先日、除伐した弓なり木の数値を出してみた。林内生育不良木の数値になる。
標本木A(写真中央の弓なり木)
樹高15m 平均直径0.13m 枝下高13m 胸高直径0.20m 樹齢40年以上だ。これを公式に当てはめ、林分形状比は115(70以下は健康、85以上は痩せすぎの判定)。木が太れるかどうか、「葉のついていない割合」は0.86で、数値が0.7を越えた。この数値を超えると、その木はそれ以上太る事が出来ないとされる。幹の断面を見ると、直径20cmの太さに年輪は40以上ある。外側に当たる三分の一は特に年輪密度が高い。20年生頃から孟宗竹による被害が明確になった。
標本木B(手前中央の弓なり木)
この写真内、3本除伐した。樹高17m 平均直径0.13m 枝下高14m 胸高直径0.2m 樹齢は50年に近い。
林分形状比130 「葉のついていない割合」0.82で、標本Aと大差が無い。年輪の様子も同じで、侵入してきた孟宗竹の席捲振りがうかがい知れる。標本A,Bの林内は、孟宗竹を全伐するまでは暗く、立ち入る隙間も無いほどの荒れ様だった森だ。この数値を見ると、回復不可能になってしまった木々は多い、と言ってよいだろう。特に標本木A林内は、写真左側の大多数が途中で立ち枯れて、除竹した後は空間が出来た。
票本木Aの区域で、九月に除伐した立ち枯れ木10数本の林分形状比は85だったが、「葉のついていない割合」は0.88だった。葉の量が無いのに、昨年の15号台風で傷められ衰弱死したのだろうと推測した。
侵入竹林の弊害が多々言われるけれど、林内作業をし数値で比較すると、驚くほどの結果だった。講釈師では、こうはいかない。余談だが、標本木Bの奥2本の除伐は「掛かり木」になってしまい難儀した。放置は出来ないから「何が何でも」当日に落とさねばならない。この二本の処理でエネルギーを使い果たした。余計な手出しをしてはいけない。