東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

憲法は誰のもの?自民党改憲案の検証

2015年11月30日 | 日記

 安倍政権は、憲法違反の安保法を強行採決した今、改憲を本気で狙っている。
 それにしても、自ら憲法違反を繰り返す政権が憲法を変えるというのだから怖ろしい。
 つい最近は、衆参209人の議員が臨時国会を要求したが、これをはねつけた。これは、憲法53条(いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない)に明らかに違反している。子どもたちに、憲法を違反している安倍内閣だと教えなければならないのは恥ずかしい限りだ。
 さて、自民党の改憲案だが、その内容は2012年4月に発表された自民党の改憲案で明らかにされている。それを見ると立憲主義は跡形もなく、国家に国民を従属させる憲法になっている。生活の隅々まで国に支配される日本をつくろうとするものである。
 この改憲案については、東京教研が作成した「私たちの憲法」(2013年9月発行)で批判的な検討をしているので是非見直して検証してほしい。
 『私たちの憲法』は、東京教組のホームページで全文を読むことができます。 
『私たちの憲法』 

 また、的確に憲法の立憲主義を論証し、自民党改憲案がいかにでたらめなものか検証している「憲法は誰のもの?自民党改憲案の検証」(伊藤真、岩波ブックレット)も、お薦めに一冊だ。教室で憲法を教えるための資料としても使える。
 ①国民主権(誰のため、何のための憲法)、②平和主義から「戦争のできる国」へ、③人権の縮小、義務の拡大、④なぜ九六条を変えてはいけないかの4章建てで、2013年当時の争点を的確に検証している。


あなた、下流老人にはならないだろうと安心していませんか?

2015年11月27日 | 日記

 ラブライバー/アゴクイ/ドラゲナイ・・・わかる?今年の流行語大賞にノミネートされた言葉だ。ラッスンゴレライ/安心して下さい、穿いてますよ。は子どもたちもよく口にする。1億総活躍社会/粛々と/切れ目のない対応/存立危機事態/駆けつけ警護/国民の理解が深まっていない/テロに屈しない/早く質問しろよ/アベ政治を許さない/戦争法案/自民党、感じ悪いよね/シールズ(SEALDs)/とりま、廃案/マイナンバーなどとともに、ベストセラー「下流老人」(藤田孝典、朝日新書)もノミネートされている。
 この本を読めば、いつ私たちの誰もが下流老人になってもおかしくないことがよく分かる。 下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」、①収入が著しく少ない②十分な貯蓄がない③頼れる人間がいない(社会的孤立)この「3ない」が下流老人と定義している。例えば銀行員で収入も資産もあった藤原さんは、50代半ばで体に変調をきたし、認知症と分かった時には退職、離婚で資産もなくなりアパートを退去させられホームレス状態になっていた・・・など、大丈夫でしょう思っていた私も明日は我が身と感じる。
 著者は、「あまりの刺激的な言葉に、『差別的だ』、『高齢者をバカにしている』、『著者の見識を疑う』など多くのご批判もいただいた。 真摯にそれらの言葉は受け止めたいと思う。
 一方で、高齢者の貧困について、これまでも私たち社会福祉関係者は問題提起を繰り返し行ってきた。 問題は深刻であり、今後も貧困が拡大することには反対で早急に対処するべきだと。 日本における高齢者の相対的貧困率は20%程度であり、5人に1人は健康で文化的な暮らしが送れていない可能性があると指摘できる。 1人暮らし高齢者に至っては、さらに相対的貧困率は急上昇する。高齢者の孤立死の背景に貧困も見え隠れする。 しかし、高齢者の貧困問題に政治や政策が積極的に関与してきたとはいえない。 むしろ、消費税増税や年金削減(マクロ経済スライド)、生活保護基準引き下げ、介護保険制度の利用基準引き下げと自己負担割合の増加など貧困や格差を拡大させる政策が強いように思う。 案の定、高齢者の貧困に限らず、年々日本における相対的貧困率や格差は拡大する傾向にある。
 さらなる貧困を生み出し、苦しむ高齢者をこれ以上増やしたくないと思っている。 そこで『下流老人』という言葉の持つ力を信じて、大きなアクションに打って出ようと考えた。」と語っている。
 著者は、下流老人社会を克服するためには、社会の構造を変える運動が必要だとして次のことばで結んでいる。

 人種差別撤廃に尽力したマルティン・ルーサー・キング牧師は、「I Have a Dream」(わたしには夢がある)という有名な言葉を残した。最後には凶弾に倒れたが、彼が命がけで追い求めた人種差別のない、すべての国民が手を取りあって暮らすという社会構想は、実現に向けて今もその歩みを止めていない。当初、同人種の人々や仲間からも「そんなことは不可能である」と反対意見があったが、力強いリーダーシップをもとに、多くの人々の理解を得ていった。
 それぞれの領域、それぞれの社会における「住みにくさ」に対する改善要求は、歴史的にどの地域でも繰り返されてきている。これらの社会運動は、「ソーシャルアクション」と呼ばれ、政府に社会変革を求める活動だ。昔から理論的にもその必要性が指摘され、実践されてきた。すべてに共通することは、ただひとつ。「住みにくい社会をつくるのは、彼らを抑圧する社会システムである」ということだ。
 どのような社会的弱者であっても、個人的な問題のみに終始しない。そこには偏った社会構造の生み出す歪みが必ずあり、先人たちはこれを理解したうえで改善活動に取り組んできている。「住みにくいな」と思ったら、自分と同じような境遇の人もそう思っているはずだ。その共通意識でつながりながら、すべての人にとって住みやすい社会を目指して活動を続けてきた。…共に考え、想像し、行動していくことを、私は願いたい。


「テロに屈するな!」に屈するな

2015年11月20日 | 日記

 フランスのテロ事件について、世界から非難と「テロに屈しない」表明が行われ、フェースブックではプロフィール写真にトリコロールカラー(フランス国旗)をかぶせる怪しい呼びかけに応える人も続出している。
 そんな時、「フランスで起こった事は確かに悲劇だし、被害にあった方を思うと本当に悲しくなります。でもその背景にシリア、イラク、アフガニスタンの空爆でどれだけの一般市民が亡くなったのだろうか。今朝フランスがシリアを空爆というニュースを見て、これは負の連鎖でしかないなとと思いました。」という教え子のFBがあった。
 先日読んだ「『テロに屈するな!』に屈するな」(森達也、岩波ブックレット)は、実に明快な論理と実証、自らの経験に基づいて「テロに屈するな」という同調圧力、集団性の怖ろしさを説く。少し紹介する。

 まず日本は、均質傾向がありアメリカのような復元力が現れないと警告する。日本は、一極集中で付和雷同。全員が同じ方向を見る傾向が強い。過去をすぐ忘れる。「テロに屈するな」と指導者が叫べば大勢が後に続く。「テロに屈するとはどういうことか」などと言えば、非国民とか売国奴などと罵倒される。
 結局は、他者への想像力の問題でもあるが、そのためにもメディアの役割は重要だが、この国のメディアは今、最悪な状況にある。例えば、ISに殺された後藤さんの妻に対し「ご本人の判断もありますし」と虚偽の証言をして「テロリストとは直接交渉しない」と見捨てた政府。6月5日の辻本清美議員の国会質問に「現在の憲法をいかにこの(安保)法案に適応させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定を行った」と言い放った中谷防衛大臣。などを報道しない姿勢がそうだ。
 2011年7月22日ノルウェーの連続テロ事件に際し、当時のストールベルゲ法相は寛容を訴え、首相は当日夜の記者会見で「これほどの暴力であるからこそ、より人道的で民主主義的な回答を示さなければならない」と主張し、ウトヤ島で殺戮を免れた10代の少女の「一人の男がこれほどの憎しみを見せたのなら、私たちはどれほどに人を愛せるかを示しましょう」を紹介しがら「私たちは自分たちの持つ価値観を決して放棄してはなりません。相手をもっと思いやることが暴力に対する答えだということを示さなければなりませんとスピーチし、「私たちは報復を求めない」とまで言い切った。
 なんと成熟した統治機構(政府)であり、国民なのかと思う。


辺野古に基地は造らせない大集会

2015年11月17日 | 日記

 沖縄では、米軍の新基地を辺野古に造る工事が日本政府によって強行されています。
 翁長沖縄県知事が埋め立て工事の承認取り消しに対し、その効力を停止する申し立てを国交省に行う一方で、政府が県に代わって工事を行う代執行の手続きをしました。行政不服審査法では工事をするのは「私人」と騙り、代執行では「政府」が行う工事とする二枚舌。法を捻じ曲げる手法は、立憲主義を否定した戦争法の強行採決と変わらない。
 さらに、基地をつくらせないと座り込む人々に対し、東京から警視庁の機動隊を動員して排除までしています。
 辺野古新基地建設は、地方自治、地方主権の破壊であり、沖縄差別にほかなりません。
 沖縄県民は、翁長知事を全力で支えて、知事と稲嶺名護市長を先頭に島ぐるみでたたかう決意を固めています。
 11月29日には辺野古に基地は造らせない大集会が開催されます。沖縄のたたかいと連帯して声を上げましょう。

11月29日(日)13:30開始
日比谷野外音楽堂
集会後デモ行進


なぜ薩摩芋(サツマイモ)?

2015年11月13日 | 日記

 実りの秋。子ども達と春に苗を植えたサツマイモの蔓はすくすくと育ち、まるまると育った芋が収穫できた。蔓はクリスマスのリースにもなる。
 秋の味覚である柿も栗もうまいが、栗よりうまい十三里といわれるサツマイモ。なぜ十三里か?諸説あるようですが、宝永年間になると京都にやきいも屋が現れた。このやきいも屋は、サツマイモの味が栗(九里)に近いとなぞかけて「八里半」と言う看板を出したそうだ。江戸には寛政年間に初めてやきいも屋ができ、この店も八里半と書いた行燈を出していたが、やがて小石川に十三里と言う看板を掲げた店が現れました。栗(九里)より(四里)うまいと言うしゃれというわけ。
 サツマイモの原産地は、中南米。インドをめざしてアメリカ大陸にたどり着いたコロンブスが、スペインにサツマイモを持ち帰り、フィリピン、中国、琉球を経て元禄時代の日本に入って来たようです。サツマイモはフィリピンから中国に1594年に伝わり、その10年後の1605年(薩摩侵略の4年前)に野国総監が沖縄に伝えたという。総監とは中国への進貢船の事務をやる役名で、野国とは村の名前で、本人の名前はよく分からないそうだ。
 その野国総監が故郷の北谷(チャタン)間切りの野国村や野里・砂辺で芋ので栽培をはじめた(現在嘉手納基地脇の58号線 沿いの一画に野国総監の碑が立っている)。
 その野国総監から儀間真常(真和志間切の垣花=今の那覇)が栽培方法を習い沖縄全国に広め、いつも台風後の飢饉 で苦しめられていた人々を救ったといわれている。
 沖縄では「芋」といえばサツマイモのことである。それが1698年薩摩に献上され、長崎を経て江戸に伝わり8代将軍吉宗が青木昆陽に栽培を命じ、やがて全国に広まり「サツマイモ」と呼ばれるようになったという。
 沖縄の友人は、琉球から薩摩に伝わったんだから沖縄でサツマイモというのは変じゃない?と言っていたがもっともだ。


命と教育、貧困は、まったなし

2015年11月09日 | 日記

 生活保護や就学援助は、憲法25条、26条によって保障された国民の権利であり、国の責務である。
第25条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
第26条  すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
 ところが、安倍政権は生活保護の基準を下げ、それに連動して一部の地方自治体が就学援助を縮小するという事件が起きている。水際作戦と称して、生活保護を役所の窓口でシャットアウトする悪質な手口も横行している。貧困家庭に食べ物などを届ける活動をしている「フードバンクかわさき」が就学援助を縮小した川崎市に抗議したところ、「縮小は生活保護の基準が下がったため」「生活保護の適正化に合わせた」などと回答したが、他の自治体でもこのような動きが出ないか要注意である。
 健康で文化的な生活を営む権利、義務教育を受ける権利、義務教育を受けさせる義務を保障すべき政府、自治体の責務を投げ出してはならない。命と教育、貧困は、まったなし。
このことを報じた2015年10月10日朝日新聞の記事を紹介する。

貧困家庭の就学援助、27市町村が縮小 「財政厳しい」
 経済的に苦しい家庭の小中学生に、学用品の購入費や給食費、修学旅行費などを補助する「就学援助」の対象が今年度は、27市町村で縮小された。文部科学省が6日発表した調査結果で明らかになった。17市町だった昨年9月より多く、補助を打ち切られた子どもが増えた可能性がある。
 就学援助は、生活保護世帯と、それに準じて生活が困窮している「準要保護」の子どもが対象。約151万5千人とされ、小中学生全体の15・42%を占める(2013年度)。
 生活保護世帯には国が補助。準要保護については、市区町村が平均で年7万円相当を補助する。対象者は、生活保護を受ける所得基準(4人家族で年収約230万円)を使うなどして市区町村が決める。「生活保護の所得基準の1・3倍」が一例だ。文科省によると、全国の6割に当たる1067市区町村が生活保護の基準をもとにしている。
 ところが、政府が13~15年に3段階で生活保護の総額を抑えるため、所得基準を下げ、対象者を減らした。連動して準要保護の対象も狭まり、補助が受けられない子どもが出ないように、多くの自治体は基準を見直した。
 一方、大阪市(13年度の準要保護の就学援助対象者数約4万2千人)、福岡市(同約2万7千人)、川崎市(同約7600人)など27市町村(同計約12万人)は今年度、影響が出るかもしれない子がいるのにこうした対応を取らなかった。文科省は、13年から今年4月まで7回、影響が出ないよう対応を求める通知を出した。
 川崎市では、前年度の基準では対象に含まれた小中学生258人(8月末)を認定しなかった。家計が急に厳しくなった場合は再申請を認めるため、9月末までに125人を認定した。市教委は基準を維持することについて「財政的に厳しい。個別に相談したい」と話す。
 準要保護への補助は、国から市区町村に出ていた補助金が04年度までで打ち切られ、「財源がない」という不満の声もあるという。(高浜行人、前田育穂)
■就学援助の対象が縮小される27市町村
【北海道】函館市、室蘭市、伊達市【宮城県】柴田町【神奈川県】川崎市、相模原市、愛川町【三重県】東員町【滋賀県】豊郷町【大阪府】大阪市、寝屋川市【兵庫県】姫路市【山口県】下関市【福岡県】福岡市、飯塚市、田川市、小郡市、粕屋町、芦屋町、岡垣町、大任町、赤村【長崎県】平戸市【熊本県】錦町【大分県】杵築市【沖縄県】与那原町、南風原町


黒塗りされた憲法

2015年11月06日 | 日記

 私たち公務員は、採用時に憲法を遵守する誓約書を書く。これは、憲法第99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」に基づいている。
 ところが、日野市は、公用封筒に印刷された「日本国憲法の理念を守ろう」という文言を黒く塗りつぶし、市民らに発送していた。なんていうことだ、憲法違反も甚だしい。
 日野市は、古い封筒を使う際、現行型のデザインに合わせるためだったと釈明したが、釈明にもなっていない。当然、市民からの抗議が相次ぎ、大坪冬彦市長は公式ホームページで「誤った事務処理で市民の皆さまに誤解を与えた」と陳謝した。
 東京新聞によると、

 問題となったのは、長形3号の縦長の郵便用茶封筒で、大きな「日野市」の文字の左下に「憲法の理念を守ろう」の文言が印字されている。2010年度のモデルで、4月1日からの1年間、全庁的に使われた。
市によると、今年2月ごろ、用水路や公園の維持管理を担う「緑と清流課」で、使っていない10年度モデルが課内の段ボール箱に1000枚以上残っているのが見つかり、捨てずに利用することにした。
同月、現行モデルにはない憲法の文言を、黒いフェルトペンで塗りつぶし、同課の業務で、主に返信用封筒として市民らに郵送。このほか、封筒を貸した都市計画課からも、黒塗りされた二十枚が発送された。
緑と清流課の原正明課長は本紙の取材に、自身が指示したことを認めた上で、「現行モデルと見た目のデザインを合わせる必要があると判断した。封筒のデザインは、その時々で、発信したいメッセージやキャッチフレーズが変わるため定期的に変更している」と説明。憲法の文言が何年度から採用されたかは分からないが、長い間、印字されてきたという。
この文言は10年度モデルを最後に消えたが、その理由について市は「把握できない」としている。
この黒塗りされた封筒は今月に入っても使用され、受け取った人が問題視し、25日にインターネットに画像を投稿して拡散。市には抗議の電話やメールが50件近く届き「中立であるべき役所にあるまじき行為」などの批判が寄せられたという。
原課長は「当時は見た目のことばかり考えてしまい、短絡的だった。憲法の文言をあえて消す必要はなく、メッセージ性を持った行動と受け取られても仕方ない」と話し、手元に残った黒塗り封筒500枚は、全て処分する方針を示した。
市は30日午後4時すぎ、HPで経緯を掲載。この中で大坪市長は「誤った事務処理で市民の皆さまに誤解を与えて遺憾に思う。憲法をはじめとする法令順守は市政の基本であり、今後も揺るぎない」とコメントしている。

  「日本国憲法の理念を守ろう」のメッセージは、地方自治体として市民に呼びかける当然のものであり、憲法の理念を守るのは自治体の責務である。古い封筒が見つかり利用するのも血税を大切にする当然の行為である。日野市は、二重の憲法違反を犯したことになる。
 最近、日本国憲法の理念を守る主張をする講師を自治体が断る事件も起きているが、安倍政権が進める壊憲の動きに自治体が迎合した政治的偏向であり、看過できない。


そうか!「家事労働ハラスメント」だったんだ! 

2015年11月04日 | 日記

「家事労働ハラスメント」この言葉を使っているのは、女性問題で提起を続ける竹信三恵子さん。同名の著書(岩波新書)の前書きに「人間の一日は、どんな人にでも平等に 24時間しかない」のに、「家事に対価はいらない」(家事=無償労働)という古くからの考え方により、家事労働に従事する人を「貧困と生きづらさの中へと落とし込みかねない」と書いています。
日本社会のシステム自体がハラスメント 
日本社会は、企業の在り方、社会保障制度、税制度を含むシステムそのものが家事労働の無視・軽視で成り立っています。さらに「家事労働は家族の元気を再生産する崇高な労働であり、賃金には代えられない」と言いながら、女性のみに育児や介護など家事労働負担を押しつけたうえ、外で働くならば長時間労働が当たり前という前提の中「自助努力」で働く、つまりハラスメントを社会システムが行っているという仕組みなのです。
保育労働や介護労働にも影響 
その家事労働軽視・蔑視は、結果的に保育や介護などの職業的ケア労働者の賃金低下や非正規化にも影響を及ぼすという結果を生んでいます。「女性でもできる簡単で単純な仕事には、多くの対価を必要としない」という考えがその根にあるからです。それらをわかりやすい言葉で「家事労働ハラスメント」と言っているのです。私たちは女性の働く条件を良くするために活動していますが、女性労働の現場は厳しくなるばかり。根本にあるのがこの「家事ハラ」だったんだ、と納得。ハラスメント解消の社会的合意を、困難ではありますが作っていくことが急務です。


9.23 さよなら原発さよなら戦争全国集会 心を一つに 2万5千人が集結

2015年11月02日 | 日記


 9月23日、代々木公園。8月11日に川内原発が再稼働、9月19日に安保関連法案が強行採決、この流れを何とか食い止めようという強い思いをもった人々が、全国から2万5千人も集まりました。呼びかけ人の大江健三郎さんや澤地久枝さん、鎌田慧さん、落合恵子さんのほか、福島原発告訴団をはじめとした原発に反対する運動を行っている団体・個人だけでなく、辺野古新基地建設反対運動や海外の平和グループなど、さまざまな立場の方が発言しました。上野千鶴子さんの「この国の民主主義は今や国会の外にある」という発言には大きな拍手がわきました。SEALDs代表の奥田愛基さんの「世代を超えてたたかう準備ができている」という発言に、今こそしっかりと団結するべきだという思いが強くこみ上げてきました。 
 集会後、渋谷方面と原宿方面とに分かれてデモ行進をおこないました。各種労働組合の幟を立てた団体だけでなく、個人的に参加されている方も多く見られ、原発や安保関連法案への関心の高まり・危機感の強さを感じました。シルバーウィーク最終日で、道路が混み合う中でのデモ行進でしたが、野次られるようなことはなく、道行く人の中には足を止めてプラカードを読む姿もありました。 
 今回の集会とデモ行進は、短い扱いではありましたが、ほとんどのテレビ局がニュースとして取り上げていました。しかし、あまりにも軽くて、政府はテレビ局に圧力をかけて、原発問題をなかったことにするつもりなのかと怒りを覚えながら、スイッチを切りました。そう言えば、今年の夏は「節電」という言葉を聞かなかったな、安保関連法案を通すのに忙しくて言い忘れたのかな…などと思いながら。