(新しく来られた方のために、3年サイクルで同じ内容を繰り返します)
「幸せなら手をたたこう」という歌がありました。歌手の坂本九(故人)が歌ったこの歌は、東京オリンピックを契機に、世界中で歌われるようになりました。さて、この歌の作詞者は早稲田大学の木村利人さんで、クリスチャンです。大学生であった頃、日本のYMCAを代表してフィリピンの農村でワークキャンプに参加しました。その村は、しかし、戦争中、半日ゲリラがいるということで日本軍が村民を教会に押し込め、火を放って皆殺しにしたという村だったそうです。現地の人から次々、同じような話を聞かされた。いまだに激しい反日感情があったのです。そういう中でも、しかし聖書を読み合う仲間が与えられ、やがて、赦しの言葉を聞くようになっていったのです。すさまじい半日感情を持っていた村の人たちが、次第に心を開き、親切を態度で示してくれるようになったことに本当に感動したのです。そして思ったのは、我々はキリストにあって一つ。現在の平和の幸せに感謝し、二度と戦争を起こしてはならないということでした。たまたま、村で子どもたちが歌っていたスペイン民謡が心に残り、その曲に、詞をつけた。聖書の言葉「すべての民よ、手を打ち鳴らせ」(詩編47:1)がヒントになり、態度で示してくれた村の人たちに感謝をこめ、「幸せなら手をたたこう、幸せなら態度でしめそうよ」という詞になったのです。初めは「幸せなら祈りましょう、アーメン」という言葉もあったそうです。早稲田の学生たちが歌っていたこの歌を、新宿の歌声喫茶で坂本九のディレクターが聞きつけ、レコード化、東京オリンピックではソ連の体操チームが入場歌として使った。世界的な流行歌になったのです。平和の喜びを、態度に示すことが、いよいよ大事な時代になったと思います。キリストの言葉に「平和を実現する人々は、幸いである」とあります。木村さんやフィリピンの人たちのように、私たちも共に聖書を読み、和解に導かれ、そして、共に平和のために力を合わせる世界を作りたいと思います。