東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

猫の潔さ

2013年01月31日 | インポート

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 我が家のニャノコは23歳、人間でいえば百歳を超える老猫であった。息子が4年生の時に拾ってきたのだ。三毛で尻尾の曲がったちっちゃな猫は気儘に出入り、猫の存在は家族間の良い緩衝役だった。息子も独立し、家は私と夫と猫の3者、お互いに猫に話しかけることがふえた。そんな猫も寄る年波には勝てず、人間様と同様、毛艶は衰え、歯の隙間に色々つまる。その上あちこちに粗相をし、夜昼逆転夜中にミャーニャー泣き騒ぐ。塀からべランダに飛び移るのに目測を誤りずるっと落ちる。大好きな外遊びも行かなくなった。色々心配な状況になったこの夏、夫が洗濯物を干している時、外が怖いはずの猫が一目散に走って出て行ってしまい帰らなかった。随分探したが見つからなかった。猫は自分の死期を悟り人に死骸を見せないという。猫だけでなく、象や野生の動物は多かれ少なかれそのようだ。
 さて人間様、魑魅魍魎の政治の世界。一度は政権を投げ出し死に体になったにもかかわらずゾンビのよう復活した輩(やから)。4割の票で8割の議席を獲得すっかり有頂天。予算を、またぞろ国債主体の借金で大型公共投資をするという。旧自民の予算の作り方の反省の色もない。福島の惨状は自民の原発政策の結果、それも忘れ原発依存発言。憲法改悪も含めツケを未来に送ることばかり。旧弊を得々と進める輩に我が家の猫のような潔さはない。


中学校1年生に35人学級を導入。都予算案

2013年01月30日 | インポート
2013012927 都教委は、組合に対して2013年度予算・教職員定数等について説明を行った(1月21日、)。
 予算担当課長の説明によれば、新年度予算案の一般会計の総額は6兆2640億円と今年度の当初予算と比べて1.9%増え、2008年度以来、5年ぶりの増加となる。これは、新年度の都税収入が4兆2804億円と前の年度と比べて3.9%増加する見通しとなったためだ。
 これにより、教育関係予算も以下のように6年ぶりに0.8%増となった。
 教職員定数では、中学校1年生に35人学級を導入するための加配を251名配置。
 35人学級については、すでに小学校の1年生と2年生に導入されているが、来年度は中学校1年生で実現することになった。
 この他に、「耐震化の推進」として「区市町村立小・中学校・幼稚園の耐震化事業に対する財政支援を行う耐震化支援事業の延長や天井材等の非構造部材の耐震化に対する支援」、「いじめに関する総合対策の実施」として「スクールカウンセラーの配置を拡大(小学校を含めて全校配置)」、「若手教員の育成」として「経験豊かな再任用教員と2人で学級担任を担う体制の確保」等が盛り込まれている。
 この予算は,これから始まる都議会で審議される。
   (都庁から富士を臨む)



沖縄を、沖縄に、返せ!

2013年01月29日 | インポート

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 1月27日、米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備撤回を求め、沖縄の全41市町村長と議長、県民大会実行委員会の代表者が参加して日比谷野外音楽堂で約4千人の参加で「NO OSPRAY東京集会」が開催され、東京教組からも20人近く参加した。
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 地元紙の沖縄新報、沖縄タイムスは、特別版を発行して集会参加者に配布。ほとんど沖縄の声を取り上げない「本土マスコミ」との格差を感じる。

 私たち自身が、沖縄の痛みを分かち合い、日米安保の問題を国民全体で考えるべきだと思いをあらたにした。マスコミの報道、政府の対応、本土の世論、どれをとっても日本は明らかに沖縄を差別し、沖縄に甘えていると強く感じた集会だった。
 集会で翁長那覇市長は、安倍晋三首相が昨年の衆院選で訴えた「日本を取り戻す」というキャッチフレーズを引用して「沖縄に今まで通り安全保障を押し付けて、日本を取り戻すことはできない。日米安保体制は日本国民全体で考えるべきだ」と訴えた。

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 集会後、銀座、京橋まで約2キロをパレード、沿道には「日の丸」の旗を振り「オスプレイで尖閣を守れ」のプラカードを掲げる人々もたくさん見られた。小旗で歓迎されている箱根駅伝ランナーのような光景だった(笑)
 28日には、この集会で確認された「建白書」を直接、安部首相、小野寺防衛大臣にそれぞれ手渡した。


生活保護切り下げのまやかし

2013年01月28日 | インポート

20130104_141922 2013年度の政府予算案で、生活保護費を670億円減らすと報道された。ちなみに、一般会計総額は、過去最大規模の92兆6100億円。防衛費は400億円増。ということで、安全保障(軍事費)重視、、社会保障(生活保障)軽視の安倍政権予算案になっている。

 厚生労働省は、08年度以降のデフレで物価が下落しているが保護費を切り下げてこなかったと言っているが、インフレ誘導の安倍政権に言われたくないし、福祉切り捨てをデフレのせいにするなんてズルい。デフレでも、ず~と生活は苦しい。保護費を切り下げることで、貧困から抜け出すことができないことで生活保護費がひっ迫すると考えないのだろうか。目先の予算しか考えていない証左である。04年以来最大の引き下げで、生活保護受給世帯の約96%の世帯で受給額が減る。

貧困の問題に取り組んできた湯浅誠さんは、講演で社会的排除と社会的包摂について話している。

仕事を探そうとすると「子どもを預けてから」と言われ、子どもを預けようとすると「仕事している人が優先」と言われ、結果的に身動きできなくなっている子育て中の母親、要介護の親のニーズが介護保険によっては満たされず、仕事を辞めざるを得ない娘や息子たち、十分な収入が得られずに結婚したくてもできない若者、別に誰かが仕事に就くのを邪魔してやろうとか、仕事を辞めさせてやろうとか、結婚させないとか思っていなくても、この社会のあり方の中で、結果的にそこに追いやられてしまう人たちがいることを「社会的排除」と言い、その状態を自助・共助・公助を駆使して解消することを目指す官民のさまざまな取組を「社会的包摂」と言う。概念は小難しいが、指しているのは私たちの周りにありふれた事象で、悪気はなくても結果的に排除してしまっている社会の一員という意味では私たちも社会的排除の加害者であり、また何らかの形で不都合を強いられているという点では、多くの人が同時に被害者でもある、という説明をする。社会的包摂の取組にはいろんなリスクが伴うが、だからといって踏み込まなければ、結果としてそれらの状態が放置されるという最悪のリスクを社会は背負い続けることになる。リスクの比較衡量をしながら、いつも細い線をたどっていくしかない。

学校という社会も、排除(競争)ではなく包摂(共生)でなければ成り立たない。

(「夏の家」2階の小窓から「北の丸」の石垣を見る。国立近代美術館)


教職員の退職ー本当に無責任なのは誰なのでしょう?

2013年01月25日 | インポート
20130104_153110 退職金の引き下げにともなう埼玉県や愛知県等での早期退職問題がマスコミを賑わせ、波紋を広げています。
 事の発端は、国家公務員の退職金の減額です。国は昨年11月、国家公務員の退職金を減額する退職手当法を改正し、1月1日から施行しました。改正に伴い、国は自治体に「国に準じて必要な措置を講ずるように」と通知をしたことが問題の発端になりました。
 東京都では、昨年11月の秋闘において粘り強い交渉の積み上げにより、退職金の減額についてはすでに妥結し、条例の改正が1月1日より施行されています。また、定年退職について「定年退職日(60歳に達した年の直近の3月31日)に退職した場合」と条例で定めているため、3月31日以前に退職した場合は、定年退職ではなく普通退職となります。従って、今回のような問題が生じることはありません。埼玉などでは、60歳の誕生日以降は、年度内のいつでも定年退職が可能であるために早期退職の希望が増えたのでしょう。
 埼玉県の上田知事は、110人の教職員が早期退職することについて、「世間的にも批判があるだろうし特に担任を持っている先生が辞めるのは不快な思いだ。担任の先生が3月まであと2ヶ月のところで辞めてしまうのは間違いなく困ってしまうので無責任のそしりを受けてもやむをえない」と述べ、早期退職の意向を示している教職員を批判しましたが、本当に無責任なのはいったい誰なのでしょう。数十年にわたり真っ当に働いてきた方たちの誇りを傷つけ、子どもたちに不信感を与えるような政策を押しつけたのはいったい誰なのでしょう。
        (「クォ・ヴァディス」北脇昇)


日朝教育交流のつどい

2013年01月24日 | インポート

20121111_151754「まず、お互いに知り合うことから始まる。」を合言葉に積み重ねてきた「日朝教育交流のつどい」も、今年で39年目となる。
 民主党政権により「高校授業料の実質無償化」が実現したが、不当にも朝鮮高校は排除された。昨年末の総選挙で誕生した安倍政権は、省令を変えてまで朝鮮高校を除外しようとしている。これは明らかに、民族差別だ。

 また東京都は、石原前都知事の指示で、昨年度の朝鮮学校への補助金は支出されず、さらに今年度は予算にも計上しないという不当な取り扱いがなされ、猪瀬知事も踏襲する危険がある。一方、神奈川県では朝鮮学校への補助金を予算化する意向だと報じられている。
 こうした中、私たちが地道に続けてきた在日朝鮮人の歴史や文化の認識を深め、日朝の教職員、児童・生徒の交流する意義は高まっている。
 日朝教育交流が、どの学校でもごく普通にとりくまれるようにするために、朝鮮学校の現実を知るとともに、「高校無償化」への運動が実を結ぶために、多くの皆さんの参加を期待する。
名 称  2013年日朝教育交流のつどい(第39次)
日 時  2月11日(月)10時30分~15時
場 所  西東京朝鮮第二幼初級学校 (町田市金森東 1-17-1)

      ℡ 042-722-0051
主 催  第39次日朝教育交流のつどい実行委員会
チラシ・地図、プログラムなど詳細は、東京教組のホームページに掲載

(2012年川越唐人揃い)


冤罪に耐えて50年

2013年01月23日 | インポート

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 差別にもとづく冤罪である「狭山事件」は、2013年5月1日で、事件発生からちょうど50年目という節目の年を迎える。数々の新証拠が明らかになっているにもかかわらず再審が実現していない。石川一雄さんは、「死刑」判決から「無期懲役」判決、保釈になった今も、自らの無実を証明するため再審請求を続けている。

 その再審を求める闘いは、06年5月に第3次再審請求を申し立ててから7年が経過した。東京高裁、弁護団、検察による三者協議が09年9月から始まり、現在まで10回行われているが、昨年は、検察官から4通の意見書が提出されるなど、大きく動きだした。今年こそ、再審のとりくみの正念場であり、最大の山場を迎える。血痕反応検査報告書をはじめとした重要な証拠の開示、事実調べの実現など再審に向け弁護団もとりくみを強化している。
 これまで足利事件や布川事件で再審無罪の確定と、昨年の東電女性社員殺害事件で再審が決定するなど冤罪や裁判制度に対する関心も高まっている。冤罪を防止し誤判を正すための「公正な証拠開示」と「取調べの可視化」に関する法律を求めるとりくみとも連動し、狭山再審の世論を一層盛り上げていく必要があり、東京で狭山事件の再審を求める集会が3か所で開催されます。ぜひ、お近くの会場・ご都合のつく日時の集会にご参加ください。

狭山事件の再審を求める足立地区集会

日 時 2013年1月24日(木) 18時30分から
会 場 足立区勤労福祉会館(綾瀬駅西口 より 徒歩3分・足立区綾瀬一丁目34番地7-102号 電話 03-3838-3581)

狭山事件の再審を求める三多摩集会

日 時:2013年2月7日(木) 18時30分から
会 場:立川市女性総合センター・アイム(立川駅北口から徒歩7分。ファーレ立川・センタースクエアビル内・立川市曙町2-36-2)                 

狭山事件の再審を求める東京集会

日 時 2013年2月20日(水) 18時30分から
会 場 台東区民会館ホール(台東区花川戸2-6-5 東武・東京メトロ浅草駅下車 徒歩7分)

内 容 主催者あいさつ、狭山弁護団報告、冤罪当事者からのアピール、家族からの訴えなど


名言・迷言・明言

2013年01月22日 | インポート

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著名人が残す言葉には、名言もあれば迷言もある。いくつか心に残った「めいげん」を集めてみた。さて、あなたにとって次の言葉は「名言」、それとも「迷言」「明言」でしょうか?

「ヒューマニズムの名で行われる戦争が、戦争の中で一番危険なものだ・・・」金子光晴

「英雄のいない国が不幸ではない。英雄を必要とする国民が不幸なのだ」ブレヒト

「戦車はすべてのものを沈黙させることができる・・・しかし、プラハの街頭における戦車の存在そのものを、(戦車自身が)正当化することはできない・・・。自分自身を正当化するためには、どうしても言葉を必要とする」加藤周一(「言葉と戦車を見すえて」ちくま学芸文庫)

「日本に生まれた仕合せはなにか」という旧制中学の口頭試問の問題の正解は、中学受験参考書にもあった「万世一系の天皇をいただいているからであります」でした。佐藤忠男(「草の根軍国主義」平凡社)

「深海魚のように、自らの光で生きよ」魯迅(「吶喊」岩波文庫)

「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救われなければならない」坂口安吾

「すべてをつくるものの手をはなれるとき、すべてはよきものであるが、人間の手にわたると、すべてが悪くなる」ルソー「エミール」

「我々の仕事は原子力の推進であって、安全ではない」鈴木達治郎原子力委員会委員長代理

「広島・長崎の被爆者は、人類に対して比類のない重要なデーターベースを、彼ら自身と彼らの愛する人びとの高価な犠牲を基に提供したのである。人類が二度と再びこのようなデーターベースを持つことがないように祈りたい。」ジョン・W・ゴフマン(マンハッタン計画に関与、低線量被曝の影響調査、放射線健康被害にしきい値はない、すべての職を解かれても言い続けた学者)

「偽善とは、悪徳が美徳に払う敬意である」スウィフト


教員免許更新で失職者を出さないために

2013年01月21日 | インポート

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 安倍政権の誕生(というか復活)で「教員免許更新制」の廃止は、当分の間実現しそうもなくなった。さまざまな問題から、教員免許更新制の凍結・廃止は「教育界の総意」と言ってもよかった。今をさかのぼること3年ほど前、2009年12月全国都道府県教育委員長協議会と全国都道府県教育長協議会は「2010年度文部科学省諸政策に関する緊急要望」の中で、教員免許更新制度の見直しについて次のような指摘をしていた。
 「教員免許制度について、新しい制度への移行を前提としながら、現行制度を継続することは、受講者(教員)、免許管理者(都道府県教委)、開設者(大学)に混乱を招き、錯誤による免許状失効者が生じるなどさまざまな問題が発生する恐れがある。」さらに、早急に対応すべきこととして、「制度見直しに当たり、検討期間中の免許更新制度の凍結など、混乱を防止するための措置をとること」をあげていたのだ。(内外教育2009年12月11日号)
政権が交代したことで、これまで中教審で検討されていた「教員免許制度・教員養成の見直し」もどうなるかわからないが、教員免許更新制がどんな効果があったのか、全く検証もなされていないまま制度が存続していることは、大問題だ。
 すでに報じられているように、東京都では今年度7名の失職者が出た。全国教育委員長協議会と教育長協議会の指摘は、残念ながら正しかったことになる。再雇用の1名を除いては、30時間分の「更新講習」を受講し大学からの「講習修了証明書」も受け取っていながら、都教委での「更新手続き」を怠っていたための失職だった。「手続きが未了→免許失効→3月31日にさかのぼって失職」となったのである。最初の失職者が出たのは、5月だったが、年度途中でいきなり失職とされた教員は、さぞかし驚いたことだろう。当該の学校にしても、対応に追われたに違いない。
 手続きを怠った責任はあるとしても、管理職や行政にも、責任はあるだろう。とはいえ、最大の問題点は、制度自体にこうした問題に対する「セーフティネット」や、制度設計がなされていないことにある。
 今月末には、第三グループ(今年度末で、35歳・45歳・55歳になる人)が「修了確認期限」を迎える。免許の更新期限は今年度末だが、その2か月前までに、「更新手続きを終える」必要があるのだ。
東京教組では、すでに昨年12月組合員に「免許更新手続きはがきアンケート」を行っている。職場でも、ぜひ声を掛け合おうではないか。これ以上の失職者が出ては、たまらない。もう一度確認しよう「免許更新の手続きは、1月31日までに済ませること。そうでないと失職する!」と。
手続きに必要なものは、マイライフにも掲載されている。ご覧いただきたい。

        (トリカブト


福島原発事故に関し、厳正な捜査と起訴を求める署名

2013年01月18日 | インポート
20121013_152326原発事故の責任を司法が裁かれなければ、日本の司法は終わりだ。政治や行政の下僕となり、日本の三権分立も崩壊する。しかし、福島原発事故の告訴は、受理されたものの起訴されるかどうかの岐路に立っている。そこで、『福島原発事故に関し、厳正な捜査と起訴を求める署名』へのお願いが、告訴団団長の武藤類子さんから届いた。
昨年3月に結成した『福島原発告訴団』は、6月の福島県民による 1324 人の第一次告訴に続き、11 月 には全国に呼びかけ 13000 人を越える大集団告訴・告発を行いました。みなさまの熱い思いがひとつの形 になったのだと心から嬉しく思います。
これらの告訴・告発は既に受理され、検察は、関係者の事情聴取や福島第一原発へ検察官を派遣するなど、 新聞等で報道されています。
しかし、政権が変わり原発の推進が再びなされようとしているいま、この春結論を出そうとしている検察に、 更なる働きかけをしていかなくてはならないと考えています。
このような思いから緊急に『福島原発事故に関し、厳正な捜査と起訴を求める署名』を始める事にいたしま した。告訴人となられたみなさまが、周りの方々に署名して頂く事で、この告訴・告発を知らせ、さらに関 心を高める事ができると思います。
多くの人々がこの告訴・告発の行方を見つめていることを検察に知らしめて行きましょう。
福島の状況はますます酷くなるばかりです。
4つの原子炉からは毎時 1000 万ベクレルの放射性物質が放出されています。数百年経たなければ、生身 の人間が近づくことの出来ない場所が多数存在する中で、おびただしい被曝をしながら作業員が瓦礫の撤去 作業を行っています。
そして彼ら作業員の被曝手当の搾取と賃金引き下げ。モニタリングポストの測定値疑惑。情報開示の手続 きをしなければ本人に手渡されない甲状腺検査の詳細なデータ。暴露された県民健康管理調査検討委員会の 秘密会の存在。ゼネコン会社の利権にまみれ、効果を疑問視される除染。進まない賠償、子どもたちをシン ボルにした虚しい復興策。昨年末に鳴り物入りで郡山市で行われた、アジア・アフリカ諸国への原発輸出を 目論んでいるであろう『IAEA 福島閣僚会議』。
そして新しい政府は『原発ゼロ政策の見直し』『安全な原発を作る』と言い出す始末です。 国策と言うぶ厚い壁に日本に生きる私たちは、生きる尊厳を奪われ続けています。
私たちの悲しみと怒りは消えることはありません。
この事故の原因を究明し巨大事故を起こした企業と政府の責任をただして新しい民主主義の社会を作るた めに、子どもたちの健康と未来を守るために、この告訴・告発が受け入れられるよう、再度私たちは力を合 わせていきましょう。
ご協力をどうか宜しくお願い致します。


*第一次締め切り:2013 年2月15 日 *第二次締め切り:3月 5 日
<送付先>〒963-4316 福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1『福島原発告訴団』TEL080-5739-7279
署名用紙は、ダウンロード、コピー可です。



元旦の海開き

2013年01月17日 | インポート

Photo_5 突然だが、クイズを1問。「日本で一番早く海開きが開かれるのは、47都道府県の中でどこでしょう?」

 答えは「東京都」である。おりしも、クリスマス寒波から、いつになく寒い年の初めとなっているが、東京のある地域は、「11日」に海開きとなるのだ。言わずと知れた世界遺産の島、小笠原諸島である。

 その小笠原に行ってきた。小笠原には、父島に都立高校と村立の小学校と中学校。母島に小中学校がある。また、都庁の出先機関もあり、教員だけでなく一般職員も派遣されている。小笠原に勤務する東京都の職員には「小笠原業務手当」が支給されているが、今年度はその見直しにあたるので、行政の担当者とともに現地調査を行うことになったからだ。手当の詳細は省くとして、小笠原に勤務するということは、とても大変なことだと感じた。「小笠原で暮らす」ということの困難さは、簡単に想像などできるものではないのだ。

 同じ東京都の島しょ地区と言っても、航空路線がある大島や八丈島はもとより、伊豆七島は、船便も一定充実している。それに対して小笠原は、夏の観光シーズンを除くと6日に1便しかないのである。新聞は、6日ごとのまとめ売り。生鮮食品も船便が頼りなので、「賞味期限」などあまり気にしなくなるとのことだ。島民の命綱ともいえPhoto_6
るのが東京竹芝と父島の二見港を結ぶ定期船「小笠原丸」なのだが、所要時間は順調な航海でも
25時間半もかかる。今回は、八丈島付近を低気圧が通過したために荒れ模様となったうえにトラブルも重なって、往路の航海では28時間半もかかった。まさに、体力勝負である。対応していただいた学校の方々は異口同音に「調査だけでわかると思わないでください」「一度、暮らしてみてください」と言った。

 現在、小笠原の学校への異動については(島しょ地区はすべて)「公募制」があるのだが、教科等によっては、公募に応じた教職員だけでは空きが埋まらないこともある。また、公募に応じるといっても「相当の覚悟が必要」だそうだ。校長さんの一人は、公募の面接で「親の死に目には会えないと覚悟してください」と言うと話してくれた。

Photo_3 また、今回小笠原の学校には、「給食」がないことを知った。各学校の玄関には、「お弁当置場」があって、保護者は、昼食の時間までにお弁当を作って届けるとのこと。したがって教職員の勤務時間も本土とは違う。さらに学校の教職員としての勤務時間の後に「島民」として様々な行事などへの参加をする必要があるそうだ。プライバシーは「あってないようなもの」なのは、島しょ地区なら普通かもしれないが、本土に簡単には渡れない小笠原は、さらに「濃い」のである。さらに、本土との距離と交通手段の制約は医療面で大きなハンディとなっている。島では「出産」はできないし、緊急時には硫黄島から海上自衛隊に飛行艇での搬送を要請するとのこと。「要請してから、病院に着くまでに5~7時間はかかります」とのことであった。

 一昨年に「世界自然遺産」に登録されてからは、観光客も増えたそうだ。反面、小Photo_4
笠原丸の予約が簡単ではなくなったという。とにかく、さまざまな困難の中での教職員の努力が「小笠原の教育」や「暮らし」を支えていることが分かった。手当を見直すというなら「増額」が検討されてしかるべきだろうとしみじみ感じた。

写真は、上から

「ラジオステーションからの夕日」

「小笠原丸」

「お弁当置場」

「中山峠から」

 


憲法九条と言えば

2013年01月16日 | インポート
1 憲法九条と言えば、しばらく前に知人がこんな話をしてくれたことがある。知人の息子は、海上保安庁に採用されたのだが、研修(いや訓練だったか)の時の担当者が、「あなたたちの命を守ってくれるのは、ほかでもない憲法九条ですよ。」といったと言うのだ。政権がまた代わって、勇ましくもきな臭い話をする人たちが大手を振って歩いているようになったが、海上保安庁のみなさんはどう考えているのだろう。
 一方で「憲法九条のある日本に復帰したつもりだったのに、ここは、いまだ憲法番外地ですよ」と穏やかな話し方の中に、決然とした怒りを込めて語るのは、ほかならぬ沖縄の人たちだ。
 昨年の暮れ12月23日に「オスプレイ配備撤回!米兵による凶悪事件糾弾!御万人大行動」が行われた。御万人は「うまんちゅ」と読み、沖縄方言で「①人々②民衆③みんな」という意味だそうだ。宜野湾市の海浜公園野外劇場には、県内県外から約3000人が集まり、オスプレイの配備撤回と米兵による凶悪事件への怒りの声を上げた。集会の後参加者は、普天間飛行場大山ゲートまでの約2キロをデモ行進したのだが、今回は「愛と怒りのサウンドパレード」と銘打たれ、バンドやDJ、アフリカンドラムやフラダンスと様々な音楽を奏で踊りながらの行進となった。いつになく若者の参加者や子どもの姿を多く見かけた。この様子は、YouTubeでも見ることが出来るので、ぜひ見てほしい。
 1週前の総選挙は「自民党の圧勝」に終わったが、沖縄の人々の怒りや悲しみは決して変わるものではない。ましてや、県民こぞって「オスプレイは出て行け!」と言っているのをあざ笑うかのような、米兵による凶悪事件の連続と、嘉手納基地への追加配備計画など、到底許されるものではないことを実感する。5月の平和行進に引き続いての沖縄訪問となったが、またしても、沖縄の人たちに元気をもらった。
 今月27日には、東京の日比谷野音でも沖縄に連帯し「オスプレイ配備撤回を求める集会」が開かれる予定だ。




体罰とファシズム

2013年01月15日 | インポート

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 「体罰」は、教師による「いじめ」である。にもかかわらず、体罰擁護論が出てくるのは腑に落ちない。虐待した親が異口同音に「しつけ」だと弁明するのと同じ構造を持っていて恐ろしい。

 田母神俊雄氏(元自衛隊幕僚長)が「大阪の学校における体罰についてとんでもないことのような報道がなされていました。先生が悪餓鬼を平手打ちするぐらいのことが出来なければ教育は出来ません。絶対に駄目だと言ったら悪餓鬼を増長させ、ほかの子供たちが迷惑するだけです。」とツイートしたのに対して、安富歩氏(東大教授)が「お前が迷惑だ。」とリツイートしたのは痛快だ。

 その安富氏の「原発危機と『東大話法』」(明石書店)も目から鱗の著作である。日本を覆う欺瞞のレトリックを「東大話法」という切り口で見事に暴いている。ウィトゲンシュタイン「言語の限界」(語り得ないことについて人は沈黙せねばならない)に言及し、魂そのものを記述することはできないが、人を型にはめるもの、命を破壊するものは記述できるとして、ファシズムについて言及している。

 ドイツででヒトラーとその追随者がなぜ生まれたか、それはヒトラー自身の肉体的・精神的虐待の体験が、その思想における盲点となり、タブーとなったからである。そして19~20世紀にドイツではやった厳しいしつけを受けた世代がその思想を共有した。「父は私を愛していたが故に暴力をふるった。母は、私を愛していたが故に傍観した」というストーリーがドイツで暗黙のうちに蔓延したのだ。マリス・ミュラーとアルノ・グリューンは、それを「他者への暴力=愛。『偽りの安心』『かりそめの絆』による共同体がファシズムである。」と分析している。

同様のことを、内藤朝雄氏(社会学者)も次のようにツイートしていた。

【教員による暴行(「体罰」)肯定論について】暴力によって言うことをきかされる生活習慣は、権威主義的パーソナリティを日本の国民性にする効果がある。権威主義的パーソナリティは、ヒトラーを選挙で勝たせてしまったドイツ大衆の背後にあるとされる。

日本の右翼の心性とドイツの権威主義パーソナリティはほぼ一致する。またヤンキー心性とも重なる部分が大きい。「体罰(と誤称される教員による暴行傷害)」を感謝するまで洗脳すれば、市民社会の自由と民主主義を破壊することができる。それを担うのが学校。

学校に働くものとして「体罰」に毅然たる態度で臨むことが求められている。

「体罰」をすることは勿論、見逃す、見過ごすことも許されない。

         (雪の重みに耐えて芽吹くモクレン


ニッポンの復活のためのオリンピック?

2013年01月11日 | インポート
Dpp_0132 1936年のベルリンオリンピックは、ナチスドイツの国威発揚の場に利用された。1940年(昭和15年)の東京オリンピックは、日中戦争が拡大し38年に日本政府が中止を決定し、次点のヘルシンキも第二次世界大戦の勃発により中止になった。オリンピックが「平和の祭典」と言われるように、その前提は「平和」であり、世界の友好であることはいうまでもない。下の引用は、2020年の東京オリンピック招致委員会のメッセージだが、なんか違うんじゃないかと感じませんか?
 このイライラした物言い、なんでもかんでも東京オリンピックへ、反対するものは「非国民」みたいな雰囲気は、招致に賛成していた人々まで、どん引きさせる威力がある。

東京のためだけではなく、私たちのニッポンのために。
ニッポンの復活のためのオリンピック・パラリンピックを、東京に。
オリンピック・パラリンピックは夢をくれる。
そして力をくれる。
経済に力をくれる。
仕事をつくる。
それが未来をつくる。
そして世界の意識をニッポンにつれてきてくれる。
今、それがニッポンには必要だ。
2020年までにあらゆるジャンルのニッポンを復活させるために。
日本人みんながひとつの夢をもつ。
そのことをためらう理由はどこにもありません。
ニッポン心の復活を
スポーツの力で。
私たちはいつから目的をもつことがヘタになったんだろう。
私たちはいつから勝たなくてもいいと
斜に構えて挑戦することから逃げるようになったんだろう。
私たちはいつから経済大国という言葉に甘えて
情熱を特別なものにしてしまったんだろう。
たくさんの困難にあった今、
復興と戦う今、
私たちは未来とも戦わなければいけない。

           (ダリアとミツバチ)


かくばかり みにくき国になりたれば

2013年01月10日 | インポート

 かくばかりImg_4743
 みにくき国になりたれば
 捧(ささ)げし人の
 ただに惜しまる

 「この度の戦争を契機として、今後平和を愛好し,戦争は絶対せぬといふ事にもならば、或は平和の人柱となりしと思へば、以て瞑す可きか。希わくば世の人平和を愛好し,再びいとしの我が父、我が兄、我が弟,我がいとし子を、みづくかばね草むすかばねと失なひて、涙の渕に浮ませ給ふな。神にも佛にも希ひたてまつる。」

 戦死した夫を詠った和歌と、戦死した息子についての手記(4月30日ブログ)。

 両方に共通するのは、最愛の夫や子どもを戦争で亡くした母の悲しみと、その死を無駄にせず平和で幸せな日本を築いてほしいという希いだろう。

「戦争が生んだ真珠」憲法第9条は、その思いの結晶ともいえる。

 ところが、日本国憲法そのものを認めない石原慎太郎氏が、冒頭の和歌を今はなき「太陽の党」結党会見、新宿西口の街頭演説などで披瀝したという。曰く、

最近、ある戦争未亡人のつくった歌に胸を打たれた。92歳のおばあさん。20歳で結婚して、お子さんがおなかにいたとき、ご主人は出征して、戦死した。その人が90歳を越えて、いまの日本の社会を見回したとき、しみじみ慨嘆してつくった歌なんですよ。この国、なんでこんなになったんだろう。実は私の家内も戦争未亡人の子供です。お母さんのおなかにいるときにお父さんが戦死した。40代で亡くなりましたけども、もしもいままで生きていたら、この未亡人と同じ歌をつくったと私は思います。これね、わが身につまされて……

 本当に、わが身につまされているならば、核武装論や領土問題を利用して外交危機を招くようなことは「捧げし人」「平和の人柱」に唾することにならないか。

 「みにくき国」をどう解釈するかは、それぞれだ。また、そう感じる雰囲気がこの国に蔓延していることも事実だろう。しかし、「大日本帝国」の復活と崩壊を、再度見たいと思う人は誰もいない。

                 (ユリ