東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

不思議の国キューバ

2016年05月23日 | 日記

 私にとってキューバと言えば、映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」であった。大きな波しぶきが散るマレコン通りを、スライドギターの名手であるライ・クーダが、息子のヨアキムをサイドカーに乗せて悠々と走ってゆく。あまりにもカッコいいファーストシーンに魅了されてしまった。そして、映画が終わって「いつかこの国に行ってみたい」と思ったものだ。あれから何十年が経ったのだろう。

 だから、思いがけず「キューバに行かないか」と誘われたときには、その場で承諾した。もちろん、たまたま行ける環境にあったことも、幸いだった。キューバ教育調査団にもかかわらず、葉巻と音楽とクラシックカー、そして、ヘミングウェイとチェ・ゲバラ、カストロの「不思議の国キューバ」に、私は、物見遊山気分満々で旅立ったのだ。

 ハバナの宿は、決して快適とは言いがたいホテルであったが、何にも代えがたかったのは、そのホテルが旧市街に建っていたことだ。翌朝、私は早速カメラを片手に散策に乗り出した。

 世界遺産にも指定されているハバナの旧市街は、少し歩けば、ここが観光地ではなく、人々が暮らす生活の場だということが直ぐに分かる。旧世紀の建物が居並ぶ美しい街並みの路地裏には、庶民の生活の臭いがあふれ、ベランダにはカラフルな洗濯物が風に揺れている。そして、入り組んだ細い路地に、黒い煙を吐きながらビンテージカーが行き交っている。映画「アメリカン・グラフィティ」に登場するいわゆる「古き良き時代」のアメ車たち、ビュイック、ポンティアック、シボレー、クライスラーなどなどが、前世紀の古ぼけた街並みを今も悠然と走り回っている。

 憧れのクラシックカーがあまりに街に溶け込んでいるために、私たちは軽いタイムスリップ感を味わうことになる。でも、溶け込んでいるのは当たり前なのだ。なぜなら、このビンテージカーたちは、飾られ、カメラの被写体となるために存在しているのではなく、ここで暮らす人々の生活の足として存在しているのだから。これがキューバの魅力なのだ。

 キューバの街には、どこに行っても音楽があふれ、古老たちが葉巻を片手に談笑している。食事をとり、ラム酒を楽しむ場所には、バンドの演奏があり、客にリクエストを求めてくる。リクエストは、もちろんアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のトップを飾る曲「Chan Chan」だ。緑あふれる中で聴くローカル色豊かな「Chan Chan」も、ハバナにあるヘミングウェイゆかりのバー「ラ・フロリディータ」で聴いた洗練された「Chan Chan」も、本当に素敵だった。もちろん土産としてCDを購入したことは言うまでもない。

 蛇足になるが、帰国後の3月18日、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」アディオスツアーの日本公演があり、勇んで行ってきた。もちろんコンパイ・セグンドなど当時のメンバーの多くは亡くなっているが、オマーラ・ポルトゥオンド、グアヒーロ・ミラバル、バルバリート・トーレスなどは健在。バルバリート・トーレスのリュート、そして、なんと言っても85歳という年齢を感じさせない,オマーラ・ポルトゥオンドの歌声にすっかりしびれてしまった。私にとってキューバは、今でも「不思議の国」だ。是非もう一度行ってみたいものだ。


戦争法廃止2000万人署名5.19提出集会

2016年05月20日 | 日記

 昨年の12月3日から取り組まれた「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」の提出集会が、5月19日、衆議院第一議員会館・多目的ホールで開催された。
 参議員・衆議員の議員さんたちを迎え、わずか半年で集められた1200万人の署名を共同代表29団体のみなさんが手渡した。
 戦争に反対し、平和を求める1200万人のひとりひとりの思いが込められた署名である。引き続き、6月30日までに何としても2000万人の目標達成のために頑張っていこう!市民と政治が結びついて今こそ、政治をかえていこう!・・・と福山さんがあいさつ。
 団体からは「安全保障関連法に反対する学者の会」の広渡さん、「NGO非戦ネット」の谷山さん、「さよなら原発1000万人アクション」の鎌田さんらが代表してあいさつ。
 野党4党の党首からも、32の選挙区でほぼ統一候補を選出し、なんとしても選挙戦に勝利していこうとそれぞれあいさつをうけた。
 そして「戦争法廃止・立憲主義回復を7月の選挙の争点にし、世論に背をむけ、憲法壊しを公言する強権政治の存続を許さず、市民が政治を変える状況を本格的に造り出していきましょう!のアピールを全員の拍手で確認し、提出集会は終了しました。
 それにしても1200万の署名が入った白い箱が議員さんの後ろに積み上げられていた。すごい数である。
 なんとしても戦争法廃止しなければ、沖縄がその前線基地とされ、再び捨て石にされかねない!参議院選に勝利し、ひとりひとりの思いが伝わる政治にかえていかねば!
 2000万人の思いをひとつに!


5人じゃ不満足の乙武さんに言いたいごと

2016年05月18日 | 日記

 乙武さんが5人の女性と不倫をしていたからと言って、そのことで彼の生き方をどうこう言うつもりはない。人それぞれに生き方はあるだろうし、(それが結果として一番身近な人を傷つけてしまうこともあるかもしれないが)その人なりの生き方を貫いていくなら、それが私個人の生き方や考え方と違ったとしても、その生き方は尊重したい。
 そういう意味で言えば、「不倫」が見つかったところであわててあやまるなんてしてほしくなかった。バレてまずいようなことだったら、最初からしなけれぱいいのにと思う。バレなければ5人じゃ不満足とまだまだずるずると続けるつもりだったのかと思うと、そのことに腹が立つ。
 「五体不満足」の本を出して、障害者の生き方を実に見事に演じてきた彼にとって、本当の自分はそうじゃないんだ、そんなに格好よくないし、ずっこけているところだってたくさんあるんだ、という気持ちを彼は持ち続けていたと思う。
 私は、パラリンピックなど障害者のスポーツ大会などに何かひっかかるものを感じている。それらを否定するつもりはないし、そこを目指して頑張っている人たちに共感もし、生きがいを見出している人たちがいることをよかったなとも思う。しかし、障害者がこんなにがんぱっているところは評価され、障害があってもこんなに立派な人がいる、障害者はすごいなどと言われる一方、出産前検診で障害児が生まれると分かったら、その90%以上が中絶してるという現実とのギャップが気になってしかたがない。
 相変わらず学校の中での障害者は、常に否定的に見られる。今の社会では、障害はあってはいけないもの、なおさなければいけないものとして存在している。だからある意昧、障害者たちは、精一杯自分たちだってこんなに立派に生きているんだということを明らかにするためにがんばっている。しかし、その結果、がんばる障害者は立派だが、そうでない障害者、いい加滅だったり、だめな障害者、ぽーつとしている障害者は、あってはならないように見られてしまう。そこがひっかかる。同じ人間なのに。
 乙武さんは、教員も経験し、都の教育委員までやりながら、学校現場でどんなに「弱い」立場の障害児が排除され、教委や学校、先生たちにいじめられているか、その現実を見ようとはしなかった。移動教室に障害児が置いていかれても、何の関心も示さなかった。このことにこそ、私は彼に文句を言いたい。あやまるなら、その子たちにあやまってほしい。結局彼は、障害者としてこんなにがんぱっているという意味で名前は売ったが、本当の障害者問題に関わろうとはしなかったと私は思う。
 今回の件は、彼も「普通」の人だった、ストレスもいっぱいあった、本当はもっと勝手なこともしたかったと、「表明」できてよかったかもしれない。障害者だっていつも良い子ではいられない。願わくば、彼ほどの力のある人なのだから、これからは、障害があっても安心して子どもを産める世の中にするためにどうしていったらよいか、学校教育に本当に必要なのは何かを、追求していってほしいと思うのだ。


なたにや正義参議院議員 定数増で文科省を厳しく追及

2016年05月17日 | 日記

4月19日、なたにや正義参議院議員は、文教科学委員会において質疑に立ち、教職員定数の課題について、財務省及び文科省を質しました。また、学校現場からの「メッセージカード」で届けられた職場の声や要望を国会で紹介し、少人数学級の推進と定数増を強く要求しました。

 

問1.那谷屋議員:熊本を中心に九州全域を襲った地震により、大切な命を落とされた方に心から哀悼の意を表し、また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。新聞記事に、文科省、小2の35人学級の検討開始という見出しがあった。学校現場も、子どもたちも保護者のみなさんも、やっと小2もそうなるのかという大きな期待感と同時に、一方で、なぜ、今年の予算が決まったそのすぐ直後にこういった話が新聞記事に踊っているのかということについていろいろと懸念をする部分があります。こうした一連の動きについて、財務省としての認識を問う。 

【財務省:副大臣】

財務省の方から35人学級を小学校2年生に拡大するといった方針を示したことはございませんので、この報道は、事実と異なるものでございます。4月7日の財政制度等審議会において、財務省からお示しした考え方は、次のようなものでございます。現在の加配定数につきましては、現場での活用実態や教育効果に関する実証研究等を通じ、教育効果の見えるかによってその適正性を検証していく必要がある。その上で、加配定数の性質について、学校数やクラス数等に連動させるべき性格のものを特定することは、可能ではないかということ。再検証した定数のうち、真に必要性が高く、学校数やクラス数、児童生徒数などに連動するものについては、義務標準法の改正による基礎定数化を検討することが考えられるというように存じております。また、こうしたとりくみは、地方公共団体が中長期的な見通しにもとづいて教職員の安定的、継続的な雇用を行いやすい環境の整備にもつながると考えております。現在の加配定数のうちどういったものが真に政策効果が高く、基礎定数化になじむかということは、限られた財源も踏まえながら今後文部科学省との間でよく論議をしてまいりたいと存じます。

 問2.政策的効果をエビデンスと高かというものを考えるときに数値的なものだけでなく、財政の理論だけでなく、将来の日本を見通して検討する必要がある。文科省の認識を問う。 

【文科省:大臣】

今後の教職員定数等の指導体制のあり方については、昨年11月末に義家副大臣を座長とする次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォースを設置し、検討しているところであります。具体的には、新学習指導要領の実施等の教育改革、児童生徒の問題行動への適切な対応、特別支援教育、子どもの貧困、教育格差への対応、チームとしての学校にふさわしい学校マネジメントの実現のために必要な教職員体制のあり方などについて議論を行っております。私からは、今月中にこのタスクフォースの中間まとめを行うように指示しており、これらも踏まえ、安倍内閣が掲げる教育再生を実行するため、学校の指導体制の充実にとりくんでまいりたいと思います。

 問3.文科省へ小2の35人以下学級への認識を問う。 

【文科省:大臣】

民主党政権の時代に義務標準法の改正をして、まずは小学校低学年の35人学級ということを方針で決め、初年度の35人から順次というような流れがあったことを存じております。また、小学校においては、学校に入ったばかりの新入生にとりましては1年間でクラス替えというのは現実的ではありませんので、やっぱり1年生、2年生を通じてまず学校での教育環境に慣れて、また、基本的な学習習慣を学びながら、そして次の段階に移っていく。児童心理にも配慮しながらこういうふうな対応をしているのが現場の対応であります。そういったことを踏まえて、義務標準法の改正についても文科省においても検討しておりましたが、そもそも加配でやっているものであるならば、もう根雪となっているような部分は基礎定数に振り込んで、加配より一層の充実、機動的に学校教育において必要な指導体制のためには加配よりは有効に使っていくべきであるという考え方のもとでとりくんでいるところであります。

 

那谷屋議員:現場の声としては、世界でも大変1クラスの児童生徒の数が多い日本であるということも含めて考えれば、できるだけ少人数学級を早く実現していただきたいと。その上で、さらに多様化する様々な教育課題に対して加配をというニーズが大変高くなっています。先日、1,000名からのいろんな要望をいただきまして、全部目を通しましたけれど、その9割9分の先生方がそのことに触れています。やはり、今どれだけ現場が多忙化で子どもたちに向き合う時間が確保されていないかということが、そこからも感じ取れたわけですけれども、一刻も早く少人数学級、そして様々な課題に対応した加配、学校現場に一人でも多くの教職員をという考え方をぜひ実現していただきたい。


水岡俊一参議院議員 学校現場の多忙化解消で重要な文科大臣回答を引き出す(その3)

2016年05月16日 | 日記

問8.休憩が取れていない現状は関係法令違反と考えるが、大臣の見解を問う。

いわゆる児童生徒が校舎にいる中でそこから目を離すわけにはいかないという一つの責任感と同時に、抱えている業務が多過ぎて、つまり授業の準備であったり提出物の多さであったり部活動であったり、いわゆる校務分掌の中で寸暇を惜しんでそういった事務処理もせざるを得ないという現実が、休み時間があってもやはりのんびりと一人でお茶を飲んで休んでいるという空間もその時間もなかなか取ることができないという実態があるのだと私は想定されます。

こういうことを踏まえた上で、勤務の環境のやっぱり整備については考えていかなければいけない問題だと、そう思っています。 

 問9.超過勤務、多忙化に対する文科省としての手だてについて問う。

昨年末の中教審の答申三つを受けて、教職員の体制再整備、この在り方について義家副大臣の下で検討しております。早急にやっぱりこれは取りまとめをして必要な法改正等に取り組んでまいります。 

できることからやるべきであるということで、今、堂故政務官の下でも学校現場における業務改善の在り方、もう一方は義家副大臣の下で全体的な教職員の体制の在り方、いわゆる、特に部活動などの指導員もそうであります、外部の指導員を活用できるとしたらどういうふうにやっていけるのか。これをやっぱり文科省としても、昨年の予算成の一つの反省を踏まえながら、体制づくり、環境整備に取り組んでいく必要があると思いますし、法律や予算でできること、同時に業務改善によって可能なこと、少しちょっとお互いにリンクする部分もありますが、こういう方針に従って検討を加えておりますので、それに従ったまた報告もさせていただきたいと思います。

 問10.医療法改正(14年6月)時に医療勤務環境改善支援センターを都道府県ごとに設置をする、あるいは医療労働企画官というのを厚生労働省内に置く、あるいは厚生労働省、都道府県、医療機関の支援のために予算付けを行った。文部科学省内に、例えばですよ、私が考えた名前ですけど、例えば学校勤務環境改善支援室とかいうような室を置く、あるいはそういうチームをつくるというようなことはどうか。

水岡委員のこういう御指摘は重要だと思っています。今ほど堂故政務官も委員としてそこで聞いておりましたので、やはり具体的に、理念ばかりでは駄目ですよね、具体的に進めていく中で、水岡委員のこういった御指摘、また厚労省で取り組んでいる医療環境の改善のこういった具体案を担当する部署、検討したいと思います。堂故政務官のチームでも検討させたいと思います。

 問11.(市全体でノー部活デーに取り組んでいる兵庫の事例を紹介した連合の冊子を示した上で)このようなグッドプラクティスを収集・情報提供することについて大臣の見解を問う。

とても良い取組だと思います。同時に、特に運動部もそうですし文化系もそうですけれども休養を取る、それから体は休養するけれども戦術的なミーティングをする、いろんなやり方によってやっぱり子供たちの体、心身共に休養を取ってあげる。同時に教職員も、やはり週に一日、二日は間違いなく体を休める時間があるということがまさしく次の週に向けての活力にもなるわけでありますから、こういう良い取組は、なかなか教育現場ではびっくりして捉えられるかもしれませんが、一般から見たらこれは当たり前のことであります。 

私も、ある意味でトレーニングの専門家のつもりではありますが、大体三日やって一日休むことは、筋肉の疲労回復にとっても精神的にも良い効果をもたらすことはよく承知しておりますし、改めて、年間何日も休まなかったということを誇りにしているような部活動の先生がおられますが、私は全く間違っていると、これはもう断言できます。十分にやっぱり休養を取ることも、むしろ子供たちにとっても、その子供たちを取り巻く御家庭にとっても大変重要であると、同時に指導する教職員にとっても大変重要であると、その方が教育的効果を高めることができると、そういうふうに私はなるようにしていく必要があると思っています。

 


水岡俊一参議院議員 学校現場の多忙化解消で重要な文科大臣回答を引き出す(その2)

2016年05月11日 | 日記

水岡参議院議員は、4月14日の参議院文教科学委員会において質疑に立ち、以下の通り多忙化解消について重要な答弁を引き出しました。

今回は、出退勤記録の問題を追及しています。

問5.出退勤記録が3年間保存されなければならない法的根拠を問う。

<厚生労働省>

労働基準法第百九条でございますが、これは書類の保存に関する規定でございます。同条では、「労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。 」とされております。 

委員御指摘のその他労働関係に関する重要な書類といたしましては、例えば始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類がこれに含まれることとされております。

○労働基準法第百九条に違反した場合でございますが、同条に違反したときは、使用者は三十万円以下の罰金に処せられるという罰則規定が労働基準法第百二十条にございます。

 問6.出退勤記録の保存についての文科大臣の見解

(勤務時間に関わる記録を保存することは)必要なことだと思います。私も教員時代、大体いつも朝一番に学校に行っておりました。私が学校に行くのはいつもは大体六時四十分ぐらいでした。帰りは大体十時前後でありまして、タイムカードを押しておりましたので、当然それは学校側が保管していると思っておりました。 

ただ、私が勤務しておりましたのは私立の私学でありますので、公立の小中学校が実際にどのようになっているのか、私自身が全てを十分に把握しているわけではありませんが、基本的には勤務に入った時間、勤務を終えた時間、こういった記録といったものは勤務状況を把握する上で重要な書類だと思います。

○この資料(管理職の勤務時間把握が不十分という連合総合研調査結果)を提出いただいて、改めて私も、これ基本中の基本なんですよね、社会人として。勤務に入った、勤務を終えた、タイムカードで確認をすると。そのことによって、いわゆる超過勤務の問題であったり、また昨今、法律にもなりましたが過労死の問題等もありますが、長時間労働の問題等、これがいかに働き方と生活の在り方について大きく関わっているか。したがって、学校の教職員の問題に関して言えば、こういう現状(出退勤記録が不十分、タイムカードがないこと)であるということは私はあしき伝統と言わざるを得ませんというのがまず私の認識です。 

同時に、きちんと、やっぱり一社会人として働いているわけでありますから、こういったことはまず管理職が管理をしておくのが当然だと、私はそう思っていますので、そういうひとつ現実的な状況を見たその上での認識を私はみんなで共有すべきだと、そういうふうに思います。

労働基準法、労働安全衛生法等、また教育に関して言えば教育公務員特例法等ありますが、労働者として、あるいは教育の現場に毎日目の前に児童生徒がいる中でどのように労働環境を整えるかということは、管理職と教職員が一定の合意の下で進められていく必要があると思いますし、お互いにやっぱり配慮も必要だと思っています。そのための時間の融通であったり、同時に、そういった校舎の中において教職員がいろんなことがあったときにちょっとでも休める環境があるということ、そのことをやはり、一番いいのは、四月一日から新年度が始まるときに、新しい人事で決まってそれをスタートするときに、管理職と

教職員皆で合意をして進めていく。多分日によってはなかなかできないこともあるかもしれないけれども、できる限り法令にしたがった教育者としての、また労働者としての環境を整えていくという、そういうばねを常に働かせていく必要があると私は思います。

改めて、私はもちろんこういった法令について知らないわけではありませんし、知っていても、現場に行くとまさしくこんなものだからと、ずっとこうだからということで見過ごされてきた課題だと、こういうふうに認識をしております。改めて、教職員の業務の改善、そのためにはどういう環境がよいのか。もちろん今、中教審の答申をいただいた教職員の体制の在り方について、これも議論をし、法律の準備もしているところでありますが、そういった環境とともに、実際にふだん働いている環境において、法令に従ったというよりも人としてふさわしい労働の環境、十分に休むことのできる環境づくり、それに対して、やっぱりお互いに配慮を持って、ちょっと少しここで一休みした方がいいんじゃないかと一声掛けてあげることのできるような職場の雰囲気づくり、こういったことが私は必要だと思いますし、そういう意識付けを常に持っていかなければいけないと思います。

 

 問7.管理職が教職員の出退勤をしっかりと見ていないという問題、また、(出退勤記録が)保存されていないとすれば関係法令の違反で三十万円以下の罰金が課せられる。誰かが告発したらどうするか、大臣の考えを問う。 

誰かが告発したらと言われると、あいくちを突き付けられたような思いに私はなります。 

基本的に、働いているわけでありますから、何時に仕事に入って何時に仕事を終えたのかという基本的なデータを基に、同時に、管理職たる者は、やっぱり様子を見ながら、教員として何か疲れ切っているのではないかとか、あるいは逆に、元気なら元気で褒めてあげればよろしいですし、こういう基本的なデータを、やっぱり記録を確認をしながら職場全体を把握していくのが管理職の責任であります。そのための基本的なデータといったものはやっぱりきちんと把握しておく必要があるというのが私の認識です。


水岡俊一参議院議員 学校現場の多忙化解消で重要な文科大臣回答を引き出す(その1)

2016年05月02日 | 日記

水岡参議院議員は、4月14日の参議院文教科学委員会において質疑に立ち、学校現場の多忙化解消について重要な答弁を引き出しました。3回に分けて報告します。

問1.教職員の超過勤務、多忙化に関わる大臣の認識を問う。

よく数字として引き合いに出させていただきますが、OECDの国際教員指標環境調査、この結果によりますと、参加国平均が三十八・三時間、日本は最長ですよ、五十三・九時間、これは平均ですよね。こういったことからも、やはり教員のある部分責任感の強さもあるかとは思いますが、そもそも業務量の多さ、また対応すべき事案、様々な事案が学校で起きますので、それに丁寧に対応している結果がこういう数値になっていて、私はこれは看過できない数字なのではないかと、そういう認識は持っております。

問2.教職員のメンタルヘルス対策に関わっての大臣の課題認識を問う。

安衛法の改正によりまして、学校現場においても教職員がストレスをどのように持っているのかということを実態についてまずやっぱり確認をした上で、それがどこからどういう要因でストレスとなっているのか、それをどうすれば解消していくことができるのか、相談する人がいるのかどうか。昨今、やっぱり子供たちのためのスクールカウンセラーという重要性は認識をし、配置も進めておりますが、私は、教職員にとってのスクールカウンセラーといいますか、教職員でなければ分からない、そして守秘義務もありますから、なかなか外部の人には言えないような悩みというのはやっぱりあるんですよ。

そういったことにむしろやはり対応することのできる、本来はそれが管理職でなければならないんですが、残念ながら、管理職から評価されるものでありますから、こんなことを言うと管理職からマイナス評価をされるのではないかとおびえて言えない。そうすると、教員同士で愚痴を言い合えばそれで済むのかという話になりますが、そういうものでもありません。 

情報共有でしっかりしながらも、やっぱり個々の教職員にとっての悩みはあるものでありまして、当然その中には生活の悩みや人間関係の悩みもありますから、そういったところにやはり応えることのできる相談体制といったものも私は重要だと思っています。私学では教員のためのカウンセラーをきちんと配置している学校もございます。私は、そういったことも見習いながら、どういったことができるのか、学校教育ということを考えれば、教育委員会側とも十分にコミュニケーションを取りながら、いわゆる精神疾患で休職をされている教職員も多うございますので丁寧な対応をしなければいけない、そういう認識は持っております。

 問3.文科省通知「公立学校等における労働安全衛生管理体制の整備に関する調査について」の中で、「体制の整備が進まない理由として関係法令等の認識不足が最も多く挙げられております。」とあるが、誰の認識不足なのかを問う。

<初中局長>

○この認識不足というのは、御指摘の趣旨、例えば、学校の現場の直接の担当者だけではなくて、それをきちっと進めるための体制、環境を整える設置者あるいは行政関係者。

○労働安全衛生体制の整備状況につきましては、学校の組織運営を行う責任者が基本でございますので、例えば校長先生やその管理職等が中心となってこの認識不足の問題が起きているというのが私どもの認識でございます。

<大臣>

私も改めて今この文書全体そしてこの部分を読みながら、こういう指摘をせざるを得ないということはあってはならないことですよね。せっかく、国会において労働安全衛生法について深い議論がなされ、改正がなされ、施行されているわけでありますから、当然、教育

委員会の担当である教育長はもちろん、教職員課長とか、また現場における学校長、教頭などの管理職は、その趣旨を踏まえた上で、教職員の勤務環境、そして教員というある意味での特殊性を踏まえた対応が、この労働安全衛生法に基づいて環境整備がなされるようにしていくのが私は必要だと思いますし、その認識をやっぱりきちんと持ってもらわなければいけないと思っています。 こういうふうな通知の文書をやっぱり書かざるを得ないというところが非常に私も残念に思いますし、改めてその趣旨をやっぱり理解してもらえるような取組を我々もしなければいけないと、私はそう思います。

 問4.(問3の更問)関係法令とはどんな法令なのかを問う。

<初中局長>

一つは、教育関係の観点からは学校保健安全の法令がございます。それからもう一つは、労働関係の観点からのものがございます。これは労働基準法から始まりまして、労働法の体系がございます。その中の一番中心になっているのがこの安衛法ということでありまして、実際の労働環境を守る労働法令、これは全体としては関係法令、この二つが合わさったものをしっかり見ていく必要があるというふうに私ども考えております。

 


やっと実現した国連特別報告者の来日調査

2016年05月02日 | 日記

 4月12日から19日まで、「表現の自由」に関する国連特別報告者デイビッド・ケイ氏の来日調査が行われました。最終日には記者会見が行われ、ケイ氏は「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」として政府に対し対策を講じるように求めました。

 そもそもこの特別報告者とは、国連人権委員会におかれる特定のテーマ(拷問・表現の自由・教育・食糧確保など)に関する作業部会の中で、特別手続(調査・監視・助言・報告書公開)という強い権限をもつ制度・係です。日本はこの中で「表現の自由」の特別報告者の訪問調査を昨年12月1日から8日の日程で受け入れることになっていました。この受け入れ自体も秘密保護法が議論され始めた時にはすでに打診されていたのに、再三理屈をつけて先延ばしにして、やっと決まったものです。ところが日本政府はこれを11月末になってドタキャンしたのです。

 報告者は全世界を飛び回る多忙な活動(しかもボランティア)をしています。それを2週間をきった時期に突如キャンセルとは異例中の異例であり、世界の信用を失う行為でした。日本政府の自分達が嫌なものはとことん無視して切り捨てる、横暴ぶりが際立った「事件」でした。秘密保護法や、沖縄新聞社つぶす発言、NHK籾井会長の政府に逆らわない発言など、報道における表現の自由に対する圧力は我々も肌で感じていたのに加え、この延期により、2月の高市「停波」発言や、ニュース番組メインキャスターの相次ぐ交代など、日本の表現の自由はさらに深刻になった状況での訪日調査となったわけです。

 満を持して行われたケイ氏の調査ですが、さすがに政府が先延ばしにしたがっていただけのことはある、政府を厳しくかつ正しく批判するものでした。いわく、秘密保護法は報道への圧力になっている、高市発言には「大いに疑念を抱いている」等々。そして政府への提言ばかりではなく、メディアの側へも厳しい視点を示しています。彼が面会した多くのジャーナリストは匿名を希望したそうです。これが圧力に屈するメディアの姿を良く現しているのではないでしょうか。彼は日本独自の「記者クラブ」の廃止にまで言及したのです。

 この記者会見は暫定の報告ですが、今後正式に国連に報告が上げられるでしょう。そうすると、国連からかなり厳しい勧告が出されることが予想されます。我々はそれも1つの材料にしながら、表現の自由を圧殺する政府とは対峙していかなくてはならないと思います。その時、国連の勧告やこの特別報告をきちんとメディアが報じてくれることを願います。