東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2023年02月03日 | Weblog

一九七〇年代のカンボジアで極端な共産主義を掲げ自国民を虐殺したポル・ポト政権。かつてを知る大人は害悪と子どもを親から離し、集合キャンプで教育した▼読み書きは教えず反米などの政治教育に重点。「お前たちの親は本当の親ではない」と言い、真の親たる体制への忠誠を教えた。スパイとして村を歩き、親がこぼす不平不満を当局に密告する子もいたという(小倉貞男著『虐殺はなぜ起きたか』)▼話は日本の少子化対策。前身の旧民主党の政権時代に「子どもの育ちを社会全体で応援する」との理念を掲げ、家庭の役割を重視する当時の野党自民党に「ポル・ポト政権か」と批判された立憲民主党が反撃に転じている▼先の理念で始めた所得制限のない手当支給を自民に「ばらまき」と非難され、やがて所得制限は復活したが最近、自民幹部がその撤廃を唱えた▼態度一変に立民は過去の反省を求め、手当をめぐり昔浴びた「愚か者めが」というやじにも国会で言及。発言の主・丸川珠代元五輪相が記者団に「反省すべきは反省したい」と述べるに至った。立民には旧民主党の評価回復の狙いもあろう▼ポル・ポト政権の虐殺をめぐる特別法廷は昨秋まで続いた。蛮行と同種ではないが、国難の少子化への各政権の対応もおそらく歴史に裁かれるのだろう。政治家が何を語り、何をしたのかはいずれ私たちの子孫も知る。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿