東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

3.11後の岩手から考えること 考えなければいけないこと

2014年08月05日 | インポート

Img_3777  あの3.11から3年半が過ぎていこうとしていますが、その年月とともに私たちの中から記憶が薄れてきているのではないでしょうか。だからこそ、もう一度事実を知り、その中から現在の日本を見つめなおしていけるのでは、その思いから現地の取材を続けていらっしゃる安田菜津紀さんをお呼びし7月23日、学習会を行いました。
 安田さんは震災当時、その後の岩手県陸前高田市について自分が撮った写真をスクリーンに映し出していきながらお話をすすめていきました。震災当時フィリピンにいた安田さんは、情報も良く分からないまま義理の両親が住む陸前高田市に向かいました。そこで分かったのは、お母さんが津波にのまれて亡くなったということでした。安田さんはただ一本だけ残った一本松を希望の象徴として写真にとり、それが新聞に掲載されました。その写真に対してのお父さんの怒り、悲しみ。安田さんにとって希望の象徴としてみえたこの写真が、被災者にとっては波の威力を思い出させるだけのものだった。ともかくすべてのお話が心に突き刺さるようでした。
 この当時日本では「がんばれ、がんばれ」という言葉が氾濫していたが、これは被災した人々を追い詰める言葉でもあったこと。人々は沈黙していたが、その裏には声を上げられない沈黙でもあったとの一言は、私自身につきつけられたようでした。
 そして現在、高さ12,5m、幅50mの防潮堤が建設されようとしているが、観光、安全(陸から海の状態が見えない)産業(堤の杭が伏流水を止めかきの養殖に影響を与える)の点から問題なのではと話されました。しかし、これは復興事業なので「環境アセスメント」はいらないとのことで、まさに「憲法」が存在しない現実を知りました。
 明るい話もありました。現地では「桜ライン3.11」というプロジェクトがたちあがり、津波の到達点に桜を植えていくという運動が進められているようです。私たちは、今、何を考え行動していかなければならないか、大きな示唆をもらった学習会でした。


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1 コメント

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やっぱりそっちか。 (親。)
2014-08-06 17:03:19
やっぱりそっちか。
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