東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

こりゃ恐ろしい!

2015年02月27日 | 日記

 「イスラム国」によって拉致され、殺された後藤健二さんと湯川遥菜さんについて、政府は早くも秘密保護法に抵触する情報もあると断言している。
 後藤さん湯川さんの安否を気遣う人々が、インターネットなどで様々な情報を集めていたと思うが、これらの情報の中には秘密保護法に抵触するものもありますよと政府が言っているということだ。どの情報が抵触するのか、私たちは知る由もない。なぜなら、何が秘密かそれが秘密なのだから。こりゃ恐ろしい。
 とても分かりにくい「秘密保護法」の何が分かりにくいかを分かりやすく解説している本を見つけました。
 こう記しただけで、どんだけ分かりにくい法律かと思うでしょう、何が秘密かそれが秘密なんだから当然だ。
 簡単に言えば、為政者の意のままに秘密が指定され、その秘密を管理する者が管理(適正評価)され、何が秘密か分からない秘密を知ろうとするすべての者を処罰するということにつきる。つまり、後藤さんや湯川さんの安否を気遣い、その情報を集めたり、発信した人は対象になるし、為政者が逮捕しようとしたらいつでも逮捕できる法律ってことだ。そこんところを分かりやすく教えてくれる「特定秘密保護法」(明日の自由を守る若手弁護士の会、岩波書店)は、お薦めの本である。
(寒椿) 


「女性が輝く社会」とは・・・?

2015年02月26日 | 日記

 「女性が輝く社会を」と言うけれど 安倍首相の言う「全ての女性が輝く社会」が、「全ての女性が今の男性並みに働き、かつ家事育児も完璧におこなう社会」であることはすでに皆さんにもおわかりでしょう。

日本の男性の長時間労働には際限がありません。

10月の連合中央女性集会で、男性の労働時間や労働条件を見直さない限り、女性参画は進まないのだと聞きました。女性参画の進んでいる国は男性の労働時間が短く、休暇は多いという傾向にあります。つまり、家事育児の「男性参画」を進めないと女性の社会参加は進まないということなのです。

「子どもを産むのは女性だが、育てるのは男女である」という視点が欠けている日本。意識改革から始め、法律上は「男女」適用の育休等の権利が、実際に行使されるよう、さらなる法改正を含め働きかけなければなりません。

来年度から、子の看護休暇が中学校就学前までに延長されました。この制度を利用できるのも母親だけではありません。育休も含め、父親の取得を進めていきたいものです。 女性が輝く社会は、男性も輝いている社会です。

ところで、現在問題になっているブラック企業の見分け方をご存じですか?それは「女性が活躍しているか否か」ということだそうです。女性が活躍できる会社はブラック企業ではないのです。

さて私たち教職員はどうでしょう。私自身は中学生の時、担任だった40代の女性教諭に「学校っていうのは、女性が一番働きやすい職場だよ」と教わり、この道に進みました。今、私は教え子にそう言ってあげられるだろうか…と考えてしまいます。

権利の要求にも一層力を入れて、真に女性が働きやすい職場をつくっていきましょう。

(白梅「鶯の谷」)

 


2015年02月25日 | 日記

 2月4日は立春だった。「暦の上では・・・」と月並みなセリフを言いたくなるぐらい、寒い日が続いている。その寒さの中、先日、甲府市で日教組の全国教研が開かれた。今回関東ブロックでの開催ということになったので、なんと「警備係」を務めることになった。担当するのは、開催初日の全体会の会場。もちろん会場内ではなくて、外のゲートである。参加者が早朝8時前に会場入りするので、当然のことながら、警備担当が配置につくは、早朝も早朝、午前6時50分からであった。
 さて、配置についたころは、まだ、夜明け前で真っ暗。あたりに立ち込めた霧が街頭に白く照らし出されている。やがて白々とあたりが明るくなり、それとともに、大気が動き出したらしく、辺りを包んでいた霧も動き始めた。青空が見え始め、それとともに、空気がより一層冷え冷えとしてきた。そして、奇跡のような瞬間が訪れたのである。ふと気がつくと、山並みの向こうから顔を出した太陽の周りが、なぜかキラキラと明るい。よく見れば、リング状の虹が太陽の周りに輝いていたのである。ふつう、虹は、太陽と反対側に見える。太陽の方に見えるというのは、何とも不思議な光景だった。


明日のこと

2015年02月23日 | 日記

 STOP THE 格差社会~質の高い公共サービスと労働組合の役割~と題した集会が明日2月24日(火)18:00~日比谷野外音楽堂で開催される。
 質の高い公共サービスは、国民の生活の質を維持・改善していくための必要不可欠な要素だが、日本では公務労働者の公正な労働条件を決定する自律的労使関係が確立していない。 それどころか、構造改革の名の下の民営化などにより公務セクターが縮小される傾向が拡がっている。その最たるものが国家戦略特区であり、それは安倍政権の「成長戦略」の要でもある。
 雇用・医療・教育・農業など15項目のの特区構想が検討されているが、「解雇特区」は、入社時に解雇条件を契約されるものだし、残業代なしのホワイトカラー・エグゼプション、短期契約の繰り返しを認めるなどがある。この他、「医療特区」は混合診療、病床規制の緩和。「農業特区」は農地の売買、賃貸の許可を農業委員会から市町村に移管。「教育特区」は、公設民営学校の設置。
 つまり、「公共の福祉」破壊政策なのだ。
(小サギ) 


恊働(collaboration)性がある学校

2015年02月20日 | 受験・学校

 教員のバーンアウト(燃え尽き)による鬱病などの精神疾患が、学校現場で大きな課題になっている。メンタルヘルス対策などもすすめられているが、学校の教師集団の恊働性・相補性の欠如も要因ではないかとする油布佐和子さんの論考は、その解決に手がかりを示してくれる。(教師の現在・教職の未来−あすの教師像を模索する−)
 教師集団の二つのタイプを実際に二つの中学校を調査し、以下のように分析する。
 ひとつは、教師集団の恊働(collaboration)性がある学校。それは、①教師それぞれに自発性があること、②共に一緒に働くうちに生じてくるもので,その実践は義務でもなければ強制でもない(voluntary)、③改善や発展を志向していること、④教師相互のコミュニケーションが場所や時間を限定せずに十分に行われること、⑤協働した結果は必ずしも成果としてはあらわれないし,簡単に予期できるものでもない(Hargreaves, A.)という特徴を示している。
 また、相補性とは職場での人間関係を示す概念で,職場でのさまざまな地位や職種を超えて,「参加者の平等の努力」や「複雑な課業環境に直面した人間の認知限界についての平等の謙虚さ」を意味している。また「情報冗長性」とは組織が情報を階層に応じて機能的かつ効率的に分有することが大切だとされてきたのに対し,個と個の間で相互に余剰の情報を共有すること,すなわち組織内に無駄を取り込むことの大切さを意味する。平たく言えば、ゆとりと寛容のある職場ということか。
 もうひとつは、「わざとらしい同僚性」のある学校。見かけは協働に似ているけれど実際は異なる。それは、教師の自発性から生まれたものではないこと,時にはvoluntaryではなく,そこへの帰属が義務化されること,発展志向的ではなく,時間と空間の固定化が行われること。そして,たいていの場合,予期される成果(outcome)を前提としていること」を特徴とし、教師自らの志向によって生まれたものではなく,管理者の関心から生まれたものである。
 前者は,教師同士がアイデアや実践を共有していく過程と関連する概念である。それは教師が,価値や目的や,行動したことの結果を共有していくことを意味する。またそのプロセスで,互いの実践やパースペクティヴや仮説にチャレンジすることが頻繁に行われ,同時にこのような相互交渉を通じ,互いをより高次の次元へと導いていこうとする協働の文化が形成されるのである。それに対して後者は,組織としての学校が,ある目標に向かって機能的に成員を配置しているということと同義である。そこでは,配置された教師が,期待された役割を過不足なく十分に果たすことが必要とされる。いわば,目的合理的に編成された組織のなかでの役割を有機的に担っているという状態がこれに当たる。
 東京の学校に後者のタイプが増えているのではないかと危惧する。
(寒紅梅) 


日本国民にノーベル平和賞を

2015年02月17日 | 日記

 昨年4月、ノルウェー・ノーベル委員会は「憲法9条を保持している『日本国民』」への推薦を正式に受理し、昨年度のノーベル平和賞の候補に「日本国民」がなったことをご存知の方も多いでしょう。
 そして、今年も推薦についての招待状が届いている。
 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会は、受賞対象を「日本国民」とすることで、主権者として、国民一人一人が憲法9条、ひいては戦争と平和の問題を自分の問題としてうけとめ、考え、語り合い、行動をおこしていく契機となり、国内、アジア、世界に向けて連携と連帯の和が広がることを願い、この運動を始めた。
 世界に先駆け、戦争の放棄を定めた憲法9条を戦後70年近く保持している事実と、意見が分かれ、激しい攻防を繰り返しながらも、戦争しない憲法9条を保持しているのは、一部の国民ではなく、「日本国民」だ。
 安倍首相は、この憲法を蹂躙し、集団的自衛権容認の閣議決定を行い、昨日の衆議院本会議の答弁で中東・ホルムズ海峡の機雷掃海もできると述べたが、憲法9条を保持する日本国民からすれば、憲法99条(憲法尊重擁護義務)違反の犯罪者だ。


みんなの学校

2015年02月13日 | 日記

 ドキュメンタリー映画「みんなの学校」はぜひ観たい映画だ。
 制作した真鍋監督は、「いろんな子どもたちが一緒に学ぶことが自然だと感じるようになった。教育の多様性を知ってほしい」と語る。

 全校生徒220人のうち約30人は「発達障害」などがあるが特別支援教室ではなく、各学年とも一つの教室で一緒に学ぶ大阪市立大空小学校のありのままが記録されている。その中で、児童、教職員、地域のみんなが変わっていく姿を一年間記録したドキュメンタリーだ。

 2月21日(土)より渋谷・ユーロスペースにてロードショー
 学校の理念は「すべての子供の学習権を保障する学校をつくる」であり、不登校はゼロ。唯一のルールとして“自分がされていやなことは人にしない 言わない”という「たったひとつの約束」
こんな当たり前のことが、今の公立学校では難しくなっている。
なにより、子どもたちと教職員の笑顔がいい!
まずは、映画「みんなの学校」の公式サイトで予告編をご覧ください。
http://minna-movie.com/index.php


STOP THE 格差社会

2015年02月09日 | 日記

 日本の公務員には労働基本権が与えられていないという異常な状態が続いている。連合は、日本および諸外国の公務員に関する国際労働基準の適用状況を概観し、質の高い公共サービスと労働組合の役割について議論するための国際シンポジウムを開催し、2月24日には「STOP THE 格差社会 ~質の高い公共サービスと労働組合の役割~」決起集会を午後6時から日比谷野外音楽堂で開催する。

 一方、民間の労働者の現状は、非正規労働者の割合は増加し、生活保護を受給者も増え続け、子どもの貧困率は先進国の中でも高く、若者の就活も深刻で、貧困の連鎖が止まらない状況が続いている。そのためにも、公共サービスが果たす役割は重大である。
 貧困の拡大と格差の広がりに歯止めをかける上で,安定した良好な雇用を増やすことが重要なのは言うまでもないが、安倍政権は逆に労働法制の規制緩和を進めようとしている。派遣労働を臨時的・一時的な業務に限定するという大原則を転換する労働者派遣法改悪の動きや、限定正社員制度や労働時間法制の規制緩和も検討され、さらなる規制緩和によって、不安定・低賃金雇用の拡大や長時間労働,過労死,過労自殺の問題がさらに深刻化する。

 そんな中、「残業代ゼロ・過労死促進法」(ホワイトカラーエグゼンプション)の今国会上程が大詰めを迎えている。1075万円以上の年収のある限られた専門職であると言い逃れしているが、労働者派遣法がそうであったように範囲を瞬く間に拡大する意図は明らかだ。事実、法律に年収は書き込まれず、かつて経団連が提案した時は年収400万円以上が対象だった。
 労働法制の規制緩和は、現在働いている人だけの問題ではなく、これから働き場を求める若者、失業者、生活困窮者、母子家庭など市民全体に大きな影響を与える。


毎日がとてもつらかった。

2015年02月06日 | 日記

 養護施設で暮らす15歳の少年は、「毎日がとてもつらかった。中学の友達にはみんな両親がいたんですよ。だから僕にも親が欲しかった。」と語っています。
 経済的な理由で親が育てられない、捨て子、虐待などによって親から引き離された子どもは、公的責任で養育し保護する。これを「社会的養護」いう。日本には4万人近い子どもが社会的養護を受けている。
 しかし、そのほとんどは乳児院、児童養護施設で保護されていて養子や里親は12%。米英が70%以上、独仏が50%以上と比べて極めて少ない。
 しかも、児童養護施設は、民営化が進み慢性的なスタッフ不足が続き、子どもの成長にとって欠かせない愛着関係が築きにくく、子ども同士のいじめや暴力、スタッフによる虐待などの問題も生じている。
 「たいていの職員は仕事だから僕たちの相手をしているみたいに思えてしまいます。仕事だから遊んでくれるだけ。愛してくれるわけじゃないんです。」と施設に入所している17歳の少年は話す。また、18歳になると施設を出て、ひとりで生活しなければならず、そのケアも極めて脆弱なのが現状だ。この問題を解決するためには、政府が本腰を入れて里親制度を充実させる必要がある。国連子どもの権利委員会も「施設入所は最終手段である』と断定している。この問題に取り組んでいるヒューマン・ライツ・ウォッチのVTR「夢がもてない」も是非ご覧いただきたい。
http://www.hrw.org/ja/node/125121


多忙化が生む学校職場の精神疾患増!

2015年02月04日 | 日記

1月30日付けで、文部科学省より、「平成25年度 公立学校教職員の人事行政状況調査について」の結果が公表されました。

教職員の精神疾患による病気休職者数は、5,078人(0.55%)で、昨年度と比較して118人増となり、依然として高水準のままとなっています。東京都の精神疾患による病気休職者数は、529名で昨年度よりも63名増えています。病気休職者数は、748名ですから、精神疾患による休職者の占める割合は、70.72%となり、全国平均を大きく上回っています。

 

文科省は、「日々の学習指導や生徒指導に加え、事務的な業務などによって、強いストレスを感じている者も存在する」と、職場の多忙化が大きな原因の一つになっていることを自ら認めています。各種の科学的研究で明らかなように、長時間労働が精神疾患を引き起こす主な要因であることは明かです。精神疾患による病気休職者が高止まりしている原因として、教職員の長時間労働の解消にむけて効果的な対策が講じられていないからと言わざるを得ません。また、都道府県によって精神疾患による病気休職者の発症率が著しく異なっており、その原因究明も課題でしょう。


ピケティ入門

2015年02月02日 | 日記

 フランスの経済学者ピケティが来日し話題を呼んでいる。
 資本の蓄積が格差を生むことを緻密で長期にわたる調査により理論化した著書「21世紀の資本」(LE CAPITAL)もベストセラーになっているようだ。
 彼の理論は、金持ちの貯蓄によって資本は膨らむ一方で、経済成長(賃上げ)は萎むことを資本の第一原則、第二原則により明らかにしている。その克服のために、累進課税の強化と国際資本税導入こそ世界的な格差を解消する政策であるとする。

 来日中の講演会でも、経済の低成長が続いている日本などの先進国で「この数十年間、不平等が拡大している」と警鐘を鳴らしていた。一方、国会では、安倍首相がピケティの理論に否定的な見解を表明する場面もあった。
 ピケティの理論を分かりやすく解説した「ピケティ入門」(竹信三恵子著、金曜日)も好著である。
 この本で竹信は、アベノミクスは格差拡大の経済政策であることをピケティを引用しながら展開している。とりわけ安倍首相が成長戦略の柱にしている労働者保護ルール改悪は格差拡大の最たるものと批判。「解雇の金銭解決、新しい労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション、残業代ゼロ制度)」「限定正社員制度(地域限定、ジョブ限定、低賃金)」「労働者派遣法改定(生涯派遣法)」が主な内容だが、地方議会からは反対の意見書が続出している。
 また、「女性が輝く社会」政策は、女性の中の格差を広げ、外国人に低賃金で家事労働をさせる「上層の女性」と低賃金派遣労働を強いられる女性に分化する。
 この他にも、教育格差の拡大。貧困の連鎖。地方創生と最低賃金制の格差の矛盾などについても指摘している。一読をお勧めする。