春暖前線は、日本列島のどの辺だろう。
江戸・東京からその場所を探した。
ほんの数日前に箱根の山越えをさ迷い、昨日(21日)の陽気で
一気に勿来の関を越えた・・・と、お天気おねえさんが伝えていた。
関東平野を飛び越えて北上中。
季節の移ろいは早い。
光の春、気温の春、音の春・・・・と、いろいろありますが
blog画面は百花繚乱。
情報社会は、列島を狭くする。
昔人は、春の花鳥風月をどのように受け止め、どのような
表現をしたのだろう。
大正時代の教科書をひもといた。
新撰国語読本 3巻
大正4年10月31日、発行
時間に余裕のある方は読んでみてください。
百花譜
・・・・・・・略・・・・・・・・
桃花敷き株、茅屋をかこみて、雞声午(1)なり。桔槹(2)動かずして一犬門外
に眠り、屋内より鄙(3)びたる歌の声、機杼(4)の声と共に洩来る。
一泓(5)の池水、半ばこれ蓮花。白や紅の影を水に落として、水に花あり。
健鯉時に踊りて波文岸に及ぶ。水榭(6)深く鎖して人籟(7)なし。曉煙垂柳を罩
(8)めて日未だ昇らず。
流るるとしもなき里川、底はドロなれども水は澄みたり。こなたは小径行人な
く、かなたは椿自ら垣になりて、多くの花を著けたり。流鶯時に一声。思いがけず
も、一輪の花ぽとりと水に落ちて、水暫らくは文をなす。
村はずれに岐路ありて、問はんとする人なし。馬頭観音の石像頑として物いわ
ず。側に生ひ出たる幾茎の女郎花なよなよとして風にもだゆ。
侶伴なくして詩を思いつつたどる山路到るところ桜花多し。
春風一陣、空に晴雪をちらし、地に綾の莚を敷く。
・・・・・・・・・以下略・・・・・・・・・・
(大町桂月)
<<<<<<<<<今日のメモ<<<<<<<<<
辞書と新旧漢字体を片手に調べ、只今進行中。
難しい・・・。どなたか興味ある方helpe。
大意はおよそ把握できた。里山の人家の少ない所を歩いて
描写しているのであろう。
表現方法は美しさの裏面を如述にえぐり取っているの・・・・・か。
上の数字は難解な部分で調べ中です。
難しくて自分で掲載しておきながら、pcの前で居眠りしたりしてしまいました。多くの方たちから読み方解釈を頂、感謝します。
osuzuさんのコメントには感服です。
おーちゃん
昔人は、漢文をよく勉強したようですが、やはりこの文章からもうかがい知る事ができます。
かのこさん
いずこも同じです。何か難しくて昔言葉が出てくるとなにやら威厳を感じた文章のように感じますがします。
kimamaさん
紙質が、こうぞ、ミツマタで漉いた紙だろうか・・・・?
ページをめくると、いにしえの臭いがプーンとしてきて、黄色くなった表面はセピヤ色。
kimamaさんの家の土蔵にもあったのでは、お爺さんか、その前の人が学んだんでしょう。当時は何の関心も抱かなかったが、貴重な本でした。今なら高価な値段が・・・・。
私も家に相当数あったのですが今はどこえやら、数冊貰ってきました。
osuzuさんが、すごくhelpeしていただきました。
osuzuさん
すごいことをしてしまいました。感動しました。
この前の「寒天と長野」、そして百花譜の解釈と読み方。
私も漢和辞典を便りに引きました。(3)(5)がどうもすっきり出来ません。解釈は八分通り分かりのですが・・・・・・・・。
それに、osuzuさんの何とスッキリした読み方、立て板に水のようでびっくりしました。
感服の極みです。
「山が動く」なる言葉がありますが・・・、そんな気持ちに駆られました。
印刷して原本に挟み込みました。百花譜=岩波書店まで。
どんこさん
私も漢和辞典片手に奮闘しましたが、2~3スッキリしませんでした。
osuzuさんのを見ましてびっくりです。
内容は八分通り解釈できるのですが、読み方がスンナリいきませんでした。↑感心しました。
お手数お掛けしました。
気楽さん
老化現象防止に古い本をひもといてみました。
自然さん
山陽道・常夜等興味深く読ませてもらっています。
コメント程度に、住民のコメントが取れればいっそうリアル感が出るのでは・・・・。
楽しみに読みます。
正直さん
やはり正直さんが言うように高校ランクになるのでしょうか・?
大町桂月といえばこの時代の代表的作家であったのでしょう。
皆さんの協力に
漢文調のなかなかの美文。
大町桂月の作品に百花譜というのがあるのですかね?
読んでみたくなります。
osuzuさん、ありがとうございました。
お疲れ様でした。
当時の教育制度に詳しくないので、良く判りません。
其れにしても、高尚な文を読まされたものですね。
ただ余りにも綺麗に飾り過ぎている気がします。
其れも、当時の文章術だとは、思いますが。
よって当然のことフーンそうですかの世界です。
私事ですが地元の歴史と風景を記録に残す事を考え時間が有るとき撮る事にしています。
近いうちに縄文人様のお力を借りないとアナの疑問が解けないと思います。
単純な お気楽は 見て楽しむだけです....ハィ.
お勉強 頑張って下さい....
又 遊びに 来ます
いい勉強をさせていただきました。
この文章は「仮名の無い漢詩」ではなく、この時期の主流だった和漢混淆文だと思います。
大正時代の教科書が復刻本ではなく、貴重な原本で見られるとは素晴らしいですね。
解ったようで解らないもどかしさ!
短気な私はついついつい、夜中に漢和辞典を出して調べてしまいましたよ!
雞声午(1)なり。桔槹(2)動かずして
けいせいうまなり。けっこううごかずして
鶏の鳴き声は真昼どき。井戸のはねつるべは動かずして
鄙(3)びたる歌の声、機杼(4)の声と共に洩れ来るひなびたるうたのこえ、きじょのこえとともにもれくる
ひなびた歌の声は、はたおり機の音と共に洩れ来る
一泓(5)の池水、半ばこれ蓮花。
いちおうのちすい、なかばこれれんか。
広い池の水の半分はハスの花が覆っている。
水榭(6)深く鎖して人籟(7)なし。
すいしゃふかくさしてじんらいなし。
水辺に建てられたアズマやはしっかり閉じて人の気配は無い。
曉煙垂柳を罩(8)めて日未だ昇らず。
ぎょうえんすいりゅうをこめてひいまだのぼらず
明け方の煙は枝垂れ柳をつつんで陽はまだ昇らない
では無いかと思うのですが・・・
書かれている内容には時間差があるので、それぞれ別の情景(花鳥風月)を描写しているようですね。
百花譜で検索してみたら、「新編 百花譜百選」と言う本が岩波書店から出されている事も知りました。
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/31/8/3105330.html
お陰様で勉強させていただきましたぁ!<(_ _)>
あっ!内容が違っていたらご指摘くださいね。
熱海梅林の観光をさせて頂きました。越生や青梅、水戸偕楽園などと雰囲気が違いますね。
韓流と、もてはやされる昨今ですが、韓国庭園の由来もチョッと気になりました(笑)
昭和生まれなので読めません・・・(笑)
でも目何となくのどかな田舎の風景が
目の前に現れたました。
民謡も機織の音も聞こえました・・・。
だんだん漢字が簡略されてきているのですね。
昔の人は賢かったのですね~。
細部は分かりませんが、詩の描いている情景はおぼろげに分かります。
昔の中学生は難しいものを読んでいましたね。