東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

体罰は身体資源の「先食い」

2013年02月28日 | インポート

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 今年度の日教組教育研究全国集会は、佐賀で、1月26日から28日まで開催されました。
 九州とはいえ、1月の佐賀はとても寒く、雪がチラつく中での開催となりました。
 「いじめ問題」や「体罰問題」など重い課題を背負った上での開催となりましたが、加藤委員長は「子どもの現実としっかりむきあい」「子どもに寄り添い続けていく」姿勢を打ち出し、いっこうに改善されない「子どもの貧困」問題の解決を訴えました。
 その後、内田樹さんの記念講演『教育の危機―グローバル化に抗して―』がありました。
 内田さんは今の学校教育はがんじがらめになって不自由になっていること。そのため自ら手作りの教育機関「凱風館」を立ち上げたこと。「グローバル資本主義」の真っ只中にあって、「グローバル企業」にふさわしい人材の養成が求められている。ここでは成果主義の数値化が蔓延し、子ども達の自尊感情が育たない。教育は長いスパンで動くものであり、すばやく成果を出させるグローバル資本主義はなじまない。グローバルの名の下に学校という組織は変えるべきではないというお話をされた。
 また、内田さんは自身のブログで「体罰」について次のように述べています。

体罰と暴力によって身体能力は一時的に向上する。これは経験的にはたしかなことである。そうでなければ、暴力的な指導がここまではびこってくるはずはない。恫喝をかければ、人間は死ぬ気になる。けれども、それは一生かかってたいせつに使い延ばすべき身体資源を「先食い」することで得られたみかけの利得に過ぎない。
「待ったなしだ」という脅し文句で、手をつけてはいけない資源を「先食い」する。気鬱なことだが、この風儀は今やスポーツ界だけでなく日本全体を覆っている。


奨学金制度の抜本的改革を!

2013年02月27日 | インポート
Img_3411 非正規雇用の急激な増加と不景気による就職難やリストラなど、労働環境の悪化にともない、学生時代に借りた奨学金の返済に困っている人が増えています。
 日弁連が、全国で奨学金の返済に関する電話相談を行った結果、「生活が苦しく返済できない」という相談が全体の40%以上に上ったそうです。この中には「650万円を借りたが就職先が見つからない」とか、「生活保護を受けていて自己破産を考えている」といった深刻な内容も多く、親からも「子どもが病気になったが、自分は年金で生活しているため支払いが難しい」などの相談が寄せられたということです。
OECD加盟30カ国の中で、給付型の奨学金がなく大学の学費も有料な国は日本しかありません。当面、返済を猶予する制度の拡充や、奨学金を給付制にするなど制度の抜本的な改革が必要です。
 奨学金問題に詳しい岩重佳治弁護士は、「日本の奨学金制度は『金融事業化』してしまっている」と指摘しています。「欧米では奨学金とは給付型のことを指し、貸与型については『学資ローン』と呼んで区別している」と語り、日本は本来の奨学金制度とは違う方向に進んでいると批判しています。
 東京教組は、連合東京とともに「学びの機会均等と格差是正を図ること」として、「奨学金水準については一定程度の生活費まで保障できるよう改善する。また、都独自の給付型の奨学金についても創設する」との要求を行っています。中京大学の大内裕和さんは、学生と一緒に「愛知県 学費と奨学金を考える会」を立ち上げ、学費と奨学金の問題に関する取り組みを中心に、教育、文化、格差や貧困といった問題について学生とともに考え、発信しています。2月23日には、東京でも奨学金の問題について講演を行いました。
 若者たちの未来を保障してゆくのは、私たち大人の責任です。



業績評価、開示のススメ

2013年02月26日 | インポート

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 昨日のブログで、成績率によって特別給(ボーナス)が減ることを書いた。

 その成績率は、校長の業績評価によって決められる。自分がどのような評価を受けたか知ることができるのが「業績評価の本人開示制度」だ。本来、すべての人に評価は明らかにされるべきだが、希望者だけになっている。
 手続きは簡単だ。開示の申請書に名前を書いて提出すればよい。申請書は、3月上旬に全員に配布されるはずだが、配布されなければ管理職にもらえばよい。3月7日以降に、本人に「項目別評価」と「総合評価」が文書で開示される。
 業績評価は、特別給だけでなく昇給にも影響するので、自分に対する評価は知っておいたほうがよい。もし、評価に疑問があれば校長と面接し、納得できなければ「苦情申出」を区市町村の教育委員会に出すこともできる。その結果、評価の修正が行われた事例もある。

 裁判でも、不当な業績評価があったことを認め、賃金上の不利益を伴う以上、「C以下の評価をするについては、その根拠として相当な事実が存在することが必要であり、上記不利益との関係において評価の相当性が争われる場合においては、評価権者側において、その存在について主張立証責任を負うと解すべきである」と、評価権者側に立証責任を負わせる確定判決(2011年10月)が出ている。
 開示申請をすると不利になるなどと言うトンデモ校長がいるという情報が組合に寄せられているが、まったく根拠のないデマだ。むしろ、みんなが開示を希望することによって公平・公正な評価になる。

   (シクラメン


成績率で特別給が減る!

2013年02月25日 | インポート

Photo 6月と12月に支給される特別給(ボーナス)に成績率が導入される。
 特別給は、夏・冬合わせて、給料の3.95月分(期末手当2.6月、勤勉手当1.35月)が支給されている。
 成績率は、その勤勉手当から0.02月分を全員から差し引き成績によって差別支給する仕組みだ。業績評価が下位の人からは、さらに6%差し引く。
 月給40万円の人で考えると、全員8,000円減ることになる。さらに下位の人は32,400円減る。下位の人とは、業績評価の総合評価が「D」で、最終評価が「1」の人だ。総合評価は校長の絶対評価であり、最終評価は相対評価。相対評価の比率は、いずれ公表される。
 一方、成績が上位の人には、加算額が支給される。その対象は40%。
 20人の職場(全員が月給40万円と仮定して)で考えてみよう。全員から8,000円ずつ集めて20人分で160,000円、成績下位の人が一人いたとすれば、拠出総額は192,400円。
 これを上位8人(40%)に24,050円ずつ配ることになる。
 この結果、上位8人は、16,050円増、中位11人は8,000円減、下位1人は40,400円減になるしくみだ。業績評価によって24,050円~56,450円の差がつくことになる。
 ボーナスを奪い合うような構造で勤労意欲が増すはずはない。

 校長からは、「お金が絡むと業績評価をどうつけるか悩むし、勤労意欲を高めることも難しくなる」という声も聞かれた。
 校長の 顔色うかがい 子ら見えず

というようにならないことを願う。

※この試算は、単純化して仕組みを説明しています。実際には、「成績率」では「扶養手当」が算入されなくなるので、扶養手当の給付がある人は、さらに減額されます。(給料月額38万円の人で年間4万円程度の減額になります。)

(ウメ・紅梅)


事務室から、事務職員がいなくなる?

2013年02月22日 | インポート
Dpp_0018 都教育委員会は、江東区と武蔵村山市を「学校事務の共同実施」のモデル地区とし、試行を行うとしている。
 「共同実施」とは、各小中学校に1名配置されている学校事務職員を「所属校」と「拠点校(センター校)」に兼務籍させ、拠点校に週4日勤務して集中的に事務作業を行ない、「所属校」にはその日、「非常勤職員」を配置するというものだ。つまり、所属校は週4日、非常勤職員だけになってしまう。これでは、学校の混乱は避けられず、教育活動に支障をきたすことは、明らかだ。
 なぜ、「共同実施」なのか?学校事務関係五組合に対して、都教委は「学校事務の共同実施」を行う理由を次のように説明している。
〇大量退職による再任用化の進行
〇義務制(小中学校)への配属希望者の減少
〇欠員補充が困難になっている
〇一校一名の配属なので、人材育成が困難である
 しかし、この理由は、都教委が行ってきた人事施策の結果にほかならない。ここ数年、学校事務職員の退職の補充は、「再任用」と「複数定数校」からの異動で賄われ、本来配属すべき新規採用者を、「一人職場には、新規採用者を置けない」という理由で小中学校に配属してこなかった。こうした偏った人事配置を続けた結果、学校事務職員は、51歳以上が53%という「高齢社会」を招いた。
 では、「共同実施」をすれば小中学校に新規採用者を配属させるのか?都教委は、明確な答えを示していない。これでは、事務職員の非正規化・非常勤化に他ならず、学校事務の「合理化」「人減らし」を狙っているといわれても仕方ない。
       (アンズとヒヨドリ)



よりかからない生き方

2013年02月21日 | インポート

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茨木のり子の『倚りかからず』という詩集(筑摩書房)がある。本と同じタイトルの詩は、

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない 
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

と自立した生き方をきっぱり詠う。
 東京教組の「女と男の自立をめざす教育推進委員会」が作成した「未来の私ーよりかからない生き方を求めてー」は、自分で判断し、自分で決定していくこと。

自分らしい生き方をするための授業実践、ワークシート集だ。

その学習会が開催される。
 日時:3月1日(金)  18:30~20:30(開場・18:00)
 場所:さくら会館(JR青梅線 牛浜駅 徒歩5分)
 講師:池田美智子さん(元福生第六小学校教員)
 タイトル:「未来の私ーよりかからない生き方を求めてー」今、改めてジェンダー平等を考える


自ら考えて学ぶ

2013年02月19日 | インポート

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フィンランドの教育・日本の教育(その3)

 フィンランドでは、9年生(日本の中学3年)になると学校ごとの教科担当教師によって教科に4~10点満点で評点がつけられる。生徒たちはその成績を見ながら、進学希望の高校を第5希望まで書いて志望校に提出して合否結果を待つ。出された評点の成績が不本意な場合や、どの高校にも入学が許可されなかった生徒は、本人の希望によりもう1年間、10年生として、無料で教育を受けることができる。授業には特別カリキュラムが組まれ、教科書も専用のものが用意される。その場合、「落ちこぼれ」といった考え方はされず、むしろ「一年多く勉強した」と見なされる。フィンランドでは、低学力の生徒への支援は徹底的に行っている。10年生の制度は彼らに修了資格と基礎学校の成績を上げるチャンスを与えている。10年生も卒業して、職業学校に入学した場合は、一年分飛び級もできる。
 その10年生になると中学生の半数が寄宿制の学校で1年間を過ごし、自分の生き方を考えるそうだ。その子ども達は共に生活することを通して、できることを身につけていく。職業コースには掃除や料理もあり、それらは共同作業なのでいっしょにできるようになればいいと。社会全体がこんな風にして、「共に生活すること」を実現しているのだと思った。
 「特別支援」教育について会場から質問があったが、基本的にどの子も同じ場で、同じ時間に学ぶのが基本で、エリート教育はなく、一人で学べる子は放っておいても学ぶ。「特別なニーズがある子」にはたくさん支援をするそうだ。

 フィンランドの教育の特徴をまとめれば次のようになる。
 
①平等で機会均等な教育が付与されている。
②子どもが自ら考えて学ぶことを基本に据えている。
③教育権限が地方自治体、学校、教師に分散されている。
④授業料が小学校から大学まで無料である。
⑤教師の質が高い。

 講演で福田さんは、「味噌汁の味見をするのに全部飲まないように、学力の調査なら、抽出テストで十分」と語られていました。

 テストで90点とれなかったら90点とれるまで何回もやり直しをさせる学校があるのですが、なんとバカげたことでしょうか。安倍政権の全国学力テストの悉皆調査の予算や、「心のノート」の再配布などが35人学級より優先されるのはなぜか?と再度思う。教育のあるべき方向について、とても考えさせられた学習会だった。

  (くすぬち文化会館・沖縄)


こどもたちの豊かな学びを支援する教育へ

2013年02月18日 | インポート
Img_5667フィンランドの教育・日本の教育(その2)
 福田さんはデンマークやフィンランドの教育を様々な映像を通じて説明しました。
 二つの国とも教育のコンセプトが「自立を保障する」ということであり、だからこそ、知識の教え込みでなく、必要な情報をどうやって自分で探し出せるかが、教育の中心になっているという事を知りました。
 また、教員が専門家として行政からも世の中からも信頼されているのはうらやましい限りでした。
 今、私たち教員は、様々な事務作業に追われ、教材研究は二の次とされています。でも、フィンランドの教員は3時前には学校を出ており、自由に時間を過ごせるとのこと。またデンマークの学校では教員養成大学にリソースセンターがあり授業に使える資料がそろっていて、いつでも教材研究に打ち込める環境が整っているとのこと。どちらにしても私たちの日常生活とはかけはなれており、本当の意味で教員が大切にされているなと思いました。
 日本の教育を急に変えるのは難しいですが、取り入れられる事を少しずつ実行していければと思いました。
   (スイセン


フィンランドの教育・日本の教育

2013年02月15日 | インポート
20121104_123534 20人以下学級。高校までの授業料・給食費無料。全ての教材は貸与。16歳までは他人と比べる テストはない。教科書検定なし。教材研究の時間は授業時間の2倍。夏季研修期間は70日。希望すれば同一校にずっと勤務可能。退勤時間、平均午後2時57分。
 これは、2月1日の東京教組学習会「フィンランドの教育・日本の教育」で、講師の福田誠治さん(都留文科大学)が話してくれた内容です。フィンランドでは、どの子どもも不利益を被らない「平等」の教育を行うため、教育長は条件整備を行い、教育に対する口出しはしないそうです。フィンランドに先立ち教育改革をおこなったデンマークの学びとは、「学び方を学ぶ」ということだそうです。「協同活動をし、その成果を人前で発表できること。必要な情報を自分で集められること」が学習目標です。その結果、国政選挙の投票率が80%を割ったことがなく、「政策討論会」は視聴率が74%といいます。こうした学びのなかで育った人たちが、国際社会での英米の強権的な発言に対して英語できちっと反論しているそうです。
 なんだか、未来に希望が見える話でした。久しぶりに教育の理想が見える学習会で若い人が多いのも良かったなと思います。
   (アイヌ文様を学ぶ子どもたち、2012年11月4日「チャンランケ祭」中野駅前)


ウリハッキョ(私たちの学校)

2013年02月14日 | インポート

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 11日、第39回日朝教育交流のつどいが開かれた。晴天に恵まれ、会場の西東京朝鮮第二幼初級学校(町田)には、200人以上の人々が参加した。
 国語として朝鮮語を学び、各教科の授業も朝鮮語で行われてるとともに、日本語の授業もあり2年生が「スーホの白い馬」を熱心に学習する様子を授業参観で見せてもらった。
 李政愛校長は、歓迎の挨拶で、「西東京朝鮮第二幼初級学校は、歩みを重ねて67年になります。この学校は、第二次世界大戦の時、町田周辺の軍事施設の建設のため働いた在日一世の熱意と努力でつくられました。さらに、この新校舎建も、一世たちが残してくれた敷地を半分売って、原資にしました。ですから、ウリハッキョは在日朝鮮人の血と汗の結晶であるとともに、未来の子ども達へのプレゼントでもあるのです。」と語られた。
 町田の街並みを見下ろす丘の上に立つ校舎は、とても立派なもので、この学校を支える在日の人々の誇りであると同時に「未来への希望のしるし」になっている。
 特別報告では、「相模湖ダムの歴史を記録する会」の橋本登志子さんが、相模湖ダムは朝鮮人や中国人が造ったことを知って欲しいと話された。
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 在日一世の朴在運さんは、小学生の時、朝鮮学校に通うために島根から2昼夜かけて東京に出てきたという経験を踏まえ「自分の根っこがしっかりとしていなければならないと思うから朝鮮学校に通わせるのだ。それは当たり前のことだ。なぜ日本では、当たり前のことが許されないのか。」と、高校無償化制度からの排除をはじめとする朝鮮学校に対する差別をなくすことを訴えられた。また、地域で朝鮮学校支援の活動を続けている「朝鮮学校を支える町田市民の会」と「入学おめでとう応援隊」の活動が報告されるなど、大変充実した集会だった。


部落差別にもとづく冤罪「狭山事件」

2013年02月13日 | インポート
20130211_155527 差別にもとづく冤罪「狭山事件」は、5月1日、事件発生からちょうど50年目という節目を迎える。再審を求める第3次再審請求も、06年5月の申し立ててから7年になる。東京高裁、弁護団、検察による三者協議は09年9月から現在まで10回行われた。昨年は、検察官から4通の意見書が提出されるなど、大きな動きがあった。今年が正念場になる。
 血痕反応検査報告書をはじめとした重要な証拠の開示、事実調べの実現など再審に向けたとりくみの強化が求められている。
 これまで足利事件や布川事件で再審無罪の確定と、昨年の東電女性社員殺害事件で再審が決定するなど冤罪や裁判制度に対する関心も高まっている。また、冤罪を防止し誤判を正すための「公正な証拠開示」と「取調べの可視化」に関する法律を求める声も高まっている。
 こうした中、東部、三多摩に引き続き、狭山事件の再審を求める東京集会が開催される。多くの皆さんの参加を期待する。
日 時  2013年2月20日(水) 18時30分から
会 場  台東区民会館ホール 台東区花川戸2-6-5(東武・東京メトロ浅草駅下車 徒歩7分)
主 催  狭山東京実行委員会
内 容  主催者あいさつ、狭山弁護団報告、冤罪当事者からのアピール、家族からの訴えなど
     (ウメ)


日本、沖縄。甘えているのはどっち?

2013年02月12日 | インポート

Dsc09598 1月28日、沖縄のすべての市町村長、議長、県議による県民大会実行委員会130人が、安部首相らに直接「建白書」を渡し、普天間の県内移設、オスプレイ配備反対を直訴した。その共同代表でもある沖縄市長会会長の翁長雄志(おながたけし)那覇市長は、自民党沖縄県連の幹事長も務めた方だ。

 翁長さんの父は、村長と一緒に沖縄戦で亡くなった遺骨を集めた。数が多く骨が盛り上がり、セメントで覆い、「魂魄の塔」と命名。雄志さんは、今もお参りしている。

 「沖縄に経済援助なんかいらない。そのかわり、基地は返してください」「いったい沖縄が日本に甘えているんですか。それとも日本が沖縄に甘えているんですか」「僕らはね、もう折れてしまったんです。何だ、本土の人はみんな一緒じゃないの、と。沖縄の声と合わせるように、鳩山さんが『県外』と言っても一顧だにしない。沖縄で自民党とか民主党とか言っている場合じゃないなという区切りが、鳩山内閣でつきました。」「いまはオールジャパン対オール沖縄だ。」と話す。(11/24朝日新聞)
 この声に「本土」の私たちが応えられるかどうか、今、すべての沖縄の目が注がれている。

   (魂魄の塔)


2人の少年の『死』

2013年02月08日 | インポート
20130203_130728_5 「この一年、私たちは2人の少年の『死』という事実に直面しました。『いじめ』『体罰』が要因とされる『自死』です。教研集会開催にあたり、教育実践を語るときこの問題から眼をそらすことはできません。今回の2つの報道に触れたとき、私は自らを振り返り、私自身が自らの教員生活のなかで、『いじめ』の本質を見極めることができたのか、苦しむ子どもたちを救うことができたのか、子どもたちに決して手を上げることはなかったのか・・・。そう問い直したとき、それを否定できない自分がいるのです。自らの指導力のなさのなせる業でした。学年や学校全体で、多くの教職員の眼で子どもたちを見守ることができない、自分たちの実践力の弱さ故のことでした。子どもたちが本音でぶつかり合う学校だからこそ、子どもたちの間でトラブルが起こります。仲間はずれやそこから発展して『いじめ』、最終的には暴行や恐喝というような行為に及ぶことも現実に起こってしまいました。問題は、なぜそこにいくまでに周囲の大人、学校や家庭が連携して対処できなかったのかということです。早い段階で子どもたち自身に問題を気づかせ、克服していく道筋をつくれなかったのか。他人の心の痛みを感じ取る、そんな子どもたちに育んでいく教育の営みが、未だ私たちのとりくみでは不十分だといわざるを得ないのではないかと思います。他人の痛みがわかる子に育てるということは、私たち自身が子どもの心の痛みを感じ取るだけの感性と心の豊かさ、寄り添い続ける気持ちと余裕を持っているかどうかが関わります。その思いと条件があれば、『体罰』や『言葉の暴力』の刃を子どもに向けるという行為が起こるはずもありません。『いじめ』を見逃さない教育のあり方と『体罰』を許さない教育のあり方は、ここでつながるのだと思います」。
日教組全国教研の加藤良輔委員長があいさつ抜粋。
全国教研の詳しい報告
   (キダチアロエ



日の丸弁当

2013年02月07日 | インポート

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 「キャラ弁」など手の込んだ豪華なお弁当が多い中、「日の丸弁当」といっても、どんなものか知らない人も多いだろう。四角い弁当箱のご飯の真ん中に梅干し一個だけを入れたものだ。

 その「日の丸弁当」について、東京教組の先輩でもある北村小夜さんが語った思い出がある。

 戦前、毎月1日は武運長久を祈る「興亜奉公日」とされた。戦地の兵隊さんの苦労を思い、質素な食事をして決意を新たにしようと、学校では日の丸弁当を強制された。ところが中には、それでは子どもがかわいそうだと、弁当箱の底に佃煮を敷き、その上にご飯をかぶせて持たせる親がいた。いつの世も変わらぬ親心だろう。ところが、北村さんの担任の先生はそれを見つけて大変怒り、非国民だと罵った。そして、次からは全員の子どもに弁当をひっくり返させて、本当に梅干しだけか確認してから「いただきます」をするようになってしまった。

 戦後、教科書に墨を塗るようになったとき、その先生は、日の丸弁当に熱心であったように、熱心だった。墨を磨るのが面倒でいい加減に磨っている子どもを窓の所に連れて行って、窓ガラスに教科書を透かして見せて、「ほらほらまだ兵隊さんと読めるじゃないか、もう少し濃く磨りなさい」と熱心だった。いい先生ってそういうもんなんですよね。素直に国策を伝達するというのが、立派な先生なのでしょうか、今求められているのもたぶんそういう先生なんだろうと思うと北村さんは語る。

 「この世で会えなかったら靖国で会いましょう」と言い残した海軍予備学生だった北村さんのボーイフレンド。彼が戦死して私が喪服を着て靖国神社に参るのでは済まないと思って、北村さんは、女でも靖国神社に祀られるために、日本赤十字社の看護婦になり、旧満州の陸軍病院で終戦を迎えた軍国少女だった。

旗(日の丸)と歌(君が代)に唆されて熱心に戦争をして天皇のために費やした私の青春を取り戻そうと生きてきたわけですが、まだ取り戻せていません。耄碌して探し物ばかりしているのに、身に付いてしまっている教育勅語や軍歌はすらすら出てきます。これでは死ぬとき「天皇陛下万歳」と言わない保証はありません。
と北村さんは語っている。(「戦争は教室から始まる」現代書館)

(1/27「NO OSPRAY東京集会」デモに向かって「オスプレイで尖閣守れ」と日の丸を振る人々)


社会科教育に期待するもの

2013年02月06日 | インポート
Img_0811 育鵬社の社会科教科書を採択した大田区で、元大田区教育委員長の櫻井光政さん(弁護士)による「社会科教育に期待するもの」と題した「大田の教育を考える会(第8回学習会)」が開催される。
 昨年末の総選挙で政権の座に返り咲いた安倍晋三首相は、選挙戦の中で「憲法改正・国防軍創設」とともに、「教育を取り戻す」として、戦前教育への回帰を声高に訴えた。政府の諮問機関「教育再生実行会議」の面々を見ても、平和・人権といった課題が学校教育から奪い去られてしまう一歩手前まで来ていることは、間違いないだろう。
 櫻井光政さんは、教科書採択の時ひとりだけ歴史と公民両方の育鵬社教科書に反対意見を述べた。今の政治状況の中で、ますます社会科教育の中身が問われていること、育鵬社の教科書のどこが問題なのかを語っていただく。
どなたでも参加できます。
日 時 2013年3月1日(金)18:30~20:00
会 場 大田区消費者生活センター
(大田区蒲田5-13-26・JR京浜東北線蒲田駅東口下車徒歩約5分 大田区役所隣)
内 容 講 演 「社会科教育に期待するもの」
    講 師 櫻井 光政さん 元大田区教育委員長・弁護士
連絡先 大田区教職員組合 (03-3737-1241)
 (沖縄辺野古の鉄条網にくくられたヘリーポート建設反対の寄せ書き)