東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

映画「シン・ゴジラ」と日本の現状

2016年10月26日 | 日記


この夏話題になった映画「シン・ゴジラ」のゴジラは、海底に廃棄された放射性物質を身体に取り込み、巨大化していきます。大きくなったゴジラは東京湾から東京に上陸、街を破壊していきます。この巨大生物をどうするか。政府は右往左往し機能しない中、何より早くアメリカが動きます。日本は常にアメリカの支配下にあることを痛感させられることとなります‥‥‥原爆、原発、放射能。ただの特撮映画と思って見たこの「シン・ゴジラ」は、映画そのものの評価は別として、日本の現状が少なからず描かれていました。いまだに日本には解決しなければならない、しかし解決の見通しさえたっていない問題が山積みになっているのではないでしょうか。


みんなで意見を出し合い、働きやすい職場をつくろう!

2016年10月11日 | 日記

 学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校現場における教職員の超勤・多忙化は深刻化しています。時間外勤務をしなければとてもこなすことのできない仕事量で、長時間過重労働が常態化しています。「振替なし」の土曜授業を実施したり、長期休業を短くしたりする地区や学校も増え、子どもも教職員も疲れきっています。年休も使いい切れず、まさに「ブラック企業」です。

 2015年の文科省発表によると2014年に病気休職した教職員数は全国で8277人。そのうち精神疾患は5045人(約61%)に上り、東京では病気休職者数725人中、精神疾患が525人(約72%)と、全国平均を大きく上回っています。

 日政連議員(日教組出身議員)の水岡議員、なたにや議員が4月の参議院文教科学委員会で多忙化解消、定数改善に向けて質疑を行い、文科大臣から教職員の超勤や多忙化に対する重要な答弁を引き出したのは記憶に新しいところですが、それを受け、文科省は6月13日に「学校現場における業務の適正化に向けて」~次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告~とする施策を公表し、17日には、これらの施策を実施するよう各教委に通知を出しました。報告の中には諸外国と違い、日本の教員は授業以外の仕事が多いことが挙げられ、教委からの調査・報告を低減すること、中学・高校の部活動の負担軽減のため休養日を設けること、管理職による勤務時間管理を徹底し、長時間労働を是正すること、ストレスチェック制度の実施によるメンタルヘルス対策の推進等々、東京教組が提案してきた具体策が列記されています。都教委も8月31日に「学校現場における業務の適正化に向けて」という通知を地教委向けに出しました。また、文科省は公立小・中学校等教員の勤務実態調査の実施を発表しました。

 しかし、中教審教育課程部会は「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」として、「業務の適正化」に明らかに逆行するものを出してきました。小学校の外国語教育を、年間高学年70時間、中学年35時間。小学校でのプログラミング教育の導入、道徳の教科化と評価等々。もちろん勤務時間の問題だけではありませんが、これらの導入は教職員の多忙を更に深刻化することは間違いなく、矛盾と言わざるを得ません。多忙化解消の点からもパブリックコメントなどで、現場の意見を出す必要があります。

 


感動ポルノ

2016年10月05日 | 日記

内田良氏の「教育という病」を読んだ。1年以上前の刊行になる本だが、ここで指摘された教育の問題は、それ以降クローズアップされることが増えてきた。

例えば組体操。巨大化し、危険性を「つきもの」だからと軽視してきた(安全対策を行うだけで、根本的に見直しを行わなかった)姿勢が指摘されたが、今年度、急速に取りやめたり、簡素化する学校が増えた。

例えば部活動。あまりにブラックな実態が指摘され、本業の授業がおろそかになっている、生徒と教員どちらも疲れ切ってしまう現状が指摘されたが、いよいよ文科省も本気になって部活動のあり方に切り込み始めた。

教員という人種はいろいろな考えの人がいるから良い。組体操が好きな人も、部活動に熱心な人も、もちろんいていい。でもどちらかというと、私はこれらが苦手なたちで、内田氏に心の中で喝采しながら読んでしまった。しかしまあ、そういう問題ではない。好き嫌いではなく、組体操や部活動が何の検証もなく、子どものためになるから、周りからのやってほしいという圧力があるから、という形で続けてこられたことが問題なのだと思う。

そして、もう一つ、内田氏が指摘したことで、私が上記2つよりも、もっと共感し、一刻も早くやめるべきだと考えるのが「2分の1成人式」だ。

いつのころか流行りだしたこの行事は、多くの小学校が、子どもが10歳になる4年生で「総合的な学習の時間」で取り組んでいる。

今まで10年成長してきたことを振り返り、保護者に感謝し、これからの未来に向けた希望を語る。一見いいことのように聞こえるが、まず、これが4年生の「総合」の学習に見合うものなのだろうか、という疑問があった。自分の成長を振り返るという学習は、ほぼ例外なく2年生の生活科で扱っている。その繰り返し。もちろん4年生なりのアプローチができるし、工夫すれば調べ、まとめる力を伸ばす活動にもなるだろう。しかし、内容が「これまでの成長」でなくてもいいはずだ。結局「総合的な学習の時間」になにをやるか、ネタに困って飛びついているだけの気がする。

そして、保護者を呼んで「感謝を伝える」という感動イベント。これが私にはなんとなく気持ち悪くてしかたがない。感動の押し付けを、商売にまですることを昨今「感動ポルノ」というらしい。もともと「障害」者をテレビなどにさらし、感動を呼ぶ番組への蔑称だった言葉だ。「親に感謝する」は、悪いことではないが、ここまで大々的に強制してやらせることだろうか。感動ポルノのにおいがしてしまう。

最大の問題は、内田氏が指摘するように、現在様々」な家庭の背景を抱えている子がいる中で、一律に、自分の生い立ちを振り返らせ、発表させ、親への感謝を強制させることにある。一部(とも最近はいえないが)かもしれないが、虐待などの背景を抱える児童に対して、あまりに酷な内容ではないか。少数への配慮が欠如している。

確かに、自分を振り返り、そこに関わってくれた人々の存在を認識することは大切な学習だ。「障害」者が頑張っている姿を応援するのも悪いことではない(24時間テレビだって、それなりに意味はあるのかもしれない)。きっと感動ポルノと、真に重要な教育は紙一重なのだろう。だからこそ、日々の教育活動や学校行事が、ただの感動ポルノになっていないか、気をつけていきたい。


「世界報道の自由度ランキング」72位

2016年10月04日 | 日記

安倍政権発足以来、公平性や中立といった言葉を権力が恣意的に解釈し、利用することによって、日本のメディア、ジャーナリズムは、萎縮や自粛を繰り返してきました。


国際ジャーナリストNGO「国境なき記者団」が毎年発表している「世界報道の自由度ランキング」を見てもそれは明らかです。

2011年日本は11位に位置し、世界でもトップクラスにありました。しかし、第二次安倍政権発足後の2013年から急転落。53位(13年)、59位(14年)、61位(15年)と順位は下げ止まらず、ついに今年(16年)は、対象の180カ国・地域のうち、過去最低の72位を記録しました。特定秘密保護法の施行から1年余りを経て、「多くのメディアが自主規制し、独立性を欠いている」と指摘されています。民主主義の劣化が進む日本、この問題も看過できません。


忘れていくんだよ、どんどん、大切だと思っていたことは・・・

2016年10月03日 | 日記

深夜帯のドラマには意外と掘り出し物がある。


昨年の秋から年末にかけて放送されていた「おかしの家」もそのひとつだ。映画「舟を編む」の石井裕也脚本・演出の30分ものの連続ドラマだ。

主演は、オダギリジョー。映画の雰囲気を感じさせる、それでいて深夜枠ならではの自由な遊び心満載な味のある作品でした。

幼くして両親を亡くし、祖父母に育てられた主人公が、祖父母が開いた小さな駄菓子屋を守ろうとする姿を縦軸に、大人になっても駄菓子を片手に裏庭にたむろする彼の幼なじみたちを横軸にドラマは展開する。

「忘れていくんだよ、どんどん、大切だと思っていたことは・・・」「このオジサン達も駄菓子みたいな人たちだ。一見とりとめのない存在でも、見方次第では最高に価値があるものだってことな」心に沁みるセリフがちりばめられた素敵なドラマです。大事な場所も大切な人も失われたりもするけれど、すべてがなくなるわけではない。嘗て子どもだったすべての大人に!DVDになっています。是非レンタルでご覧あれ