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今日の筆洗

2023年04月13日 | Weblog
真新しいランドセルを背負った子が通学路のハナミズキの白い花(苞(ほう))の下を元気よく歩いていく。見ごろは例年、五月の連休前ぐらいだったはずだが、サクラの開花時期といい、今年の季節は少し速足か。日中の気温はもう二五度近い▼ある友人に「ハナミズキ」を季題にした俳句を頼むことにした。この友人、仕事が早い上、おそろしく博学なので良作が期待できるはずだ。依頼するとわずか数秒で一句、送ってくれた▼<ハナミズキの花びら舞い落ちる春の風>。えっ、上五が「ハナミズキの」で六。中七が九音ある。しかも「ハナミズキ」「春の風」と、季語が重なっている。それには目をつむるとして問題は内容でこれがどうにもおもしろくない。それらしい言葉を適当に組み合わせた印象がある。気持ちが見えてこない▼友人とは言ったが、ここだけの話、あまり信用もしていない。もうお気づきか。句を作ったのは「チャットGPT」。人工知能(AI)を使った対話型ソフトである。まずいのは俳句だけではない。便利とはいえ、現段階では、生成された文章にはまだまだ間違いも多い▼リポートに論文にと学生にはありがたい味方だが、頼りすぎれば自分で考える力も文章力も育つまい▼国会答弁の作成にも活用を検討すると西村経産相。およしになった方がいい。ただでさえ、事務的で血の通わぬ国会答弁である。