東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

戦争をさせない1000人委員会

2014年05月30日 | インポート
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「戦争をさせない1000人委員会」は3月4日の発足集会、3月20日の出発集会を経て、着実に全国へ拡がりつつある。もうすでに、署名に協力してくださった方も多いと思うが、平和を願う世論を無視し、「集団的自衛権」行使容認へ突き進もうとする安倍政権に対する人びとの怒りは、日ましに高まっている。
 しかし、安倍首相はそれでもなお、「平和主義」「基本的人権」「主権在民」に基づく憲法を破壊することに固執し続け、あの手この手での策動をすすめている。この危機を突破するために、「戦争をさせない1000人委員会」への賛同をよりいっそう拡げ、署名運動や集会などの行動にご参加・ご協力ください。
 今後の行動スケジュールはウェブサイト( http://anti-war.info )に掲載されているが、以下に直近のものを紹介する。

戦争をさせない1000人委員会 東京南部集会
6月2日(月)18:30~
アプリコ(蒲田東口駅前)

講演集会
6月3日(火)18:30~ 
日時:6月3日(火)18:30~
場所:日本教育会館3階大ホール
発言:山口二郎さん(法政大学教授)
鎌田慧さん(ルポライター)
八木啓代さん(ラテン歌手・作家)

戦争をさせない全国署名提出集会
6月12日(木)18:30~ 日比谷野外音楽堂



TPP(環太平洋パートナーシップ協定)

2014年05月28日 | インポート

Photo  先日来日したオバマ米大統領の最大の対日課題はTPPだった。安倍首相は、集団的自衛権と尖閣でお墨付きをもらうかわりにTPP推進を約束した格好だ。そのTPPが大詰めを迎えている。
 日本医師会の前会長の原中勝征さんは、福島県浪江町生まれ。そして今、TPP阻止国民会議代表世話人でもある。日本の農業・医療・文化を守るためにTPPに反対している。
 原中さんは、日米関係は同じ敗戦国のドイツ、イタリアと比べて対等の立場に立っていない、日本は真の独立国になってないと憤り、「TPPの目的は、関税障壁を撤廃、知的財産権の強化、金融投資・保険の自由化である。これによって、国内の文化の崩壊、地域の生活の崩壊、国民皆保険の機能低下、食の安全の著しい低下は避けることができない。
 さらにISD条項により企業が政府を訴えることができ、韓国ではこれを恐れて60以上の国内法を変えることになった。その裁定は世界銀行の中にある仲裁機関で行われ、上訴はできないことになっている。米国では国内法が優先し、その他の加盟国では国際法が優先するといった不平等条約である。それなら我が国も国内法が優先すべきである。
 国土が狭く、自然資源に乏しく、食料自給率が低い我が国の文化的生活が永久に破壊されかねない条約を、国の将来のために政治思想を超えて反対しなければならない。」と主張する。
 TPPは、多国籍企業が政府・国家を超越して自由に活動できるものである。その内容は秘密だらけで、ある日突然、合意され妥結とうこともありうる。米国を含めて交渉国の多くから、多国籍企業の横暴に反対する声が上がっている。
ゴクラクチョウカ


パワハラなくせば、職場に活力!

2014年05月26日 | インポート

Photo  学校のパワーハラスメントが深刻だ。
 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキ ング・グループ」報告書には次のように記されている。

  一人ひとりの尊厳や人格が尊重される職場づくりは、職場の活力に
つながり、仕事に対する意欲や職場全体の生産性の向上にも貢献することになる。この問題への取組を、職場の禁止事項を増やし、活力を削ぐものととらえるのではなく、職場の活力につながるものととらえて、積極的に進めることが求められる。

 この厚労省の報告書は、個人の尊厳を守ることは組織の利益にもなると、経営者など組織をつかさどる立場の人たちにパワハラを戒める内容になっている。

 数年前、私たち教職員に「働く人の新メンタルヘルス」という小冊子が配られた。その巻末に「東京都教育委員会からのお知らせ」として都教委の公式見解が数ページにわたって掲載されてた。そこにも「職場全体が疲弊するハラスメントの根を絶とう!」とセクハラとパワハラの根絶に向けての具体的な内容が記されており、パワハラと指導には境界線があり、業務に関係ないことにまで触れて、職員の人格を傷つけることを戒めていることはもちろんのこと、業務上の指示であっても、執拗な叱責や無理な仕事の押し付けは行き過ぎで、パワハラになる可能性があると指摘している。そして上司にあたる人に対して、単に叱責をすることを否定し、部下への話し方を工夫することを説いている。またそれによって、上司自身のストレス
も軽減すると説く。なぜなら上司もさらに上の上司からのプレッシャーや、自身の職務上の課題でストレスを抱えているから。
 
 子どもに限らず、人は、その人格が尊重され、自尊心が満たされたときに最高のパフォーマンスを発揮することは論を待たない。部下を怒鳴り散らす行為というは自尊心を破壊する。すると実力が発揮できなくなる。教職員の自尊心を満たすことは、子どもたちの自尊心を満たすことにもつながる。
 管理職のみなさん、是非、ご一考いただきたい。
 私たち教職員もパワハラを許さない職場の雰囲気をづくりを進めたい。
 東京教組に寄せられたパワハラ川柳から
   人権説く 管理職自ら 人権侵し
   怒鳴られた くやしさ部下に 倍返し
   パワハラさえ なければ校長 いい人よ
ブーゲンビリア


発見し、共に考えることから始める社会科

2014年05月23日 | インポート
Photo 江戸川教育文化センターのブログから社会科の授業実践を紹介する。

 教科書の採択を巡って文科省が介入して大問題になっているが、そのことはさておき、教科書の絵を十分に観察させる授業を紹介したい。
 私は、教科書はその内容の良し悪しはあるにせよ、有効に活用している。仮に問題があれば、そこをこそ発見させて論議する。要するに深く観察させるわけだ。
 6年生くらいになると社会科の好き嫌いははっきりしてくる。でも、この観察学習をすればそんなことは吹き飛ぶ。
 いわゆる縄文時代や弥生時代の学習は土器等の発掘物はともかく、ほとんどが想像絵画やイラストによる説明である。ナウマン象と戦う毛皮をまとった原始人の様子を描いた資料にはちょっと引いてしまうが、東京書籍の教科書は結構そのまま使える。
 左右に見開くと4ページ分もある想像の絵がある。左側が縄文期で右側が弥生期である。同様な絵は各社の資料集にもあるが、何はともあれまず教科書の絵を注意深く観察させる。これが大変よくできていて、その頃の特徴がほぼ網羅されている。極端に言うと、この中身を全て理解するとその時代の学習は終わってもよい。
 さて、生活の糧は狩猟や採集が中心だった頃から時は進み、稲作が始められ生活環境が大きく変わりつつあった頃の学習である。
 子どもたちは、例によって見開き2ページの絵を観察して発見したことをどんどんノートに書き込んでいく。どんなことでも良い。勘違いであろうが、見当違いであろうが、自分がそう思ったことを書くのだ。まずは各々の教科書を見て書くが、それを基に次々に発表する中で、一斉に同じものを観察させたい場面がやってきた。
 例えば、「儀式のようなことをやっている」と発言した子がいた時だ。ここで登場するのが区教委自慢の書画カメラ、所謂ICT教育というやつだ。子どもが指摘した部分を書画カメラでクローズアップして大型テレビ画面に映す。老眼の私でさえ、ハッとさせられるほどの描写である。たしかに巫女のような者が祈りのようなことをしている様子が分かる。
「何故、そのようなことをしているのか?」一つの考えるべき問題ができる。
 また、「遠くの方で何か田んぼか畑のようなものが見える」と子どもが発表する。書画カメラでアップするが、あまり断定的なことは言えない。ところが、「家の造りが縄文時代とは違って、立派になってきたし、床の高い家はきっとコメを蓄える倉庫だと思うと、予習をしてきたような子が発言する。すると、先ほど田んぼではないかと言った子が、「そうだろう。だから僕が発見したのは田んぼなんだよ。そこで取ったコメを倉庫に入れておくんだよ」と、いかにも訳知り顔で言う。このパターンは更に続く。始めの方の自由発言でたくさん出た「柵」や「堀」、そして随所にいる「見張り」のような人。ここで話がつながってくるから面白い。
 「コメを盗まれないように見張りがいるんだよ。」
 「柵や堀は、敵に攻められないように、守るためにあるんだと思います。」計算し尽くされたように良い答えが返ってくる。
 しかし、意外なことで立ち往生する。
 「何か物を並べて売っている人がいる。」
 「売ってるなら、お金があるんですか?」
 「まだお金はないから、石をお金にしていたんだと思います。」
 「えっ、そんなことはないよ。それは、もっと昔のことじゃないの。」
 「売っているように見えるのは、実はそうではなくて並べて見せているんだよ。」
 「多分だけど、お金の代わりに何か他の物と交換してるんだと思います。」
 色々な考えが出てくるが、容易に解決しない。そこで、次の時間にインターネット等で調べることになった。
 通説的には「和同開珎」なる鋳造貨幣が日本で最初の公的な貨幣で、それは8世紀と言われているからまだ先のことであるが、ここで子どもたちの興味関心が貨幣に集まったことは今後の学習にも引き継げる大切な視点だと思う。
 この「見て、発見して、話し合う」授業はあっと言う間に一時間が経過してしまった。そして、ほとんどの子どもが何らかの発言をしたし、ノートには全員がびっしり書いていた。
 歴史学習の全てがこの手法でいけるわけではないが、どの時間でも教科書の何かをしっかり観察せることから始めるのは私の常套手段である。ねらい通りのこともあるが、先の貨幣の様に意外な所へ発展する場合もあるから面白いものだ。
クマザサ


育休復帰応援セミナー

2014年05月22日 | インポート
3_4 ここ数年、東京都の教員採用が増えて、若い教職員が大変多くなった。それにともなって産休・育休を取得する教職員も増えている。
 育休中に子どもと共に過ごす時間は、子どもとっても、お母さん・お父さんにとっても貴重でかけがえのない時間だ。
 しかし、長く学校職場を離れることで、復帰に不安に感じている方も多い。「年々職場との距離ができ、学校の情報が分からず不安に感じる」「時数も増え、忙しい学校現場についていけるだろうか」「子どもを育てながら働くための権利について知りたい」「復帰する時は異動してもらうと言われているけど」など不安なこと、困っていること、知りたいことが組合にも寄せられている。
 東京教組では、そんな産・育休中の方々に職場復帰を応援する「育休復帰応援セミナー」をここ数年、開催している。本人はもちろんパートナーの方の参加も大歓迎。また安心して参加できるよう保育も準備している。ティータイムを挟みながらゆっくりと、育児の権利や現在の学校状況、異動などについて話できれる。また育児に関する様々な情報も提供する。
 年度末に復帰予定の方が多いと思われるが、9月から始まる異動作業に間に合うように、またパートナーも参加しやすいように夏休み中に設定した。
 今年は、8月31日。わずか半日のセミナーだが、復帰にむけての情報を得て、心の準備や保育体制を考えていただく一助になれば幸いだ。育休中の皆さん、職場で育休をとっている方にもお声をかけて参加されたい。
 詳しい内容、申し込みは東京教組ホームページからどうぞ。


ウンコに学べ!

2014年05月21日 | インポート

Photo  東京に来た砂漠の王様に、お土産に何がいいか聞いたら「水道の蛇口」を指して、これが欲しいと言ったという。砂漠の民だけでなく、飲料水を手に入れるのは大変で、紀元前3世紀にローマ人は雨水が地下にしみわたり自然に濾過されたきれいな無処理の水を都市に供給するために六〇〇キロメートルに及ぶアッピア水道を作ったという。
 ところが日本は、江戸時代にほとんどの城下町に水道がひかれた、世界で最も上水道が完備された国だったようだ。江戸には玉川上水、神田上水がひかれ、糞尿は肥として近郊農家が買い求めるなど上下水道とも完備した清潔な街で、ペリーをはじめ幕末に江戸を訪れた西洋人を驚ろかせた。現在も、「湯水のごとく」などという形容もあるくらい、私たちは水を相当贅沢に使っている。その東京の水は塩素消毒と高次の浄化処理によって作られているが、「トリハロメタンも出さず、また脱リン・脱窒などの高次処理も行ない、さらには浄水までしてくれるような、そんな高性能な上下水一貫処理場はできないものであろうか。それが、実在するのである。水田である。水田こそ、究極の浄化槽であり、夢の浄水場なのである。」と「ウンコに学べ!」(有田正光、石村多門・ちくま新書)が紹介している。
 この本、都市の環境問題を「ウンコ」から考察した名著である。もう一つ、本書からエピソードを紹介する。

ウンコの値段には五段階の価格差があり、大名屋敷が特上で牢屋のウンコが最低。長屋のウンコは下から二番目のDランクであった。大名屋敷の人は栄養のあるものを食べているからウンコも肥料としての効果も高かったのである。このようにウンコはひり出されても差別されたのである。ちなみに尾張藩市谷屋敷の上物の肥えを汲む権利は年三五両にも巨額に上ったそうである(文化五年、一八一〇年)。こうした汲取りの権利は売買され(安藤優一郎「東京市区改正以前の屎尿処理対策」石弘之他編『環境と歴史』新世社)。肥取引には仲買人も介在した。集荷された肥えは、肥船に乗って千葉や埼玉に送られ、各地の河岸には売り捌き人もいたという。

ヘレボルス


大会宣言

2014年05月19日 | インポート

Photo  東日本大震災から3年が経過したが、学校再建など復興は未だ十分進んでいない。特に、東電福島第1原発事故による避難生活は長期化を余儀なくされ、子どもの健康被害への危惧も大きい。被災地の子どもの健康を守り、就学支援や教育条件整備など教育の機会均等を保障する「教育復興支援」のとりくみを継続する必要がある。
 
 2013年7月の参院選で過半数を獲得し、衆参のねじれがなくなった安倍政権は、特定秘密保護法を強行採決し、靖国参拝をするなど国家主義的体質を明らかにした。そして、第1次安倍政権で改悪した06教育基本法を具現化するために、次々と教育内容・制度に対し政治的介入を行っている。
 高校授業料無償化制度への所得制限導入、全国学力・学習状況調査の学校別成績の公表解禁、教科書検定基準の「改正」、道徳の「特別な教科」への格上げ、教育委員会制度を見直し首長の権限を強化する地教行法「改正」案の閣議決定、義務教育で使用する教科書の無償措置に関する法律の「改正」などが矢継ぎ早に行われた。来年度から使用される小学校社会科教科書において、竹島・尖閣諸島が日本固有の領土であると記述した教科書が急増したのは、政権の意向の先取りに他ならない。
 教育の機会均等と中立性を損ない、子どもの序列化と競争を招く教育改悪に対しては、憲法と子どもの権利条約を対置し、現場の主体性と創造性を生かした子どもの  ゆたかな学びにつながる教育活動をすすめることが重要である。組合が中心となった学習会や教研活動は大きな意味を持つ。
 
 現場では、教職員の多忙化、超過勤務の常態化、健康不安が解消されない。学習指導要領完全実施による授業時数の増加に加えて、土曜授業の実施、長期休業の短縮や補習授業の強制、事務処理のパソコン化など教職員の負担はますます大きくなっている。管理職等によるパワハラも後を絶たず、精神疾患の原因の一つとなっている。高齢期雇用制度については、年金支給開始までの再任用原則全員採用が認められたが、そのためには、学校の労働安全衛生体制が整備され、定年後も安心して働き続けられる職場を作らなければならない。
 私たちは本日ここに集い、真摯な討論の上、今年度の運動方針を確立した。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンのもと、「戦争のできる国づくり」を許さず、平和と民主主義を守り、安心して働き続けられる職場を作っていこう。そのためには、共に力を合わせていく仲間が必要だ。私たち東京教組は全力で組織を拡大し、多くの仲間と連帯して共に運動を進めていこう。
 以上宣言する。
2014年5月17日
東京都公立学校教職員組合 第38回定期大会
(アセビ)


政局誘導か?

2014年05月15日 | インポート
Photo 読売新聞は、5月12日「集団自衛権71%容認」をトップ記事で報じた。同社の世論調査を根拠にした記事だが、「全面的に使えるようにすべきだ」は8%、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」が63%、これを合わせて「容認」71%とした記事だった。ちなみに、この世論調査で、消費税の来年10月10%引き上げには、賛成29%、反対66%。安倍政権の原子力発電所の運転を再開する方針には、賛成39%、反対54%だったが、これに関する記事は見当たらなかった。
 狙いは、どうも公明党のようで「公明党は限定容認論にも慎重だが、同党幹部は11日、『こういう記事がどんどん出てくると、党の主張のあり方を考え直さないといけない』と語った。」と報じ、2面には、「自民、公明説得に追い風」の大見出し。
 5月14日には、「安保懇報告より対象限定 集団自衛権 首相あす方向性表明」がトップ記事で、15日の記者会見で、憲法解釈見直しの対象を絞り込んだ「基本的方向性」を表明すると踏み込んだ記事。その4面トップには、「集団自衛権 公明の苦悩 自民と支持母体の板挟み」と今夕の安倍首相の記者会見のターゲットが与党公明党であることを鮮明に描きだす。
 今日の夕刊では、「与党協議では、グレーゾーン事態やPKOでの『駆けつけ警備』など、公明党の理解が得られやすいテーマから検討が進められる方向だ。」と今後の政局を報じた。
 ちなみに同じ夕刊で日経は「夏にも集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定したい考えだが、公明党内には慎重論が強く、協議は難航も予想される。」時事通信は「戦後の安全保障政策の根幹を憲法改正によらずに転換することにつながり、国論を二分するのは必至だ。」と報じ、その違いも鮮明になっている。
 読売新聞の政局を誘導する姿勢をひしひしと感じざるをえない4日間の報道だった。
 初めから「必要最小限の範囲」に限定しては、戦争はできない。戦争を起こさない、起こさせない智慧があればいいだけのことだ。集団的自衛も「必要最小限の範囲」にすることは不可能である。安倍政権は国民を騙す「書き換え言葉」をやめるべきだろう。
オオベニゴウガン・オキナワで4月に撮影



アイスブレイク・ゲーム

2014年05月14日 | インポート

Photo  移動教室のシーズン、バスの中でもできるアイスブレイク・ゲームを教研で教わったので紹介します。
 アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時など、緊張をほぐし集まった人を和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作る手法です。
最初は「タイ(鯛)・タコ(蛸)」というゲーム。
 左手で隣の人と握手をします。左手は決闘の握手です。握手をしたまま、右手でジャンケンをして、勝った人は、タイ(鯛)、負けた人はタコ(蛸)になります。(ここまでが準備)
 それではルールを説明します。私が「タイ!」と言ったら、タイさんは、タコさんの手の甲を右手でたたいてください。「タコ!」と言ったら、タコさんは、タイさんをたたいてください。
 たたかれるだけでは痛いので、「タイ!」と言ったら、タコさんはたたかれる手の甲を、右手でガードできます。「タコ!」と言ったら、タイさんがガードします。(そして次のような声かけをします)
 はい、いきますよー。「ター、ター、ター、ター、タイ!」タイさんがたたくんですよ。タコさんは、たたかれないように自分の手を守ります。もう一度いきます。「ター、ター、ター、ター、タコ!」今度は、タコさんがたたきます。「ター、ター、ター、ター、タヌキ!」タヌキさんはいないので、タイさんもタコさんもたたきません。
テレパシー・ゲーム
 こんどは、右手で握手をします。私が「せーの!」と言ったら、手を握ってください。ここでギュッと強く握ると、痛いので、また決闘になってしまうので、こんどは優しく握ってください。
 いきますよ。「せーの!ギュッ」いいですね。
 こんどは、私が「せーの」と言ったら、「ギュッギュッギュッ」と3回握ってください。「ギュッ」のときには、声は出さないでください。
 こんどは、私が「せーの」と言ったら、「ギュッギュッギュッギュッギュッ」と5回握ってください。
 これだけだとゲームにならないので、「1か3か5」頭の中で好きな数字を思い浮かべてください。それでは、私か「せーの」と言ったら、お互いにしゃべらずにその数字の回数を握ってください。ギュッの回数が合えば、テレパシーが通じた証拠です。
 それでは、頭の中で「1、3、5」思い浮かべましたか。はい、いきますよ。「せーの」
 回数が合ったペアどれくらいいますか?。
 実はこのゲームはコツがあります。気持ちを伝える方法は、アイコンタクトを使います。でも、ウィンクとかまばたきの回数は反則ですからね。こんどは、相手の目を見つめて、数字を伝え合ってやってみてください。このゲームは、バスの中でやります。子どもに伝えることは、「いま、なかなか合わなかった人もいるよね。今回の移動教室で友だちのいいところを一つでも多く見つけると、帰りにもう一回やったときに、テレパシーが通じるようになるんじゃないのかなー」と、友だちのいいところ探しに持っていきます。
 新年度が始まってよそよそしい関係のときにも使えます。ぜひ、ためしてみてください。
レンゲツツジ


バーンアウト症候群

2014年05月12日 | インポート

Photo  連休前に「働きすぎ、疲れすぎ、数量化しすぎに、ご注意!」(4/18)で三楽病院の精神科の医師だった中島一憲さんの「現役医師が見ている『教師のこころ』」「少しだけ、こころが壊れていませんか?」を紹介した。
 情緒的消耗感を感じ、学校に行けなくなる教員の症状を「バーンアウト症候群」(燃え尽き症候群)と名付け、その克服を提言した「『教師』崩壊(新井肇著、すずさわ書房)」から、一例を紹介する。

困難な生徒指導と保護者への対応に苦慮(小学校・女性・20代)
 F先生は26歳の独身女性で、1年前に小学校5年生のクラス担任となった。新任から3年間、中学年を担任した後、初めての高学年の担任であった。勤務校は新興住宅地にあり、教育熱心な家庭が多かった。
 5年生担任の2学期途中から、女子3名ほどが問題行動を起こすようになり、その対応に苦慮した。禁止しているものを学校にもってくる、授業中の出歩きもはじまり、時には授業エスケープをするようになった。校外での喫煙が発覚したりもしたが、他の児童は同調するようなこともなかったので、学級会を開いて児童自身に考えさせた。また、当該児童の親を個別に呼んで、じっくりと話をする機会をもったが、問題行動は一向に改善されなかった。
 やむを得ず、校長立ち会いのもとで、保護者会を開いたが、逆に「担任はじめ、学校の指導が悪い」と学校批判の会になってしまった。F先生は、「年のせいか、親になめられている」ような感じを強く持った。その後も、子どもにいろいろと働きかけたがうまくいかず、「空回り」しているような気分に襲われた。
 問題行動が深刻になってからは、学年主任が中心になってサポートしてくれたが、うまくいかなかった。また、11月頃からは、その3人の児童に追随する児童が出てきてしまい、学級全体の指導に行き詰まりを感じるようになった。「にっちもさっちもいかない」という気持ちが強くなり、いつまでも疲れやだるさがとれず、風邪気味で休むこともたびたびあった。やがて、朝起きると出勤したくない気分に襲われる日が多くなっていった。
 結局、一年間精神的に苦しい状況が続き、やめたいという気持ちが常に頭から離れなかった。問題の児童が6年に進級した今年、違う学年の担当になり気持ちが楽になった。そのまま6年に持ち上がっていたら、教師をやめていたかも知れないと言う。かなり高い情緒的消耗感を示しながらも、最悪の事態に至らなかった要因として、「仕事のうえで困ったことがあるとき相談できる人」が職場の同僚にいたことが大きかったと思われる。
 また、F先生は、その頃を思い出し、問題を抱え込むつもりはなかったが、結果として学年という枠のなかで抱えてしまづた、と反省している。学年主任ばかりでなく、他の学年の先生にも相談すればよかった、と言う。管理職が保護者会に立ち会ってくれたことには感謝しているが、その時の、学校批判を容認するような対応については、リーダーシップという面で今も不満を感じている。
 F先生は、授業にも特別活動にも熱心に取り組み、常に熱意をもって子どもに接している。
 幼い頃から教師になろうと考え、大学は教育学部の中学校課程で学んでいたが、教育実習で子どもたちと一緒に学んだり遊んだりすることに魅力を感じ、小学校を希望した。新任からの3年間は特に蹟くことはなく、教職の理想に燃えていたが、この一年間は真剣に教師をやめることを考えたという。
 元来、困難なことにぶつかっても我慢して頑張っていくねばり強さを備えているが、性格的に優しすぎて、子どもや同僚に対して強く出ることができない。自分で問題を抱え込みがちで、他の人に相談することはできるが、その人の意見に必要以上に従ってしまうようなところがある。真面目で、責任感も強く、「損な性格かな」と思いながら、人に頼まれると嫌と言えず、仕事を引き受け過ぎて、後で後悔することがよくあると言う。
 今回も、子どもたちだけでなく、保護者にも働きかけ、家庭の理解を得ることで問題を解決しようとした。しかし、家庭の問題が子どもたちの行動の背景にあることから、家庭訪問をしたり、保護者会を開いたりしてその問題に立ち入ろうとしたことが、かえって裏目に出てしまったようである。
 教師集団の悪しき習癖として、学年あるいは学科・教科のセクショナリズムにとらわれ、外に弱みを見せまいとして閉鎖的体質に陥りやすいという点がある。このケースも、一つのクラスの問題であっても、状況によっては学校全体の問題としてとらえ、学年の枠にとらわれない組織的対応をすることの必要性を示唆しているように思われる。学年主任と管理職だけでなく、生徒指導担当者、教育相談担当者、養護教諭などを交えてチームを組んで、F先生を支え、負担をやわらげるような対応がおこなわれてもよかったのではないかと考える。

 この例からもわかる通り、バーンアウトを防ぐための同僚や管理職の役割は重要だ。相談しやすい職場環境(雰囲気)と協働体制が不可欠であることを物語っている。パワーハラスメントで教員をバーンアウトに追い込む管理職などもってのほかである。
 いま、「しんどいなぁ」と思っている教員があなたのまわりにもいませんか?
 「しんどい」と思ったら、自分で抱え込まないで、「しんどい」ことを話してみましょう。
東京教組に相談してください。東京教組は、教員の「しんどい」思いに寄り添っていきます。
シャクナゲ


憲法記念日

2014年05月09日 | インポート
Photo 5月3日(土)「施行67周年 憲法記念日集会」が行われた。
 主催者の平和フォーラム共同代表の福山さんは「安倍は9条を投げ捨て、戦争のできる国へ、そして原発を推進し、沖縄に米軍基地を押し付け、格差社会をさらに深刻化させようとしている。そんな国づくりを絶対に許せない。安倍政権の暴走を止めるのは今、この時代を生きている私たちの責任なのだ。」と決意を語った。
 その後のシンポジウムで小室等さんは叔父の戦争体験を語り「雨のベラルーシ」を歌い、雨宮処凛さんは「戦争を伝える際に、その残酷さを伝えるようなものを撤去しようとする動きがある」と話し、鎌田慧さんは、労働組合をつくって闘った理由について、「学校教育の中で国民の権利というものが度々教えられた。そのせいで、基本的人権が体に染みついていた。個人として尊重されるということを憲法が保障したことで、この権利が体の中にあって、自信となってプライドとなったので不合理な事、理不尽なことを許せなくなった。」と語っていた。
 鎌田さんが言われるように、「基本的人権を体に染みつけられる」ような教育が学校でできているでしょうか。憲法を守り育てていくためには私たち教員が学校において憲法の理念を実現し、その大切さを子どもたちと共有化していくことの大切さを改めて感じた集会でした。
 雨宮処凛さんは「年収168万円などという基本的人権が保障されているとはとても言えないような人たちにどう憲法の大切さを伝えるのか。少しはましな暮らしを実現できるようにしなければ憲法について話す土台もできない。」と指摘していたが、多くの国民が憲法(25条)を実感できるために、労働組合が果たすべき役割は大きいことも再認識させられる集会だった。
 しめくくりに平和フォーラム事務局長の藤本泰成さんは「自分の愛する人、かけがえのない人、そして自分自身の命を守るために『戦争をさせない1000人委員会』の運動を広げてください。想像力をもって平和な日本の未来を切り開いていきましょう。」と述べ集会は終わった。
 戦争をさせない1000人委員会は、全国で署名運動を行っています。(署名用紙は、東京教組のホームページにあります。
 また、6月3日(火)18:30~には、講演集会(教育会館大ホール)
 6月12日(木)18:30~には、戦争をさせない全国署名提出集会(日比谷野外音楽堂)を予定しています。
 ぜひ、この運動を盛り上げ、安倍政権の暴走を止めましょう!
ミツマタ


先生!

2014年05月07日 | インポート

Photo  池上彰さんが「先生!」というお題で、それぞれの人にとっての「先生!」を書いてもらった新書が興味深かった。人選も、内容もバラエティがあり、かつ、今の厳しい現実に立ち向かっている教員を励ましてくれるものになっている。ちょっと紹介すると、
 ノンフィクション作家の稲泉連さんは、車椅子の同級生と昼休みに一緒に歩く練習をして、体育の授業を受ける権利を保障するの杉山先生の思い出。「スギセンは子どもたちの側の代表として確かにそこにいた。子どもが子どもでいられるたった一度の時間を何よりも大切にしようとした。」と語る。
 タレントの押切もえさんは、「先生が、ただの『先に生きている人』ではなく、もっともっと、愛される世の中になればいいなと思います。先生だって、生徒だって、人間なのですから。T先生が小学五年生の私の中にあった、小さな芽に光を照らしてくれた、だから今の私かあると断言できます。すべての先生が、子どもたちの小さな芽に光を照らす、太陽のような存在でありますように。」と先生を励ましている。
 柔道家の山口香さんは、「私にとって先生とは、単なる知識や技術ではなく、物事の見方、考え方を教えてくれた人である。『学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない』(ロジェ・ルメール仏サッカー監督)という言葉は、すべての先生、指導者が噛みしめるべき言葉だ。」と自分の戒めにもしている言葉を紹介している。
 開成中学校長の柳沢幸雄さんは、「教員に任せれば、生き生きとした授業になります。生徒に自由に将来像を描かせるためには、教員も自由でなければならないのです。」「(生徒が)友人だちとの関わりの中で、自分の好きなもの、好きなことの方向性を見つけることができれば、居心地のいい自己肯定的な時間を過ごすことができます。」と開成の教育は自由の保障であることを強調する。そのためには、教師も自由でなければならないと断言する。
 お笑いコンビ・パックンマックンのパックンさんは、「授業中にいつでも先生が生徒からの質問を受け入れる体制ができている。先生が授業を始める前に、よく『The only stupid question is the one not asked.(唯一馬鹿な質問は、聞かなかった質問だけだ)』と伝えておく。そこで、いきなり面倒くさい質問をする生徒がいたりするけど、そんな時も「いい質問だね~」とそのまま受け入れる。」とアメリカの教員を紹介している。
 ベストセラー「五体不満足」の乙武洋匡さんは、「『子どもたちの個性を尊重しよう』教育現場ではこんなことが言われているが、そのわりに教師の個性は尊重されていないのが現状だ。画一的であることが求められ、必要以上に「横並び」を意識させられる。こうしたなかで、本当に教師が子どもたちの個性を尊重できるのだろうか。」と、子どもも教師も、みんな違ってみんないいと主張する。
 
 この中に2人も都の教育委員がいましたが、わかりましたか?
 教職員が読むとちょっと元気になる本でした。「先生!(池上彰編、岩波新書)」
コブシ


取り調べの可視化

2014年05月02日 | インポート
Photo えん罪を防ぐ方法として、すべての取り調べを録音、録画して裁判の証拠にするという方法(可視化)がある。
 ほとんどのえん罪が、「犯人」とされた被疑者の自白に頼り、十分な立証がないことに原因がある。しかも、その自白が密室の取調室で不正な尋問によって誘導されたものだからだ。
 多発するえん罪を防ぐために取り調べの可視化と全証拠の開示は不可欠だ。
 可視化について審議している法制審(4/30)で法務省が試案を示された。しかし、試案を出した法務省は、本当にえん罪を防ごうとしているのか、むしろ警察と検察の権限を強化することしか考えていないのではないかと疑いたくなる。
 その理由は、①取り調べの可視化が裁判員裁判に限られていること(全裁判の3%)②「司法取引」(捜査協力で刑を減免する)を導入すること。③警察の通信傍受(盗聴)の対象犯罪を拡大。など,これを機会に警察・検察の権限拡大を図っているからだ。
 5月1日の新聞の見出しは、読売新聞「取り調べ全過程可視化」、東京新聞「警察 取り調べ可視化3%」とため息がでるほどニュアンスが違う。
 読売の記事は、1面で法務省試案がおおむね了承されたと報道し、3面で「可視化の対象事件をどう定めるか・・・議論は難航が予想される」と報じている。
 一方、東京新聞は、「裁判員裁判になる事件は殺人、傷害致死、放火などで、その数は起訴された全ての事件の3%にすぎない。警察に録音・録画を求める事件をこれらに限定した一方で、電話や電子メールを傍受できる犯罪を大幅に追加するなど、捜査手法の強化を認める内容になっている。」袴田事件の警察の取り調べについて「再審開始決定を認めた静岡地裁は、逮捕当時の取り調べを『人権を顧みることがなかった』と批判。捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)の疑いも指摘した。他の冤罪事件でも、誘導や脅しで自白を迫る警察、検察の取り調べを、司法が繰り返し批判している。」と報じている。
 特に、袴田事件、狭山差別裁判でもえん罪の証拠となる捜査機関が集めた証拠の全面開示を日本弁護士連合会は求めているが、検察が保管する全証拠のリスト(一覧表)を弁護側に交付する案にとどまっている。
 これでは、えん罪はなくならない。
(杏と四十雀)