3年前にアメリカ大使館を退職したガレットさんから「感謝と謝罪とお願い」という手紙が広島の田中利幸さんに届いた。宛先は「親愛なる日本へ」と書かれており、田中さんはすべての日本人に宛てられたものとして公開している。
ガレットさんの感謝は、「日本の美と強さ、静寂さと活力、創造力と伝統に敬服している者」として「教育と経験」「外交官としての経歴を歩ませてくれた」ことだ。
謝罪は、米国大使館職員として日本に理不尽な要求をしたこと。例えば、クラスター弾や劣化ウラン兵器を使用している米国を支持するよう日本に要求する任務を遂行してしまったことだ。そして、お願いは、以下のとおりである。
日本には、アメリカが日本に要求することを、<受け入れる前に>2度、3度と熟考していただきたい。アメリカの良き友達でいてもらい、できるだけ多くの私たちの軍隊を本国に送り返して下さい。私たちは今までのような軍隊をもはや支えきれないのです。私たちの国では貧困者はますます貧困になっており、教育制度は遅れるばかりで、社会的生産基盤は崩壊しつつあります。私たちと協力して働きたいと言って下さい。ただし、次のような条件つきで。今や急速に破壊されつつある地球の自然体系を維持再生させることに私たちが貪欲になることで、自己規制するかあるいは力を発揮する道を見いだすこと。私たちの友達でいたいし、これまでの歴史で最も偉大な闘いの同盟国であり続けたいと言って下さい。その闘いとは、人間性を守り、目下、急速に進んでいる気候変動の猛襲から地球を守る闘いのことです。しかし、妄想に向かって武力を振り回して崩壊していく帝国の誤った冒険主義に巻き込まれないように気をつけて下さい。アメリカ帝国に取り憑いている真の危険は、気候変動、環境崩壊や急速に拡大しつつある国民の間の不平等です。にもかかわらず、これらの問題が、基本的には、アメリカ自体の敵である軍産政治金融複合体制の祭壇の上で犠牲にされてきたのです。
深い尊敬と親愛、そして感謝を込めて。
ダニエル・H・ガレット
元・米国務省外務局政務官、2008年-2010年日本における米国大使館2等書記官
(http://www.japanfocus.org/events/view/192より転載)
ガレットさんのような外交官は、きっと今もアメリカ大使館にいるだろうし米軍の中にもいるかもしれない。かつて、日本国憲法24条を起草したベアテさんのように。日米だけでなく、世界の平和と人々の幸せを考える人々と手を結びたい。
(サンザシの実)