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今日の筆洗

2021年05月15日 | Weblog

  動物や植物の世界には、神秘を感じさせる数字が隠れていることがある。多くの花の花弁の枚数に一致するというフィボナッチ数は、よく知られているようだ。1、1、2、3、5、8…と続き、三つ目以降の数字が前の二つの数の和になっている。不思議な数列はヒマワリの種子の並び方などいろいろなところに顔を出すそうだ▼米国の虫の世界にも、数の神秘を思わせる出来事がある。教わってもいないのに、十七年、十三年という、素数の周期で繰り返されるセミの大量発生である▼「素数ゼミ」の呼び名で知られる米国特有のセミは、各地に群れがあって、定期的に出現する。今夏は最大級の群れが十七年ぶりに、首都の周辺などに現れる年回りらしい。土から出てき始めたと報じられている。人によっては恐怖の対象のようだが、ごう音とも言われる鳴き声が響く日は近い▼素数の性質ゆえ、他の周期と重なりにくい。不思議な性質は、そこに関係しているようだ▼ネットには「子どものころのあの夏を思い出す」といった声があった。強いノスタルジーも、このセミならではであろう。十七年前の二〇〇四年は「対テロ戦」の時代か。そのころ、土に潜ったセミたちは、コロナ禍のいま地表に戻る▼気候変動による森の環境の変化も懸念されているらしい。どんな世界に見えるか。思いをはせたくなる神秘的な現象である。


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