東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

この世界の片隅の話

2016年09月12日 | 日記

 

今年の夏休みも終わってしまった。
戦後71年目であったが夏はやはり戦争と平和について考えたくなる季節だ。安保法案成立、衆参2/3が改憲勢力となった今年の夏は、やはり新しい目で8月6日、8月9日、8月15日を迎えざるを得なかった。71年前の反省をどう生かしていくのか、より真剣に考えなくてはいけない義務感のようなものが渦巻いていた。
原爆については絶対悪であるという認識は変えようがない。絶対に語り継いでいく必要がある。揺らがずにヒロシマ・ナガサキを学び続けたい。

この後11月に「この世界の片隅に」という漫画を原作とするアニメ映画が公開される。「夕凪の街 桜の国」でヒロシマを描いたこうの史代さんが、もう一つのヒロシマを描いた作品だ。内容についてはぜひ映画や漫画で触れていただきたいが、この原作の最大の特徴は、実は映画や単行本では分かりにくいので少し紹介したい。

週刊漫画アクションに連載が開始されたときが、「昭和18年暮れ」の話でちょうど「平成18年暮れ」に連載されていたことから、平成と昭和を入れ替えるとちょうど現実の時間進行と、物語の時間進行がリンクする形になっていた。戦争が庶民の暮らしに落とす暗い影が月ごとに濃くなり、徐々に1945年8月が近づいてくる臨場感は、ものすごいものがあった。
日頃、戦争関連のフィールドワークなどを行って、戦争の空間的なイメージは広げることはできたが、ひたひたと迫ってくる時間の感覚は、この連載でしか感じることができなかったのではないか。

この日常にひたひたと迫ってくる「戦争」が、アニメ映画でも表現されているといいなと思っている。