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今日の筆洗

2024年05月14日 | Weblog
イソップに太陽にまつわる寓話(ぐうわ)がある。なんと太陽が結婚するという。おめでたい話に動物たちが集まり、祝いの会を開いた。夏の盛りのころという▼カエルたちもやれうれしやと踊りだす。が、中の1匹がやめろという。「お祝いしている場合じゃない。太陽は独身時代でも、水たまりを干上がらせた。結婚して似た子どもができてみろ。どんな災難が起きるか」▼幻想的なオーロラの輝き。これも太陽のなせるわざだが、最近のお天道様の様子を見ればあのカエルのように心配顔となるか。普段は北極や南極などの高緯度に出現するオーロラが世界各地で相次いで観測されている▼日本では北海道や北陸などに現れた。「低緯度オーロラ」の原因は太陽表面上で爆発が起きる大規模な太陽フレア。このところ、観測史上最大規模の爆発がたびたび起きており、その結果、オーロラとは縁なき場所にも妖しい光を届かせた▼心配は太陽フレアが地球上の磁場を乱す磁気嵐の方である。通信衛星やGPSなどに悪影響を与え、最悪、大規模な通信障害などにつながる可能性がある▼11年周期の太陽活動は来年、極大期を迎える。建仁4(1204)年、赤気(オーロラ)を目撃した鎌倉歌人の藤原定家は「明月記」にこう記した。「奇にしてなお奇なるべし。恐るべし恐るべし」。「恐るべし」の太陽フレアを警戒し、対策を強めたい。