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今日の筆洗

2023年10月14日 | Weblog
16世紀、神学者マルティン・ルターは、買えば罪が許されるというカトリック教会の贖宥状(しょくゆうじょう)(免罪符)を批判した。教科書に載る宗教改革の始まりで、キリスト教の分派にも至る▼ルターは訴えた。「財産を使いきれないほどもっているのでなければ、その人は必要なものを家で蓄えておくべきであって、贖宥のために浪費すべきではない、とキリスト者は教えられるべきである」「贖宥を買うのは自由であって命令ではない、とキリスト者は教えられるべきである」(深井智朗訳『九五箇条の提題』)▼古今東西にあり、時に歴史も変えた宗教とお金の問題。重要な審理が日本で始まることになった▼献金被害が長く続いたとして旧統一教会の解散命令を政府が裁判所に請求した。請求が通ると、信仰は続けられるが、教団は宗教法人格を失い、税優遇がなくなる▼生活苦で教育費捻出さえ難しかったのに、親族の遺産を含め2億円近くを両親が献金したという30代女性が新聞紙上で請求を歓迎していた。これからは信教の自由を守りつつ、誰かを不幸にすること顕著な場合は社会として放置しない-。宗教との向き合い方が転機を迎えたのかもしれない▼ルターは問題提起後に論争が起こると、さらに多くの著作を書いた。考えを人々に伝えるためという。宗教のあり方を考えねばならぬのは、現代を生きる私たちも同じであろう。
 
 

 


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