露の身や再会に見る浮き沈み
(つゆのみやさいかいにみるうきしずみ)
小学校のクラス会に参加してきました。
元気溌剌の人もあれば、既に鬼籍に入られた方、
病苦を抱えた方、介護を抱えた方など多様でした。
露の身と説きし老僧逝きにけり
(つゆのみとときしろうそういきにけり)
露の世や美女なる故の幸不幸
(つゆのよやびじょなるゆえのこうふこう)
美人薄命とも言われますから。
10月1日~10日のつぶやき句を32句にまとめました。
朱鷺戻るされど絶滅危惧の星 高齢に冷たき国や朱鷺の保護
波高き越佐海峡朱鷺渡る 青林檎木箱机に学びけり
逆立ちの空の蒼さや秋葵 微笑みににじむ人柄初紅葉
七十路の童の集ひ初紅葉 ときめきが残る齢や初紅葉
奥琵琶の静もる里や初紅葉 おやすみの里の有線虫の闇
故郷の人みな早寝虫の闇 この峠越えれば故郷初紅葉
すぐ漏れる内緒話や虫の闇 秋茄子や老いて草食系となり
秋茄子や村に嫁御がくるさうな 孫子へと継がれ糠床秋茄子
藁塚の墓碑の如くに並びけり 藁塚ややがて堆肥となるを待ち
藁塚の香に抱かれて寝る夜かな 浜菊の欲得抜きで咲きにけり
浜菊や流離の潮騒聞く如く 再会を期して別れる寒露かな
ふるさとの地酒を舐める寒露かな 再会は無きやも知れぬ寒露かな
明日あると思ふあだ世の寒露かな 笑栗や幼に戻るクラス会
笑栗の八重歯可愛ゆき少女かな 笑栗や背戸に弾ける子らの声
まだ若き嫁御の手際萩を刈る 萩刈りや黒の作務衣の修行僧
明日あると思へば萩を刈る身かな 杣道に野仏ひとつ萩を刈る