3月19日、水源地復旧作業を一応の目途を付けた事にして神事を行い終えた。まだ上流部の河床安定化作業は残っているけれど、それよりもフイールド水域の手入れを急がないとシーズンに入ってしまう。そこで春分の日を区切りとしてフイールドに戻ったのだが、その前に吐水量は把握しておかねばならないのだった。到着していの一番に吐水量を測定したら24ℓ/分であった。
この量は水源地が埋没する以前の強制排砂を行った後の数値に匹敵する。半年以上も砂礫に埋もれたまま伏流水で維持されていた送水量なのだが「よくぞ保ってくれた!」と言うのが偽らざる実感である。昨夏、8月30日以降に断水の憂き目を見ていたらようやく生息数・繁殖種数も安定してきた水域に依存する生物は無に帰してしまったいたに違いない。冷徹な分析を行えば神仏の恵み、と言うより砂礫の間が砂泥で目詰まりしなかった事とか、送水管内に泥土が詰まらなかった事とかと言えるけれど、やはりここは見えない力が働いて命の水を切らさないでくれた、と考えた方がしっくりくる。
取水升まで掘り出したものの既存の取水堰オーバーフロー部ラインまで排水路を掘り下げる事が出来ず、現在は取水堰上端面が水位なので笠型フイルターを外しても升内の砂泥清掃は困難だ。恐らく送水管口まで砂泥は達しているはずだし、送水管途中のU部分にも砂泥の沈殿はあるはずなのに水量が復活している。この理由としては水位が上昇した事で送水圧が高まった結果であると考えている。水位高低差は2割増しになっているので理由はこれしか浮かばない。まあ、人生万事塞翁が馬、吉凶はあざなえる縄の如しか・・・。孤爺の贖いは金品では不可能なので老躯に労苦を晒す事でしか達成しえないのだなあ。