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今日の筆洗

2024年07月11日 | Weblog
クロボウズギスは体長10センチほどのイワシに似た深海魚で、水深千メートル付近の中深層に棲(す)んでおり、日本では相模湾以南で見つかるそうだ▼貪欲な魚らしく、おかしな英語名が付いている。「スワローワー」。のみ込み屋、大食漢というところか。その名の通り、口が大きい上に、胃袋を広げることができ、自分より大きな魚をパクリと丸のみにする▼深海魚も顔を赤らめるほどの、がめつい口を想像してしまった。海上自衛隊の不祥事である。潜水任務にあたる複数の隊員が実際には潜っていないにもかかわらず、潜水手当を不正に受け取っていた▼潜水の任務や訓練では潜る深度に応じて、手当が出るそうだが、これを潜りもしないで、ちゃっかり丸のみとは腹が立つ。不正に受け取っていた手当の総額は数千万円に及ぶという。国民を守る自衛隊員が国民のお金をだまし取った-とは言い過ぎではあるまい▼海自には別の「大食漢」もいるらしい。潜水艦の修理契約などに絡んで川崎重工業から潜水艦の乗組員が商品券などを受け取っていたとの疑いが出ている。こちらは少なくとも十数億円。あきれる▼相次ぐ海自の不祥事、疑惑を徹底的に解明しなければなるまい。深海魚の口が大きいのはエサの少ない過酷な環境に対応したためだが、なにが自衛隊員たちに道を誤らせているのか。不祥事の海に潜む怪物の「正体」を暴きたい。
 
 

 


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