東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

朝鮮学校を歩く  1100キロ/156万歩の旅

2019年10月07日 | 日記

 数ある外国人学校から朝鮮学校だけが「高校無償化」から排除され続けていることを知っていますか?

 2010年に発足した「高校無償化」制度は、教育の機会均等の理念を拡充して、朝鮮学校も適用対象になるように準備されていた画期的な制度となるはずでしたが、2013年2月20日、文科省は「高校無償化」法の施行規則にある「規定ハ」の削除を行い、朝鮮学校を「高校無償化」制度から排除する決定を朝鮮学校に通知しました。「規定ハ」とは外国人学校のうち文部科学大臣が高等学校の過程に類するものとみなした学校も無償化の対象となるとしたものです。

 東京では当該の高校生62名が原告となって国を訴え、裁判となっていますが、最近最高裁で不当にも上告棄却されました。著者の長谷川さんは元東京教組書記長、元杉並教組委員長で、今、連絡会の共同代表として「無償化裁判」を闘っています。その裁判で、私に何ができるか考え、全国の朝鮮学校を周り学生や先生やオモニやアボジを励ましたいと、高校無償化の適用を求めて2017年6月福岡から全国行脚が始まり、20kg越えのリュツクと「無償化の適用を!」という幟旗を手に持ち、半年後、最後の朝鮮大学校(67校目)を巡り完遂。全国行脚での感動的な出会いと支援、日本人として朝鮮学校や無償化問題にどう向き合えばよいのか考えさせられます。

 長谷川さんの熱意が伝わる一冊です。

 

「朝鮮学校を歩く1100キロ/156万歩の旅」

(花伝社)1800円+税