松平健さんが歌って踊る『マツケンサンバII』の人気爆発の契機は2004年8月の神宮外苑花火大会。新宿コマ劇場での松平さんの芝居の宣伝のため、花火大会の舞台で披露することになったという▼曲はまだ、それほど有名でなかった。振り付けを考案した真島茂樹さんが先に舞台に上がって2万5千人の客に踊り方を教えた。松平さんが登場し歌うと皆が一緒に体を揺らしたという▼直後のころに松平さんが「これから大変なことになるかもしれないよ」と言い、その通りヒットしたと真島さんが自著で明かしている▼真島さんが77歳で亡くなった。かの曲で有名になり老若男女に街で声を掛けられ、幼稚園で、学校の運動会で、老人ホームで踊っていると言われた。うれしかったという。小欄筆者の同僚も職場の宴会で披露していたが、真島さんのDVDを見て練習したそう。フィーバーが懐かしい▼3歳の頃からレコードなどに合わせて踊り、家に人が集まるとショータイムと称し踊りを見せ、高校卒業後に日劇ダンシングチームに入った人。自身を「踊り子」と呼んだ。子の字に愛を感じるという。振付師といっても、自分も踊りたい。舞踏家などは芸術っぽい。難しいことを考えず楽しく踊ろうと伝えるのが踊り子で座右の銘は「一生、踊り子」▼亡くなる前日まで元気に仕事をしていたと聞く。志を遂げたのだろう。
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