東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

若者は戦争へ、高齢者は棄てる!

2014年07月30日 | インポート
Photo 医療・介護に関連する19の法律をまとめた「医療・介護関連一括法案」が十分な審議も保障せず6月18日に参議院(賛成135 反対106)で可決、成立した。
 とりわけ、介護保険は、退職者や高齢者だけの問題でなく、現役世代にとっても介護保険料が上がり、介護の質が低下するのだから大問題である。
 その主な内容は、
①要支援者(軽度の介護認定者)の介護予防を介護保険から切り離して市区町村に移管することにより、自治体の財政力によって格差が拡大する。 
②一定所得のある利用者の自己負担を1割から2割に引き上げる。 
③特養入居者は、要介護3以上にする。
などだ。
 「介護の社会化」をめざして2000年に導入された介護保険制度は15年目を迎える来年から大きく後退する。年金収入280万円以上の人は自己負担2割に引き上げ、特別養護老人ホームの待機者が、全国で52万人。東京でも4万3千人もいるなかで、東京都では75歳以上の高齢者が2025年には200万人近くになる。高齢者問題は、東京など都市部の方が深刻である。
 消費税の増税分は年金・医療・介護・子育てなど社会保障にあてる約束が、公共事業優先で社会保障は先送りする政策を進めているのが安倍政権だ。若者は戦争に、年寄りは棄てる政策にストップをかけたい。
マサキ



『ハンナ・アーレント』―凡庸の悪

2014年07月29日 | インポート
遅ればせながら映画『ハンナ・アーレント』を観てきました。昨年、岩波ホールに長蛇の行列が出来て、初日には入場できなかった人まであったと聞いていたので、是非観たいと思っていました。

ハンナ・アーレントは、ドイツにユダヤ系として生まれ、第二次世界大戦中にナチスの強制収容所を脱出してアメリカへ亡命した著名な女性哲学者です。代表的な著書には『全体主義の起源』があります。

Photoこの映画は、ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンのイスラエルでの裁判を傍聴したアーレントが、『ニューヨーカー』に掲載した記事「イェルサレムのアイヒマン」を中心に、「悪の問題」を追及するストーリーとなっており、どちらかと言えば地味な、およそ映画館を満員御礼とするような映画ではありません。その『ハンナ・アーレント』がなぜ多くの人々に支持されたのか?

途方もない数のユダヤ人をガス室に送り込んだアイヒマンを、当時の多くの人々は「悪魔」や「怪物」として思い描いていた(描きたかった)と思います。しかし、アーレントは、「凶悪とは違う。ガラスの中の風邪引きの幽霊」「不気味とは程遠い、平凡な人」と表現します。そして、「一般に悪は<悪魔的><サタンの化身>・・・そう見なされがちだ。しかしアイヒマンには悪魔的な深さがない。彼は思考不能だったのだ」「凡人」が「国家の忠実な下僕として罪の意識もなく命令に従っただけ」と評します。「彼は思考不能だった。これは愚鈍とは違う。彼が20世紀最悪の犯罪者になったのは、思考不能だったからだ」と。

当然、アーレントの分析は、多くのユダヤ系同胞の反感と敵意を生み、ナチス擁護と誤解され、イスラエル政府からは出版停止の脅迫を受け、大学からも辞職を要求されます。

映画のクライマックスは、大学での講義の中で行う8分間のスピーチです。「世界最大の悪は、平凡な人間が行う悪なのです。そんな人には動機もなく、信念も邪心も悪魔的な意図もない。人間である事を拒絶した者なのです。そしてこの現象を、私は『悪の凡庸さ』と名付けました」「人間であることを拒否したアイヒマンは、人間の大切な質を放棄しました、それは思考する能力です。その結果モラルまで判断不能となりました。思考ができなくなると、平凡な人間が残酷行為に走るのです。過去に例がないほど大規模な悪事をね。」
「<思考の嵐>がもたらすものは、知識ではありません。善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。私が望むものは、考えることで人間が強くなることです。危機的状況にあっても、考え抜くことで破滅に至らぬよう。ありがとう」

そうです、みんなこの8分間を観たかった。この閉塞した社会の中で、再び全体主義への足音が高くなりはじめている日本にあって、人間であり続けるための勇気が欲しかったのではないでしょうか。

多忙化に歯止めがかからない教育現場にあって、無表情、無批判に仕事をこなし、思考停止状態のまま子どもたちに対している教職員。私たちこそアーレントの「凡人ゆえの悪」の危険に日常的にさらされているのではないでしょうか。
アイヒマンは、裁判で「上に逆らったって状況は変わらない、抵抗したところで、どうせ成功しない・・・仕方がなかったんです、そういう時代でした、皆そんな世界観で教育されたんです、たたき込まれていたんです」と言い訳します。

考え続けましょう……人間であり続けるために。そして、破滅に至らぬように。


卒業生がやってきた

2014年07月28日 | インポート

Photo  昨年度十数年ぶりに6年生の担任をして、今年の4月に子どもたちは小学校を卒業していきました。新年度が始まってから卒業生たちが時々小学校にやってきています。そして、中学校の様子をあれこれ話したり、テストの点数を教えてくれたり、誰々が誰々に告ったなどと話をしていきます。期末テストの最中には「勉強しに来た。」などと言って、ぞろぞろ子どもたちが来ましたが、私の教室で教科書とかを広げてはいるもののやっていることは無駄話ばかり。いやはや何をしに来ているのやら。
 つい先日には女の子3人がやってきて「見せたいものがある。」というので教室に案内したら、家庭科クラブで自分たちが作った服を着てファッションショーを見せてくれました。中学校での生活はそれなりに厳しいようですが、子どもたちは一生懸命に今を生きているんだなと、しみじみ感じます。そんな子どもたちと関わりながら仕事をできることを幸せを感じます。
 しかし、日本の社会における出来事は「子どもたちの未来はどうなるのだろう」と心配になるようなことばかり。今を生きる大人として子どもたちの未来に責任を取れるような行動をしなくてはいけないなと思うのでした。
  (ロウヤガキ


My Favorite Words

2014年07月25日 | インポート

Photo中学3年生で、My Favorite Wordsのスピーチコンテストが行われた。
子どもたちが選んだ言葉で一番多かったのは「Never give up.」「You can do it.」。
受験を控えた3年生らしいですね。
ほかの言葉をいくつか紹介すると、
It is a painful thing to live.
中学生にして人生の痛みを痛感しているのでしょうか。
I don’t know where I’m going but I’m finding my way.
人生への不安と期待、そして希望をつなごうとする姿勢が感じられます。
That I live now is a miracle.
生まれてきたことの奇跡を大切にしようという気持ちでしょう。生きるていることが奇跡である世の中ではイヤですね。
One for all,all for one.
みんな立派に成長しています。
クスノキ


先住民族アイヌの授業

2014年07月22日 | インポート

Photo_2  日本の先住民族アイヌについて授業でとりあげたことはありますか?
 教科書にもアイヌ民族のことが少し載ってるけど、知らない子たちが圧倒的に多いんじゃないかと思う。
 そこで、「学校教育におけるアイヌ文化に関する講習会 ~児童・生徒のアイヌ文化理解のために~」のご案内。
 8月1日(金)午後1時~4時
 アイヌ文化交流センター(東京駅八重洲口・アーバンスクエア3F)
 講演と事例発表、ムックリ演奏体験講座
 申し込みは、下記のアイヌ文化振興・研究機構のホームページからできます。http://www.frpac.or.jp/application/details/26-fk-ko-dogai.html
 講師の宇佐照代さんは、アイヌ民族の歌や踊りの伝承者にして、口琴楽器ムックリの名手。新大久保でアイヌ料理店「ハルコロ」をきりもりしている。
 事例発表するのは、神奈川学園中・高等学校の岩崎史子さんだ。実際に授業でアイヌ民族をどう取り上げているのか、子どもたちの反応はどうか聞けそうだ。
(ヒトツバ


生きがいあっても生かされない!

2014年07月18日 | インポート
Photo OECDの調査(TALIS調査)で日本の教員が最も働き過ぎであることが明らかになり、マスコミでも大きく取り上げられて職場でも話題になった。
 この調査、労働時間だけではなく職場環境や教職員の意識などもOECD各国を比較している。PISAによる学力問題は今までも大きく取り上げられ、ゆとり教育批判の根拠にもされたが、教育政策はこの調査のような教職員の労働条件や学校の学習環境も考えなければならない。さて、調査結果を見ると、
 教員の労働時間。授業時間は参加国とそれほど違いがないが、勤務時間は53. 9時間/週で参加国(平均38.3時間)の中でダントツだ。原因は、生活指導、進路指導、登下校指導、給食指導、課外活動など日本の教員の仕事の幅広さである。「課外活動」は参加国平均の3倍以上。とりわけ部活動は教育課程内の活動ではないにもかかわらず、東京のように本務同様の扱いを教員にしいている。このように部活動を教員が行っているのは、日本だけだろう。ワールドカップサッカーで優勝したドイツはすべて学校外のクラブで行っている。
 一方、自分の教育活動の効力感は低い。原因として考えられるのは、子どもを主体とする学びの重要性を教員が認識していても、一人ひとりの子どもへの支援や教材研究・授業準備に十分な時間がとれず、現実とのギャップの中で自分の教育活動への効力を感じることができない状況が考えられる。
 また、「全体としてみれば、この仕事に満足している」との回答は、日本85.1%(参加国平均91.2%)だが、「現在の学校での自分の仕事の成果に満足している」との回答は、日本50.5%(参加国平均92.6%)である。「もう一度仕事を選べるとしたら、また教員になりたい」との回答も日本58.1%(参加国平均77.6%)で相当低くなっている。教育活動に生きがいを感じているが、多忙化と管理的な教育行政の中で、理想とする教育活動と現実とのギャップにストレスを感じていることの反映ではないか。生きがいあっても生かされない!が現状だと言っていい。
 その事は管理職にも言える。「校長としての実力発揮にとっての障壁」への回答では、「不十分な学校予算や資源(84.2%)」「政府の規制や政策(64.8%)」などに多くの声があげられている。学習内容、教員免許の在り方、全国学力調査などの教育政策が、現場のニーズではなく、政治主導で文科省がトップダウンの政策を強めていることの反映ではないか。しかも、人的整備などが不十分なまますすめられ、教職員・子どもへの負担が大きくなっていることを管理職も感じていることが伺える。
(ミニトマト)



平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう

2014年07月16日 | インポート

10495026_674929512581489_6411178199  子どもたちからも『集団的自衛権』容認の閣議決定に対する批判が続出している。
 
  朝日新聞 「声」欄(7/6)には「僕らの未来 大人が決めるな」と題して中村 伊希さん(12歳)が投稿している。

 憲法の解釈を変えて集団的自衛権の行使を認める閣議決定がなされました。新聞やテレビのニュースを見るたびに、危機感を覚えます。学校では歴史の授業で「戦後」日本の不戦の歩みについて学んできました。でも、いま自分が生きているこの時代が、「戦前」のように思えてなりません。憲法9条の改正に向け、着々と準備が進められているように思えるからです。
 平和憲法が骨抜きにされれば、僕たちは大人になったとき戦争に行かなければなりません。僕は、戦争には行きたくないです。人を殺したくないです。紛争の解決には武力行使以外の方法があると思うし、そういう姿勢を世界に示せる日本であってほしいのです。
 「子どもたちに夢を」と口癖のように言う大人が、僕たちが戦争に行かなければならないような判断をするのは許せません。子どもを、孫を、戦争に行かせたいですか。政治家のみなさん。一度立ち止まって、未来を生きる僕たち若い世代のことを考えてください。

 首相官邸、国会前を埋め尽くす抗議の人々にも、戦争に行かされる若い人々がたくさんいた。作詞家のなかにし礼さんは、毎日新聞(7/10夕刊)に次のような詩を寄せた。

平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう

二〇一四年七月一日火曜日
集団的自衛権が閣議決定された
この日 日本の誇るべき
たった一つの宝物
平和憲法は粉砕された
つまり君たち若者もまた
圧殺されたのである
こんな憲法違反にたいして
最高裁はなんの文句も言わない
かくして君たちの日本は
その長い歴史の中の
どんな時代よりも禍々(まがまが)しい
暗黒時代へともどっていく
そしてまたあの
醜悪と愚劣 残酷と恐怖の
戦争が始まるだろう
ああ、若き友たちよ!
巨大な歯車がひとたびぐらっと
回りはじめたら最後
君もその中に巻き込まれる
いやがおうでも巻き込まれる
しかし君に戦う理由などあるのか
国のため? 大義のため?
そんなもののために
君は銃で人を狙えるのか
君は銃剣で人を刺せるのか
君は人々の上に爆弾を落とせるのか
若き友たちよ!
君は戦場に行ってはならない
なぜなら君は戦争にむいてないからだ
世界史上類例のない
六十九年間も平和がつづいた
理想の国に生まれたんだもの
平和しか知らないんだ
平和の申し子なんだ
平和こそが君の故郷であり
生活であり存在理由なんだ
平和ぼけ? なんとでも言わしておけ
戦争なんか真っ平ごめんだ
人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない
たとえ国家といえども
俺の人生にかまわないでくれ
俺は臆病なんだ
俺は弱虫なんだ
卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない
しかし俺は平和が好きなんだ
それのどこが悪い?
弱くあることも
勇気のいることなんだぜ
そう言って胸をはれば
なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか
怖(おそ)れるものはなにもない
愛する平和の申し子たちよ
この世に生まれ出た時
君は命の歓喜の産声をあげた
君の命よりも大切なものはない
生き抜かなければならない
死んではならない
が 殺してもいけない
だから今こそ!
もっともか弱きものとして
産声をあげる赤児のように
泣きながら抵抗を始めよう
泣きながら抵抗をしつづけるのだ
泣くことを一生やめてはならない
平和のために!

 戦争ができる国にさせないたたかいは、これからが正念場。私たち教職員も子どもたちとともに、教え子を戦場に送らないために泣きながら抵抗し続けるのだ。


彼-人を問題にして終わらせないで!

2014年07月14日 | インポート

Photo_2  都議会でのセクハラ野次については、本当に腹が立つ。言った彼に対しても「赦せない」という気持ちでいるが、それを受け止める議員達、議会の体質にも愕然とする。このような野次が平気でとばせる雰囲気が都議会にあったということ、それに対してその場で「ちょっと待って」という議員が議長を初め誰もいなかったということ、かなり離れたところにいた発言者に聞こえた言葉が、その発言者の周りにいた人たちにはわからなかったということ(嘘をつけ!と言いたくなるが、本当に聞いていないとしたら、心底、心のにぷい人たちだと思う。)そのくせその野次に続くように笑い声さえおきていること、本当にこの議員たちは日頃、弱い立場におかれている人のことなんか何も考えていないのだなと思う。こういう人たちが都政にかかわっているかと思うと、いかに都が人を大切にしていないかがわかって、悲しい。
 しかし、問題をここで終わらせてはいけないと思う。これは、謝ってすむ問題でもなく、議会で何か決議してすむ問題でもない。せっかくこういう問題が明らかになったのだから、議員たちもそうだが、私たちも含めて自分たちの中にある差別性をきちんと見直す機会としなけれぱと思う。
 結婚したくない人、結婚したくてもできない人はたくさんいる。悪気はなくても、当たり前のように「結婚されないんですか?」とか「お子さんは?」と声をかけることが、場合によってはその人を傷つけることになってしまうことがある。これは、当事者ではないとわかりにくい心の痛みだ。
 差別というのは、自分が全<気がつかないうちにしてしまっている場合がよくある。それを言ってはいけないではなく、それを言ったときに相手がどう感じるかを心鋭く思っていないと、あの議員と同じようなことを私たちもまたしてしまうことになる。
 今、障害児を普通学校へ・全国連絡会を中心に、付き添いをなくす全国キャンペーンが始められている。教委や学校は、「障書」児が学校に入ると、保護者に平然と付き添いを要求する。「障害」児には、保護者が付き添うべきということが当たり前だと思っている。それが当たり前だと思っている人にとっては、相手の心の痛みは理解できない。
 結婚するのは当たり前、子どもを産むのは当たり前。障害児の親が付き添うのは当たり前と思っているうちは、それが差別だと気づかない。議員の野次、暴言にはあれほど大騒ぎしているマスコミだが、こと教育に関して学校内で出される校長などの暴言、差別発言にはまるで無関心のように感じてしまう。
 世界に恥をさらしているのは議員の発言だけではない。弱い立場の人のことを考えずに、世間の「常識」でものを言ったとき、そこにつらい思いをしている人たちがいることを考え合う基盤がないと、議会でも学校でも私たちの間でも、悲しい差別が続くことになる。
            (ストック


授業講座と教育文化研究所総会

2014年07月11日 | インポート
Dpp_0132 報告を2つ。6月22日、東京教組の授業講座が行われた。
 講師の深澤裕さんは、新宿教組、東京教組の役員としても活躍された方。石原都政から続く学校現場の多忙化を解決するために組合として活動し、学校では一人ひとりの子どもたちを丁寧に見ていくことの大切さを実践してきた。
 勤務していた小学校は新宿区内だが、豊かな自然環境があり、その学校施設を余すところなく活用し、チョウやトンボを教室内で羽化させたり、育てたダイコンでカクテキを作ったりして環境教育や食育をすすめ、また、近くのコリアタウンのフィールドワークによる国際理解教育、東京大空襲の体験談を聞く平和教育など、総合的な学習の実践例を数多く紹介してくれた。これからも、東京教組は若い教職員のための授業講座を開催する、乞うご期待!
 もう一つ、6月25日、東京教育文化研究所の総会が開かれた。今年度の活動計画は大きく5つ。①「子どもの権利条約」を根付かせる教育実践と学習活動。②3,11以降子どもの命を守るための教育実践と学習活動。③教科書採択に向けたとりくみ。④教科の教材・授業研究。⑤年報(ともにあゆむ)の発行。
 総会後、「道徳や小学校英語の教科化などの問題を考えるために」というテーマで所長の池田賢市さん(中央大学教授)の講演。
 池田さんは、最近の教育改革の流れについてていねいに説明し、道徳は価値意識を問うものであり、教科にはなりえない。小学校英語はグローバル化の中からでてきているが、それがグローバル化にはなりえないことをわかりやすく解説しました。その後、参加者との質疑応答がありましたが、大変活発な意見がとびかい、時間が足りないほどでした。「教育改革」は安部政権の大きな課題にもなっています。まだまだ学習を深める必要があると痛感した一日でした。
ダリアとミツバチ)



百田氏の暴言

2014年07月09日 | インポート

Photo  特攻隊を描いた「永遠の0」の作者、百田尚樹氏の暴言が止まらない。
 時事通信(5/24)は、「NHK経営委員を務める作家の百田尚樹氏は24日午後、岐阜市内で開かれた自民党岐阜県連の定期大会で講演し、自らを憲法改正派と紹介した上で、『軍隊は家に例えると、防犯用の鍵であり、(軍隊を持つことは)しっかり鍵を付けようということ』と語った。さらに軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウルの国名を挙げ、『家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない』などと両国をやゆする発言をした。
百田氏は2月の東京都知事選の応援演説で、対立候補を『人間のくず』と非難したことなどが問題視され、NHK経営委員会(委員長・浜田健一郎ANA総合研究所会長)が『委員一人一人が、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚し、一定の節度をもって行動する』との見解をまとめた経緯がある。外国をやゆする今回の発言は波紋を呼びそうだ。
百田氏は講演で歴史教育にも言及し、『日本の歴史の中で最も大事な事件は大東亜戦争。しっかり勉強しないと、今現在の国際社会は語れない』と強調。その上で『歴史教育を取り戻すため、自民党のみなさん、頑張ってください』と語った。NHKは放送法で不偏不党を求められており、作家の立場での講演とはいえ、特定の政党に肩入れするような発言は問題視される可能性がある。」と報じた。6月18日には、「百田氏『日教組は日本のがん」従軍慰安婦も否定」と題して共同通信が「NHK経営委員で作家の百田尚樹氏が18日、静岡市での講演会後に行われた参加者との質疑応答で『日教組は本当に日本のがん』『南京大虐殺はなく、従軍慰安婦はうそ』などと発言した。
 講演会は静岡青年会議所が主催。百田氏は参加者から日本の教育に対する考えを問われ『日教組は何十年間も、純粋無垢な子どもたちに贖罪意識を教え込んでいる。まず“日本は素晴らしい”ということを教えなければいけない』と持論を展開。その上で『日本人でいることが恥ずかしいと教え込まれた子どもたちは立派な大人になれない』などと述べた。」と報じている。
 外交問題にもなりかねない差別発言、人格を否定する発言に続き、日教組への暴言と歴史改ざん発言をくりかえす百田氏がNHKの経営委員で居続けることは、NHKそのものの信頼を失うことになろう。
トリカブト


青年部総会

2014年07月07日 | インポート

Photo  6月21日(土)に東京教組青年部の定期総会が行われました。
 忙しい中、若い教職員たちが集まり、委任状も含めてですが無事成立し総会を成功させることができました。出席された青年部員の皆さん、協力してくださった方々に感謝いたします。
 総会では、青年部のとりくみや昨年度の経過・決算報告などを承認していく中で、とりわけ今年の活動方針では、安倍首相による集団的自衛権行使容認の会見など、戦争推進政策への反対意識を高めようという話題が中心になりました。
 また、昨年度の青年部アンケートで、青年教職員の4人に1人が過労死ラインとされる月100時間以上の残業を行っているという実態などを見直し、東京教組青年部は職場の状況を一つ一つ変えて行く活動にとりくんでいくことを確認しました。
 討論では、参加者の職場の状況などを一人ずつ話してもらい、意見交流も行うことができました。その中で、やはり東京の職場での若い教職員へのパワハラ問題が話題に上がりました。そして、改めて組合として、団結して闘っていかなければならないことを感じさせられました。
 青年部役員選挙では、新青年部部長・副部長・常任委員がそれぞれ信任され、今後は新体制でのスタートが決まりました。よろしくお願いいたします。
 総会後の学習会「知ろう!私たちの権利・賃金・異動のこと」では、複雑な権利や賃金の話をとてもわかりやすく話していただきました。自分たちが気持ちよく、生き生きと働くために大切な情報をたくさん伺うことができ、とても有意義な時間となりました。
オリズルラン


ユニーバサル社会

2014年07月05日 | インポート
Photo 自公政権の「集団的自衛権容認」解釈壊憲の閣議決定は噴飯もので、各社の世論調査でも軒並み批判的な反応が続出。内閣支持率は40%台に落ち込んだ。しかし、国民の怒りを受け止める真摯な姿勢は期待できそうもない。
 さてこの政権は、貧困や格差を拡大する政策も進めている。派遣労働者を固定化し、首切りも容易にする労働法制など最たるものだ。
 私のクラスにもシングルマザーの家庭がある。シングルマザーの8割以上が働き平均収入は約291万円、子どものある全世帯の平均年収の約4割という状況。早朝から夜遅くまで働く母親、朝食だけでなく夕食も一緒にとれない子どもも数多くいる。自立しようと努力しても、児童扶養手当などを受給しながらダブル・トリプルワークを続ける綱渡り生活に疲れ果て、憤りを感じているシングルマザーも多い。
 同一労働同一賃金の原則のもと自分の収入でまっとうな生活ができる社会保障があるユニーバサル社会を実現しなければ、貧困世帯に育った子どもはなかなか貧困から抜け出せない社会が固定化する。
 同一労働同一賃金の原則のもと医療や教育も所得に関係なく無料にするユニバーサル政策は、「所得の高い人の分まで社会が負担するのはおかしい」という意見が出る。例えば「高校授業料無償化に所得制限を設ける」などもっともらしく聞こえてしまう。しかし、少ない財源でやろうとすれば所得制限がどんどん厳しくなり、状況のひどさを比べ、よりひどい人しか"恩恵"が受けられない、そして受けた人には厳しいまなざしが向けられる(生活保護バッシングがいい例)。
 貧困の連鎖は社会的な損失であり、財源として法人税の見直しや高額所得者の課税を増やすなど累進課税を強化する抜本的税制改革が必要だ。
 ブラック企業が内部留保と株主配当を増やし、裕福な祖父母の孫への教育費負担を非課税にするなど逆行する政策だ。
(クワの実)



モノ扱いはノー

2014年07月02日 | インポート

Photo  憲法を閣議決定で解釈変更する暴挙を犯した自公政権だが、人をモノのように扱い、人間にとって大切な働くことの尊厳を奪う雇用政策も深刻だ。
 安倍政権のアベノミクスは、不当な解雇を金銭で解決する「解雇の金銭解決」や規制強化されたばかりの労働者派遣法の再緩和、限定正社員の拡大など労働の規制緩和を進めている。首切りヤリ放題で転職させる政策を「失業なき労働移動」(雇用の流動化)と言い換えるなど、とんでもないサギである。しかも、雇用の流動化で儲けるのは転職の補助金をせしめるリクルート産業である。その筆頭のパソナの会長が竹中平蔵であり。彼はこの政策を強力に推し進める産業競争力会議の議員でもあるという出来レース。
 安倍政権の規制改革会議や産業競争力会議では、労働者のことを「余剰在庫」「価格調整」などと呼んで議論している。首切り対象にする労働者を企業のリスクとして「過剰在庫」、低賃金で働かせることを「価格調整」と言ってはばからない人々に労働政策を任せるわけにはいかない。
 社会保険もない派遣労働者や国の非常勤職員の賃金は、人件費ではなく物品費として処理する徹底した「モノ」扱いである。
 したいのだ。派遣村が開かれた際、村を訪れた多くの政治家は、年末に雇い止めにされた労働者の群れを見て、人が働くことをモノ扱いするシステムを難じたはずだ。その反省は消え、再び働く尊厳を奪うような制度を目指している。私たちのまわりにも、両親がいつクビになるかわからない子どもたちがいる。高利貸し奨学金の問題も含めて、子どもたちが安心して学校に通えるようにするためにも安倍政権の労働政策を容認することはできない。
「15歳からの労働組合」(東海林智著、毎日新聞社)に、二つの仕事を掛け持ちするダブルワークに追い込まれた高校生の話が紹介されていた。彼女は、父親も母親も理不尽に仕事を奪われ、学校を続けるために掛け持ちで夜中までアルバイトをしながら、家計と学費を稼いでいるという。こんな理不尽を放置することはできない。
シマダンチク