いと落ち着きも失って
ついでに自信も失くしたようだ

もうすぐだ もうすぐだ
もう少し待て
木々の葉のひとつひとつが
地上を離れる前に
(あるいは 地に帰る前に)
思い思いの色に
燃え輝く時は

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