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今日の筆洗

2023年05月01日 | Weblog
 「カップ・オブ・コーヒー」−。直訳すればコーヒーのカップだが、野球界の独特の言い方で米大リーグでよく使われる。いい意味ではない▼下部組織のマイナーリーグから大リーガーに昇格したものの、振るわず、またたく間にマイナーに逆戻りする選手のこと。栄光の期間がコーヒー一杯を飲むほどの短い時間という意味なのだろう▼ありがたくない、「カップ・オブ・コーヒー」になることさえ、その選手にとっては大きな目標だったはずだ。なにせ十三年間、大リーグでの出場はなく、マイナーリーグのチームを転々として過ごした。ピッツバーグ・パイレーツのドリュー・マジ内野手。三十三歳。引退を考えても不思議ではない年齢といえる▼その夢がかなった。二十六日の大リーグの試合。代打で初出場を果たした。初打席に向かうオールドルーキーにファンが一斉に立ち上がり、大きな拍手を送る。年俸は低く、生活の苦しいマイナー暮らし。それでも、あきらめず、夢を追い続けたことへの敬意なのだろう▼良い当たりのファウルを打ったが、三振に終わる。それでも拍手が鳴りやまない。試合後、「人生でこれ以上幸せな三振はなかった」と語っていた▼努力すれば報われるとはいいにくい時代かもしれない。が、努力しなければ、報われないのは本当だろう。数えきれぬほど、コーヒーを楽しめる時間を期待する。
 
 

 


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