ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

八ヶ岳縦走 2011年9月 その5

2011-09-27 22:25:20 | 八ヶ岳

2011年9月17日  青苔荘→麦草峠→縞枯山→北横岳→大岳→双子池



週間予報では土曜日から天気が下り坂となっていました。
朝起きてテントを出て白駒池のほとりに出てみます。
ちょっと不気味な色に染まった空に、予報通りの天候の悪化の予感。





何はともあれテントをたたみ、麦草峠へ
三連休初日とあって、白駒池近くの駐車場からは次々とカラフルな服装の
山ボーイ、山ガールが入山してきました。







国道のすぐわきの森につけられた小路、
それでも深山を思わせる苔がついています。












いったん開けて白駒の奥庭
溶岩のうえに根を下ろした緑
ここも遠い年月を経て苔むした森に変わるのでしょうか










再び森に入った後、間もなく笹原に出ます。







麦草ヒュッテ前の草原
ここも鹿の害が深刻になってとうとうネットが張られてしまいました。



















いったん国道に出た後、茶臼岳に向かって再び森の中の登山道に入ります。



















大石峠を越えて、さらに登っていくと中小場で展望が開ける・・・
はずですが今日はガスの流れに囲まれています。
小休止している間に茶臼山が見えてきました。







風が強く、風景も灰色で昨日までとは違った寒々とした印象






再び森に入り、じっくりと登っていきます。
気持ちには余裕があるのですが、
少しずつたまった疲労に思ったように足が進んでいきません。

背後から来る、軽装で北八周遊に来た登山者に道を譲りながら少しずつ登っていきます。



ひと汗かくころに茶臼山に到着







山頂の標識のある場所は木に囲まれて展望はありません。
ここから展望台へと数10m進んでいきますが、
展望台は濃いガスと強風の中






早々に引き揚げました。


茶臼から縞枯との間の鞍部に下る。
下ったところあたりに、ちょうど縞枯の枯れ木の帯が来ています。






縞枯山へと再び登り返す。ここはわずかな登りで展望台前へ。
森の中では意識されませんが、
開けたところでは風の強さを感じます。

2386.8の標高点
ここからからほぼ水平に進んだところに
山頂があります。






山頂付近の広葉樹は色づき始めています。





再び縞枯れの「枯」側に出て数10m進むと山頂の標識。
ここからは雨池峠に向けて急な下りが始まります。






ピラタス側から登ってきた人たちとすれ違いながら
湿った登山道を下っていきます。





曇天、
雨池峠を吹き抜ける風に雨粒が混じる、
思うように進まない足取り

このあたり気分が下り坂でした。
忠実に稜線をたどるなら(北八に明確な稜線というのもそぐわない感じですが)
雨池山、三つ岳とたどって北横岳に行くところ・・・
「三つ岳、行ったことあるし・・・」という言い訳が浮かび、
なんだか乗り切れない気分でついついピラタス方面の木道に足が向かってしまった。











縞枯山荘前では、ロープウェイから上がってきた軽装の人たちと出会う。
天気は悪いけれど楽しげに歩くグループの皆さん、
山の中なのになんだか自分の方が場違いな感覚になってしまう。

ロープウェイ駅のところでちょっと一休み
食べ物を口に入れたらまた元気が出てきました。

気を取り直して坪庭から北横岳への道に入る。






坪庭から小さな橋を渡り、急斜面にジグザグにつけられた道を登っていく。
ここは春に何度も歩いたところ。
登りといえど勝手を知る道は軽く感じます。


三つ岳への分岐点手前でで出会った男性は、茶臼で自分を追い越して行った人でした。
麦草からぐるりと日帰りコースだったようですが、
あいさつを交わすとニヤリと笑って
「三つ岳パスしたの?駄目じゃない~」
気持ちを見透かされたような一言に私も「へへ・・・」と
苦笑いするしかありません。







さてその分岐からは北横岳ヒュッテはすぐそば



連休に入り、小屋の前のベンチもにぎやかです。
ヒュッテの入り口にも今夜は予約で一杯ですとの表示。







とりあえず小屋の前に荷物を置いて
七つ池を見に行きましょう。
雪の季節に入ったことはあるんですが完全に埋もれてました。
池を見るのは初めてかも















池の前では坪庭から同時に登ってきたご夫婦が記念写真を撮ってました。
ロープウェイ下に車を置いて、北横岳から双子池を回って日帰りされるそう。






ヒュッテに戻り、再び荷物を背負って北横岳山頂へ
やっぱりガスに囲まれています。

目の前に蓼科がそびえているはずですが・・・







そして北峰へ
風が強く、あまりゆっくりする気もしません。
バタークッキーをスポーツドリンクで腹に押し込んで先に進みます。
今日は大岳を経て双子池に下り、そこで幕営の予定。
このルートは私も始めて通る道。






北横岳を超えると一気に人気が少なくなりました。








鎖場を降りたところで、単独行のベテランご婦人とすれ違う。
「たいへんだったわ~、ここは完全にバリエーションルートよ」とのお言葉。
やれやれいったいどんな様子なんでしょう。








地図で見る限りはたいした距離もなく標高差もさほどないので楽観していたんですが






岩が重なってアップダウンを強いられる。
疲れのたまった足に、荷物の重さがじわじわ効いてきて
おまけに濡れて滑りやすい。

なかなかはかどらない行程にストレスがたまります。


なかなか大岳が見えないと思っていましたが
ようやく霧の中にそれらしいピークが浮かんできました。





大岳への分岐に荷物を置いて山頂へ
ここでも空身がいかに楽か身をもって感じます。


全く展望はありませんがとりあえず山頂の標識





・・・とここでにわかに雨が強くなってきました。
急いで荷物を置いた分岐に戻ります。








ここまでは雨具なしで済ませてきましたが
本格的な降りになりそうなので上下着用し、
一眼レフもザックにしまいこんでカバーをかけます。


ついでにチョコバーをかじっているところへ
先ほどの七つ池のご夫婦が追い付いてきました。



岩場のわかりにくいルートを一緒に切り抜け、
双子池へのくだりに入ります。
相変わらず、大きな岩を一つ一つ越えながらの歩程、
雨でなおさら歩きにくくなっています。

いい加減、膝もまいってきたころ
ようやく双子池ヒュッテが見えてきました。





くたくたになって小屋に着くと
小屋の窓から管理人さんが見ていました。

大岳から下る道の途中からずっと見ていたようで、
「お疲れさん、大変な道を下ってきたね!」とのお言葉。
ここでも苦笑するしかありません。

間もなく先ほどのご夫婦も無事にたどり着きました。
お互いホッと笑顔が浮かびます。


双子池ヒュッテも今夜は満員のようですが
まだ到着した方は少ないようです。



何はともあれ雌池のほとりのキャンプ地へ行き
テントを張ります。











そして水汲みへ


ここは雄池の水がそのまま飲料水となっています。
小屋の管理人さんも保健所の検査済みと太鼓判を押してました。









とはいえ、きれいな水には生き物もたくさん。
水筒を水に沈め、周囲を泳ぐ小さな虫が入らないように注意深く水を入れていくので
思ったより手間取ってしまった。




小屋でビールを仕入れ、
八ヶ岳最後の夜を森の中のキャンプ地で迎える。

この日は参鶏湯のスープに、餅を入れた雑煮。
ソーセージや、小魚をつまみにビールを飲み
温かいスープで腹を満たす。


とりあえずほっこりとした気分でシュラフに入りましたが
夜半から雨はいよいよ強くなり、フライシートをたたく音が大きくなってきました。

体の疲れもあって、気持ちはマイナス側
明日も天候が悪いようなら蓼科はパスして下山しようか・・・
でもせっかくここまで来たのだから最後のピークは踏んでいきたい・・・


すべては明日の朝の天気次第ということで
再び眠りにつきました。



次は最終日です


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6 コメント

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Unknown (mari)
2011-09-28 19:31:49
1~5まで続けて読ませてもらいました~♪
ここまではtrekkerさんの思惑通り?
南八ヶ岳を晴天に歩き、北ヤツをしっとりと曇り空のもと歩く・・・
あ、ちょっとお天気は悪すぎましたね(^^ゞ

お山の写真はもちろん素敵ですけど
やはりビールの写真に目が行くのは私もアル中でしょうか(笑)

八ヶ岳、山も名前も好きです~♪
杉田二郎の「八ヶ岳」が頭の中を流れてます♪
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縦走 (ネビル)
2011-09-28 21:09:09
長い距離を心底楽しんで歩いておられますね。ほんとに山が好きなのがよく分かります。

大菩薩は是非ご一緒して下さい。10月の後半の3~5週目の土日で、天気がよくてtrekkerーkさんの都合のいい日でお願いします。
と言っても福ちゃん荘のテン場でのんびり酒でも飲みたいだけですけど。
お酒好きのご夫婦も来てくれると楽しいので、誘ってみましょう。
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mariさんこんばんは (trekker-k)
2011-09-28 22:58:04
はい~、思惑通りでも体がついていかなかったようで、ちょっとブルーな北八になってしまいました。ビールに目が行くのは大人として正常です!
杉田二郎ですか!「戦争を知らない・・・」は小さいころから歌ってましたが、八ヶ岳という歌は後になって知りました。懐かしいなぁ
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ネビルさんこんばんは (trekker-k)
2011-09-28 23:02:41
下界にいると長いコースを歩きたくなり、計画してしまうのですが、山に入ると途中で帰りたくなることもしばしばです。でもまた行きたくなってしまうんですね~。
大菩薩:了解です!またご連絡します。
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大岳~双子池 (花音)
2011-09-29 17:05:44
こんにちは

私は北横岳までしか登った事がありませんが、北横岳~大岳~双子池は大変な登山道のようですね。

他の方のブログでも見ましたが、とても大変な道のようでした。

双子池、綺麗ですね~♪
双子池は蓼科山に登った時に行きました。
天気が悪かったようで大変でしたね。

でも双子池から蓼科山まで登れて良かったですね。
目的達成しましたね。
おめでとうございます。

奥さまも無事下山のメールをいただいてホッとされた事でしょうね。

お疲れ様でした。
いろいろな景色を見せていただいて良かったです。
ありがとうございます。
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花音さんこんばんは (trekker-k)
2011-09-29 21:14:18
双子池までの道、荷物が重かったせいもあって、ちょっとしんどかったです。双子池の小屋が見えたときにはホッとしました。北八の池は、森の中にたたずんでいて、雰囲気がいいですね。こちらこそ長いレポ見てくださってありがとうございました。
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