東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

よい年をお迎えください

2013年12月30日 | インポート
Photoナチスドイツの国家元帥だったヘルマン・ゲーリングがニュルンベルク裁判の心理分析官ギルバートに語った言葉。
 一般国民は戦争を望みません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツも同じことです。政策を決めるのはその国の指導者です。……そして国民はつねに,その指導者のいいなりになるように仕向けられます。国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると攻撃すればよいのです。このやり方はどんな国でも有効ですよ。

 来年が、日本が攻撃されかかっていると煽られ、愛国心が欠けていると罵られるような国にならないよう力を合わせたい。
 よい年をお迎えください。
   (サザンカ


女子会川柳

2013年12月26日 | インポート

Photo
「女子会川柳」(ポプラ社)を回し読みして大笑いしながら、「ある、ある」とみんなで相槌を打ったりした。
 いくつか紹介すると

ジジクサイ 思った相手が 同い年
気がつけば 癒し系から 威圧系
「常識よ!」 言ってるあなたが 非常識
「調子どう?」 あんたが聞くまで 絶好調
ストレスは 仕事じゃないの あなたなの
「俺がやる!」 その後始末 誰がやる?
逆らわず ただうなずいて 従わず
きつくなる 目つき性格 腹まわり
「至急でね」 頼んだおまえが なぜ帰る
忘年会 私はあんたを 忘れたい

 そこで、学校川柳も考えてみた
職員室 子どもの話 よりパソコン

(ゼラニウム)


機械の進歩についていけない!

2013年12月25日 | インポート

スマートフォンなるものにかえてから、2か月が過ぎた。基本的な操作は、何とかなっているが、さまざまなアプリケーションは、まったくと言っていいほどつかえていない。というよりも、使う必要があるのか、どう便利なのかがよくわかっていないのである。

今までの携帯で受けていたメールも、パソコンのメールも見ることができるし、添付ファイルも見るだけなら大丈夫。カメラも、今までのより高画質でとれる。「なかなかよいではないか」と思っていたら、突然、メールの送受信ができなくなってしまった。これはどうしたことか。あれこれ操作をしてみてもよくわからず、結局購入したショップに行って、聞いてみた。

原因は、メールやインターネットなどのアプリケーションが作動したままになっていたためだった。ショップの担当者は、「ここを操作して、必ず、アプリを閉じてくださいね」といったが、説明書にはそんなことは書いていなかった。大体説明書が、とても薄くなっていて、「オンラインマニュアル」をダウンロードしなければならないのだ。

事務所でも、WindowsXPが終わってしまうのでパソコンを入れ替えたのだが、これが一苦労どころではない。Windows8は、操作がタッチパネル仕様になっているのだが、購入したPCは、普通のマウスとキーボード操作なのである。タッチパネルではないパソコンまで、8にする必要はないと思うのだが。

学校にもパソコンが導入されて久しい。OSが新しくなると当然ながら、機械も更新する必要があるのだが、機械の更新は、どの程度進んでいるのだろうか?などと余計な心配をする以上に、機械の進歩についていけない自分を嘆くばかりである。


年賀状

2013年12月24日 | インポート

今年ももう残りわずかとなり、年賀状をしたためる時期となりました。「今年は、年賀状は出さない」と、早々と撤退を宣言した私の息子などは涼しい顔をしていますが、多くの方はこの三連休にねじりはちまきで年賀状と格闘したのではないでしょうか。
私もご多分に漏れず、町で見かける年賀状印刷の案内や駅の近くで売っている出張年賀状売り場を見ながら、「もう年賀状の季節か~」と思いつつもなかなか手がつかず、結局この三連休で慌てて向き合うこととなってしまいました。

ブラザー販売が行った年賀状に関する調査では、年賀状は「1年の節目」(90.3%)「人とのつながりを感じる日本のよい文化」(81.5%)とする一方で、年賀状作りに対して「嫌い」もしくは「どちらかというと嫌い」と回答した人が57.1%、毎年恒例の年賀状作りを「面倒」と感じている人が68.0%にのぼっています。さらには年末の慌ただしさから、76.5%もの人が年賀状作りを妥協してしまった経験があると回答しています。

Dsc01886 地方にいる旧友など、年に一度も会えない者も多く、年賀状がつなぎ止めてくれている縁もたくさんあります。頂いた年賀状で無事を喜ぶことも多い歳となりましたが、学期末の忙しさの中で、私もどうしても面倒に感じてしまう一人です。

そんな中、作家の池波正太郎は、正月を迎えるともう来年の年賀状を考え、準備をはじめたそうです。

「正月が来ると、私はもう翌年の年賀状を考え、これを注文してしまう(中略)。千枚ほどの賀状を全部自分で書くのだし、全部を書き終えるのが、けっこう11月をすぎてしまう。(中略)賀状などというものはムダなものだという意見もあって、それはそれでよい。だが私などは年ごとに賀状には凝るほうである。デザインを考えたり紙質をえらんだりすることがたのしく、また、そうした細かい俗なことに気をつかうのが、とりも直さず、私の書く時代小説の基盤になっているのだから、私は俗に生き、世俗にひたりこんで生きている(中略)。年に一度のあいさつのやりとりで、年に一度も会わぬ知人も多いのだから、いちいち自分で書き、その相手の名をみて旧交をなつかしくおもいうかべるのは、うれしいことである。」 (池波正太郎 『新年の二つの別れ』朝日文庫)


過ちて改めざる、之を過ちと謂う

2013年12月20日 | インポート

Photo
 海の上の診療所(フジテレビ)は中学生にも人気のドラマだ。そこで大阪弁の元気のいい女医を演じる藤原紀香さんの「特定秘密保護法」を危惧する発言(ブログ)を公安が調査していたという。
 「特定秘密保護法」が国民の知る権利と表現の自由を奪うものであることは明らかだが、すでに表現の自由については、ここまで抑圧されていることが、この過剰な反応でも明らかだ。
 藤原さんは、9月に以下の内容(抜粋)を自身の公式ブログに書き、パブリックコメントを求める呼びかけをした。

秘密保全法案を、各所で読んでみたらその適用範囲が曖昧なので、
そのようなスパイ行為にあたるものだけでなく、国が‘この案件は国家機密である’と決めたことに関しては、国民には全く知らされないことになり、
放射能汚染、被爆などのことや、他に、もし国に都合よく隠したい問題があって、それが適用されれば、私たちは知るすべもなく、しかも真実をネットなどに書いた人は罰せられてしまう。。。なんて恐ろしいことになる可能性も考えられるというので、とても不安です(>_<)
もちろん、日本を陥れるべくスパイ行為を働いた輩には罰を与えるべきだと思うし、そのようなスパイ行為が起きないよう なんらかの法案が必要となるとは思います。
が、原発の問題や放射能の問題は、国民が知るべきことだと思うので、その国家機密にあたる範囲がどこまでなのか、曖昧なのが問題なのだと思います。

このまま施行されてしまうと、「日本の国土がどれくらい汚染されたのか明らかにしたい」ということさえ、タブーになってしまう可能性があるとのこと。
国が、これらを「特定秘密」に指定すれば、反対の声を挙げている人たちや、真実を知ろうとして民間で調査している人やマスコミ関係者などが逮捕されてしまう可能性があるって。。。日本は民主主義国家ではなくなってしまうのかな(T_T)
私も自分の意見、パブコメに送らせていただきました。国民の一人として。
賛成の人、反対の人、みなさんそれぞれの考え方あると思うから、上記にある政府へのパブリックコメント、自由に書いたら良いと思う!(*^_^*)

東スポWeb(10/12)によると、

紀香登場で反響は大きかった。政府関係者は「なんで?と思いましたよ」と驚くばかり。それだけではない。公安が紀香の背後関係を調査したというから驚きだ。「この法案にはいろんな団体が反対しています。なかには公安の監視対象になっている団体もある。なので『念のためではありますが、藤原さんがそういった団体の影響で書いているのかどうかを調べました』と公安が言うんです。結論はシロ。純粋に心配だからそう書いたといいます」(永田町関係者)

また、テレビ朝日『報道ステーション』(10/25)で元北海道警察釧路方面本部長だった原田宏二さんがインタビューに答えて次のように発言している。

捜査権限を警察が持つわけですから、厳密には捜査じゃないのに、捜査と称していろんなことをやり始める。
原発のいろんな細部の情報というのは、間違いなく特定秘密になるでしょうし・・・プルトニウムは原子爆弾になると言われていて・・・
原発反対の運動は全国的に行われてる。運動を進めていく上で、政府の持っている情報を出せと迫る。それは犯罪行為にはならないかもしれない。でも、一つやり方を違えると教唆とか扇動とか罰則がある。知ろうとする行為が委縮する危険性がある。
秘密保護法違反になる、ならないじゃなくて、そういうことをやりそうな蓋然性が少しでもありそうな人をデータとして集めていくんですよ。
監視とかの対象になることはあるでしょうね。知らない間に。
事件として検挙するということよりも(警察は)それで揺さぶれるでしょ、相手を。
これ以上できないな。危ないな。そういうこと(政府情報を求める行為)をやめることもありうる。
つまり、警察が監視することで、いろいろな場面で人々が権力を批判したり、権力が持つ情報の公開を求めたりすることを踏みとどまらせる効果がありうる

 警察内部にいた人の発言だけに重みがある。特定秘密法は1年以内に施行される、安部首相自身が国民に丁寧に説明すべきだった言う以上、廃案にすべき法律である。
 過ちて改めざる、之を過ちと謂う
(キバナコスモス)


被ばく大国

2013年12月19日 | インポート

1492647_559785887429186_459000653_o 低線量の継続的被曝の影響を研究した米国ピッツバーグ大学のアーネスト・スターングラスは、核実験と原子炉からの放射性廃棄物による人体の健康、特に発達中の胎児や幼児への影響について広範な疫学調査を行い、大気中核実験が行なわれた50年代に死亡率が上昇していることつきとめ、核実験が多くの子どもの命を奪ってきたことが明らかにした。
 核開発を強固に押し進めていた米国政府は、この研究を覆すためにジョン・ゴフマンに惜しみなく人材と資金を提供して研究させた。しかし、ゴフマンは、核開発に関わった労働者のカルテなどを丹念に調査した結果、ICRPよりスターングラスの被曝評価の方が正しいという結論に至った。期待を裏切られた米国政府は彼を要職から追放し、社会的に葬り去ろうとしたが、その後も彼は市民科学者として低線量被曝の危険性を主張し続けた。
 ゴフマンは、被曝影響の感受性が年齢に依存することをも明らかにし、特に10歳以下の子どもの放射能に対する感受性は非常に高いということを立証した。
 さらに、米国統計学者ジェイ・グールドは、原子力施設の風下の市町村に住む人々の乳がん患者数を調べ、その相関関係を明らかにしたことで低線量の放射線被曝の影響、特に食品などを通じた内部被曝の危険性がこれらのデータによって明らかにさた。
 水と大気と食品を通して放射性物質を体内に取り込むことによって生ずる内部被曝は、チェルノブイリの被害を研究することによってその実態がさらに明らかになってきている。その研究成果を生かそうとしない結果が、再び福島の子どもたちの被曝被害を引き起こしている。
 内部被曝の影響を考慮に入れていないICRPの定めた年間1ミリシーベルトの基準すらも守ることが出来ない日本は、自ら「被ばく大国」になろうとしている。
(最後の一葉・シロモクレン)


チキンレース

2013年12月18日 | インポート

中国が、尖閣諸島を含んだ空域に「防空識別圏」を設定したということで、またまた、マスコミの話題となっている。日本政府は、「認められない」と怒りをあらわにし、周辺諸国と足並みをそろえて、中国をけん制しようとしているようだが、微妙なずれがあるようだ。

そのエリアを飛ぶ民間航空機の「フライトプラン」を中国政府に提出するかどうかで対応が分かれているとのこと。日本や、韓国は政府が航空会社に「フライトプランを提出しないよう」に求めているが、台湾は、提出を認めている。日本政府の頼みの綱、アメリカ政府は、「航空会社が安全を高めるために、フライトプランを提出するのは、やむを得ない」としている。日本政府は、アメリカにも、「提出拒否」の仲間になってほしいと、躍起になって頼みPhoto_121thumb1込んでいるらしい。

さて「チキンレース」だが、どっちが先にビビッて、ブレーキを踏むかの度胸試しのこと。確か、「Back to the future」で、マイケルJフォックスがやっていたのを覚えている。チキンレースは、ヤンキーな兄ちゃんのやることで、いい大人は、そんなことはしない。だが、今の政治指導者の頭の中は、ヤンキーの兄ちゃん並ではなかろうか。「なめられたらあかん!」と、いきなりこぶしを振り上げようとするばかりである。おりしも、今年の流行語大賞の一つは、「倍返し」だそうな。個人であれば、「倍返し」ですっきり終わるかもしれないが、国家間では、そうはいかない。「倍返し」のお返しに「10倍返し」が待っているかもしれず、際限のない意地のツッパリ合いが続くことになりかねない。早く大人の政治家を登場させないと、取り返しのつかない事態になるのではあるまいか?   

(山茶花)


by ネルソン・マンデラ

2013年12月17日 | インポート

『自由や正義への我々の闘争は人々の力を合わせて行うものだ。
そこに生きるすべての人のために、
より良い世界を作り出すのはあなた自身だ』

『私は学んだ。
勇気とは恐怖心の欠落ではなく、
それに打ち勝つところにあるのだと。
勇者とは怖れを知らない人間ではなく、
怖れを克服する人間のことなのだ。』Photo

『生まれたときから、
肌の色や育ち、
宗教で他人を憎む人などいない。
人は憎むことを学ぶのだ。
もし憎しみを学べるのなら、
愛を教えることもできる。
愛は、憎しみに比べ、
より自然に人間の心にとどくものだから。』

『我々が自らの内にある
光を輝かせるとき、
無意識のうちに
他の人々を輝かせることが出来るのだ。』

『人間として、何もせず、何も言わず、
不正に立ち向かわず、抑圧に抗議せず、
また、自分たちにとってのよい社会、
よい生活を追い求めずにいることは、
不可能なのです。』

by ネルソン・マンデラ


わからないこと

2013年12月16日 | インポート

Photo どうもよくわからない。
 山本太郎参議院議員が手紙を天皇にわたしたことで、とんでもないことをしたと周りが騒いでいる。本人までも、「反省」している。この世のしきたりはよ<知らないが、手紙をわたすことの何がいけないのかと思ってしまう。手紙は人と人とのコミュニケーションの大事な手段のひとつ。それが相手が天皇だとどうしていけないのか。天皇は人間ではないということか。畏れ多き存在と言うなら、誰がそんな存在にしてしまったんだろう。
 気楽に?手紙をうけとった天皇に、「もらってはなりません」とおつきの人がその手紙を取り上げて天皇はそれを読んでいないという。なんという閉鎖的な社会だろう。人からの手紙も読めない天皇もかわいそうだ。
 もう一つ、わからないことがある。
 山本さんは、天皇に訴えたいことがあったというが、天皇に何を期待したのだろうか。天皇のことをどう思っていたのだろうか。
 私の知っている山本さんは、天皇元首についてはそれを否定する立場の人ではなかったかと思う。天皇が友だちで、手紙を渡したというならほほえましいが、どうも天皇に何かを期待していた。天皇の力を借りようとしていた感じがある。
 かつて。田中正造が足尾鉱毒事件で、天皇に直訴したことがあった。あれは旧憲法下で、天皇に主権があったから、それはよくわかる。しかし、今、それはない。その天皇に何かをしてもらおうとしたら、それは天皇を権力的に利用しようということで、彼にとっては最もしたくないことではなかったのか。
 こういう「事件」で怖いのは、天皇がただの人間ではなく、特別な存在であることを周りに意識づけてしまうこと。こんなことで騒ぎになるなんておかしいと思っているのは私だけなのだろうか。山本さんが天皇に手紙をわたしたことはやはりおかしいと、みんなが思わされているとしたら、それが怖い。
 今、日本は戦前の状態に戻りつつあるような気がしてならない。しかもその速度はどんどん増している。日の丸・君が代が国旗・国家として法制化されたとき、多くの人たちはそれが強制されるのではないかと心配した。当時の国会答弁は、「強制につながるものではない」ということだった。しかし、それから間もなく、学校現場にそれは強制され、さらにそれに反対する先生たちが何百人と処分されている。日の丸・君が代の善し悪しはともかく、それをおかしいと思う人間が社会的に排除される時代がきている。秘密保護法案も国会を通った。自由に考えたり。ものを言ったり、伝えたりすることが処罰の対象となる時代が法的にも確立されようとしている。
 かつて憲兵がその人の行動や言動をチェックし、正論を語る人たちを次々と捕まえていったように、今、また天皇の名を使って、弾圧を強めようというそういう世の中になりつつあるのかと思うと、心配でたまらない。
(ザクロ


国家戦略特区

2013年12月13日 | インポート

Photo 特定秘密法を強行採決した第185国会には内閣から23件の法案が提出され、継続で審議されたものも含むと27法案が可決された。54日間の臨時会で、十分に審議もせずに2日で1件の法律を作ったことになる。その中に「国家戦略特別区域法」がある。外国企業が東京で英語で暮らし、ビジネスができるようにするための「世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目的」にした法律だ。国家戦略特区ワーキンググループ検討した「実現されるべき規制改革事項」をみると、なんと「公立学校運営の民間への開放(公設民営学校の解禁)」が「金銭支払いで解雇を自由化」「企業による農地所有の自由化」「外国人医師の国内医療解禁」「混合診療の拡大」などとともにある。日本の農業・医療・福祉・教育を切り捨てることになる。「透けるTPPの受け皿」と東京新聞が報じた(11/24)とおりの法律だ。日本経済新聞によれば国家特別戦略特区は、東京、愛知、大阪の三大都市圏を中心に推進し、国内外のヒト・モノ・カネを呼び込むアベノミクス第3の矢の柱だという。オリンピックのお祭り騒ぎの陰でますます地方は疲弊し、福島・東北は切り捨てられるのではないかと危惧する。
 さて、教育への影響だが、民間人校長どころか民営の公立学校ができれば利潤追求が目的になるのは当然である。教育の機会均等より、競争に勝ち抜く教育内容と学校経営が優先されることにより、教育の地域格差と学校格差はますます拡大するだろう。
 条文はこうだ!
 国家戦略特別区域法附則第二条「4 政府は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進を図る観点から、地域の特性に応じた多様な教育を実施するに当たり、公立学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第二条第二項に規定する公立学校をいう。以下この項において同じ。)の教育水準の維持向上及び公共性の確保を図りながら、公立学校の管理を民間に委託することを可能とするため、関係地方公共団体との協議の状況を踏まえつつ、この法律の施行後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」
 一年以内に具体的方策検討だ。時間はない!
サザンカ


全国高校サッカー選手権大会

2013年12月12日 | インポート

Img_5740 福島県立富岡高校が全国高校サッカー選手権大会の代表に決まった。生徒は、原発事故警戒区域の母校に立ち入りできない。今は、3つのサテライト校に通学している。サッカー部も福島北高校内にある仮設校舎に通学して練習を重ねた。代表選手たちは原発事故当時中学生、富岡高校でサッカーがしたいと入学してきた彼らの活躍に期待したい。その福島の元気な子どもたちを被曝から守るのも行政、学校の大きな役割だ。
 被曝にしきい値はなく、可能な限りゼロにしなければならないのは常識だが、放射線の被曝限度は、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告を基準にしてきた。ICRPは原爆と原発を維持するために被曝基準をつくる組織だが、広島・長崎の被ばく者の深刻な健康被害が明らかになるにつれてその基準も厳しくならざるを得なかった。1954年では放射線作業従事者150msv/年、一般人15msv/年だったのが1990年からは、前者が20msv/年、後者は1msv/年になった。
 原発労働者でも年間20ミリシーベルトの大量被曝をする人はいないなかで、子どもたちの屋外活動による被曝を20msv/年まで容認するという国の政策は、命をかけて遺した原爆被爆者の被曝限度を冒涜するものでもある。まして、原子力規制委員会の田中俊一氏の「年間20msv以下までを許容した方が良いというのが、世界の一般的な考えだ」や福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一氏の「放射線の影響は、実はニコニコ笑っている人にはきませんクヨクヨしている人にきます」や「年間100msvを超えなければ、まったく健康に影響を及ぼしません」などの発言は許しがたいものだ。
 原子力発電所1基が1年間に生成する放射性物質は約1トン。広島原爆のそれは1キログラム。毎年、原爆の千倍の死の灰を原発は作っていることになる。死の灰の広がりもヒロシマでは爆心地から3kmの範囲だったが、チェルノブイリでは300km圏内に今も深刻な汚染が残っている。そのチェルノブイリでは20msv/年は、強制避難ゾーンである。物理学者の藤田祐幸さんが言うとおり「核兵器はひとつの都市を滅ぼし、原発はひとつの国を滅ぼす」なのである。
 福島に限らず、日本の子どもたちが放射線健康被害を避ける抜本的施策が求められている。


人のつながりが

2013年12月11日 | 日記・エッセイ・コラム

 以前の職場で大変お世話になった組合の書記さんが、この秋宮城県仙台の東松山に行ったという。もちろん、あの大震災の被災地の一つである。その時に見て聞いて体験したことには、特別なものがあったというので、紹介させていただく。

 11月10日~11日の短い時間ではありましたが、学ばせていただくことの多い、忘れられない二日間となりました。
 私たちに任された仕事は、「生ガキを選別し、保冷剤を入れて梱包する」というものですが、プロは二つのカキを合わせて軽くたたき、目と音で瞬時に良し悪しを判断します。素人には、音での判断など至難の業。私たちは、習い覚えた梱包に専念!思いのほか、早く予定の個数を消化したため、余った時間で、保冷剤を包む素材のカットもしました。
 少しの休憩をはさんで、地元の方のご案内で、海岸近くに設置されている「メガソーラー」を見学させていただきました。
 津波で流された、荒れ地にソーラーパネルが延々と立ち並び、その間には、競うように雑草が生え放題になっています。この雑草が来年の夏には、ソーラーシステムに少なからぬ影響を与えると危惧されています。雑草の除去には高い人件費を理由に除草剤が使用される可能性があり、散布されてしまえば、生活できない土地になりかねません。地域の人々は、除草剤を使用しないように要請しているそうですが、補助金がいきわたらない現状では先行きが危ぶまれます。
 その周辺一帯には、セイタカアワダチソウが高々と群れを成し、ともに伸びる雑草の間からは、かつては、家の土台だったコンクリートがそこここに見え隠れしています。海岸近くには、まだ3階建てマンション程のがれきの山がふた山もあり、この災害の大きさと、まだ復興の手前と思われるその風景にただ言葉もなく、立ち尽くすばかりでした。3月11日、気温零下の凍るような寒さの中で、着の身着のままで震えていた人々は、車と一緒に打ち寄せた木材を燃やして暖を取ったとのこと。かろうじて残った民家のガラス戸には、人の背丈をはるかに超えてきた海水の泥跡がまだくっきりと残っています。まったく泳げない私には、その高さを想像するだけで気絶しそうです。
 場所を移動し、カキの養殖に使うホタテガイを再生する作業を体験させていただきました。ビニールハウスの中に膨大な量のホタテガイが積まれており、その一枚一枚の汚れを丁寧に削り取る根気のいる仕事です。
 原発の問題や保障に関する問題はもとより、心のケア、仕事や老後の問題など、テレビの画面からでは決して見えないさまざまな現実が、一人ひとりに重くのしかかっています。今この瞬間も。それでも、人々の笑顔は限りなく優しく、そしてたくましPhoto_51thumb1く生きようとしています。
大した手伝いもできない私たちを、手間暇かけて受入れの体制を整え、歓迎してくださることのにも、頭が下がります。怒りも悲しみも、胸に収めた人々の心を思う時、成熟した人間の素晴らしさと苦悩を突き抜けたまっさらな精神を感じた仙台でした。

 東京退女協の有志は、震災直後から復興支援に幾度となく仙台を訪れ、若芽や昆布の販売にも協力しているとのことだ。またメガソーラーの雑草問題も、いいアイディアで解決し除草剤散布が行われないことを願う。

セイタカアワダチソウ


政治家は…国家百年の大計を誤るな!

2013年12月10日 | インポート

特定秘密保護法が、相次ぐ強行採決という「数の奢り」によって、審議不十分なまま自民党・公明党の賛成多数によって可決、成立しました。まさに「国家百年の大計を誤る」暴挙です。共同通信社の世論調査によれば、特定秘密保護法の「修正・廃止を」と回答した人が82%に上ります。

ある有名な演説があります。一部抜粋となりますが紹介します。

 かの欧米のキリスト教国、これをご覧なさい。彼らは内にあっては十字架の前に頭を下げておりますけれども、ひとたび国際問題に直面致しますと、キリストの信条も慈善博愛も一切蹴散らかしてしまって、弱肉強食の修羅道に向って猛進をする。これが即ち人類の歴史であり、奪うことの出来ない現実であるのであります。この現実を無視して、ただいたずらに聖戦の美名に隠れて、国民的犠牲を閑却し、日く国際正義、日く道義外交、日く共存共栄、日く世界の平和、かくのごとき雲を掴むような文字を列べ立てて、そうして千載一遇の機会を逸し、国家百年の大計を誤るようなことがありましたならば、現在の政治家は死してもその罪を滅ぼすことは出来ない。
 我が国民は実に従順であります。言論の圧迫に遭って国民的意思、国民的感情をも披瀝することが出来ない。ことに近年中央地方を通じて、全国に弥漫しておりますところのかの官僚政治の弊害には、悲憤の涙を流しながらも黙々として政府の命令に服従する。政府の統制に服従するのは何がためであるか、一つは国を愛するためであります。また一つは政府が適当に事ぶるを解決してくれるであろうこれを期待しているがためである。
 しかるにもし一朝この期待が裏切らるることがあったならばどうであるか、国民心理に及ぼす影響は実に容易ならざるものがある。しかもこのことが、国民が選挙し国民を代表し、国民的勢力を中心として解決せらるるならばなお忍ぶべしといえども、事実全く反対の場合が起こったとしたならば、国民は実に失望のどん底に蹴落とされるのであります。国を率いるところの政治家はここに目を着けなければならぬ。

Dsc01831 日中戦争のさなか、1940年の国会で、立憲民政党の斎藤隆夫が行った「反軍演説」と呼ばれるものです。当時の厳しい言論統制の中で、これほど痛烈に帝国主義を批判したことに驚きます。そして70年以上経った今、まさに現在の政府に訴えたいことそのままです。

斎藤隆夫はこの演説の翌日、小泉又次郎(小泉純一郎元首相の祖父)らに離党勧告されこれを受諾、結局、国会から除名、議事録も削除されました。迫害はさらに続き、自決用の短刀が送りつけられたこともあったそうです。3年前に公開され話題となった映画「武士の家計簿」の原作者で歴史学者の磯田道史氏は、「五年後のみじめな日本の破滅を予見するような演説であった」と『歴史の愉しみ方』(中公新書)で紹介しています。


女性総長

2013年12月09日 | インポート

Intro_tanaka_big 法政大学の総長に田中優子さんが決まった。東京六大学初の女性総長になる田中さんは、江戸文化研究者として知られているが、「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」の共同代表であり、和服を素敵に着こなす方でもある。
 その田中さんが、中央教育審議会の学長権限を強める案に対して、リーダーが強い権限を持つトップダウン方式こそ早く正しい決定ができるという発想は間違っていると指摘する。
 命令系統もなく仕事を分担して最善の巣作りをするミツバチの研究者であるトーマス・D・シーリー(コーネル大学の学部長)の話を田中さんは紹介している。その話を要約すると、リーダーが行うべきことは、『集団の繁栄にみんなが関係している』と気付いてもらうことで、その後、リーダーは可能な限り公平に行動し、意思決定のプロセスにできる限り影響を与えないことが重要と述べ、シーリーは教授会を徹底して民主的に運営している。
 田中さんは、「教育力とは、卒業生たちが世界のどこにいても生きていかれる、自前の力を身につけさせることだ。知識や情報を消化し自ら考え、異質な人や価値観を受け容れ、活発に議論し、意思を決定し、日本語及び外国語で表現できる能力を持つことである。」と法政大学の抱負を語り、「個々の力を信じ対話を続ける以外に、より良い決定に近づく道はない。」と結ぶ。田中新総長の法政大学は期待できそうだ。


立ちすくむ

2013年12月06日 | インポート
Pc050047 7年前の12月も、こうして立ちすくんでいた。安倍政権が教育基本法を強行採決した12月15日、あの日も木枯らしが舞っていた。
 そして、昨夜も国会前で私は、立ちすくんでいた。怒りと無力感に襲われながら。特定秘密法案が参議院の委員会で強行採決された。
 「先生!」という声。国会前に駆けつけていた教え子の声だった。シュプレヒコールをしながら、「私も来年から声をあげられなくなるのかなぁ」とつぶやく。教員試験に合格した教え子は、肩を落とす。「そんなことないよ!」と励ます私の声に力がないことに気づく。そこに、参議院の委員会で強行採決のニュースが飛び込む。「あ~ぁ、通ちゃったね」という私に、「先生はいいよ!あと20年ぐらいの命なんだから・・・私なんか50年以上も生きなければならないんだから」と教え子。
 私は、子どもたちに改悪教育基本法と特定秘密保護法と原発事故を遺してしまったと深く落ち込んだ。私の眼の黒いうちは、憲法改悪はさせないぞと決意しながら…