昨日のブログ「絶望は虚妄だ、希望がそうであるように!」に出てくる孫文、魯迅、内山書店は、神田神保町ともゆかりのある人物であるが、東京教組書記局のあるその神保町界隈は、今、恒例の古本まつりで賑わっている。(3日まで)
本の街だけあって、多くの作家が、足跡を残している。
神田小川町に下宿していた森鴎外。錦華小学校(現お茶の水小学校)に通った夏目漱石。一ツ橋に下宿していた正岡子規。表神保町に住んでいた樋口一葉。出世作「破戒」を荷車で神保町まで運んだ島崎藤村。ほかにも、永井荷風、斎藤茂吉、谷崎潤一郎、芥川龍之介、宮澤賢治、太宰治、武田泰淳など、錚々たる文人たちが神保町をその作品に描いていることを小冊子「神保町が好きだ!第8号」で知ることができた。
「或人は、電車で神田神保町のとおりを走っているところへ、がたがたと来て、電車はどかんととまる、びっくりしてとび下りると同時に、片がわの雑貨店の洋館がずしんと目のまえにたおれる、そちこちで、はりさけるような女のさけび声がする、・・・」
これは、鈴木三重吉が関東大震災のすぐ後の「赤い鳥」に書いた神保町のレポート。この時、三省堂も全焼したという。
のどかな古本市を楽しみながら、いつ来るかもしれない巨大地震が心配になった。