スズメほどの大きさで町中でも見掛けるシジュウカラにはどうも「おしゃべり」という印象がある▼漢字では四十雀と数字を当てるが、柳田国男の「野鳥雑記」によれば、その呼び名の由来には「始終」鳴いているから、という説もあるそうだ▼野口雨情の「おしやべり四十雀」(一九三三年)。<山でカラカラ カラカラ おしやべり 四十雀><ピーピー カラカラ カラカラ ピー カラカラ ピー>とにぎやかである▼さすが「話し好き」の鳥、と納得する最近の研究である。総合研究大学院大の鈴木俊貴研究員によると、シジュウカラには、複数の「単語」を組み合わせた「文」をこしらえ、情報を伝える能力があるそうだ。最近の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された▼チンパンジーなどでも確認されていない能力という。警戒せよ、を意味する鳴き声の「ピーツピ」と集合せよの「ヂヂヂヂ」。これを聞くと鳥たちは警戒しながら集まるが、後先を変え「ヂヂヂヂ」「ピーツピ」では反応しない。単語だけではなく、語順を含む、「文」を認識している証拠という▼人が言語を手に入れた過程を解明する可能性もある研究。ついては極端に短く貧しき「文」が横行する原因も分からぬか。「そうでしょうね」を「ジャネ」と平板に発音し、憚(はばか)らぬ世間である。あの鳥は「ピーツピ」と鳴いていまいか。