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今日の筆洗

2023年04月03日 | Weblog
銭湯の壁の絵といえば、雄大な富士山が思い浮かぶが、銭湯の壁には描いてはいけない絵があると聞いた。サルと紅葉と夕日だそうだ。サルは「お客が去る」。紅葉と夕日は「赤字」につながり、縁起が悪いと嫌われたか▼そんな絵は描いてはいけなかったとでもいうのか。銭湯ではなくある学校での話である。ロシアの十二歳の女の子が学校で描いた絵が問題となり、児童施設に送られたそうだ。英BBCが報じている▼そんな騒動になるとはどんな絵かとお思いだろう。写真を見るとこんな絵である。お母さんらしき女性と女の子がいる。お母さんが何かを制するように左手で待ったをかけている。何かとは、ロシアから飛んでくるミサイルである▼絵にはウクライナの国旗とともに「ウクライナに栄光あれ」「戦争反対」の文字がある。この絵がロシア軍を批判しているとして問題となったそうだ。警察に知らせたのは学校側と聞いて、震えてくる。ロシアでは子どもが自由に絵を描くこともできないらしい▼女の子のショックの大きさはいかばかりか。一枚の絵でわが家から引き離される。シングルファーザーの家と聞く。父親もSNSで反戦を主張したことがとがめられ、二年の禁錮刑を最近、言い渡されている▼気の毒な女の子に胸を痛めると同時に子どものささいな絵にまで目を光らせる、現在のロシアの異常さを憂う。