東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

東京にオスプレイがやってくる!

2015年06月29日 | 日記

2015 横田基地フィールドワーク   
 5月12日、2017年後半から横田基地へオスプレイCV-22配備の新聞記事に焦りと怒りを感じ、2学期中盤に実施していた西多摩教組フィールドワークを6月28日に実施した。
 今年は、東京教組共催ということもあり、西多摩教組以外から大田教組・杉並教組・町田教組・多摩教組・八王子教組・都高教・自治労(西多摩平和運動センター)からも参加。第9次横田基地公害訴訟原告団長の福本道夫氏を講師に、参加者26名で学習した。
 前半は、横田基地周辺のをバスで移動。始めに横田基地第18ゲート(サウスゲート)を見学。横田基地南側の進入路真下のゲートで、現在このゲートは使用される事はまれで、自衛隊の装備等が搬入される時に使用されるそうだ。ここには、街灯と一体になった監視カメラが設置され、駐車している車があるとすぐに警察車両が来るそうだ。
 次に昭島市環境コミュニケーションセンターで、爆音による集団移転の跡地を見学した。当時、約400戸が軒を並べ、商店や風呂屋もあったが、1960年代から立ち退きが始まり、基地周辺の無人化と基地拡張を可能にするため、防衛庁の土地買い占めが続いた地区だ。
 フィールドワーク最後は、瑞穂町のスカイホール屋上から、横田基地全体を俯瞰した。その後、公民館で講演・質疑・応答を行った。その中で、既に横田基地に飛来してきたオスプレイは、日米合意違反飛行を繰り返している事実を写真を交えて説明。関係自治体への国からの説明資料があまりにいい加減で適当な内容であった事、横田空域の問題等々説明があり、今後、危機的な状況を打開するため、共に運動を創り上げる事を確認した学習会となった。


全国学力・学習状況調査

2015年06月24日 | 日記

 遠い昔,図書館の恩師に「本は人が読むことによって価値が出るものである。よって,図書館にはまず人が来ることが大切である」と,強く教えられたことを思い出す出来事があった。
 全国学力・学習状況調査が実施された翌日の昼休み。司書教諭として図書室にいると3年生の1人が私に近づいてきた。その生徒とは何をするわけでもなく,昼休みよく馬鹿話をしている。生徒は嬉しそうな表情で私に話しかけてきた。
「昨日の学力テストで『昼休み,図書館に週何回行っていますか?』っていう質問があったんですよ」
毎日のように図書室に来ているその生徒がなんでそんな話を切り出したのか疑問に思いながら「そんなのが質問にあったんだ…」とかえした。
「どれを選ぼうかなと思ったのですが,『本を読んだり,借りたりするため』というただし書きがあることに気がついたんです。で,ぼくは先生とおしゃべりするために図書室に来ているので『0回』の項目を選んだんです」と言って生徒はニヤリと笑った。その笑顔の清々しさに元気をもらいつつ,また,司書教諭としての楽しみが一つふえた。


労働者派遣法改正法案が衆議院を通過

2015年06月22日 | 日記

 労働者派遣法改正法案が衆議院を通過した。
 読売新聞は「派遣社員の保護強化」「正社員化後押し」と報じ、東京新聞は「雇用安定実効性に懸念」「財界寄り際立つ厚労省」と報じた。
 今回の大改悪の要点は、全ての業務で派遣期間の上限を3年とする一方、企業は人を変えればその業務をずっと派遣社員にやらせることができ、派遣社員はその企業の部署(課)が変われば引き続き派遣社員として雇い続けることができることにしたことだ。つまり、企業は派遣社員を使い回すことができ、労働者は生涯派遣社員を余儀なくされる。

 読売が報じた派遣社員の保護・正社員化は、派遣会社に雇用安定措置を義務づけたことだが実効性はないに等しい。その内容は、①派遣元に正社員雇用を申し入れる。②派遣会社が無期雇用する。③新たな派遣先を紹介するだ。しかし、派遣社員が使い回せるようになったのに申し入れがあっても正社員にするわけはないし、新たな派遣先を紹介するのはそもそも派遣会社の責務だが50代を過ぎ派遣先を見つけるのが困難になった場合に派遣会社の無期雇用も望み薄である。
 これだけ反対があったにもかかわらず法案が衆議院を通過したのは、維新の党が「同一労働同一賃金法」を条件に審議に応じたからだが、その法案も「同一労働でも正社員と派遣では期待する内容が違うので格差があってもバランスがとれている」と財界は主張していたとおり、「均衡(バランス)のとれた待遇」の文字が入って骨抜きにされてしまった。
 維新の党が自公政権をアシストした形だが、戦争法案でも、そんな構図(維新の対案)が見え隠れしている。
(ヒヨドリとコゲラ) 


作文教育で投獄、そして教科書

2015年06月19日 | 日記

指紋押す指さむざむと別れたり
 この句は、北海道綴方教育連盟事件で逮捕され、意に反した供述調書に押印させられてしまった無念を詠んだ酒匂清一さんの句集「獄中記」の一句だ。この事件は、ありのままの生活を綴る作文教育を治安維持法違反とでっち上げ有罪を言い渡した冤罪事件だ。同様のことは「生活図画」教育にも及び、旭川師範学校の学生まで逮捕されている。
 今では当たり前の作文教育の実践すら治安維持法の弾圧の対象とされ、警察の過酷な取り調べと拷問によって治安維持法違反の供述書を書かされた。
 この事件を北海道新聞の佐竹直子記者が改めて掘り起こし、「獄中メモは問う」と題して連載、このほど道新選書として出版した。
 この事件で逮捕、投獄された小坂佐久馬さんは、教職を追われ旧満州の水産会社、露天商をへて引き揚げ、1948年東京に出てきて教科書出版事業を始める。この会社が教育出版であり、小坂さんは社長として新しい時代の教科書づくりに生涯をかけた。
 綴方事件で有罪判決を受けた11人のうち、戦後教壇に戻ったのは4人だけだった。
 中学校の教科書採択をまじかに控え展示会も開催されているが、教育を再び国家が統制し、戦争する国の少国民を育てようとする教科書まで現れる中、教職員、教育委員会が歴史から学び、日本国憲法を教育に生かすかどうか問われている。


アンズマシグ暮らすにいい世の中ごとつくりてど

2015年06月12日 | 日記

アンズマシグ暮らすにいい世の中ごとつくりてど
青森県津軽地方のことばで憲法9条の冒頭を話すとこんな感じになる。
 国会では、政府が勝手に憲法を解釈して集団的自衛権容認をアメリカと約束してから違憲の法律を数の暴力でつくろうとしている。しかし、憲法は国民のものである。
 昨日も国会前に多くの国民が「戦争させない」「9条壊すな!」のプラカードを掲げ抗議した。
 各地のお国ことばで憲法第9条を話すとこんな風になるという本が出版されている。「おくにことばで憲法を」(大原穰子著、新日本出版)。ひとつ一つのお国ことばの中に、憲法に寄せられた民衆の願いが込められている、CDが付いていて、方言指導の専門家による声も聞く事ができて、文字では味わえない言葉の優しさと強さを感じさせてくれる。いくつか紹介しよう。

まんつハァ、絶対ぇに武器は持たねぇごどにしたのだ(水沢地方)
ほんでもってあんきに暮らせる世の中つくることを、心から願っとるでなも(名古屋市内)
どないなことがあってもいくさはせえしまへん(京都市内)
誓うたからには、それを守らなあきまへん(大阪市内)
軍備をもっとらにゃー戦争はできんのじゃけー(備後地方)
ほんなこつばからしか戦争ば永久にしぇんで(筑豊地方)
よそん国とん平和な関係ばつくる努力ばしてですね(島原地方)
いくさ(戦)ーさびらんでぃい(言)るくどう(事)、やくすく(約束)さびーん(首里地方)


最後の空襲~秋田の戦争むがしっこ~私の母の戦争体験  

2015年06月11日 | 日記

 昭子(あきこ)は1945年2月14日、秋田県秋田市土崎(つちざき)に生まれた。4人の兄と2人の姉に可愛がられてすくすくと育った。

 生後半年になる8月14日の夜、いつものごとく空襲警報が鳴り響いた。広島や長崎に新型爆弾が投下されたことは知っていたが、ここは遠く離れた秋田。いつものごとく、庭に掘った防空壕に避難した。

 ところがこの夜の空襲はいつもと様子が違った。照明弾が何発も炸裂し、戦闘機がひっきりなしにやってくるのだ。「おかしい」「もしかしたら、土崎がやられるのかもしれない」土崎は日本海に面していて、大型船が接岸できるほどの大きな港がある。工業用の線路も敷かれ、日本有数の産油地・秋田の大きな石油備蓄基地があるのだ。広島や長崎のような軍港がやられたのならば、秋田が狙われてもおかしくはない。

 母はぐっすり眠る昭子を見つめた。もしかしたら、今日がこの子の命日になるかもしれない…母はとっておきの真っ白な産着を着せた。もしものことがあったら、そのまま死に装束にすることができるように。

 一家は庭を出て、数キロ歩いて山の中に掘られた防空壕へと急いだ。すると大きな爆発音が響き、地面が揺れた。石油タンクに爆弾が落とされたのだ。タンクは燃え、油煙とすすとがあたりに立ちこめる。ようやくたどり着いた防空壕で、まんじりともせず一夜を明かした。

 朝…土崎の街はまだあちこちからぶすぶすと煙がのぼり、大勢の人が倒れ、たくさんの家が焼け落ちていた。防空壕から這い出た一家が見たのは、変わり果てた街の姿だった。母親の胸に抱かれた昭子は、泣き声も立てずにまたすやすやと眠っていた。真っ白だった産着は油煙で真っ黒になっていた。「助かった…」昭子の家族は全員無事だった。

 家は奇跡的に焼け残った。家に戻って数時間後、『玉音放送』が流れた。戦争が終わったことを知ったのだった。

 この赤ん坊「昭子」は私の母です。母が幼い頃から聞かされてきたこと、私が伯父や伯母に尋ねて知ったことです。秋田市土崎は、太平洋戦争において「最後の空襲」の一つ、500人もの死傷者を出しました。あと1日終戦が早かったら、この犠牲者はなかったのです。また、私自身もこの母からは生まれなかったかもしれないのだと思うと、戦争がより恐ろしく感じられるのです。

 「語り部」から「語り継ぎ部」へ

  私は国語科の教員なので授業で戦争文学を扱うたびにこの話をします。途中で「先生、その赤ちゃんどうなったの?」と尋ねる子が必ずいて、他の生徒に「生きていたから先生がここにいるんじゃないの」と呆れられます。私自身が体験したことではないのに、これほどまでに真剣に聞き入ってくれます。そして、戦争が遠い昔の話なのではなく、私たちの命につながっていることに気付くのです。生徒たちの祖父母ももう戦後の世代になりつつあり、戦争の体験を話してくれる「語り部」は得難いものになりました。今度は、「語り部」から聞いた話を次代につなぐ「語り継ぎ部」の出番なのかも知れません。直接の体験談ではないけれど、命がつながっていることや平和な世の中であることの価値、それを語ることはできるのではないでしょうか。


戦争法案は憲法違反

2015年06月08日 | 日記

 6月4日に行われた衆議院憲法審査会で、憲法学者三人すべてが集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について「憲法違反」との認識を表明したのはご存知のとおり。
 まじめな憲法学者であれば改憲派だろうが護憲派だろうが当然の認識だ。
 自民、公明、次世代の各党が推薦した長谷部恭男早稲田大教授も「憲法違反だ。従来の政府見解の論理の枠内では説明できず、法的安定性を揺るがす」と指摘したのだから、安保法案が憲法の枠内だとの政府の主張は瓦解した。
 さて、新聞各紙がどのようにこれを報じたか見出しだけだが見ると
読売新聞=安保法案 与党推薦憲法学者が「憲法違反」
朝日新聞=戦争参加するなら「戦争法」 集団的自衛権「範囲不明確」 憲法審査会で学者指摘
東京新聞=安保法案 参考人全員「違憲」 衆院憲法審 与党推薦含む3氏
毎日新聞=衆院審査会:「安保法制は憲法違反」参考人全員が批判
産經新聞=「押しつけは歴史的事実」 「GHQ憲法」めぐり参考人質疑 衆院憲法審
     与党参考人が安保法案「違憲」 “人選ミス”で異例の事態 野党「痛快」 憲法審査会
     違憲指摘「全く当たらない」 菅氏、衆院憲法審査会参考人質疑に反論
ここまで書けるか!?産経新聞の突出ぶりが目立つ!
(杏と椋鳥) 

 


「安全な学校」宣言

2015年06月05日 | 日記

 国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんが、「安全な学校」宣言について訴えている。要約して紹介する。
 ノルウェーの首都オスロで紛争下の子どもの教育を守るための国際会議(5/28-29)が開催されて、「安全な学校」宣言(Safe Schools Declaration)が採択される。その会議に日本政府は参加しない。
 「積極的平和主義」をかかげる安倍政権がどうして、紛争下の子どもの教育を支援する宣言を支持できないのか。「女性が輝く社会」を打ち出す政権が、女生徒たちが暴力を受けている現状を変えるための宣言になぜ賛成できないのか。日本政府は「目的は支持する」としながらも、議事「プロセス」や国際法との「混乱を招く可能性」を問題にしています。しかし、紛争下の子どもたちはこの瞬間にも、通うべき学校を失い、死傷しているのに日本政府が役割を果たさないのは遺憾だと訴えている。
 悲しいことに世界各地で、子どもたちや、学校、大学が攻撃の対象となっている。ケニアでは、イスラム過激派のアルシャバーブが大学を襲撃して、150名近くを殺害した。ノーベル平和賞を受賞したパキスタンのマララさんをはじめとする女生徒たちは特に、暴力にさらされている。
 子どもたちは、紛争下であっても安全な環境の中で教育を受けらる権利がある。
 教育を奪うことは、その子どもたちの未来も奪うことだ。
 オスロで採択された「安全な学校」宣言は、生徒や学校を攻撃の標的とさせないため、そして、学校を軍事利用させないため、各国政府がその誓いを新たにする内容になっている。
 この「安全な学校」宣言の採択を目指し、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ、セーブ・ザ・チルドレン、国連のユニセフなどの「教育を攻撃から守る世界連合」が、世界各国に対し、この宣言及びガイドラインを支持するように働きかけてきた。宣言採択会議に先立ち、世界でおきている紛争の大半(少なくとも26カ国)で、学校が軍事目的で利用・接収されている現状を明らかにする報告書を発表。軍が学校を基地、兵舎、捕虜施設、武器庫などに軍事利用している実態を明らかにした。学校の軍事利用は、生徒や教師を人質にして命の危険にさらし、学校に行けない子どもたちを増やしてしまう。
 アジアからは、紛争に苦しんできたアフガニスタン、パキスタン、フィリピン、スリランカなどの国々がオスロ会議に出席する。そんな中で、日本の不参加はあまりに不名誉である。
 日本政府は今こそ、紛争下でも教育を受け続けたいと願う世界中の子どもたちを支援すべく、そして、将来万が一にも日本国内で学校が軍に接収されて子どもたちが戦闘に巻き込まれるようなことがないように、今すぐ方針を改めて「安全な学校」宣言への支持を表明すべきではないか。


日本の教員はすごい

2015年06月01日 | 日記

 すごい教員が日本にはたくさんいる。青森出身の児童文学者、鈴木喜代春さんが書いた「『弥生の村』を探しつづけた男−工藤正と垂柳遺跡—」(あすなろ書房)を読んだ。

 弥生式土器の時代に日本の稲作が始まったことを考古学的に立証した森本六爾(唐古遺跡)と津軽の弥生式土器の発掘と最北の稲作を立証した工藤正(田舎館遺跡)は共に教員であり、考古学者として郷土の遺跡を発掘しつづけた。
 鈴木喜代春さんは、工藤正と青森師範同期生。友人としての温かく思いのこもった筆致で工藤さんの業績をまとめている。鈴木さんは、他にも無名の人の伝記を著しているが、『十三湖のばば』など児童文学でも知られ、青森、千葉で小中学校の教員として活躍した人だ。