ダビデはこの詩を書いた時、大きな悲しみの中に沈んでいた。彼は言う。「私は……廃墟のふくろうのようになっています。私はやせ衰えて、屋根の上のひとりぼっちの鳥のようになりました」と。彼が自らを慰め得た唯一の道は、神が立ってシオンをあわれまれるという思いであった。彼は悲しんでいた。しかしシオンは栄える。彼は打ち倒されていた。しかしシオンは立ち上がる。
クリスチャンよ。あなたの主がこの上なく愛されたものを、あなたもすべてにまさって愛すべきではないか。たとえあなたの道が暗くても、主の十字架の勝利と主の真理を伝えることによって、あなたの心を喜ばせることができないだろうか。私たちは、神がシオンのためにこれまでなされたこと、現在しておられることだけでなく、これから主の教会のためになされる輝かしい事を眺める時、個人的悩みを打ち忘れる。
信者よ。これを試みよ。あなたが悲しみのうちにあり、心が重い時は、いつでもあなた自身を忘れ、あなたの小さな心配事を忘れよ。そしてシオンの繁栄を求めるがよい。あなたが祈る時、あなたの訴えを自分の生活の狭い範囲に制限せず、困難ではあるが、教会の隆盛のために切なる祈りをささげよ。「エルサレムの平和のために祈れ。」そうすれば、あなた自身のたましいは力づけられるであろう。